第24弾です。ではどうぞ( ^^) _旦~~
ニューヨーク州ロチェスター市
とある市街地
リンクスSide
俺は今、レッドクレイジー実地行動員が本拠地に向かう日が今日であると言う情報を掴んだコルネールとリサの2人と一緒に追跡する為に実地行動員が目撃されるポイントで待機している。
「『こちらライデン。目標ポイントに到着した』」
オープンカフェでコーヒーとトーストを頼み、見た目は黒色のただの折り畳み式携帯電話なのだが色々と特殊工作されている携帯電話で2人に連絡を取る。
『確認できてる。此方もポイントに着いてるからな』
コルネールがいるであろうポイントに目線をチラッと向ける離れた場所から一度だけ、光の反射が見えた。
恐らく・・・いや確実にコルネールのスコープからの光反射だろう。
『はい。私も確認できています』
次に聞こえた声に目を向けるオープンカフェの近くにあるレストランで俺と同じく座って、カフェオレを啜っているリサを見つける。
「『確認するが対象の印象は、無地のジーパンに無地の黒色ポロシャツ、緑と黒の迷彩色のポリキャンバスショルダーバックを身に纏った180cmの身長で頬に縦切り傷ある男だったな?』」
『あぁ。現地情報によるとそうらしい』
『はい。イ・ウーの情報屋によると、それであっていると思います』
『了解した。長電話は周囲に怪しまれる。切るぞ』
『『了解』』
長電話で冷めたトーストを口の中に入れ咀嚼し、コーヒーで胃に流し込む。
「すまない。コーヒーをもう一杯くれるか?」
飲み終えたコーヒーを俺は近くにいた女店員にそう言うと営業スマイルで新しいコーヒーを持ってきた。
「さて、もう直ぐで目標が現れる時間だな」
目標が見えると言っている今更ながら、俺の来ている服の黒色のロングコートって言うのは結構、アメリカで人の目を惹いてしまうのだが、アニムスによって各マスターアサシンに鍛えられた周囲の民に紛れる気配同化を使い、自然体でいることで注意を惹く事無く一般市民として紛れる事ができている。
「おい。コーヒーをカップで一つくれ」
俺が意識を外していると目の前のレジで一人の男がコーヒーを注文した。
「あ?何だ?」
「・・・・・・いや、何でもないが?」
コーヒーを注文した男に目を向けた瞬間、目が合ってしまうが、直ぐに目を逸らしコーヒーを飲み干し、店員に金を払い席を外す。
何故なら、目が合った男こそ目標の男であるからだ。
「・・・・・・・・・・・・(作戦開始だ)」
目標の男に感づかれる前に距離を離れて、スナイパーのスコープでサポートしているコルネールには
「ごちそうさまでした(了解です)」
俺とリサは、目標と距離を開けた場所に自然体で止まり、目標の動きを監視する。
因みに
さて・・・お前の仲間たちがいる場所を教えろ
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シアーズSide
「まさか、シャーロックが送り込んだ戦闘員が『奴ら』とはな・・・」
手元にある書類は、今回シャーロックが寄越した3名の工作員についての情報だ。
一枚目の書類には、肌と同じ様に抜けるように白い金髪を持ちメイド服を着た北ヨーロッパ人の女性が写っていた。
「リサ・アヴェ・デュ・アンク。イ・ウー主戦派にして、イ・ウーNo.2に最も近い人物・・・か」
あの様な超人しか集まらない組織でこんな少女の実力がイ・ウー内で2番目に強いか・・・
経歴には、アムステルダムにある一流メイド学校に3年間通学し最年少で卒業。その後、現在奉仕している「主」に誓いをたてメイドとして活動するが「主」がシャーロックにスカウトされ共にイ・ウーに入る。
その後は、イ・ウー内で会計士として武器弾薬の値段交渉、備品や食料の買い出しにそれらの在庫管理を行う役を現在も一人で行っている。
「しかし、どう見てもただの少女にしか見えないな・・・本当にこの少女が『ジェヴォーダンの獣』なのか?」
ジェヴォーダンの獣・・・18世紀のフランス・ジェヴォーダン地方(現在はロゼール県の一部)に出現した、オオカミに似た生物とされている。1764年から1767年にかけマルジュリド山地周辺に現れ、60人から100人の人間を襲ったと言われており、表では未確認生物・・・一種のUMA説か、政府がたてた陰謀説で有名だ。
噂によると変貌した外見は、ウシと同じ大きさのオオカミに似た生物で、広い胸部で長く曲がりくねった尻尾はライオンのような毛皮の房で先端まで覆われていた、そして、小さく真っ直ぐな耳と巨大な犬歯がはみ出ている、グレイハウンド犬のような頭部をしていたと獣は全身が赤い毛で覆われ、特筆すべきは黒いしまが背中の長さ分あったことだそうだ。
噂を聞く限りどうやら、彼女の場合は前者に近いのであろうな。
「再度、注意しておかなければな・・・次はその『主』か」
1枚目を机に置き2枚目に目を通す。
「リサ・アヴェ・デュ・アンクの主。コルネール・J・ダルク」
15世紀に活躍したフランスの英雄で有名な策士・・・ジャンヌ・ダルクの子孫。
その面影を残すかのように書類の写真には、綺麗に輝く銀色の短髪で左端の髪をゴムで束ね眼鏡を掛けた美少年が写っていた。
現在は異母兄弟である従姉のジャンヌ・ダルク30世に名を受け継がせ、自分の存在を知らせる事無く裏で活動をしている。
これと言って目立った経歴はないが、シャーロックにスカウトされる前までは母国であるフランスで、義賊紛いな事をしており、磨き上げた狙撃能力と従姉までとは行かないが洗練された氷魔術を使った戦術で多くの悪人の命を散らしてきた様だ。
絶対半径は1872メートルと十分可笑しい距離を持っており、距離も射撃精度も驚異的だ。
それ故に裏では
「サーペント・・・フランス語で『蛇』か。それとも古代伝承に登場する海の大蛇から象ったのか・・・」
「どちらにせよ。この少年も警戒しなければな。さて、問題は・・・」
2枚目の書類を1枚目の上に置き3枚目を見る。
「紅き鷹の雷電・・・本名共に全ての経歴が不明・・・唯一わかっているのはコードネームである『リンクス』のみ」
しかし、実際はアブスターゴエンターテインメント社が極秘裏で進めていた『対化物用2足歩行型戦闘兵士製作』で最初に完成したプロトタイプの怪物だ。
詳細は不明だが、銃弾を目視し回避、刀による攻撃では一振りで大型の高層ビルを切り壊すことも可能だとの事であるとか、肉体はどこぞの映画で出てきそうな対象を『ターミネート』する金属ロボットやらの様に改造されているとは聞いているが・・・
「怪物か・・・兵士には見えたが怪物には見えないがな。しかし、たった1年半で良くここまでやるものだ」
アブスターゴエンターテインメント社の極秘研究所からの逃亡でSランク武偵に匹敵する4人の特殊部隊員の殺害もだが・・・
初任務のリベリアで紛争激戦区に建つ最前線ゲリラ基地での戦いもだな。
当時のゲリラは正規軍と何ら変わらない兵力を持っていたにも関わらず、たった一人の兵士によって壊滅した。
T-72主力戦車12台、Mi-24(ハインド)戦闘ヘリコプター8機、BTR-60装甲兵員輸送車8台、50人編成の小隊8班。合計636名のゲリラ兵をたった一人で殲滅したのだ。
636名・・・数字にするとどれくらいの規模か、過去の数字で表すとしたなら日本が初めて国連平和維持活動としてカンボジアに派遣したカンボジア派遣施設大隊が約600名だ。
つまり、奴は刀一本と殺したゲリラ兵の装備を使い銃弾が四方八方から飛んでくる中、大隊規模のゲリラ兵を殲滅した事になる・・・
「切り裂き魔・・・か。確かにこの惨状を見ればそう言えるな」
リンクスの去った戦場に残っていたのは、刀で切り裂かれて屍になっているゲリラ兵や一刀両断された戦車にヘリ、そして装甲車の残骸・・・
誰がどう見てもそう言って間違いないだろうな。
「これもだが、インドでのFR株式会社‘クリーエル’爆発事件・・・社内にいた社員を含む社長等が何者かに斬殺されていた・・・」
この会社は元々、シャーロックの組織イ・ウーを追いながら、人体実験などを行っていた事で理由も十分だという事で排除されたんだろうな。
「・・・潜入能力共に戦闘能力も十分に高いな・・・なんせこのホワイトハウスにも侵入し撤退すらも楽にできてしまうのだ・・・こいつは要注意人物だ」
それにどこで知ったのか、愛国者達の事も知っていると来た・・・
「奴が此方に刃を向けない事を願いたいな」
私は、切にそう思いながら、書類を仕舞った。
オリキャラの説明回に近かったですね。
次回、2人のオリキャラ無双です。
レッドクレイジーVSオリキャラ2名+リサになります。
では次回会いましょう(^_^)/~