ブラック・ブレット 双子のイニシエーター   作:ユウジン

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L 11 エルエルフ様からの希望です。


デート?

優磨は勾田病院の前に居た。

タバコを吸いながら待ち合わせに居るのだが……

 

「うーん……」

 

優磨は考える。それは一週間前……

 

 

 

 

 

【おーい優磨くん。来週の日曜日遊びにいかないか?】

「はぁ?」

 

家で夏たちが延珠と遊びにいくと出ていった後に電話が来た。まあ菫からだ……

 

「まさか死体運びの手伝いか?」

【おいおい、それは遊びにいくとは言わないだろう?】

 

いや、菫なら言う……

 

【純粋に遊びにだよ。問題あるか?】

「いや、問題はないけど……」

【そうかい?じゃあ一時に勾田病院の前で待ち合わせだ】

「夜の……ではないよな?」

【君は私をなんだと思ってるんだい?13時だ】

「お、おう」

【じゃあ夏ちゃんたちには内緒だよ?】

「え?夏たちも一緒だとダメなのか?」

【ダメだ】

 

そう言って電話が切られた。

 

「遊びにねぇ」

 

と言うか見た感じはデートだろうと思うがまさか菫が自分とデート目的で誘うわけはないと優磨は笑うと大方何か悩みでもできたかと考えた。

しかし大学時代のマドンナ(顔はよかったし昔はあそこまで性格がネジ曲がってなかったため菫はモテたのだ)と遊びにとは……

 

(いや~大学時代モテなかった分嬉しくないもんでもないね)

 

優磨はカラカラ笑いながら片付けを再開した。

因みに優磨はモテなかったわけではない。顔がイケメンだし面倒見は昔から良かったしモテた。盛大にモテたが優磨が全く相手の好意に気づかなかったのだ。更に途中からは楓とつるみ出して二人が意識してるのが丸わかりだったため女子が寄り付かなくなったと言うのが正解である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーん……」

 

だが悩みとはなんだろう……と言うか菫が悩み相談とか余り似合わない。すると、

 

「すまない。待たせたね」

「え?」

 

周りがざわついた。そりゃそうだ。

現れたのは美女……服装は白のワンピースにカーディガンを羽織り下には柔らかいロングスカート……髪は後ろで縛ってある。

 

「お、お前……」

「ん?」

「頭どこかに打ち付けたのか?」

「喧嘩売ってるんだね?そうなんだね?しかも大安売りだね!?」

 

菫のコメカミに怒りマークが浮いた。

 

「だってお前そんな普通の服って……」

「そりゃあ君と出掛けるんだからこういう服を着るに決まってるだろう?」

「……………」

 

少しキュンと来た。我ながら乙女か……?

 

「さ、行こうか」

「どこにいくんだ?」

「見たい映画があるんだ。行こう」

 

菫に手を引かれ優磨は歩き出す。その後に後悔した……凄く派手なグロ映画だったからだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おや?食べないのかい?」

「食えるか!」

 

映画の後は昼飯を食べに来た……内容はステーキ……菫はパクパク食べてるが優磨は先程の映画の為か食欲はない。

まあ、開始三秒で内蔵が飛び出し平均一分後とに血と手足が吹っ飛ぶあの映画……

 

「うぅ……」

 

しかも周りの目が痛い。菫は元々誰もが目を引く美女だ。その菫がおしゃれをして先程気づいたが薄く化粧もしている。そんな美女がいれば男は皆その女を見るだろう。優磨が居なかったら恐らく何度かナンパされてる。

 

「で?本当は何だったんだ?」

「本当に遊びたかったんだけど?」

 

優磨は頭を掻く。本当なのだろうか?どうも疑ってしまう。

 

「さて次は……」

「元気だなー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから二人は服を見たり……

 

「似合うかい?」

「お前元の顔が良いから大概似合うけど……こっちの方がいいんじゃないか?」

 

優磨が縹色の羽織ものを見せる。

 

「相変わらずそういうセンスは良いねえ」

「そうか?」

「ネーミングセンスは壊滅的だけどね」

「ぐはぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「~♪~♪~♪~♪~」

「君意外と歌がうまいんだよねぇ」

「それほどでも無いぞ?」

 

カラオケで歌ったり……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「次はこれ行こうか」

「これやるには俺たち歳いってねえか?」

「平気平気」

 

優磨は菫にプリクラ機に入れられる。

 

【はい、笑顔で~】

 

写真を撮り終え絵を描く。

 

「優磨くんには髭でも書いてやろう」

「なぬ!」

「そう言えば君余り髭濃くないよねぇ」

「まあな。よし、菫にはちょん髷でも……」

「女の頭にそんな落書きするんじゃないよ !」

 

菫に頭を叩かれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グ~zzZ」

「…………」

 

夜……優磨は寝ていた。とはいえここは家ではなく菫の研究室なのだが酒にはメタクソ弱い優磨である。ワイングラス一杯、ビールコップ一杯にましてやウィスキーなんぞ飲んだらどんなに薄めていたってぶっ倒れる。

それくらい優磨は酒に弱いため弱いお酒をジュースで限界まで薄めて舐めるように飲んでいたがあっという間によって寝てしまった。

 

「普通飲んで寝るのは女の方だろうにねぇ」

 

菫は苦笑いする。

 

「そう言えばしきりに何で遊びに誘ったか気にしてたねぇ」

 

そう言うと菫は優磨に近づく。

 

「君がまだ楓ちゃん好きなのは知ってるしねぇ……それでもやっぱり……」

 

君と二人で居たかった……ただそれだけではいけないかい?

 

「ふふ」

 

チュッと優磨の頬に菫は口付けした。

 

「今回はこれくらいで勘弁してあげるよ」

 

まあ次酔って倒れたら操の安全は約束しないけどね。

ククク……と菫は笑うとグラスのお酒を飲み干した。


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