トリコの力を持って戦国乙女の世界に転生したぜ!? 作:Z/Xプレイヤー26
(さてさて…松永やら、ニトロやらでうやむやになっていたあの二人の修行を見てやらないとな…)
ニトロ討伐にかなりの時間を要した為、レベルアップは急務であった。
「てな訳でだ…とりあえず、ヨシテル!!錘を外して良いぞ」
「どう言う訳か分かりませんが、貴方がそう言うなら外しましょう…ようやく修行の第一段階が終了…で、良いのですか…?」
(言えない…実はかなり前から終了しても大丈夫だったなんて、言えない…)
自分の過失をスルーする、悠哉であった…
「まあな…で?外した感覚はどうだ?」
「ありきたりですけど、身体が軽いですね!!」
(身体が軽いか…実際は結構筋肉が増えて体重は上がってるんだよな…まあ、言わん方が良いだろうけどな)
体重は女性に対しての、最大の禁句である事を悠哉は知っていた…
「悠哉…私の座禅はもう良いのか?」
(マサムネも十分だろうな…それにしても…)
悠哉はマサムネの発言に疑問を感じていた、それは…
「お前、自分の事を『私』って言ったか?この前まで『我』じゃなかったか?」
(記憶違いじゃ無ければな…)
「ああ、ある程度、私の好感度が上がると変わるんだ」
某ゲームシステムの様な発言に対して悠哉は…
「それは、なんてギャルゲだよ…」
ある意味当然の反応をした。
(全員首を傾げて『ギャルゲ?』と言っている…実際お前らギャルゲにいそうだぞ?)
「まあ、関係無い話は置いとくが、お前ら二人の修行の成果を見せて貰うぞ…」
「いきなりですね…で?どうするんですか?」
「それはな…」
――――――――――――――――――――――
(マサムネとヨシテルが冷や汗をかいて立っている…そんなに酷いか?『俺と闘って、俺に傷を付けろ』って…)
実際、悠哉に傷を付けるのは、子犬がライオンに傷を付けろ、と言っている様な物である、それを知っている二人は…
「大体!!座禅だけで悠哉に傷を付けれる程強くなれる訳が無い!!こんなのは無理だ!!」
「私もそう思います…確かに腕力は付いたかも知れませんが、貴方に傷を付けれる程では…」
絶賛拒否キャンペーン実施中である…
(ふむ…まあ、その疑問も尤もだな…こう言う場合は、やってみなきゃ分からんのだがな、修行の成果は)
「そう言わずにやれよ、子供じゃ無いんだからよ…」
「無理だ!!」 「無理です!!」
(そんなに俺と闘うのが嫌か…?仕方無い…やる気を出すには…何か褒美でもやるのが得策か?)
飴と鞭は、本来はかなり有効な物であったが、今回は有効過ぎた…
「仕方ねぇ…俺に傷を付けたら、何かしら褒美をやろう…俺が出来る事なら『なんでも』してやるぞ?」
(そう言った瞬間、ヨシテルとマサムネの眼に…光が宿った…あれ?何か地雷踏んだか?)
「ふふふ…悠哉に…『なんでも』ふふふ…ふふふ…」
(マサムネ怖えぇ!?何だ!?身体中から、嫌な汗が出てくる!?)
「遊佐殿…今、『なんでも』って言いましたよね…?絶対ですよ…?」
(だから何でそんなに怖いんだよ!?)
謎の気迫に、恐怖を覚えた悠哉であった…
「物凄いやる気じゃのう…」
「怖いですね~」
「……………なんでも…ゴクリ…」
ノブナガとヒデヨシは全くの他人事…ソウリンは妄想の世界へ…そして、ミツヒデは…
「ヨシテル様…一体何をさせるおつもりなのか…」
ヨシテルの行動に不安を覚えていた…
「良し!!始めるぞ!」
悠哉の合図に反応して、構えるヨシテルとマサムネ…
「さて…どっちから仕掛けて来るか…」
先に仕掛けたのは、マサムネだった…
「伊達マサムネ…参る!!」
マサムネが正面から一直線に突っ込んで来る、以前の攻撃よりも遥かに速い一撃だった。
(何故だ!?ただ座禅をしていただけなのに…動きやすい!!)
しかし、速くなった攻撃も悠哉に回避されてしまう。
「動きやすいって思ったか?」
「心が読めるのか…?」
思っていた事を言われ、マサムネに動揺による隙が生まれた。
「隙アリってな!!」
マサムネの脇腹に打撃を入れる悠哉、マサムネは5メートル程後方に吹き飛ばされた。
「誰が修行をしてると思ってんだ?修行の効果くらいなら読める… 」
「隙があるのは貴方の方です!!ハアッ!!」
(マサムネに気を取られている隙を突いて来たか…戦術的にはアリだろうけどな…)
「隙を狙うなら、確実な隙を狙え!!その程度なら反応されるぞ!!」
ヨシテルの剣を難なく避けると、マサムネと同じく、脇腹に打撃を与えた。
「はい2コンボ…お前ら、特にヨシテル!!自分の利点を生かせよ!!そんなんじゃ、鬼丸国綱は扱えないぞ!!」
(まあ、竜王の牙を使った刀を使いこなせって方が難しいが、ヨシテルには素質がある…何より…)
「お前の意志はそんな物か!?民を救うんだろ!!刀1つ使いこなせないで何が人を救うだ!!」
(少し厳しいが仕方無い…生半可じゃ不可能だからな)
「私の想いは…私の意志は…こんな事で、挫けたりしません!!」
「ヨシテル殿…私も…負けてはおれぬ!!ヨシテル殿!!参るぞ!」
マサムネとヨシテルが悠哉に向かって得物を向ける…
「来いよ!!この一撃を受けきれるならな!!」
悠哉は足に力を集中させた…鋭い刃物のような殺気を放っている…
「レッグ…ナイフ!!」
悠哉のレッグナイフがヨシテルとマサムネに向かって飛んでいく。
「雷光一閃…」「双竜…」
二人は自分の出せる最大の技を『合わせて』出した。
「雲切り!!」「連斬!!」
二人の攻撃が合わさり、レッグナイフと激突した。
「すげえ威力だな…レッグナイフよりも…強い!!」
その言葉通り、レッグナイフを破壊し、二人の合体技は悠哉に向かって行った。
(…………まあ、合格か?フォークアーマーを使えば無傷で済むが、やめとくか…)
悠哉はその攻撃を正面から受けた、そして悠哉の頬に3つの連なる傷を付けた…
「やりましたか!?」「やったか!?」
「…………折角、合格なのにフラグ立てるなよ、台無しだよ!!」
全員フラグの意味が分かって居なかったが、二人の攻撃はかなりの威力だったにも関わらず、平然としている悠哉に驚きを隠せなかった…
「全員何ポカーンとしてるんだ…?合格だぞ?喜べよ!!」
(合格…ですか…ここまで力の差があるのに合格と言われても、嬉しくはありませんね…もっと強くならねば!!)
(くっ…私一人では…傷1つ付けられないとは…まだまだ修行をしなくては…)
二人は力の差を見せ付けられながらも、心の中で一層の奮起を誓っていた。
「さて、お前たちの言うことをなんでも聞いてやる…言ってみろ…」
(正直怖いが…仕方ねえ…約束だしな!!)
悠哉、現在、恐怖の、どん底。
「では…まずは私から…悠哉!!」
マサムネの叫びにビビる悠哉!!
「お、おう!!」
「私の修行をこれからも宜しく頼む!!以上だ!!」
「………ひょ?」
予想外のマサムネの発言に、間抜けな声を出す悠哉…
「えっと…それだけか…?」
悠哉の質問に頷くマサムネ。
「ああ…私がもっと強くなって…悠哉と肩を並べる程になってから、本当の願いを伝えよう…」
「お、おう…分かった…」
(よう分からんな…)
「それでは…次は私ですね…」
悠哉の恐怖の時間はまだ終わっていない…
(さあ…何が来る…?)
悠哉は生唾を飲み込んで身構えた…しかし、ヨシテルからのお願いは、意外な物だった…そして、そのお願いに一番反応したのは…ミツヒデだった…
「私の弟と…会って欲しいのです…!!」
ヨシテルの弟に会って欲しいとは!?次回に続く!!
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