藍原延珠が転生(と言う名のやり直し)をして里見蓮太郎の正妻になる為に色々と頑張るお話 作:安全第一
しかし実習記録を終えていない現状。
面倒臭いけどやらなきゃ〜(泣
今回は蓮太郎視点です。
此処で原作と違う点を一つ。
原作では蓮太郎の天童式戦闘術の階級は初段ですが、ここでは四段になっています。
ではどーぞー(・ω・)ノ
SIDE:里見蓮太郎
俺の名は里見蓮太郎。勾田高校一年の十五歳だ。現在は木更さんについて天童家から出奔して天童民間警備会社を設立している。
俺はその社員として最近IISO機関にプロモーターとして登録したばかりの新米民警だ。ペアは決まっていないが、恐らく序列は十二万台……、まあ民警のペア数が十万以上だと分かっていてもちょっとヘコむな。
しかし序列が十二万台だとしてもそれなりの大立ち回りは出来ると自負している。
幼少の頃から天童家の道場で天童式戦闘術を習得しているんだ。……階級は四段だけど、そんじょそこらの民警とは同じにしては困る。
とはいっても、慢心してしまえば足元を掬われる。他の民警を見下すつもりも無いし、これからも精進して行こうと思う。
それはそうとして。ある日、IISO機関の東京支部から招集が掛かった。電話の内容では、とあるイニシエーターが俺とペアを組む為に会う日だと伝えられた。イニシエーターの名は匿名だったのでそれが誰だか分からなかったけどな。
俺は思わず首を傾げたが、ふとカレンダーを見ると今日はそのイニシエーターと顔を見せ合う日だった事を思い出した。そういえば以前からそういう話をしていたな。
もうこんな日だったのか、と俺はそう思って準備をし始めた。忘れていた訳じゃ無いが、記憶の隅に留めていた程度だったからあまりピンと来ていなかった。
そして準備を済ませ、そのイニシエーターとペアを組む為に自転車でIISO東京支部へと向けて漕ぎ出した。
あれから一時間かけてIISO東京支部へとやって来た。俺が今住んでいる場所から結構離れているから大分時間が掛かってしまった。……もう少し近くのアパートに住んでいても良かったのかも知れない。
IISO東京支部の入口には職員が待っていた。その人は見た目からして誠実な身なりをしていた。
「お待ちしておりました、里見様。私は
「わ、悪い。家から結構離れていたもんだから時間が掛かっちまった」
「いえ、里見様のお住まいから此処まで距離が空いている事は承知済みでしたので、どうぞお気になさらず」
「あ、ああ……」
「では、こちらへ。里見様をお呼びしたイニシエーターの下までご案内致します」
そう勒乃さんが言い、中へと案内してくれた。見た目や言動から本当に誠実な人だと思った。
通路を通っていると、俺はそのイニシエーターの名を聞いていなかった事を思い出し、勒乃さんに尋ねた。
「そういや勒乃さん、俺と組むイニシエーターの名前を知りたいんだが」
「おや、そういえばお相手からは匿名希望でしたので伝えられていませんでしたね」
勒乃さんは納得がいったような感じでそう応えた。
「これからお互いに顔を見せ合うのに名前を知らないのは流石にいけませんね。匿名希望でしたが、ご本人からは里見様を此処へ招集した際には伝えても宜しいとの事でしたので……」
そう言った勒乃さんは懐から書類を取り出し、俺に渡した。
「これが里見様のイニシエーターとなるお方の詳細でございます。ですが開示されていない情報もございますので悪しからず」
「ああ、どうも」
書類を受け取り、俺はその内容を拝見。どんなイニシエーターが俺と組むのだろうか。そんな気持ちで最初は名前を見る。
「……なん……だと……!?」
その瞬間、俺は驚愕した。
思わず俺は勒乃さんに問い掛けた。
「お、おい! 勒乃さん! このイニシエーターって……!」
「何か不都合でも?」
「いや、どう考えてもおかしいだろこれ! 相手は超高位序列者、俺はなりたての新米民警なんだぞ!」
「確かにご冗談だと思われるでしょう。ですが、これは紛れもない事実です。彼女は里見様とペアを組む事をご所望されております」
藍原延珠
IP序列三位
二つ名:『
生態が確認されている十一体ゾディアックガストレアの内、『
序列は聖天子と延珠本人の都合上、三位となっている。
ガストレア総撃破数:五十九万八千四百二十七体
書類には以上の事が記されていた。
藍原延珠。民警ならその名前を知らない奴はいない。
その中で彼女についての逸話が幾つか有る。
曰く、ガストレア戦争時から活躍していたとか。
曰く、序列一位と二位の間には隔絶とした戦闘能力が有るとか。
曰く、序列一位の上には更に序列が有り、彼女がそこに君臨しているとか。
曰く、徒手空拳だけで無く、銃火器をぶっ放す事も有るとか。
この逸話はほんの一部だが、これだけでも十分ヤバイものばかりだ。
そんな彼女が俺とペアを組みたいと言っているのだ。正直言って訳が分からなかった。というか誰が予想出来るかこんなもん。
彼女が俺のイニシエーターになるという事実を知り、俺の背中は何処と無く重くなった気がした。何せ史上最強のイニシエーターが俺と組むんだ。寧ろプレッシャーを感じない奴の方が異常だ。
しかし序列三位の彼女の請け負っている任務の内容はどんなものなのだろうか。超高位序列者だけあってその内容も過酷なものばかりなのかも知れない。
相手になるガストレアも最低でも恐らくステージIII以上だろう。ステージIでも油断すれば死にかねないのに、彼女はもっとヤバイ奴らを六十万体近く斃している。
もしかすると俺の民警としての初任務が命日かもなぁ……
「着きました。今から延珠様をお呼び致しますので、この待合室でお待ち下さい」
「……分かった」
俺がそんな事を思っていると、勒乃さんにこの待合室で待つように言われた。
「……はぁ」
待合室の長椅子に座ると、俺はため息を吐いた。まさかこんな事になるとは思ってもみなかった。
「藍原延珠……か」
書類の写真を見てみると、にっこりと咲いた笑顔でVサインをした姿が写っている。呪われた子ども達の中でこんな笑顔を見るのは初めてだ。
呪われた子ども達の大抵は笑顔を失った子どもばかりだ。だから民警の大半はイニシエーターを道具扱いにしている。
俺も奪われた世代の一人だ。幼い頃にガストレアに両親を奪われ、木更さんを守る為に身体を張って右腕と右脚を奪われた。
だから一時期は呪われた子ども達を恨み、憎んだ事も有る。その時は民警になったら呪われた子ども達を道具扱いにして使い潰してやると思った事もあった。
だけどその考えは少しすればすぐに消え去った。それにはあの藍原延珠の存在があったからだ。
当時、アメリカ合衆国のモノリスに約十万体のガストレアが侵攻する大規模な事件があった。数々のガストレア専門家や四賢人の一人で俺の古くからの知り合いである室戸菫先生も『大絶滅』は確実だと結論を出した程だ。恐らく現在序列一位のペアが出撃しても生き残る可能性は低い。但しゼロじゃないらしく、精々三十%程らしい。流石は序列一位って所か。
そんな『大絶滅』確実と言わしめたそれを簡単に覆したのがあの藍原延珠だった。
彼女が出撃してものの数分で十万体のガストレアが全滅したと聞いた時は思わず耳を疑った。有り得ないとも思った。
しかしそれは菫先生からアメリカの大地の一部を消滅させた事実を聞き、その衛星写真を見せられた瞬間に肯定せざるを得なかった。
だが同時にアメリカ合衆国のモノリスに居た者達から感謝の声が絶えないと聞き、俺の価値観は変わった。
恐ろしいとは思うし、世界中の大人から恐れられている声も少なくない。けど、彼女は世界各地のモノリスへ赴き、復興支援や呪われた子ども達へ大量の食料と侵食抑制剤を配布している活動の方が多く、世界中から慕われている声も多いと聞いた。
俺にはそこまで多くの呪われた子ども達や人間を救う事なんて出来ない。精々指で数えられる程度の人しか守れないと思う。だから素直に凄いと思った。
藍原延珠も呪われた子どもだ。なのにそんな事はお構いなしに沢山の人々を救っている。奪われた世代の大人達も、呪われた子ども達も、無垢の世代の子ども達もみんな全て。
それに比べて俺は何だったんだろう。ただ呪われた子ども達を恨み憎む為に生まれて来たのか?
違う。そんな事の為に生まれて来たんじゃねえ!
だから俺は自分を恥じた。情けないとも思った。呪われた子ども達も俺達と同じ『人間』なんだ。それを助けないで何が人間だと恥じた。
そして、その時から俺は一から己を磨く為に鍛え始めた。
天童式戦闘術を学んだのも、呪われた子ども達を守る力を手に入れる為だ。だから最初に言った通り、大抵の大立ち回りは出来ると自負している。
勿論、藍原延珠のように世界中の人を救う事は出来ない。俺はスーパーマンとかヒーローじゃねえから世界中の人を救うなんてでけぇ事なんて言えねぇ。
だけど両手で抱えられるだけの人を救えればそれで良いなんて言えるほど控えめな人間でもねぇ。
それに呪われた子ども達を差別する奪われた世代の大人達を救うなんてとてもじゃねぇが無理だ。一時期呪われた子ども達を恨み憎んでいた俺が言えるセリフじゃねぇけど。
それでも呪われた子ども達だけは救いたい。その意思は変わらねぇ。
「……よしっ」
パチン、と両手で頬を叩き気を引き締める。
体に鞭を打ってでも着いて行ってやる。俺が憧れた藍原延珠に追い付く為に。
……待てよ、そういえば逸話の内容ではガストレア戦争の時から活動していたんだよな?
なら俺より……年上!?
呪われた子ども達の最初の世代は十歳の子どもだ。それより年上の呪われた子どもがいるなんてどう考えても有り得ねぇ。
けど、ガストレア戦争が始まる前から呪われた子どもがいてもおかしくねぇし……。
じゃ、じゃあ敬語で接するべきか……? いやいや、年上の大人に敬語なんて使わなかった俺がそれを言うなんて無理があるぞ!?
せ、せめて接しやすい言い方でやるべきか……?
ガチャ
「失礼しまーす……」
「!?」
俺がどう接するか四苦八苦していると突然ドアノブが回され、そこから女の子が恐る恐る入って来た。
その外見は美少女と言っても良い十歳の女の子だった。年上らしいからてっきり大人の外見をしているかと思ったら違うようだ。
とりあえず、当たり障りが無いように話し掛けるか。
「えっと、君が俺のイニシエーターになる藍原延珠で良いんだよな?」
俺がそう話し掛けると彼女は驚いたような表情をした。俺は何故驚いているのか分からなかったがすぐにそれは消え、こちらに微笑みながら応えた。
「うん、私が藍原延珠だよ。これからよろしくね、蓮太郎」
「!?」
今度はこちらが驚かされる番だった。その微笑みはまるで女神のようで、一瞬ドキッとさせられた。
あ、危ねぇ……! 下手したら惚れちまう所だった……!
……待て、俺はロリコンじゃねえぞ!? 間違ってもロリコンじゃねぇからな!? 誤解するなよ!?
「……あ、あぁ。これからよろしくな、えーと……」
「延珠で良いよ。私も蓮太郎って呼ぶから」
「お、おう。じゃあ改めてこれからよろしくな、延珠」
「うん、これからよろしくね。蓮太郎」
そう会話を交わした俺と延珠は互いに握手をした。
だけど、延珠の微笑みには終始ドキドキさせられっぱなっしの俺だった……
いや、だから俺はロリコンじゃねぇからな!?
───これは、これから掛け替えの無い相棒になる彼女を愛する最初の出来事。
蓮太郎はロリコンだったのだよ……(合掌
実習中にて、とある先輩との寸劇。
タイトル:名刺交換
作者「oh、デュクシデュクシデュクシ☆」(名刺を渡す)
先輩「ohoh、パンジェンシパンジェンシ」(名刺を受け取る)
先輩「パンジェンシパンジェンシパンジェンシパンジェンシ〜」(こちらも名刺を渡す)
作者「オッオッ、デュクシデュクシデュクシデュクシ★」(名刺を受け取る)
作者「デュクデュクシ★」(手を差し出す)
先輩「パンジェンシパンジェンシ☆」(こっちも手を差し出す)
作者&先輩「ohohoh、セイセイセェ〜イ★」(握手する)
……なんだこれ(錯乱