緋弾のアリア 意志を受け継ぎし者   作:暗黒の影

22 / 50


ここ最近MGSⅴTPPのFOB襲撃が6回も起きて大変です。

その内、三回防衛に成功して、後の三回は防衛に失敗・・・資源とかの回収が・・・・


っと新話です( ^ω^)_凵 どうぞ


第19弾 砂礫の魔女との戦闘

 

 

ボストーク号・艦長室

 

 

「さて、リンクス君。君がこのイ・ウーに入学したのは、良いのだけどね?君の実力を疑っている者も多いんだ」

 

 

艦長室と言う名のシャーロックの部屋には、高級品であろう茶革製の椅子に座り、話しているシャーロック。

 

 

「・・・何が言いたいんだ?」

 

 

言いたい事は、何となく理解している。多分だが・・・

 

 

「簡単さ。実力を示してみれば、納得するさ」

 

 

「・・・実力か。つまり戦えという事か?」

 

 

「そうだね。戦ってもらう事になるね」

 

 

戦うか・・・ブラドあたりか?

 

 

「・・・了解した。なら、使い慣れているムラサマブレード1本で戦うが、構わないな?」

 

 

「別に構わないよ?対戦相手は、先に訓練区画で待っているからね。今から向かうけど構わないよね?」

 

 

「・・・あぁ、了解した」

 

 

戦闘か・・・奴らとの逃亡劇と戦闘が終えて休まずに戦闘か・・・

 

 

いや、別に研究所の時は、長期間戦闘訓練(3ヶ月)をやっていたからな、疲れていないが・・・

 

 

「・・・あの、良かったら、どうぞ」

 

 

俺が、シャーロックの言葉に顔を歪めず、心の中で嫌気がさしていると扉の近くで立っていた女の子が、俺の横に移動してティーカップを机に置き差し出してきた。

 

 

「・・・何だ?」

 

 

「っひ・・・あの、その・・・」

 

 

置かれたティーカップを見て、置いた本人に目を向けて声を出すと、やはり、先ほどと同じで怯えている。

 

 

この感情は、弱者が強者を見る時の・・・それも、恐怖心が支配している時の視線だ。

 

 

「・・・俺が、怖いか?」

 

 

俺は、机の上に置かれたティーカップの中を覗く。

 

 

「(っふ・・・確かにこれでは、恐怖を与えてもおかしくないな)」

 

 

ティーカップの中に注がれた紅茶・・・この匂いからして、ダージリンだろうな。

 

 

その注がれたダージリンの水面に反射して映る自分自身の顔を見て思う。

 

 

銀髪と黒髪が混ざり合ったウルフカットに眼付が雷電より鋭く、目を向けただけで恐怖を与えられる。

 

 

「っ!!・・・その・・・」

 

 

その様な人物に睨み付けられている様な目線を送ったら、恐怖を覚えてもおかしくない。

 

 

「・・・・・旨いな」

 

 

俺の問にどう返したらいいのか分からない女の子を見て、俺はティーカップに注がれたダージリンを飲み、感想を声に出していう。

 

 

「・・・え?」

 

 

「・・・俺が、怖いなら別に構わない。慣れているからな」

 

 

「・・・・・・・」

 

 

「・・・ご馳走様。待たせたな。シャーロック・・・いや、教授(プロフェシオン)

 

 

飲み終えたティーカップを置いて、席を立ち上がって、シャーロックの方に向く。

 

 

「構わないよ。それじゃあ、向かおうか」

 

 

扉を開けて言うシャーロックを見て俺は、ムラサマブレードを腰に装着させて、歩き部屋から退出した。

 

 

「・・・・・・」

 

 

女の子の表情が困惑を浮かべている事を理解して。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

ボストーク号・訓練区画・決闘場

 

 

「・・・それで?訓練区画に着いたのは、良いが、こんなにギャラリーがいるんなんて聞いてないが?」

 

 

周りには、俺たちを囲む様に大勢の観客がいた。

 

 

「みんな、君の実力を知りたいから見に来たんだよ。僕もその一人でね。期待してるよ」

 

 

期待か・・・どうだろうな。

 

 

「・・・・・・・」

 

観客に囲まれながら、訓練区画の中央に一人で歩いていくと、対戦相手である人物の姿が見えた。

 

 

「お主かのう?妾と戦おうと言う愚か者は」

 

 

その人物の服装は、露出度が非常に高い過激な衣装を身に纏い、耳に大きな金のイヤリングを付け、頭には、コブラを象った黄金の冠、胸当ては防御力が皆無と言っても過言ではない程に細く、その周りに黄金の飾りが付いている、腰は、細い金の鎖で留めた帯の様な絹布一本垂らしている。

 

 

「・・・・・まさか、対戦相手が、アンタだとはな」

 

 

訓練区画に佇んでいたのは、砂礫の魔女と言われている、おかっぱ頭の女性、クレオ・パトラ、ご本人であった。

 

 

「なんと、妾を前にして、その言葉遣いなっておらん」

 

 

確かに古代エジプト王妃である人物に使う言葉遣いじゃないな・・・

 

 

「・・・申し訳ございません。私の名は、リンクスと申します。不束者ですが、今回この様な試合でアナタ様との対戦相手になりました」

 

 

テンプル騎士団の研究所で教わった英才教育を活かした作法と言葉遣いを行い、改めて話し掛ける。

 

 

「なんぢぁ?やろうと思えばできるぢぁないか。妾は、古代エジプト王紀、クレオ・パトラぢぁ。しかし、なんぢぁろうな。お主に合わん、特別ぢぁ、普通に話す事を許してやろう」

 

 

はぁ・・・どう言う事だろうな。お辞儀に言葉遣い、それを完璧にやった筈なんだが・・・

 

 

研究所でも、同じ様に言われたな・・・

 

 

「・・・似合わないか、具体的には・・・いや、目や表情、雰囲気か」

 

 

「そうぢぁのう。お主の雰囲気が原因ぢぁろうな」

 

 

両者見合いながら、話し合っているが、2人とも交戦可能距離をとっており、いつでも戦える状態だ。

 

 

「さて、2人共、そろそろ大丈夫かね?」

 

 

俺らが、距離を空けながら話していると、観客側にいたシャーロックが、始めろの声が掛かる。

 

 

「妾は、何時でも大丈夫ぢぁ」

 

 

「・・・俺も同じだ」

 

 

シャーロックの言葉に返事を返し、俺とパトラは、各自特有の戦闘態勢をとる。

 

 

「それじゃあ、始めようか。これより、クレオパトラ対リンクスの決闘を始めるよ。タイミングは君たちに任せるよ」

 

 

「なら、先行は妾が貰うのぢぁ」

 

 

シャーロックの言葉が掛かると同時にパトラの足元から砂が現れ、意思がある様に動き俺に向かってくる。

 

 

「・・・・・・やはり、砂による攻撃か」

 

 

襲いかかって来た砂を後ろにステップして回避するが、そのまま続いて襲い掛かってくる。

 

 

「妾の攻撃は、避けれぬぞ。どうする?」

 

 

多分だが、あの砂には、呪いが掛かっているだろう。あまり、触れない方が良いな。

 

 

「・・・っふ!!」

 

 

腕の人工筋肉と腰の人工筋肉の出力を瞬時に上げて、ムラサマブレードが収まった鞘の引き金を引き、ムラサマを高速射出させ、砂に向かって高速で振り抜く。

 

 

腕と腰の人工筋肉からの出力とムラサマブレードのスパイク射出による両方によって発生した風の斬撃は、波の様に襲ってきた砂を切り裂いた。

 

 

「・・・んぁな!?妾の『王の砂塵壁』を切り裂いたぢぁと!?」

 

 

風圧の斬撃により切り裂かれた砂の隙間から、パトラの驚きの顔が見えた。

 

 

多分、あの砂の技は、結構自信があって・・・それで、決着をつけるつもりだったんだろうな。

 

 

だが、予想外な事に風圧で自信の技を切り裂かれて驚いたんだろう。

 

 

「・・・触れなければ、良いだけだだからな」

 

 

この様な事を言ったが、極みまで鍛えた様な達人級の者ならともかく、普通の人間が実際にやろう物ならば、腕と腰が使い物にならなくなるだろう技だ。

 

 

そんなデメリットの大きい技であるが、メリットも大いにある技であり、砂の壁が無ければ、そのままパトラの胴体を切り裂いていた。

 

 

・・・と言っても、砂の壁を切り裂く為に放った技であり、届いたとしても、そこまで深い傷を負う訳でもなく、風速の失速により、鎌鼬にやられた様な浅い切り傷を負う位だ。

 

 

「ふむ。名付けるなら、真空斬り(峰)かな?」

 

 

観客側で見ていたシャーロックが、俺の放った技に勝手に名前をつけた様で俺にも聞こえるレベルで呟く。

 

 

「これなら、どうぢぁ!!」

 

 

流石、イ・ウーNo.2を持っているだけあって、砂の壁が切り裂かれるも、直ぐに意識を戻し、砂を動かして来た。

 

 

先程、切り裂いた砂が、俺を円状に囲む様に動き始め、ドーム状になり俺を閉じ込めた。

 

 

上にジャンプして回避する方法もあったが、その場合、出た瞬間に攻撃されるだろうからな・・・

 

 

こうさせてもらう!!

 

 

「・・・・せやっ!!」

 

 

体全体の人工筋肉を連動させ、腰を限界まで捻り曲げ、居合い斬りの構えでムラサマブレードを持ち、人工筋肉の出力を上げていく。

 

 

バチッ・・・バチッバチッ!!

 

 

人工筋肉の出力が上がっていくと同時に体から、蒼色の電流が放電し始め、真っ暗な砂のドーム内が、明るくなっていく。

 

 

「・・・コレくらいか?」

 

 

『どうぢぁ!!コレで、逃げれまい!!潔く降伏すれば、出してやるのぢぁ!!』

 

 

人工筋肉の出力を上げていると同時に微調整をしていると外からパトラの声が聞こえてくる。

 

 

「・・・甘いな」

 

 

敵に命乞いを薦めるとはな・・・。それじゃあ、敵に隙を与えているだけだぞ・・・

 

 

『なんぢぁと!?妾が気を利かせているというのに!!それならば、その<砂落の処女>で死ぬが良いのぢぁ!!』

 

 

パトラがそう言うと、ドームの内側の砂が膨れ上がり、鋭い針状に変化した。

 

 

「・・・アイアンメイデンの砂版の様な物か」

 

 

『最後ぢぁ!!降伏せんのぢぁな!?』

 

 

「・・・クドい」

 

 

『そうか、ならば・・・王に歯向かった罰ぢぁ!!死ね!!』

 

 

鋭く尖った針状の砂が、俺に向かって伸び肉を切り裂き穿つ前に溜めに溜めた人工筋肉の出力を解放・・・それと同時に鞘のトリガーを引きムラサマブレードを高速で・・・人には見えない速度で『何十回』も振り抜く。

 

 

するとどうだろうか・・・先程とは、段違いのスピードと威力によって発生した『斬撃』は、俺を閉じ込めていたドーム『砂落の処女』が、先ほどの風圧の数倍の風圧が発生・・・狭い空間に風圧を閉じ込められず、膨張し爆発した。

 

 

風圧で吹き飛んだ砂は、砂煙となり訓練区画全体を覆い隠した。

 

 

「な、なんぢぁ!!一体何が起きたんぢぁ!?」

 

 

「・・・オーグメントモード起動」

 

 

いきなり、発生した砂煙により、混乱しているパトラであるが、俺はバイザーとマスクを展開させて粉塵マスクとオーグメントモードによる暗視ゴーグルにより、パトラの場所が見えている俺は、スニーキング歩法と歴代アサシンに直接教わった気配同化を応用しパトラの後ろに近づく。

 

 

「どこぢぁ!!姿を見せるのぢぁ!!」

 

 

俺は、後ろにいる事に気づいていないパトラの首筋にムラサマブレードを静かに音をたてず、気配を悟られずに向けようと動く。

 

 

このまま、行けば試合終了になるの筈だった・・・

 

 

「っぐ!?」

 

 

ムラサマブレードの刃が、パトラの首筋の肌に触れるかと思った瞬間、俺の左脇に強い衝撃が走り、体が浮き上がり、強制的にパトラから離れることになった。

 

 

突然の衝撃に驚くが、瞬時に頭のニューロチップを動かし、視覚的反応速度を極限まで動かす事で時間の流れを緩め、衝撃の正体を探る。

 

 

緩くなった時間の中見つけたのは、頭部が黒い犬・・・いや、ジャッカルの様な形をした人間が半月型の大斧を振りかぶった状態で佇んでいた。

 

 

「なんて言う訳ないぢぁろ。妾の後ろにいる事は知っておるのぢぁ」

 

 

空中で体勢を立て直し、地面に着地しパトラの方を見ると立ち篭っていた砂煙が収まり始め姿が見えた。

 

 

「・・・・何故わかった。気配ともに足音も聞こえなかった筈だ」

 

 

「ほほほっ。砂煙の中、後ろから不意打ちするつもりだったのぢぁろう?」

 

 

俺が後ろにいた事がわかった絡繰りが分からず、頭を動かしながら、聞くとパトラは手の甲を口元に当て嗤いながら言ってくる。

 

 

「・・・あぁ。ムラサマで降参させる予定だった」

 

 

どう言う事だ?完全にアイツの後ろをとった筈だ・・・レーダーか何かがない限り、分かる訳・・・レーダー?

 

 

・・・まさか

 

 

「お主の考えている通りぢ。妾が得意とする物は『砂』ぢよ」

 

 

「・・・あの視界不良の中で俺の居場所がわかったのは、それのお陰か」

 

 

「そうぢ。砂煙だろうと砂埃であろうと、妾は元々、それらが酷かった砂漠にいたのぢ。対応策があるに決まっておる」

 

 

「・・・そうか」

 

 

視界不良の酷い砂煙の中、俺の居場所が、分かった理由・・・それは、コイツの使う魔力を含んだ砂がレーダーの役割をしていたからだ。

 

 

結果、始っからパトラに見つかっていた俺は、それに気づかず、まんまと脇腹に攻撃を食らってしまったのだ。

 

 

「どうぢ?素直に降参するか?」

 

 

未だに降参を薦めてくるパトラに対して俺の返事は・・・

 

 

「・・・いや、コレで終わりにさせてもらう」

 

 

パトラにそう返事を返し、先ほどのドーム内と同じ様に人工筋肉を動かす。

 

 

「ならば、お望み通り終わりにしてやるのぢ!!」

 

 

瞬時に人工筋肉の出力が上がり、蒼色の電流が流れ始めると同時にパトラの横にいたジャッカル頭の人型が半月型の大斧を構えながら、突撃してきた。

 

 

「・・・・・パトラ。忠告だ、死にたくないなら、避けろ」

 

 

先ほどの剣技は、自身が閉じ込められた時や物が塞がっている時に使うものであり、範囲が狭かったのだが、今から放つ剣技は、全体に剣速を振るのでは無く、前方に剣速を一気に振る事で、前方に真空波の刃である非常に鋭い『斬撃』を放つ。

 

 

「・・・・っぜぁあ!!」

 

 

・・・つまり

 

 

「っきゃ!!」

 

 

パトラの前にいたジャッカル頭の人型は、腹部から切り裂かれ上半身と下半身が分離すると風速に耐え切れず、砂に戻り消え去ったが、真空波の刃は、そのまま、パトラに向かって飛んでいく。

 

 

パトラの腹部を切り裂くかと思った真空波は、パトラ自身が危険だと察知し、しゃがみこんで回避すると訓練区画の壁を切り裂き止まった。

 

 

「な、なんぢ。今のは・・・」

 

 

尻餅状態で真空波の斬撃に気を惹かれているパトラに縮地で近づき、首筋にムラサマの刃を付ける。

 

 

「・・・・コレで終わりだ」

 

 

「・・・ぬぅぅ。そうぢのぅ。お主の勝ちぢぁ」

 

 

パトラ本人の敗北の宣言を言うと観客席側から、拍手が鳴り響いた。

 

 

「おめでとう。リンクス君。コレで君の実力は、皆にも伝わったと思うよ」

 

 

拍手した人物に目を向けると観客席側にいたシャーロックが此方に歩きながら、そう言ってきた。

 

 

「さて、コレにより、新人であるリンクスとクレオパトラの決闘を終了する。お疲れ様2人共。それと入学おめでとうリンクス君、君は今日から本当にイ・ウーの生徒だよ」

 

 

「・・・そうか、パトラ。立てるか?」

 

 

俺は、シャーロックの言葉に返事を返しながら、尻餅を付いたパトラに手を差し出す。

 

 

「なんともないのぢ。それより、最後のはなんぢ?」

 

 

そのまま、自力で立ち上がったパトラを見て、差し出した手を引っ込めると先程放った剣技を聞かれた。

 

 

「・・・知っても意味がない。シャーロック。俺の部屋は何処だ?」

 

 

「君の部屋なら、僕の部屋に戻れば分かるよ」

 

 

「・・・了解した」

 

 

パトラの質問を答えず、シャーロックに聞く事を聞いて訓練区画から、そそくさと出て歩く。

 

 

後ろの方で、パトラが騒いでいるが、俺は無視して、そのままシャーロックの部屋に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

コレは、後に紅き鷹の雷電(ライトニング・ホーク)と呼ばれ全世界から恐れられる事になるリンクスのプロローグにして序章に過ぎない。

 

 

 






パトラの言葉遣いがぁぁぁぁ!!

可笑しい・・・パトラってこんなに優しかったけ?

喋り方とか、色々可笑しいと思いますが、すみません。自分の文才では限界です(´;ω;`)



それでも構わないと思う人は、次回会いましょう( ´ ▽ ` )ノ


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。