緋弾のアリア 意志を受け継ぎし者   作:暗黒の影

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大統領Side

「私だ。あぁ・・・分かった。あぁ、奴を送るのだな?許可する」

そうか・・・ロスアラモス・エリートの人口天才(ジニオン)であるRランク武偵が動くか。

さて、イ・ウー内でも最強に値すると聞く紅き鷹の雷電の力を見せてもらうとしよう。


第27弾 資金調達ミッション・潜入

ニューヨーク州ロチェスター市・街はずれ

 

レッドクレイジー本拠地・周辺

 

リンクスSide

 

レッドクレイジー行動員を尾行していると町外れにある建物を囲む様に武装した集団を発見し、対象が建物に入ってから出てくる気配がない。

 

その間に周辺を警戒している奴らを各ポイントし俺はバイザーで確認し、コルネールはスコープで確認、リサは双眼鏡で確認している。

 

『・・・・・・おいおい。ただの麻薬組織じゃないとは思っていたけどな・・・これは・・・』

 

警備を行っている奴らの装備や兵装を見て、驚愕しているコルネールの通信を聞きながら相手を観察する。

 

「・・・・・・中距離対応にコルトM4A1、近接対応にレミントンM870、近距離対応にIMIウージー、遠距離はPSG1か・・・」

 

そこら辺で手に入る装備じゃねえな。

 

ちなみにバイザーは付け外し可能であり、さきの街中での時も外していた。

 

『この周辺でのあの様な装備を手に入れる方法は難しいですね・・・。服装やベスト系統は簡単ですが武器になると』

 

「・・・・・・何れにせよ。あのマークにあの装備。目標である場所だな」

 

『どうするんだ?警備は厳重だぞ?』

 

「・・・・・・スナイパーに関しては任せる。それ以外は此方が対処する」

 

『・・・おい。まさか、真正面から突撃する気か?』

 

「・・・・・・いや。あの建物に入る大型のトラックに紛れて侵入する」

 

『トラック?そんな奴見えなかったが?』

 

「・・・道路を見るにタイヤの痕跡が残っていた。それも結構濃く残っていた事から結構な量の『何か』を運んでいるんだろう」

 

『麻薬・・・か』

 

「・・・・・・さぁな。確証はない」

 

『了解だ。なら、俺は狙撃手として背中は守る』

 

「・・・・・・あぁ。俺の予測じゃあ、最後の車両がまだ残っているはずだ。俺はそれに乗り込む」

 

『『了解』』

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 

最後のトラックを目視で確認した俺は、サイドミラーに映らない様に後方に入り通常の走り(常人以上の速度)でトラックの後部にくっ付くが直ぐにトラックの下に滑り込み張り付く。

 

「・・・・・・此方、ライデン。鷹が餌に喰い付いた」

 

『了解。確認できてる・・・・・・お前本当に人間か?』

 

「・・・・・・何だ?いきなり」

 

『普通の人間だったら、時速60kmで走っている自動車に追いつく事は出来ないはずだと思うが?』

 

「・・・・・・色々と体を弄られたからな・・・純粋な人間とは言えないな」

 

『体を弄られた?』

 

「・・・・・・あぁ。俺は元々、人工的に造られた人間だ」

 

『人工的に造られたって・・・』

 

「・・・・・・アブスターゴエンターテインメント社を知っているか?」

 

『え?あ、あぁ。知っている。切っても切れない縁だな』

 

「・・・・・・そうか、お前の腕の袖に隠している、その武器はアサシン教団の印だな」

 

『っ!?』

 

「・・・・・・俺は、主に対アサシン教団対応特殊行動戦闘兵として製作された人工人間・・・いや、強化人間になるのか?」

 

『っ・・・そんな、お前がどうして此処に?』

 

「・・・・・・至ってシンプルだ。不完全・不良品・未完成やら何やら言われ、殺処分される所をアサシン教団の手によって襲撃と同時に逃亡した」

 

『・・・イギリスにあるテンプル騎士団強襲作戦での生き残りか』

 

「・・・・・・今では、シャーロックにスカウトされイ・ウーのメンバーになっている」

 

『お前は・・・』

 

「・・・・・・話し過ぎたな。建物内に侵入する、一旦通信を切る」

 

『っ・・・了解だ』

 

揺れながら走っているトラックの下で話しに集中しすぎていたのか、ゲート前に到着し一時停止した。

 

「どうだ?問題ないか?」

 

「あぁ。一般的な工業用大型トラックだからな。中身が大量の麻薬だとは知られない」

 

「ははは。さて、中でボスが待ってるからな。行って良いぞ」

 

ゲートまでに身分証明・・・と言うか仲間であるか確認しながら、軽く話をするとゲートが開き車が再度、動き始める。

 

数分すると新たな建物に入り、トラックが止まるとエンジンも停止し運転手2人が下りていく。足音が遠くに行くのを耳で確認し再度、通信を開きCALLする。

 

「・・・・・・サイレント。周囲に敵は?」

 

『いや。確認できない。それで中に侵入したのは良いが、この後はどうするんだ?』

 

「・・・・・・このまま、駐車場から出て建物内に侵入し中にいる兵士を片っ端から排除していくが、全員ステルス・キルで静かに排除する。お前は見える範囲の奴を出来る限り排除してくれればいい」

 

『了解だ』

 

「・・・・・・作戦開始」

 

音をたてないよう静かに地面に下りて周りを確認・・・クリア。そのまま出口に向かって、出口の壁に張り付いて周りを見る。

 

すぐ側に武装した兵士が1人・・・その先に2人・・・左の車の前に3人か・・・

 

まずは・・・近い奴から排除していくしかないからな・・・

 

「・・・・・・・・・・・・」コンコン

 

小さく近くの武装した兵士の1人に聞こえる様に拳で壁を2回ノックする。

 

「ん?誰かいるのか?」

 

音を聞きつけた兵士がM4A1を構えて警戒しながら此方にゆっくりと歩いてきた。

 

右腕のアサシンブレードを構え、息を潜める・・・近付いて来ている兵士が踏んで鳴る地面の音をゆっくりと耳に入れて距離を確かめる。

 

3m・・・・・・2m・・・・・・1m・・・・・・っ今だ!!

 

暗殺可能距離が近づいた事を認識した瞬間、音をたてない様に静かに素早く動く。

 

左手で敵の右肩を掴み、此方に引き寄せると同時に声を出させない様に右腕のアサシンブレードで喉元に突き刺し、左手で素早く口を塞ぐ。

 

「・・・っ!?・・・っ!!・・・・・・・・・・・・」

 

手足をバタつかせて暴れるが、数秒すると糸が切れた人形の様に動かなくなった。

 

「・・・・・・・・・(通信機と手榴弾2個、サバイバルナイフを頂くか)」

 

死体から装備を拝借し、近くにあるゴミ箱を静かに開け静かに死体を入れて隠す。

 

「・・・・・・オーグメントモード起動」

 

--------お久しぶりです。どうかしましたか?

 

何故だろうか?オーグメントモードを久々に起動させたら人間味ある対応の仕方になっている・・・

 

「・・・・・・確認した敵をレーダーに表示してくれ」

 

そう言うとバイザーの右上に円形状のレーダーが現れ赤色の点が5つ表示された。

 

表示された赤色の敵から薄青色の扇状の視覚情報が表示されていた。

 

「・・・・・・・・・これは・・・」

 

--------はい。ソリトン・レーダーです。敵の位置・視覚・地形情報を入れた次世代レーダーです。

 

「・・・・・・・・・いつの間に・・・」

 

--------いえ、アナタへの戦闘のサポートを行いたいが為に、これまでの戦闘データーを元に独自で製作させていただきました。

 

「・・・・・・そうか。助かる」

 

--------いえ。アナタをサポートするのが私の使命ですので

 

「・・・・・・軍事衛星をジャックして、この建物周辺の敵を随時更新して表示しておいてくれ」

 

--------了解しました。

 

さて、これで敵の位置は分かるからな。

 

「・・・・・・サイレント。前方にいる敵2人見えるか?」

 

『あぁ。確認できてる』

 

「・・・・・・俺が、奴らの後ろに移動して合図を出したら、右側の奴を狙撃して無力化してくれ」

 

『了解』

 

狙撃ポイントからの距離は約600m先だが、問題ないだろう・・・俺は奴らの後ろに移動しよう。

 

スニーキング歩法で静かに素早く動き、3つに並んだドラム缶後ろに身を屈め隠れる。

 

身を隠すと同時に聞こえてくる話し声に少しだけ耳を傾ける。

 

「それにしても、ここ最近、売り上げが良くねえな」

 

「あぁ。どうやら武偵が動いてる所為で上手くいっていないらしい」

 

「はっ!!アイツらだって金を貰えれば何でもするって言うじゃねえか。やってる事が俺たちと何が違うってんだ」

 

「まぁ・・・確かにな。それと噂じゃあ、この場所もヤバくなってきたって聞くぜ?」

 

「はぁ?ここには軍隊顔負けの装備があんだぞ?どうして危険なんだよ?」

 

確かにな。俺たちも最初見たときは驚いたが、それを扱う奴らがこんなにもどうしようもない奴らならどうにかなるな。

 

「いや、俺も聞いた話なんだが、どうやら武偵がこの場所を嗅ぎ回ってるって話だ」

 

武偵が?厄介だな。俺たちが攻めている今日に突撃して来ない事を祈るしかないな。

 

「あぁ?武偵1人位どうにかできんだろ」

 

慢心は良くないぞ・・・現に俺とスナイパーがお前らの命を狙ってるんだからな。

 

「あぁ。ただの武偵なら良いんだが、どうも噂に聞く武偵って言うのがRランク指定の化け物らしいんだ」

 

っ・・・Rランク武偵が?それこと本気で今日来ないで欲しいな・・・

 

「はぁ!?Rランク!?おいおい、冗談じゃねぞ!?そんな1人で国を相手できる化け物が来るっていうのかよ!?」

 

「いや、噂で聞いた話だから本当か分からないが、もしかしたらBランク武偵の集団かもしれねぇぞ?」

 

「どちらにせよ。俺たちも切りの良い所で、ここから退散した方が良いな」

 

「あぁ」

 

「・・・・・・・・・(今だ)」

 

話し終えたのか、右側の奴が前を向いた瞬間、コルネールに合図を出し素早く動く。

 

まず、左側の奴の口を右手で押えて後頭部の延髄に向けて右腕のアサシンブレードを突き刺し、延髄から出る体への各神経を遮断させると同時にカバー状態から俺の隠れているドラム缶の後ろに引きずり込み隠す。この作業僅か0.5秒

 

隠すと同時に右側の奴が頭部を狙撃され、脳ミソを地面にブチ撒けると同時に地面に倒れる。

 

「・・・・・・・・・nice shot」

 

『この距離なら、動いてる的でも簡単だ』

 

「・・・・・・そうか。少し死体を動かす」

 

『了解だ。背後は任せろ』

 

俺は、自分の手で殺した奴をドラム缶に寄り掛かる様に寝かせ、狙撃した奴の場所に移動し、その奥にあるゴミ箱まで担ぎ上げて隠す。

 

左側の3人はこの事に気付く事無く、そのまま奥に移動していく。

 

それを確認し俺は、目的の建物に向かって足を進めるが、入り口付近を監視しているスナイパーが2人おり、物陰に隠れ、通信を開く。

 

「・・・・・・入り口付近の屋根にいる。スナイパーの排除を頼む」

 

『了解だ』

 

その返事が聞こえた3秒後、反対側のスナイパーから見えない場所に立っていたスナイパーが無力化されると更に3秒後、2人目のスナイパーが無力化された。

 

「・・・・・・グッドキル」

 

『内部からは対処できないが大丈夫か?』

 

「・・・・・・あぁ、もしこの建物内に入る奴を見つけたら排除を頼む」

 

『あぁ。見つかったりしたら、次のポイントに移動する』

 

「・・・・・・あぁ。数分で終わるとは思う」

 

『了解』

 

通信を切り、スニーキングで建物の中に侵入する。

 

「・・・・・・ルート検索と索敵開始」

 

-------了解です。・・・・・・・・・・・・ルート検索終了。索敵も完了しました。

 

「・・・・・・バイザーにルート展開と同時にソリトンレーダーに敵情報を表示」

 

-------展開と表示完了しました。

 

ソリトンレーダーを見る限り、建物内部にいる奴は30人ちょいか・・・スニーキング能力とステルス能力を使えば早急に終わるな。

 

「・・・・・・さて、害虫駆除を始めるか」

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 

時間は少々戻りスナイパーの視点に・・・

 

コルネールSide

 

アイツの言っていたアサシンの事については、今回の任務が終わり次第に聞くとするか・・・

 

俺は今、狙撃ポイントである場所に着き、使い捨ての毛布を地面に敷いた場所に、体への負担を減らす様にして寝そべっている。肩に担いでいたL96A1スナイパーライフルは下ろしバイポットを展開させて目の前に置いている。

 

「さて、あの人外はトラックにくっ付いたか」

 

普通の人間は、60kmで走るトラックに走って追いつく事はないのだが・・・アイツはやってのけた・・・だから人外だ。

 

「はい。ここからですね」

 

俺の隣に同じように毛布を敷いた場所に寝そべるリサの手には、軍隊用携帯風速温度計と軍用デジタルレーザー距離観測単眼鏡を持っている。

 

今回、リサには俺の観測手(スポッター)として動いてもらう。

 

その為、3日の間に出来るだけ、観測手としての仕事を教えた。

 

しかし、まぁ・・・覚えが早く、3日後の今となっては、順調に準備を終えているのだがな。

 

今の風速・気温・距離にスコープを微調整し終えている為、あとはリンクスが基地内に侵入するのを待つだけだ。

 

「・・・・・・(にしても、こう言うとなんだが。今のリサの態勢が・・・その・・・凄くエロいです)」

 

スコープから少し目を離しリサの態勢を改めて見る。

 

こんな場所に似合わないメイド服により、スッと成り立つ腰に女性の威厳?を現すと言われている胸部の膨らみが毛布を敷いた地面に押し付けられており、スカートから見える透き通る様な健康そのものな美脚・・・

 

「・・・・・・(本当に同い年か!?なんか、その・・・大人な雰囲気が溢れ出ていると言うか何と言うか・・・)」

 

「どうかしましたか?」

 

俺の視線に気づいたリサが此方に目を向けて聞いてくる。

 

「・・・っうぇい!?あ、いや、何でもない」

 

邪な考えをしていたなんて・・・口が裂けても言えない・・・

 

「(イカンイカン。任務に気を戻さないとな)」

 

俺が気を取り戻してスコープを覗くと、丁度トラックがゲートを越えて駐車場に向かっていた。

 

数秒するとトラックが駐車場に運転手らしき人物が2人降りてその場を離れ、少し進んだ建物に入っていた。

 

『・・・・・・サイレント。周囲に敵は?』

 

数十秒後、リンクスから通信が来る。

 

「いや。確認できない。それで中に侵入したのは良いが、この後はどうするんだ?」

 

この通信は、リサとも共有している為、敵の情報は直ぐに分かる。

 

『・・・・・・このまま、駐車場から出て建物内に侵入し中にいる兵士を片っ端から排除していくが、全員ステルス・キルで静かに排除する。お前は見える範囲の奴を出来る限り排除してくれればいい』

 

「了解だ」

 

『・・・・・・作戦開始』

 

その声と共にリンクスは音をたてないよう静かに周りを注意しながら移動し始める。

 

「敵の数は?」

 

「リンクス様の前に1名とその先に2名です。その左奥の車の陰に3名の兵士がいます」

 

壁に身を隠すのに気付くと同時に観測手であるリサに確認を取る。

 

すぐ側に武装した兵士が1人・・・その先に2人・・・左の車の前に3人か・・・最初に近い兵士を無力化するな?

 

案の定、動いたか・・・

 

っ!?アサシンブレードだと!?どうしてアイツが!?・・・・・・いや、後で聞けば良い事か・・・

 

俺が少し混乱しているとリンクスが死体から装備を拝借し、近くにあるゴミ箱を静かに開け静かに死体を入れて隠していた。

 

『・・・・・・サイレント。前方にいる敵2人見えるか?』

 

少し進んだ場所で身を隠しているリンクスから再び通信が入る。

 

「あぁ。確認できてる」

 

『・・・・・・俺が、奴らの後ろに移動して合図を出したら、右側の奴を狙撃して無力化してくれ』

 

「了解。リサ」

 

「はい。気温・・・24度、風速・・・東南から毎秒1.2メートル、距離・・・597メートルです」

 

「了解だ」

 

狙撃ポイントからの距離は約600m先だが、特に問題ないな。

 

スコープを距離に合わせる様に微調整して・・・っと、あとは合図を待つか。

 

リンクスはスニーキング歩法で静かに素早く動き、3つに並んだドラム缶後ろに身を屈め隠れていた。

 

「ん?どうしたんだ?」

 

身を隠してから動きがない。此方はいつでも撃てるのだが・・・

 

「多分ですが、話を聞いてるのではないでしょうか」

 

「話し?・・・あぁ、確かに敵の情報でも得ろうとしているのか?」

 

「多分、そうだと思います。Rランクの武偵が来るか来ないか話しているようです」

 

「みたいだな。勘弁して欲しいモンだな。俺たちは追われる身だからな」

 

「はい」

 

スコープから目を離さず、話していると2人が話し終えたのか、右側の奴が前を向いた瞬間、リンクスから合図を出た瞬間に素早く動く。

 

吸った空気を外に吐き出すと同時に息を止めて、標的の頭部を20倍率のスコープで狙う。

 

すると時間が遅くなったかのようにスローモーションになる。

 

これは、俺がシャーロックにスカウトされる前から鍛えた狙撃能力(スキル)の内の一つであり、狙撃限定で思考速度と反射速度の加速を行い、あたかも時間が遅くなった様になる事で標的に必中させる技。静遅術(セイチジュツ)と俺は呼んでいる。

 

この遅くなった瞬間、引き金を引くと薬室に装填されていた.338 Lapua Magnum弾の雷管に接触し発火薬に着火、そのまま発射薬に引火し弾丸を発射された。

 

溝の彫られたバレルから空気慣性に乗り高速回転して発射されたマグナム弾は、そのまま標的の後頭部に突き刺さり、脳ミソを散らして倒れる。この時間僅か2秒

 

標的が地面に倒れる前にボルトを起こし手前に引き弾丸が発射された空薬莢を排出させボルトを戻し次弾を薬室に装填する。この作業に1秒

 

「ふぅ・・・」

 

止めていた息を吸うと遅くなっていた時間が戻り始める。

 

『・・・・・・・・・nice shot』

 

「この距離なら、動いてる的でも簡単だ」

 

『・・・・・・そうか。少し死体を動かす』

 

「了解だ。背後は任せろ」

 

俺が狙撃した奴を奥にあるゴミ箱まで担ぎ上げて隠すと左側の3人はこの事に気付く事無く、そのまま奥に移動していくが直ぐに動きが止まった。

 

移動した先の建物の屋上にPSG1スナイパーライフルを構えた兵士が2人いた。

 

『・・・・・・入り口付近の屋根にいる。スナイパーの排除を頼む』

 

「了解だ」

 

「左側の物陰に隠れている兵士を最初に無力化してから、2人目の兵士を無力化してください」

 

「あぁ。ふぅ・・・っ」

 

静遅術を使い、物陰で煙草を吸おうとしていた兵士の頭を狙撃する。ボルトを起こして空薬莢を排出させ次弾を薬室に装填させ、2人目の頭部を狙撃する・・・ボルトを起こして空薬莢を排出させる。

 

この作業、僅か6秒。

 

「流石ですね!!コウ様!!(モーイ!!モーイ!!)」

 

『・・・・・・グッドキル』

 

2人から称賛の声を貰うが直ぐに表情を戻す。

 

「内部からは対処できないが大丈夫か?」

 

『・・・・・・あぁ、もしこの建物内に入る奴を見つけたら排除を頼む』

 

「あぁ。見つかったりしたら、次のポイントに移動する」

 

『・・・・・・あぁ。数分で終わるとは思う』

 

「了解」

 

通信を終えるとリンクスは、そのまま建物内に侵入して行った。

 

「さて、リサ。周辺にいる敵は?」

 

「はい。リンクス様が入った建物周辺に約18人の兵士が確認できます。どうしますか?」

 

「決まってる。やるぞ」

 

スコープ内に見える物陰に隠れている兵士から無力化いくとするか。

 

 

 

 




???Side

MH-47D‘チヌーク’内

「たくよ。アメリカ陸軍(USA)の連中は何やってんだ?」

軍事用に開発された戦闘用スーツを身に纏い顔には軍用フェイスペイントをした少年が愚痴りながら、目的の場所に向かっていた。

「合理的に考えたら、私たちに回ってくるのも頷けるけどね」

少年と同じ戦闘用スーツを身に纏った栗色のおかっぱ頭をした少女がそう言う。

「話によるとイ・ウーメンバーが3人いるって聞いてるが、ソイツ等だけで良いじゃねぇか」

「・・・合理的に考えたら、アイツ等は私たちの実働データーが欲しいんだろうね」

「っは・・・自分たちは何もしないでノコノコと生きているクソ共がっ!!」

「私もムカついてるから、この苛立ちをイ・ウーメンバーにぶつけても問題ないでしょ?」

「確かにな。オーダーには、レッドクレイジーの全滅としか言われてねぇしな。アイツ等に手を出すなとは言われてないからな」

「じゃあ・・・」

「あぁ・・・。イ・ウーメンバーには悪いが俺の糧になってもらうか」

ヘリ内で不敵な笑みを浮かべる人外と将来ヤンデレになる少女は、まだ知らない。





そのサンドバック気分にしようとした人物に自分たちが追い詰められる事を・・・。


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