トリコの力を持って戦国乙女の世界に転生したぜ!? 作:Z/Xプレイヤー26
悠哉は早朝に村を出た…悠哉を泊めてくれた村人は悠哉を理解してくれたが、他の村人は悠哉を気味悪がっていたからである…このままでは、あの村人に迷惑がかかってしまう…そんな考えで悠哉は誰にも気付かれない内に村を出た…
『にしても…山を越えるのは辛くは無いが…やはりトリコと言えば、料理人だよな…俺も料理が出来ない訳じゃ無いが…やはり食材も美味しく調理して欲しいよな…』
等と考えながら山道を進んでいくと…
殺気か…?いや、ただの視線だな…振り切るとしよう!
『山道でマイナスイオン吸収しながら走るのは良いかもな!!』
そんな独り言を言いながら、走り出す悠哉
視線は…付いてきているな…中々の速さだ…さて…ここで一気に振り返れば…
『さて…顔を見せて貰おうか…』
一気に振り返ると、双剣を持った、眼帯をした女性が居た…
『ッ!?いきなり振り返るとは…想定外だった!!』
『コソコソと…武器まで出して、何の用だ?』
拳を握る悠哉
『我は伊達マサムネ…剣の修行の旅をしている者だ…』
伊達マサムネ…確か、渾名は独眼竜…だったか…?にしても…
『…女?』
『確かに我は女だが…何か可笑しいか?』
可笑しいか…じゃなくてだな…独眼竜が女か…転生先だし…普通の戦国時代な訳無いか…
『いや、何でもねえよ…』
『そうか…ならば、手合わせ願えないか?』
マサムネが双剣を構える
『何でだよ…理由は?』
『貴殿がかなりの強者だからだ…』
成る程…修行の相手にするつもりか…
『断る、俺に…利益が無いからな…』
『我では相手にならない…と?』
めんどくせえタイプだな…
『俺は人には基本的に手を出さない…喰えないからな…喰わないなら命は奪わないし、極力戦わない…』
少し不思議そうにするマサムネ
『食事が大事なのか…?』
『食事は大事だろ…命を食べて、自分の命を長らえている…だから、命を奪う事に関しては…覚悟がいるんだよ…』
頷くマサムネ
『成る程…それが貴殿の矜持なのだな…』
『そういうこと…だから人には極力手を出さない…飛びきりの…命を粗末にするやつは別だがな…』
双剣を仕舞うマサムネ
『分かった…ならば、貴殿の強さの理由を…教えてくれないか?
俺の強さの理由…まさか転生したから、なんて言えねえな…
『まあ、食材に、命に感謝して生きれば強くなるんじゃないか?少なくとも、俺はそう信じているからな…』
考え込むマサムネ
『考えた事も無かったな…食材に感謝か…命を無闇に奪おうとは思わないが…調理した食材にそこまで敬意を表した事は無かったな…』
『まあ、普通の奴はそうだよな…てか、お前…料理出来んのか?』
自信ありげに話すマサムネ
『ふふふ…驚いたか?私は剣捌きはまだまだ修行の身だが…包丁捌きは一流だと自負している!!特に魚料理は得意だ!!』
マジか…イメージと違いすぎんだろ…だが…これは面白いかもな!!
『そこまで言うなら、お前の包丁捌き…見せて貰おうか…』
持っていた鞄から包丁を取り出す悠哉
『これは…中々素晴らしい包丁のようだな…』
『今から俺が魚を獲ってくる…その魚を捌いて、俺を満足させてくれる料理を作れたら…修行に付き合ってやる…どうだ?やるか…?』
頷くマサムネ
『当然だ…私は魚料理だけは、誰にも負けない!!』
すげえな…プライドが高いのか…熱意が強いのか…どのみち期待が出来るな…
『よっしゃ…少し待ってろ…今から獲ってくる!!』
30分後…
『沢山獲れたぞ…大丈夫か…?』
平然と答えるマサムネ
『大丈夫だ、問題ない…』
それはフラグだ…マサムネ…
マサムネが包丁を手に持ち、調理を開始する…
すげえな…流れるように行程をこなしている…無駄な動きが無い…
『何故だ…何処を切れば、上手く切れるかが分かる…今までは、慣れで切っていたのに…』
『それが食材に感謝するって事だよ…そして感謝された食材は答えてくれる…らしいぜ?』
『らしい…とは?』
苦笑いする悠哉
『それを食材の声って言うらしいんだが…選ばれた料理人だけしか聞こえない…云わば、食材に好かれる才能みたいなもんだな…』
『食材に好かれる才能…分かった…お前たち…今すぐに美味しく調理してやろう!!』
更に早い速度で調理をするマサムネ
『出来たぞ!!』
出された料理には、捨てる部分が一切無いような形になっていた…
『ほう…食材の無駄を無くしたか…』
『感謝したならば、無駄な部位等無い!!』
確かにな…これは美味そうだ…では…
『この世の全ての食材に、感謝を込めて…頂きます!!』
物凄い勢いでマサムネの作った魚料理を平らげる悠哉…そのお味は…
『うめえ…』
涙を流しながら食べる悠哉、そして全ての魚料理が無くなる…
『ご馳走様でした!!』
緊張の表情のマサムネ
『どうであった…?』
悠哉は深く目を閉じて…
『美味い…この一言しか出てこないな!!』
満面の笑みのマサムネ
『ならば…!!』
『当たり前だ…合格だ!!食材の声を聞けるやつを…不合格なんかにはしねえよ!!約束通り、修行に付き合ってやる!!』
『本当か!!』
そこまで喜ぶとはな…そんなに強くなりてえのか…そこまでして倒すべき相手か…
『し、しかし…そんなにも…我の料理は美味しかったか…?』
『おう!!あれだけ美味い魚料理は初めて食べたぜ!!』
『そ、そうか…ならば…こ、これからも宜しく頼む!!』
何かさっきよりも勢いが無いが…まあ、いいか?
『自己紹介が未だだったな…今更だが俺は遊佐 悠哉だ…宜しくな、マサムネ!!』
『悠哉か…分かった!!』
さて、修行に付き合うにしても…先ずは足利ヨシテルだな…
『マサムネ…とりあえず、京の都へ行こうと思うんだが…どうだ?』
『京の都か…丁度良い…少し前から、京の都から悪き波動を感じるのだ…』
悪き波動…?なんだそれ…マサムネって案外…中二病か…?
『ま、とりあえず行くか!!』
『ああ!!』
悠哉の仲間に…あの独眼竜の伊達マサムネが加わった…何故か女性ではあるが…
双剣だと、モンハンのイメージが強いなぁ…