緋弾のアリア 意志を受け継ぎし者   作:暗黒の影

32 / 50

長らくお待たせしました。

いや・・・高校卒業して社会人として働いていると大変ですね・・・

はぁ・・・早く金を貯めてサバゲーに行きたいですね・・・

では、第29弾です。どうぞ( ^^) _旦~~


第29弾 資金調達ミッション・地下保管庫

ニューヨーク州ロチェスター市・街はずれ

 

レッドクレイジー本拠地・地下保管庫通路

 

けたたましいサイレン音が鳴り響く中、保管庫に繋がる通路で複数の人影が動き回ると同時に銃弾が飛び回っており、戦場と化していた。

 

リンクスSide

 

網膜認証を突破してから、うるさくてしょうがないサイレン音と保管庫内にいたギャングどもがゾロゾロと蟻の軍団がそのサイレン音に引き付かれて現れ、現在戦闘中だ。

 

「・・・・・・右に一人。左に3人いる、左の3人は牽制でフラッシュバン(FG)を投擲後、射撃をする・・・その隙に右を排除しろ」

 

リサが持ち込んでいた試作防弾壁でギャングが撃ってきている弾を身を屈めて防ぎながら、M4A1の弾倉をリロードしているコルネールに言う。

 

「分かった!!しっかりと援護してくれよ!!」

 

「・・・・・・あぁ。了解だ」

 

先ほど網膜認証型の扉付近で拝借したM4A1と数十個のマガジン、3種類のグレネードがあれば、十分に援護はできる。

 

試作防弾壁から身を乗り出さず、フラッシュバン・グレネードの安全ピンを引き抜き投擲体制に入る。

 

「・・・・・・3秒後に投げる。起爆した瞬間に制圧射撃を開始して、隙ができたら撃て」

 

「あぁ!!わかった」

 

「・・・3・・・2・・・1・・・っふ!!」

 

オーグメントモードで暗算表示された投擲ラインに沿って相手の目の前にFGを投げ込むと安全レバーが空中で取れ、計算通りのラインから敵の目の前に落ちると、起爆した。

 

薄暗い通路が一瞬だけ明るくなり、光が収まった瞬間、身を出して前を見ると先ほどの光をまともに見てしまったギャング4人は、目を押さえて苦しがっていた。

 

「・・・・・・眠れ」

 

その隙を逃す事無く、M4A1の照準サイトをギャングの胸に合わせて引き金を引き2発打ち込み頭にも同じく2発撃ち込み無力化する。残り2人も同じ様に無力化していく。

 

腕の筋肉を瞬間的に硬化させて、反動を筋肉で吸収させることで、瞬時に次の標的を無力化できる。人間を止めている俺だからこそできる技でもあるが、少し動きが遅くなるのが、欠点であり、近くの敵じゃないと標準移動ができないのだ。

 

「っそこ!!」

 

俺が3人を無力化したと同時にコルネールも右のギャングを無力化した。

 

「・・・・・・進むぞ。この先に目的のものがあるんだ」

 

ギャングの下っ端しかいない?これはどういう事だ?

 

「あぁ。早急に終わらせよう。リサ、出てきても大丈夫だ」

 

消費した弾倉をタクティカル・リロードし、新たな弾倉に変えてリア・サイト下にあるチャージングハンドルに指をかけて引き、放しチャンバーに初弾が装填されるを確認し、周囲の警戒をする。

 

「はい・・・。すみません。コウ様、リンクス様・・・リサは役に立てていません」

 

試作防弾壁を回収したリサは、表情を曇らせて謝罪をしてきた。

 

「どうした?リサ?戦闘に参加にする必要はない」

 

「御二方が必死に戦っていると言うのにリサは・・・」

 

主が戦っているのに従者である自分が何もできない事に悔やんでいるようだな。

 

「・・・・・・何故悔やむ。お前は元々、後方支援タイプなんだ。戦闘ができなくて当たり前だ」

 

「・・・・・・っ」

 

俺の辛辣な言葉に胸の近くに手を置き下を向いて落ち込んでしまうリサ。

 

「リサ。アイツの言葉に賛同するのは納得できないが、元々はリサの担当は後方支援だ。俺やコイツは前線で戦うのに対してお前は、後方支援なんだ。お前の支援が無いと俺たちだって危険になっていたかもしれないんだ、けど生きてるって事は、リサがちゃんと仕事をしていてくれているからだ。だから役に立っていないなんて言うな。良いな?」

 

俺と違ってフォローが上手いな。

 

「・・・・・・っはい」

 

「・・・・・・話は終わりだ。この先に奴がいるかもしれないからな」

 

未だに姿を見せないリーダーに警戒しておいて損はないだろうしな。

 

後ろにいる2人を気にせず、M4A1を構えゆっくりと遅すぎず早すぎずのスピードで通路を進んでいく。

 

「っ!!止まってください!!」

 

オーグメントモードと自前の視力を使い通路を警戒して歩いていた俺の耳にリサによる停止の声で動きを止める事になる。

 

「どうした、リサ?」

 

「・・・・・・何か問題か?」

 

「そこの床に気を付けて下さい。少しだけ歪んでいます、たぶんトラップかと思います」

 

トラップだと?リサに言われた場所を良く見てみると確かに床が歪んでいた。

 

「確かに歪んでるな・・・」

 

「・・・先ほどの者たちが仕掛けたモノだと思います。多分匂いが同じなので」

 

「・・・・・・そうみたいだな」

 

オーグメントモードで集中分析させると、リサの言う通り歪んだ床の下には、3つの手榴弾がワイヤーとガムテープで纏められており、その上に無数に広がった釘やらネジが撒かれていた。

 

俺たちの体重で圧力が掛かった瞬間に爆発して撒かれた釘とネジが俺たちの体をハチの巣にして殺すって言う寸法だったみたいだな。

 

こんな即製爆発物(IED)に引っかかる程の馬鹿でもないが・・・解除に少し時間が掛かるな。

 

「・・・・・・こんな狭い通路で爆発されたら洒落にならない・・・解除する間、警戒を頼む」

 

「解除って・・・爆発物処理ができるのか?」

 

「・・・・・・問題ない」

 

「なら、任せる。俺とリサは周囲警戒を行う、間違って爆発されたらヤバいからな。集中して解除してくれよ」

 

「・・・・・・ああ」

 

2人が周囲警戒をしてる間に俺は直ぐに動く、右肩の投げナイフ用のナイフポーチから2本のナイフを抜き取り、歪んだ床にゆっくりと差し込む。

 

この時に注意が必要なのは、ワイヤーとガムテープに接触させない様にしなくてはいけない。

 

もし接触したら、ワイヤーに巻かれている手榴弾の安全レバーを外してしまい起爆するからだ。

 

ゆっくりと差し込んだ後、少し上に持ち上げて2本のナイフを横から縦に変え中の構造を見る。

 

3本目のナイフで釘とネジを退けていき、手榴弾を見つける。

 

このタイプのIEDは、設置する奴が阿保なだけで処理が簡単なタイプだからな・・・早々に処理をするか。

 

正直、起爆しない様に周りの釘とネジの撤去とガムテープとワイヤーさえどうにかできてしまえば、解除した事に違いない。

 

「・・・・・・終わったぞ」

 

解除処理した手榴弾の塊を片手に持ち釘とネジと歪んだ床を元の場所に戻す。

 

「おいおい。処理頼んで30秒しか経ってないぞ?」

 

「・・・・・・こんな雑なIEDに一分も必要ない」

 

片手に持っている手榴弾の塊を分解せず、リサに持たせポーチに入れさせる。

 

「・・・・・・さて問題は処理した。進むぞ」

 

「と言うか・・・目の前なんだよな・・・」

 

「・・・・・・入り口付近に敵数人が待ち伏せ(アンプッシュ)しているようだ・・・」

 

「・・・・・・リサ。アイツを貸せ」

 

「はい。アレですね・・・どうぞ」

 

俺が要求したものをリサが背負っていたバックパックから正四角形の板を取り出し渡してきた。

 

「おいおい。態々ブリーチ爆薬使うのか?」

 

ブリーチ爆薬・・・

 

建物の扉を引き飛ばすために製造された特殊爆薬であり、粘着マグネットと言う木製ドアであろうと金属ドアであろうと両方にくっ付き、安全ピンを引き抜くと3秒後に起爆セットできるタイプと遠隔スイッチタイプがある。

 

今回は、自動起爆型であり3秒後に起爆する。

 

「・・・・・・ドアの脇に移動して耐ショック姿勢に入れ」

 

俺は、2人がドアの左脇に移動し耐ショック姿勢に入ったのを確認し、音をたてないようにゆっくりとドアにくっ付けて安全ピンを引き抜く。

 

「・・・・・・起爆する、突入準備」

 

ドアの右脇に移動し背を向ける様に耐ショック姿勢に入る。

 

耐ショック姿勢に入ると同時にブリーチ爆薬が起爆・・・

 

その大きさから有り得ない破壊力を持った爆発が金属のドアを吹き飛ばした。

 

「・・・・・・GO!!」

 

爆発した瞬間に動く・・・その瞬間、脳内にあるハイニューロチップが稼働した事によって、周りの時間が遅くなりスローモーションで見えてくる。

 

一気に開かれ原型を留めていないドアの先に進むと先ほどのブリーチ爆薬の爆風で体を吹き飛ばされて空中を飛ぶ人影が3人に爆風から顔を守ろうとして腕で此方を見ていない人影が4人とその奥には、後ろを向いており此方を向いていない奴が1人いた。

 

それを瞬時に確認した俺とコルネールは思考を止めずに動く。

 

俺は左のギャング2人の心臓と頭にM4A1を向けて引き金を引き5.56x45mm NATO弾を確実に当てていき、無力化する。

 

コルネールも同じく2人の頭を撃ち抜き無力化した。

 

「隠れて下さい!!」

 

4人のギャングを始末した俺たちは残りの奥にいたギャングを撃とうと照準を定めた瞬間、IEDの時と似たようなリサの声を聞き、俺とコルネールは保管庫の両脇に置いてある武器コンテナの裏に隠れる。

 

「・・・・・・っち!!」

 

「っ何だ!?」

 

身を伏せて隠れると同時に俺たちが立っていた場所に弾丸の嵐が襲った。

 

「貴様ら!!よくも俺様のアジトをぉぉぉ!!」

 

銃弾の嵐を起こした正体は、このアジトの・・・いや組織のボスである男であった。

 

「・・・・・・設置型の回転式多砲身機関銃(ガトリングガン)タイプのセントリーガンが左右に1台ずつとあの男本人が持つミニガンを合わせると計3つのガトリングが敵か・・・」

 

設置型は赤外線熱探知タイプの機銃だな・・・。顔を出したら銃口が瞬時に向くだろうな。

 

「どうするんだ!?3つも同時に相手できないぞ!!」

 

俺と同じ様に身を低くして飛来してくる銃弾の雨を回避していたコルネールが叫ぶ。

 

「・・・・・・お前の超能力(ステルス)はどうだ?」

 

そう・・・コルネールの家系であるダルク家は氷を使った超能力を永い年月、研究開発し深めていた。

 

その力を既に知っている俺は、コルネールが持つ超能力を使えるか聞く。

 

「出来たらどれだけ良い事か・・・俺の超能力のレベルじゃあ、どうにもできない」

 

「・・・・・・前方に大きく氷の壁を作れるか?」

 

「少し難しいな。できなくもないが水分が少ないからな、強度が出ないぞ?」

 

「・・・・・・一瞬でも姿が隠せるなら構わない」

 

「・・・了解した。合図したら作る。その瞬間に移動しろ」

 

「・・・・・・あぁ、分かっている。リサ。先ほど渡した手榴弾の塊をくれ」

 

「は、はい!!」

 

入り口付近で身を低くして隠れていたリサに先ほど分解したIEDの手榴弾の入ったポーチを地面を滑らせ受け取る。

 

「アイツの攻撃が止んだら、力を使う」

 

作戦は簡単だ。コルネールの超能力を使いタレットとリーダーの視界を一瞬だけ奪った瞬間、奴らの頭上に投げ爆発すればそれでいい、しなければしないで注意を惹ければ、ムラサマで斬るまでだしな。

 

ムラサマブレードが収まったスパイクシース(特殊機構型鞘)を片手に持ち、反対の手には手榴弾の塊を持ってチャンスの時を待つ。

 

「出て来い!!ネズミ共が!!俺様の部下共を殺し続けやがって!!ハチの巣にしてやる!!」

 

アジトと自分の部下を悲惨に殺られたリーダーが毎分3000発以上もの驚異的なスピードで7.62x51mm NATO弾を発射している化物銃を荒ぶる様に周りに撃ち続けている。

 

「アイツのミニガンがオーバーヒートするか。弾切れになるのを待つか?」

 

「・・・・・・待っていたら厄介者が到着するだけだ・・・一瞬で良い、一瞬の隙を突ければそれだけで良いんだ」

 

そう・・・一瞬で良いんだ。何か奴の気を惹くものは・・・

 

俺が気を惹くモノが無いかと考えていると俺の視界の端に見覚えのある髪が通り抜けた。

 

「コウ様を狙うのでしたら、わたしを狙いなさい!!」

 

何を思って動いたのか分からないがリサがリーダー達の目の前に姿を出したのだ。

 

「馬鹿が!!素直に姿を見せるなんてな!!ハチの巣にしてやる!!」

 

リサの姿を確認したリーダーは、手に持っていたミニガンの銃口をリサに向けた。

 

それを見た俺が身を乗り出す前に俺と同じ様に隠れていたコルネールが身を乗り出した。

 

「っリサ!!」

 

身を乗り出した瞬間にコルネールはM4で火災報知器を瞬時に撃ち抜き消火液を降らせる。

 

オルレアンの森(forêt d'Orléans)!!」

 

コルネールが魔力を溜めて発動した術は、火災報知器により放出された消火剤を利用し周囲の気温を下げると前方に厚さ3cmの氷の壁が出来上がる。

 

それと同時にコルネールとリサの2人にリーダーのミニガンの銃口が向く、俺はチャンスでもあると感じ瞬時に動く。

 

「・・・っふ!!」

 

奴のミニガンが起動する前に手に持っていた手榴弾を氷の壁を利用して奴の頭上に投げて、縮地を使い奴の死角に回り込む。

 

「小癪な真似を!!」

 

俺の投げた手榴弾に気付いたリーダーは、直ぐにミニガンの銃口をそちらに向けて迎撃する。

 

ミニガンの銃弾に当たった手榴弾は空中で爆発、リーダーの姿が煙で隠れる。

 

「っちぃ!!しゃらくさい!!」

 

周りが見えなくなったリーダーは我武者羅にミニガンを撃ち始める・・・

 

弾丸の嵐が煙を超えて襲い掛かってくるが、コルネールとリサは寸での所で物陰に隠れて弾丸を回避した。

 

俺は、壁を蹴り飛ばしリーダーの真上にジャンプしてムラサマブレードを抜刀の構えをとる。

 

「どこだぁぁぁ!!」

 

脳内の血中酸素レベルを増大させることで思考速度・判断速度・反射速度を加速させる『斬撃モード』を起動。

 

その瞬間、周りの時間が一気に遅くなりスローモーションの感覚になる。

 

バイザー越しに見えるリーダーの後上をとったのを確認した瞬間、スパイクシースの引き金を引き絞る。

 

特殊弾薬が点火・・・瞬時にスパイクが発生しムラサマブレードを射出させる。

 

「・・・・・・っぜぁあぁ!!」

 

射出されたムラサマブレードの紅色な刀身に紫電を纏いながら、俺は柄を掴み取りリーダーの背中を叩き斬る。

 

「ぬぅぐっ!!」

 

しかし、寸での所で気付いたリーダーが、少し体を逸らすと同時に裏拳をしてきたが回避する。

 

リーダーの体を一刀両断が出来なかったが、背中を深く斬る事ができた。十分に戦闘継続ができないレベルだ。

 

「ガキがぁぁあ!!」

 

背中の痛みで握っていたミニガンを地面に落とし片膝を着いた状態で俺を睨んでくるが、特に気にせずに2台のセントリーガン(ミニガン)をガラクタレベルまで斬り壊す。

 

「この俺が・・・俺様が・・・貴様みたいな、ガキにやられるだと・・・?・・・・・・ふざけやがってぇぇ!!」

 

片膝ついた状態でポケットから何か錠剤らしきモノを口に入れ飲み込んだ。

 

自害的な行動かと思うが、俺の第六感が直ぐにそこから離れるべきだと訴え始める。

 

「・・・っち!!」

 

その場から離れる為に後ろにジャンプすると俺の立っていた場所に俺の伸長と同じ位の『何か』が通り過ぎた。

 

「・・・・・・往生際が悪いな」

 

前を見ると身長が約4mと驚異的に成長し肌色が緑色に変色し、体から血管が浮かび上がった巨人がいた。

 

 





説明しますと、リーダーが飲んだのは非合法で複数の薬物で生産された強靭強化肉体変身錠剤です。

飲んだ人の筋肉の膨張と硬質化、頭脳膨張を行うが・・・使用者は元の姿とは、かけ離れた姿になる。

簡単に要約すると『Fallout』で登場するスーパーミュータントみたいな姿を想像ください。

では次回会いましょう(^_^)/~


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。