ブラック・ブレット 双子のイニシエーター   作:ユウジン

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櫃間処刑の日……
ちょっとグロ注意です。


第34話

「二人は永遠の愛を誓いますか?」

『誓います』

 

櫃間はニヤつく顔を押さえるのに必死だった。だが本当の目的は木更を使って天童を潰して貰う。だが同時に木更を好きにできるのだ。

ジュルリ……と内心舌舐めずりする。今夜は初夜だ。櫃間が頭に描いてることは詳しく書けばR15では無くR18の方に投稿せねばならなくなるため割愛させていただくが少なくとも16の女子で想像するには少々ドン引きしてしまう。

 

「では最後に櫃間さん……」

「はい」

 

ついに近いのキスか?等と思っていると……

 

「てめえは自分の罪を認めて俺っちの女神から今すぐ離れろカス野郎」

「え?ブベっし!!!!」

 

唖然とした次の瞬間顔に鋭い痛みと衝撃が来る。

 

「な、なんだ!」

「久しぶりだなぁ!」

 

牧師の変装を解くと牧師は玉樹だった。

 

「貴様は!」

 

すると、櫃間の後ろ首を掴んで持ち上げる。

 

「初めまして……だな?櫃間 篤郎」

「だ、誰だ……」

 

すると持ち上げていた男はカツラを外す。

 

「|Please allow me to introduce myself. My name is Yuma Gajou《初めまして、会えて嬉しいです。私の名前は牙城 優磨です》」

 

流暢な英語でスラスラと自己紹介した優磨は拳を握る。

 

「一、二の……三!」

 

優磨の拳は無事だった櫃間の腕をへし折りついでに肋骨も粉砕しながら櫃間を吹っ飛ばしていく。

 

「ゴベルバ!!!!」

 

床を転がりながら目の前にたった人間を見る。

 

「よう……櫃間」

「里見……蓮太郎……」

 

櫃間は目を見開く。ここに来てやっと自分が誘き出されたことに気がつく。

 

「ま、待て!取引と行こう!お前の罪は無罪にする!これでどうだ!?」

「その心配はいらないよ」

 

菫が懐中時計を取り出す。

「あんまり故人の物を人に送るもんじゃないね」

「何だと?」

 

菫が懐中時計そ開けるとそこにはデータチップがあった。そこには……櫃間の悪事が記されていた。

 

「二枚底になっていてね。火垂ちゃんの誕生日に開いたんだよ」

 

二枚目の裏には……鬼八の火垂への言葉も刻まれていた。

 

「あの男!」

「最後の最後にな……てめえは鬼八に負けたんだよ」

「くそ!なら幾ら欲しい!?金をやろう!どうだ!?」

 

蓮太郎のなかでなにかが崩れた気がした。この……クズ野郎。

 

「っ!」

 

蓮太郎のベレッタが火を吹き櫃間の足に穴を開けた。

 

「イギャアアアアアアア!!!!!!!!」

「あああああああ!!!!」

 

蓮太郎は櫃間をカートリッジを炸裂させて吹っ飛ばす。

 

「げごぅ……」

 

壁に叩き付けられ櫃間は変な声が出た。

 

「てめえが……てめえみたいなやつが……」

 

蓮太郎は腰落とす。

 

「ウォオオオオ!!!!」

 

蓮太郎拳を振りかぶる……だが次の瞬間銃声と共に蓮太郎の足元に穴が開いた。

 

『っ!』

「失礼するわね」

 

軽い足取りで教会の屋上から着地する人影……その人影を見た瞬間優磨と菫の目が開かれる。別に並外れた美貌だからとかそう言うわけではない。

 

「優磨も菫も久し振りね。元気だった」

「楓……」

 

爪樹 楓……優磨と菫の大学時代の友人にして死んだと思われていた人間が現れた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何よ。久しぶりの友人に挨拶もないの?」

「はは……実は幽霊とか言うオチじゃねえよな」

「あり得ないわ。そんな三流脚本家が書きそうなつまんないオチ」

「じゃあ今の君は……ここで登場することを考えても」

「流石菫ね。改めて名乗らせて貰うわ。五翔会 四枚羽根の爪樹 楓よ序列は14位」

 

全員が戦慄した。元々優磨達の一部は知っていたが本人の口から語られると改めて戦慄する。

 

「た、助けに来てくれたのか!?」

 

櫃間は希望の光を見たが、

 

「何いってんのよ」

「へ?」

 

次の瞬間櫃間の胸から鮮血が舞った。楓は懐から抜いた拳銃で胸を撃ったのである。

 

「失敗せし者には死を……忘れた訳じゃないでしょう?」

「くっ」

 

すると次に楓は瞬時に蓮太郎の背後に移動。

 

『っ!』

 

その場の全員が反応できず蓮太郎は関節を極められながら盾にされる。

 

「さ、取引と行きましょう。優磨、貴方は持っているんでしょう?USB」

「……」

「それを渡せばこの坊やを殺さない。ただ渡さなければ……分かるでしょ?」

「……」

「優磨さん!渡すな!」

「……楓ぇ……これってお前本当に嫌な取引だな。俺の行動なんて一つだろ」

 

そう言ってUSBを投げる。

 

「離せ」

「ええ、言われなくてもね」

 

楓は蓮太郎を拘束しながらUSBを拾う……その隙を突き優磨は銃を撃つ。

 

「ふふ!」

 

だが楓はそれが分かっていたように蓮太郎を離すと跳躍して回避。 だが優磨は義眼を起動させると更に追撃した……が、

 

「残念ね」

 

瞬時に楓の両目が変わり優磨の撃った弾丸を楓の銃弾が弾いた。

 

「その目は……」

 

楓の右目は赤く……幾何学的な模様が走り、左目は蒼く光る。

 

「まさか優磨さんと里見くんの義眼をどっちも?」

「まあそう言うことね。私の執刀者は腕がよかったから」

 

そう言うと菫が顔を強ばらせる。

 

「可能性の話だった。今回の戦いの戦闘員達の力は全てが四賢人の作ったもの……つまり……五翔会の執刀医は……」

「ええそうよ。グリューネワルト……まあ私のは別の人間だけどね」

「……」

 

確か……菫が唯一尊敬した人物……楓を執刀した人間も気になるがグリューネワルトも何があったのだろうか……

 

「まあ別にそんな話したって仕方ないんだけどね」

 

楓は肩を竦めた。

 

「くっ!」

 

春はバレットM82を構える。

だが……

 

「春さん!」

 

榧に突き飛ばされると底に大きな穴が開いた。

 

「あはは~流石だね~」

「たしかお前は……」

「あ、お兄さん元気~?」

 

スタッと窓から降りてくる。

 

「初めまして~の人ばっかりだね。私は聖夜 秋菜でーす」

「っ!」

 

ドン!っと榧は疾走……同時に瞳が赤熱したが……

 

「…………………」

 

秋菜と榧の間に別の人間が乱入する。するとそれは榧の突進を人差し指をピンっと立てるとそれで止めた。

 

「なっ!」

「あ、この子は聖夜 冬華だよ。私の双子のお姉ちゃん」

「…………………」

 

人差し指で押しているだけなのに走る大型トラックですら投げ飛ばす榧を顔色一つ変えずに冬華は止める。

 

「雑魚に興味ない……だって」

「っ!?」

 

そして冬華は榧の顔を掴むとそのまま床に叩き付けて埋めた。

 

「榧ちゃん!」

 

由美が声をあげる。

 

「はぁ!」

 

すると冬華の体を弓月の糸が縛り上げ、

 

「オォオオオオオリャアアアアアア!!!!」

「でぇえええええええええい!!!!!!!!」

 

夏と延珠の一撃が完全に決まった……が、

 

「?」

 

冬華は後退りすらしなかった。寧ろ攻撃した夏と延珠の方がダメージを受けていた。

 

「…………」

 

無言で糸を引っ張る。

 

「無駄だよ。それを引きちぎるなんてそれこそステージⅤ位じゃな【ミシ……】え?」

 

すると建物の方が軋み始めた。

 

「…………」

「翻訳するとねぇ。私を縛ってる糸は頑丈でも建物はそうは行かないだろうだって」

 

そう秋菜がいった瞬間建物の壁が引き壊され悠々と冬華は歩き出す。

 

【んなアホな……】

「うそぉ……」

 

新一と風深は唖然とした。

だがそこに……

 

「?」

 

銃声が響き冬華は背中に感じた痛みに首をかしげる。

 

「くく……ばかめ!」

 

櫃間が撃ったらしい。どうも防弾繊維のインナーを着てて今まで死んだふりしてたらしい。

 

「これは濃縮バラニウム弾だ!14のイニシエーターだか知らないがお前も死ぬ……え?」

 

そんな中でも感情がないかのような冬華は背中から弾丸を爪でグリっとやって出すと櫃間に近づく。

 

「く、くるなぁ!」

 

何発も冬華は喰らうがまるで効いてないらしく至近距離まで近づくとニィっと口を開く。

 

「残念だったわねぇ……彼女、体質なのかバラニウムの効きが悪いのよ。それに体が頑丈で基本的に弾丸深く刺さらないし」

『っ!』

 

その場の全員が驚愕する。本当に冬華は……イニシエーターなのか?

 

「ひ、ひい!」

 

櫃間の顔に恐怖が浮かび……聞くはずのない言葉を聞いた。

 

「いただきます」

「ギィヤアアアアアア!!!!!!!!」

「ひっ!」

 

ガリ!ゴリっと音を立て櫃間が冬華に咀嚼されていく。

 

「がごっ!ぐぇ!がぁ!」

 

指は毟り取られ、鼻を千切られ足を引きちぎられ内臓を引っ張り出され飲み込まれ目玉を食われて脳を噛み砕かれ……

 

「ごちそうさまでした」

 

櫃間 篤郎という男は服と僅かな血痕を残してこの世から骨も残らず消えた……

それから冬華は両手を併せ頭を下げる。

 

「うぷっ!」

 

蓮太郎が吐いた。

当たり前だ。優磨でも吐き気を催した。

 

「……………」

「楓……それがお前のパートナーか?」

「ええ、私の家族よ」

 

楓はにっこり笑う。

 

「じゃ、そろそろ帰るわね」

「そうか」

「あら?こう言うときは逃がすと思ってんのかって言って来るんじゃないの?」

「俺や蓮太郎は消耗しちまったんでな。帰って貰えるなら帰って貰うさ」

「そう」

 

そう言って楓は秋菜と冬華背負うとフックショットと呼ばれる銃を出して窓枠に引っ掻けて昇る。

 

「なあ楓!」

「なに?」

「お前は……何をする気だ?」

「……ふふ。優磨も知ってるでしょう?女は……」

 

秘密を持っていた方が綺麗に見える……そう言って妖艶な笑みを浮かべた楓は二人を連れて姿を消した。

 

「……………」

「優磨さん?」

 

他の皆が優磨を見る。

 

「何か……大きなことが起きそうだな」

 

だが楓……優磨は内心呟く。

 

(俺は……お前が敵だとは思えないんだ……)

 

例えこれが馬鹿だと言われて甘さだと言われても……過去とは言え俺は君を愛し……君に愛された間柄だったからかもしれないが……それでもそう思うのはいけないことなのだろうか……

優磨の心の言葉は……誰にも届くことはなかった。




櫃間の最後……生きたまま喰われる……でした。
多分俺の文才ではこれ以上グロいのは書けません。

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