緋弾のアリア 意志を受け継ぎし者   作:暗黒の影

21 / 50

所々の年代表記が可笑しいかもしれませんが、ご了承ください。


では、( ^ω^)_凵 どうぞ


第18弾 悪の巣窟

 

 

原子力潜水艦:伊・U・船内

 

 

俺は、現在、イ・ウー元No.2であった女性。砂礫の魔女と世間から呼ばれている女性と戦っている。

 

 

「・・・流石にジリ貧だな」

 

 

「妾の呪いを受けて、未だに生きているとは、驚きじゃ」

 

 

「呪いか・・・そう言った類は、効かない体質でな」

 

 

何故、俺が、この女性、クレオ・パトラと戦っているのか・・・

 

 

それは、数十分前に遡る・・・

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

イギリス・マインヘッド

 

 

「・・・それで、どうやって潜水艦に行くんだ?」

 

 

交渉成立した俺とシャーロックは未だにマインヘッドの山奥の森にいた。

 

 

「安心するといい。プリストル海峡に駐留させているからね。街への行き方は、山道に止めている車で行くよ」

 

 

「・・・車?この先の道を無事に降りれるのか?」

 

 

この山道は、車が通れる程の道じゃないと思うのだが・・・

 

 

「大丈夫だよ。少し揺れると思うけどね」

 

 

そうか?なら、良いのだが・・・

 

 

「それなら、車のある場所に・・・ん?」

 

 

ブォォォオン・・・

 

 

俺が、シャーロックが車を停めている所に行こうと足を進めると同時に研究所方面からエンジン音が聞こえてきた事にその足を止めてしまう。

 

 

「どうやら、そうも言ってられないようだね?」

 

 

聞こえてきたエンジン音が、どんどん近くなって来ている事に俺は、先程入手したハンドガンを構える。

 

 

「変わった。銃だね?大分カスタマイズを施されている様だけど」

 

 

シャーロックは、俺の構えたハンドガンを見て不思議そうに、そして気になる様に聞いてきた。

 

 

「・・・あぁ。研究所から、拝借したハンドガンだ。名前は・・・『皇帝殺し(キラーエンペラー)』らしい」

 

 

「皇帝殺しとは、物騒だね・・・」

 

 

このハンドガンの形は、最早ハンドガンの分類に入らない・・・分類で言ったら、ハンドキャノンと呼ばれる様な大口径ハンドガン(簡単なのはデザートイーグルの様な大型)に入る。

 

 

この銃のバレルは、強固なロングバレルになっており、頑丈かつ確実な動作性を確保している。全体の重量を保たせる為、大型スタビライザー内蔵のストライクフロントキットが付いており、銃全体のバランス性と近距離による対処が可能になっている。スライド部分は、カスタムスライドを使い重量スライドで発砲した時の反動を抑える。トリガーには、カスタムトリガー2ホールロングにする事で操作性と連射速度を上げた。ハンマーには、ステンレス製スケルトン・ハンマーになってり、トリガーと合わさる事で連射速度・操作性をともに上げる。サイトには、ナイトサイトを使われており、夜間での命中率を上げる。

 

 

使用弾薬は、500S&Wマグナム弾を使っている。装弾数は、8発と少ない。

 

 

しかし、それは、しょうが無いことであり、このハンドガンは威力と性能しか求めていないものであり、人が使う事を考慮していない為、この様な仕様になってしまっている。

 

 

「さて、話しているのも、これくらいだね。お客さんが来たよ?」

 

 

ブォォォォオン!!

 

 

シャーロックは、再びハット帽子を被った。俺は自身のハンドガンについて説明していると近づいて来ていたエンジン音の正体が露わになった。

 

 

姿を現したのは、現行配備されている軍用バイク、カワサキ・M1030M1/B1に乗った武装兵士が4台現れた。

 

 

「リンクス。研究所に戻れ。貴様に外出の許可を出した覚えは無いぞ」

 

 

バイクに乗っていった兵士が、そう言いながら、俺とシャーロックに手に持っていたサブマシンガンを向けて警告してきた。

 

 

「・・・との事だ。どうする?」

 

 

「そうだね。君は、もうイ・ウーのメンバーだからね。今、連れて帰られると困るからね・・・ん~」

 

 

銃を向けられているにも平然としている俺とシャーロックは、軽い言葉を交わしていた。

 

 

「・・・俺も研究所に戻るのは、嫌だからな・・・」

 

 

「貴様に決定権はない。従わないのならば、無理矢理連れて行くだけだ」

 

 

バイクに股がっている兵士がそう言い、俺を無力化したあの忌々しいスイッチを取り出した。

 

 

「・・・またか」

 

 

兵士が取り出したスイッチを見た俺は、嫌気がさした。

 

 

「貴様が言う事を聞かなくても、コレを使えば、言う事を聞くことになる」

 

 

兵士は、そう言いスイッチを押した。

 

 

「っ・・・・っぐ!!」

 

 

全身に超高圧電流が流れ始め、激痛が走り始める。

 

 

「ぬぅ・・・ぐぅ!!」

 

 

しかし、何故だが、最初に喰らった時より、痛みが断然に少なかった。

 

 

「・・・っ・・・その忌々しい装置を止めろ・・・」

 

 

俺は、最初の時より少ない痛みに耐えながら、握り締めていたハンドガン『皇帝殺し(キラーエンペラー)』をスイッチを持っている兵士に向ける。

 

 

「っ!?何故だ!!何故効いていない!?」

 

 

その事に驚きを隠せない兵士は、スイッチを押したまま、手に握っていたサブマシンガン『H&K MP‐7』を向けてきた。

 

 

「・・・・黙れ」

 

 

俺は、スイッチを握っている腕に目掛けて『皇帝殺し(キラーエンペラー)』の引き金を引いた。

 

 

乾いた様な発砲音では無く、爆音に近い音が響いた。(パンッ!!✕ガゥン!!○)

 

 

皇帝殺し(キラーエンペラー)』の銃口から爆音が鳴り響いた瞬間、兵士のスイッチを握り締めていた手が消し飛んだ。

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

銃を撃った俺本人、その現象に驚きを隠しきれない。

 

 

「っえ?・・・うぅぁぁぁぁあ!!腕が!?俺の腕が!?」

 

 

スイッチを握りしめていた兵士が、消し飛んだ腕の場所を押さえて泣き叫ぶ。

 

 

「・・・君、中々、エグい事をするね」

 

 

「・・・いや、流石の俺も驚いている」

 

 

消し飛んだ腕を見て、冷や汗を掻く2人。

 

 

皇帝殺し(キラーエンペラー)』に使用されている弾丸・・・500S&Wマグナム弾は、44マグナム弾の3倍の威力、454カスール弾の34%増と言う強力過ぎるパワーを持っている。

 

 

それを人体にぶち当てたら・・・まぁ・・・ね?

 

 

「・・・まぁ、さっさと終わらせるとするか」

 

 

シャーロックは手を出さなさそうだからな・・・、俺一人で対処するか・・・

 

 

スイッチが消えた事で超高圧電流が収まり立ち上がる。それと同時に周りにいた兵士を睨む。

 

 

「っ・・・殺れ!!オッツォ氏から連れ戻せないなら、殺しても構わないと言われている!!」

 

 

スイッチを握っていた兵士が消し飛んだ腕を抑え、忌々しそうな声で他の敵兵に呼びかけた。

 

 

「・・・一応、聞くが手伝ってくれるのか?」

 

 

「いやいや、コレは君の問題だからね。僕は手を出さないよ」ニコニコ

 

 

いや、予想はしていたが、こうまでニコニコした顔を見たら、苛立ちが込み上げてくるな・・・

 

 

「・・・分かった。なら、先に車の所に行っていてくれ」

 

 

「そうかい?なら、待っているよ」

 

 

いつの間にか敵の包囲網を抜けていたシャーロックは、車が置いてある場所に向かって歩いていた。

 

 

「・・・・・・さて、俺とアンタ等だけになったな」

 

 

俺は、左手でムラサマブレードを鞘から引き抜き、逆手持ちにしながら、後ろで構え『皇帝殺し(キラーエンペラー)』を腕を無くした兵士に向ける。

 

 

「殺れ!!」

 

 

腕を無くした兵士の怒声に近い声で言うとバイクに乗っていた兵士たちが、バイクから降りて、手に持っていたサブマシンガン『MP-7』の引き金を引き、発砲してきた。

 

 

「・・・遅い」

 

 

左右から飛来してくる数十発の4.6x30mm弾をバク宙で回避すると同時に空中で逆さま状態で『皇帝殺し(キラーエンペラー)』の引き金を引き、500S&Wマグナム弾を2発、右側にいる2人の兵士のバイクのエンジンに撃ち込んだ。

 

 

地面に着地すると同時にバイクが爆発する追い撃ち続けている兵士の弾丸が、飛来するが、体を左右に逸らし弾を回避していく。

 

 

「っがは・・・」

 

 

弾幕が止まり、4人が弾倉変え(リローディング)した瞬間、人工筋肉を使いった短距離縮地を行い、敵との距離を瞬時に詰め、ムラサマブレードで右端の兵士の胸を下袈裟斬りすると同時に後ろ回し蹴りを行い後ろの木に叩きつける。

 

 

「っくそ!!撃て!!撃て!!」

 

 

仲間が殺られた事に動揺している兵士たちが、射線が定まっていない状態で乱射してくる。

 

 

「・・・それだけか?」

 

 

俺は、ゆっくりと歩き近寄り、飛来してくる弾丸をムラサマブレードを使い、弾いていく。

 

 

「何故だ!?何故当たらない!?」

 

 

自分たちが撃っている銃の弾丸が、目標である俺に被弾しない事に動揺しているが、俺がしているのは、ムラサマブレードを使い、飛来してくる弾丸を常人では見えない速度で弾き飛ばしているだけ、その所為で常人からしたら、謎の防護膜があると思ってしまうんだ。

 

 

「・・・シャーロックを待たせているんでな。早急に終わらせてもらう」

 

 

瞬時にムラサマブレードを鞘に戻し、鞘の引き金を引きスパイクで飛び出たムラサマブレードを掴み取ると同時に人工筋肉を瞬間的にだが、最大出力にして間合いにいる敵兵5人に向けて振り抜く。

 

 

それによって、発生したのは、ただの風。刀の刃本体は、敵兵の誰にも当たっていないのだ。

 

 

「あ・・・悪魔・・・」

 

 

しかし、兵士の言葉を最後に全員の体が腹部から横にズレ落ち、死んだ。

 

 

「・・・・残りのバイクも消しとくか」

 

 

皇帝殺し(キラーエンペラー)』をホルスターから引き抜き、瞬時に引き金を引き、驚異的な破壊力を持つ500S&Wマグナム弾を残り4台のバイクのエンジンに当て、爆発させる。

 

 

「・・・シャーロックの場所に向かうか」

 

 

バイクが破壊したのと兵士の脈が止まっているのか確認し、地面に落ちているサブマシンガン『MP‐7』を2丁と予備マガジンを6個ほど回収し、その場から、フリーランを活用してシャーロックが待つ場所に向かった。

 

 

残されたのは、未だに燃え続けているバイクとその近くに横たわる武装兵士たち6人の死骸だけ。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

シャーロックが居るであろう場所に向かうと、そこには、エンジンを起動させた状態で外でパイプを吹かしているシャーロックがいた。

 

 

「・・・待たせたな」

 

 

「予想より、早かったね。もう、大丈夫かな?」

 

 

「あぁ。さっさと移動しよう。多分だが、増援部隊が向かってきている」

 

 

「そうだね。じゃあ、乗りたまえ。移動しようじゃないか」

 

 

運転席に乗ったシャーロックを見て、後部座席に飛び乗る。

 

 

「・・・・安全運転で頼むぞ」

 

 

飛び乗ると同時にシャーロックは、車のハンドブレーキを下ろすとギアを入れてアクセルを踏んで車を発進させた。

 

 

「ははは。任せたまえ」

 

 

ゆっくりと道を下っていると2人の間に沈黙が訪れた。

 

 

「・・・・アンタに聞きたい。『愛国者達』『アサシン』『テンプル騎士団』『エデンのリンゴ』『核搭載二足歩行型戦車』このどれかに聞き覚えはあるか?」

 

 

胡座状態でムラサマブレードを肩に掛けて聞く。

 

 

「ふむ。君の言葉からして、表的な意味ではなく裏での意味かな?それなら5つとも知っているよ」

 

 

「っ何!?『エデンのリンゴ』も知っていると!?」

 

 

「あぁ。僕自身も『彼ら(テンプル騎士団)』とは、長い付き合いでね。その中で『エデンのリンゴ』や『アサシン』についても知ったね。『愛国者達』の方は、大分前に戦ったね」

 

 

「・・・なに?テンプル騎士団との関係は、後で聞こう。愛国者達と戦ったとはどういう事だ?」

 

 

「どうやら、過剰戦力を有している僕たちを恐れたらしくてね。アメリカ海兵隊所属の強襲揚陸艦『ナッソー』一隻を出して来たよ」

 

 

「・・・おいおい。軍隊か?」

 

 

強襲揚陸艦って・・・

 

 

「そうだね。でもまぁ、丁重にお引き取りを願ったけどね」

 

 

「そうだろうな・・・。それにしても、死者を出さずにか?」

 

 

パトラとか、ブラドがいるからな・・・一人くらい死者が出るかと思ったのだが・・・

 

 

「彼らの事かい?契約で[死者]を出さない様に言っといたからね」

 

 

死者の部分を強調するって事は、死なないレベルで無力化したと・・・重傷者が多かったんだろうな・・・

 

 

「良く承諾したな・・・」

 

 

アイツ等が話を承諾するとはな・・・

 

 

「言ったろう?契約をしたって」

 

 

その契約内容が気になるが・・・っ!?どうやら、追っ手が来たか・・・

 

 

「・・・まぁ、内容は聞かない・・・それより、お客さんが来たぞ」

 

 

俺は、先程手に入れたサブマシンガン『MP-7』2丁を構えると同時に後方から、4台のハンヴィーが姿を現した。

 

 

それもガチガチの追加装甲を装着しており、防弾性能が高い。追加装備としてM249軽機関銃が上部ハッチに装着されていた。

 

 

「みたいだね。この軍用ジープだと少々厳しいね。街に出てしまえば、彼らも、そう簡単に撃てないからね。それまで、お願いできるかい?」

 

 

お願いってのは、このジープの護衛だろうな・・・

 

 

「・・・殺らなければ、こっちが殺られるからな。アンタは運転に集中していろ」

 

 

「そうかい?まぁ、任せたよ」

 

 

「あぁ・・・」

 

 

返事を返すと同時に俺は、試しに後方に付いたハンヴィーの窓に向けて、MP-7を発泡する。

 

 

「・・・当たり前か」

 

 

放った弾丸は、強化防弾ガラスによって、阻まれる。

 

 

「・・・攻撃は、不可能か。多分だが、タイヤも防弾製だろうな。攻撃じゃなく防御が主要だな」

 

 

MP-7を仕舞い、ムラサマブレードを構える。

 

 

「・・・奴らが撃ってくる。ある程度はガードするが、回避行動は任せる」

 

 

「分かったよ。任せると良い」

 

 

言葉を短く極端に言うと同時にハンヴィーの上部ハッチが開き、兵士一人が機関銃の引き金を引き発砲して来た。

 

 

「・・・・っ!!」

 

 

飛来してきている弾丸をムラサマブレードで高速に動き連鎖撃ちver:Sを行い弾いていく。

 

 

「っコレでも、喰らえ!!」

 

 

左側のハンヴィーから、対戦車ミサイルであるジャベリンを肩に掛けた兵士が上部ハッチから現れ、ロックオンしようとスコープを覗き狙いを定める。

 

 

「・・・遅い」

 

 

それに気付いた俺は、すかさずレッグホルスターに収めていた『皇帝殺し(キラーエンペラー)』を引き抜き、狙いを定めて、引き金を引く。

 

 

「・・・・・っ!?」

 

 

この不安定過ぎる山道での射撃の命中率は、あまり期待ができない。それも、動いている的である頭を狙うと言うのは、極めて難しい。

 

 

筈なのだが・・・俺の体は、人工筋肉とリン酸カルシウム複合チタン合金製によって、強化された事で異様な程の射撃精度を持っている。

 

 

それにより、先ほど発射した弾丸は、寸分狂わず、敵兵の頭を消し飛ばした、頭が吹き飛んだ兵士は、その反動でジャベリンを下に向けて引き金を引いてしまった。

 

 

ロックオンが完了していたジャベリンの成形炸薬弾頭が車両内に発射された瞬間・・・

 

 

「・・・一台排除完了」

 

 

車が爆発・・・黒く灰色の煙と薄赤いオレンジ色の炎が立ちこもる。

 

 

「開けた道に出るよ」

 

 

「・・・了解だ」

 

 

シャーロックの言葉に目を前に向けると、少し先に車輌2台分は通れる道が見えた。

 

 

「それと、コレを使うと良い。因みに1発分しかないからね?」

 

 

目を移すと同時に助子席から、一つの銃を渡してきた。

 

 

「・・・古典的な武器を良く持っていたな」

 

 

その銃は、中折れ式リボルバーの先端に大きく丸い物を付けた『異形』だったが、その銃には見覚えがあった。

 

 

それは、1930年にドイツのワルサー社が制作した26.6mmの信号拳銃を改良した物で、先端に手榴弾をくっ付けて発射する、ピストル型擲弾発射器『カンプピストル』だった。

 

 

「即席に用意したのが、それしか無くてね。まぁ、許してくれたまえ」

 

 

「・・・無いよりかは、マシだ」

 

 

この銃、カンプピストルは対軽装甲車輌としても、使用されていた。その為、対爆発処理をされていないハンヴィーには、効果はあるだろう。

 

 

しかし、残弾は一発限り、残り車輌3台・・・使いどころを間違わない様にしないとな。

 

 

「さぁ。彼らが来たよ」

 

 

カンプピストルを受け取り、近付いて来ているハンヴィー1台を見る。

 

 

この間に敵は、攻撃を緩めず、ひたすら機関銃を撃って来ているが、全てムラサマブレードで弾き飛ばしている。

 

 

ッガン!!

 

 

近付いて来たハンヴィーが、勢いを付けてぶつかってきた。

 

 

「おっと・・・随分と乱暴だね」

 

 

「・・・街まで、どれくらいだ?」

 

 

車体が、削れる音がするが、気にせずシャーロックと喋れるあたり、自分でも結構肝が据わっていると思う。

 

 

「もう少し先だね」

 

 

「・・・先か」

 

 

ッガン!!

 

 

「・・・話の邪魔をするな」

 

 

車体を衝突させ、シャーロックとの会話を邪魔してくるハンヴィーにイラつき、再度衝突しようとした瞬間にムラサマブレードを車体に突き刺し、上に持ち上げる。

 

 

「・・・おら」

 

 

突き刺したハンヴィーを後方で、未だに機関銃を撃ち続けているハンヴィーに向けて投げ飛ばした。

 

 

「人の事を人外だと思っておきながら、君も十分人外ではないかい?」

 

 

投げ飛ばされたハンヴィーは、機関銃を撃ち続けているハンヴィーにぶつかる。

 

 

車体裏のガソリンタンク付近をピンポイントにカンプピストルの榴弾をぶち当てる。

 

 

「・・・・心を読んだのか?」

 

 

榴弾が、ガソリンタンク付近に着弾した瞬間、大爆発。2台のハンヴィーが黒煙と炎が発生するが、気にせずシャーロックの言葉に反応する。

 

 

「簡易的にだけどね」

 

 

そりゃあ、肉体改造されたからな、骨や内蔵を含めたほぼ全てが、改造されているからな。

 

 

「・・・確かにな。アンタの事を人外と思っていたが、俺も大概に人外だな」

 

 

「最後の1台は、どうするんだい?」

 

 

爆発した味方車輌を回避しながら、距離を詰めてくるハンヴィーを見る。

 

 

「・・・相手をしなくても良い様だな」

 

 

距離を詰めて近付いてくるハンヴィーであったが、山道から街に続く、街道に出た瞬間、スピードを落とし始めた。

 

 

「どうやら、追ってこない様だね」

 

 

「・・・あぁ」

 

 

街の入口付近に近付き始めると車が止まり、追ってこなくなった。

 

 

「彼らの対応力は、少し厄介だからね。今の内に急ぐとしよう」

 

 

街の道路に入ったとしても、スピードを緩めず、そのまま目的地である浜辺まで突き進む。

 

 

「おっと、そうだった。彼女に連絡をしないとね」

 

 

追っ手が来ない事を確認した俺は、ムラサマブレードを鞘に戻して、座り込んでいるとシャーロックが何かを思い出したかの様にコートのポケットから、小型無線機を取り出した。

 

 

「さてと・・・『聞こえてるかい?もう直ぐ着くから、準備をお願いするね』」

 

 

通信機のスイッチを押しながら、シャーロックが、そう言うと通信機越しに焦った女の子の声が聞こえた。

 

 

『シャーロック卿!!ご無事でしたか!?』

 

 

「『あぁ。安心すると良い、彼を連れて今海岸に向かっている途中だよ』」

 

 

『彼・・・と言う事は・・・分かりました。直ぐに浮上させます』

 

 

「『あぁ、お願いするね。着き次第、直ぐに離れるよ』」

 

 

『分かりました。ではシャーロック卿。お待ちしてます』

 

 

「『あぁ』・・・と言う事だから、良いかい?」

 

 

「・・・あぁ。聞くまでもないだろう」

 

 

「そうかい?まぁ、気にしない事だよ」

 

 

「・・・それより、聞きたい事がある」

 

 

「さっきの質問の続きだね。構わないよ」

 

 

「・・・・核弾頭搭載二足歩行型戦車について、知っていると言ったな。どう言った事を知っている?」

 

 

「ふむ、そうだね。1999年に中近東に隣接するザンジバーランド騒乱事件がつい最近起きたばかりだね」

 

 

「・・・・ザンジバーランド騒乱事件。そうか・・・他には?」

 

 

ザンジバーランド騒乱か、アウターヘブン蜂起でクローンいや、彼の(ファントム)であるBIG BOSSが、愛弟子であるソリッドの手によって、殺されたが、真のBIG BOSS(ジョン)が再び起こした事件。

 

 

つまり、伝説の英雄の(ファントム)が死に影を失った伝説の英雄は、表の舞台に姿を現し、息子に殺された。

 

 

しかし、多分BIG BOSSは、愛国者達によって、生き延びているだろうな。

 

 

「ふむ、そうだね。今の所は、聞いてないかな?」

 

 

正確には、アウターヘブン蜂起の前から、

 

 

「・・・分かった。なら、最後に聞きたい『エデンのリンゴ』の在り処についてだ」

 

 

「それを知って、どうするつもりだい?」

 

 

「・・・アイツ等とヤツ等(アサシンとテンプル騎士団)には、手渡せないからな。集める」

 

 

テンプル騎士団は世界統一と言う名の世界征服を目論む独裁組織。アサシンは人民による縛られない自由な行動と言う名の反政府ゲリラ組織みたいなものだ。

 

 

確かに2つの中には、物分りの良い人達もいるが、幹部の奴らが信用できない。コレは両者とも同じだ。

 

 

「その後は、どうするつもりだい?」

 

 

どうするか・・・簡単だ。

 

 

「・・・誰にも見つからない場所に厳重保管する」

 

 

場所には、心当たりがあるからな。

 

 

「ふむ。今の所、何十箇所かは、場所を知っているよ」

 

 

やはり・・・なら・・・

 

 

「でも、今の君に教えられないね」

 

 

その言葉に苛つくが、その言葉を聞いて納得をしてしまう。

 

 

「・・・確かにそうだな。今の俺に教えても意味がない。来るべき時が来たら教えてくれ」

 

 

「そうさせてもらうよ。さぁ、着いたよ」

 

 

シャーロックから、情報を聞いていると目的地である海岸に到着した。

 

 

「・・・潜水艦は?」

 

 

後部座席から、飛び降りるとブリストル海峡の碧色の海が広がっていたのだが、目的の原子力潜水艦・ボストーク号の姿が見えない。

 

 

「もう来ているよ」

 

 

「・・・何?」

 

 

シャーロックの言葉と同時に海面が、膨れ上がり始めると黒く金属特有の光沢を輝かせる物体が姿を現した。

 

 

「・・・コレが、ボストーク号か」

 

 

姿を現したボストーク号に目を向けると、入口である上部ハッチが開き、女の子が現れた。

 

 

「シャーロック卿!!お急ぎ下さい!!彼らが来ております!!」

 

 

姿を現した女の子が、そう叫んでおり、俺たちの行動を急がせる。

 

 

「との事だ。それでは」

 

 

「・・・少し、遅かったな。奴らの先行部隊が到着していた様だ」

 

 

俺たちに行動を急かすが、物陰から重武装の兵士たちが姿を現し、銃口を此方に向けている。

 

 

「・・・どうする。戦闘を開始するか?」

 

 

「いや、このまま、行動を開始してしまったら、ボストーク号が囲まれてしまうからね。此処は・・・」

 

 

「・・・了解した」

 

 

シャーロックの言葉を理解した俺は、先程まで乗っていたジープを先行部隊に向かって、蹴り飛ばす。

 

 

その瞬間、先行部隊の視界を遮るとシャーロックを脇に抱えて、ボストーク号の上部ハッチに向けてジャンプし着地した。

 

 

「きゃっ!!」

 

 

着地した瞬間、いきなり現れたシャーロックと俺に驚き倒れそうになるが、それをシャーロックが受け止める。

 

 

「・・・着いたぞ」

 

 

「そのようだね。それじゃあ、中に入ろうか」

 

 

女の子を降ろして、言うシャーロックに俺は、無言で頷き動く。

 

 

「・・・あの?」

 

 

「・・・先に入れ」

 

 

「は、はい!!」

 

 

客人である俺より先に入ろうとしない女の子に向けて、そう言うと、恐怖心の様な感情が混ざった顔をしながら、返事をして中に入っていく。

 

 

「・・・・・・」

 

 

全員が入ったことを確認し、自分も中には入り、上部ハッチを閉じる。

 

 

「さて、ようこそ。イ・ウーへ、歓迎するよ。リンクス君」

 

 

上部ハッチを閉じて地面に立つとシャーロックがそう言ってきた。

 

 

 





年代表

1995年:アウターヘブン蜂起事件発生

1999年:ザンジ・バーランド騒乱事件発生

2004年:現在の年代(この小説内の)

2005年:シャドーモセス事件発生

2007年:タンカー沈没事件発生

2009年:ビックシェル事件発生・緋弾のアリア原作開始



次回会いましょう( ´ ▽ ` )ノ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。