緋弾のアリア 意志を受け継ぎし者   作:暗黒の影

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17話( ^ω^)_凵 どうぞ


第17弾 脱出そして邂逅

 

 

武器庫から200m離れた通路。

 

 

「ここら辺は、兵士が多い区画だった気がするからな・・・ステルスを基本で行くか」

 

 

この周辺は、武器庫を管理している兵士と緊急配備兵士がいるのだが、現在、侵入者による厳重警備により、周囲警戒していると俺は、予測しステルス行動にでる。

 

 

『各員、状況を報告せよ』

 

 

「っ!?」

 

 

ステルス行動をしていると、丁度、曲がり角である通路から、通信機からの音声が聞こえ、急いで壁に張り付き敵の会話に聞き耳をたてる。

 

 

「此方、武器庫周辺、異常なし」

 

 

『了解した。そのまま、定時連絡を頼む』

 

 

「了解・・・。はぁ、なんでこんな問題が起きるかね?」

 

 

定時連絡をしていた兵士が、通信機の兵士に愚痴をこぼしていた。

 

 

『言うな。こっちだって、今慌ただしい状態なんだ。まさか、アサシンがこの研究所を攻めてくるなんて、思っていなかったからな』

 

 

アサシン?じゃあ、あのフードを被った奴らが、アサシンで合っていたのか・・・

 

 

「なんで、あのテロリスト共は、俺たちの組織ばっかり狙うんだ?」

 

 

そりゃあ・・・お前らが所属している組織がな・・・

 

 

『さぁな。上の連中は、俺たち下っ端には何も教えてくれないからな』

 

 

「はぁ・・・このまま、何も無ければ、いいがな」

 

 

俺もそう願いたいから、その場所から早く退いて欲しいものだが・・・

 

 

『そうだな。それじゃあ、定時連絡まで通信機を切るぞ』

 

 

話が、やっと終わるか・・・

 

 

「あいよ。またな」

 

 

『あぁ』

 

 

兵士が通信を切ると銃を持ち直し、周辺を警戒し始めると曲がり角を左に曲がった。

 

 

「・・・・・・」

 

 

それを視認した俺は、スニーキング技術を応用し気配の同化と忍び足で敵に気づかれない様に通過する。

 

 

「っくぁあ~」

 

 

通り過ぎると同時に壁に張り付き、バイザーのオーグメントモードを起動させて、曲がり角の敵を見ると先程通信していた兵士が欠伸をしてボーっとしていた。

 

 

「・・・・(ちゃんと警備しろよ・・・)」

 

 

それをオーグメントモードで確認した俺は、内心でそう思いながら、チャンスでもあったことで、そのまま通路を進んでいく。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

オーグメントモードでの表示されたルートを警戒して走る事、約10分

 

 

アブスターゴ・インダストリー研究所

 

 

漸く、出口が見えた。その距離、約100m

 

 

このまま、突っ走れば、問題無く外に出れるのだが・・・

 

 

「そう簡単には、行かないか・・・」

 

 

出口の前には、多分テンプル騎士団の警備員が設置したと思われる設置型セントリーガンが6台配置されていた。

 

 

その為、セントリーガンの射線に入らない出口付近の高台に飛び乗り、他の奴に見つからない様に姿勢を低くして、どうするか検討中だ。

 

 

「状況分析、セントリーガンの情報を」

 

 

‐‐‐‐‐‐‐完了。提示します。

 

 

提示された情報には、使用弾薬・センサー反応距離・発射速度・弱点が記されていた。

 

 

「弾は、5.56x45mm NATO弾を使用・・・センサー反応距離は、750m・・・発射速度は、700発/分・・・性能が高いな」

 

 

しかし、弱点が、銃口上部にあるセンサーと後部にあるバッテリーか・・・

 

 

「真っ向勝負しても良いのだが・・・銃声でバレるだろうしな・・・」

 

 

この場合、どうしたものか・・・出口は、すぐ目の前にあると言うのに・・・ん?

 

 

「出口が直ぐ?・・・・俺とした事が、隠密である事を考え過ぎていたな」

 

 

出口が直ぐと言う事は、真っ向勝負しなくても、そのまま強行突破してセントリーガンを無視していけば良い。

 

 

隠れてバレない様に移動する事ばかり考え過ぎて、元々の目標を忘れる所だった。

 

 

「・・・・この傍に敵の反応は?」

 

 

‐‐‐‐‐‐‐現在確認できません。

 

 

「・・・・なら、今の内だな」

 

 

その言葉を聞いた瞬間、俺は高台から飛び降りた。

 

 

『っ!?』

 

 

地面に着地すると同時にセントリーガンのセンサー内に入った俺に向かって銃口が向き・・・・

 

 

「無警告発砲か・・・だが・・・」

 

 

警告も無しに発砲してきた6台のセントリーガンの弾幕が俺の命を刈り取ろうと迫ってくるが、全て弾いていく。

 

 

「・・・無意味」

 

 

俺は、いつもの人工筋肉を使ったダッシュをすると同時にムラサマブレードで弾を弾き飛ばしながら、セントリーガンとの距離を詰めていく。

 

 

「・・・じゃあな」

 

 

セントリーガンとの距離が、20mを切った瞬間、地面を強く踏み込み、射線に入らない宙に飛ぶと同時に瞬間的に『斬撃モード』を発動させて、俺の真下にいるセントリーガンを✕字に切り裂くと『置き土産』を置いて、そのまま出口に向けてニンジャランで走る。

 

 

出口であるシャッターが締まりきったガラス窓に向かい、距離が10mを切った瞬間、先程と同じ様に『斬撃モード』を瞬間的に発動し、シャッターが締まった窓ごと、切り裂き、タックルの領域で肩からぶち当たり、外に出ると同時に先程、セントリーガンの近くに『置き土産』として置いてきたプラスチック爆薬『C4』の起爆スイッチを押し込む。

 

 

爆発に巻き込まれないように全力で目の前に広がる森をフリーランとニンジャランを使い走り抜けていくと起爆スイッチを押されたC4が起爆し、後ろからけたたましい音が聞こえる。多分、アレでセントリーガン全滅であるだろうな・・・

 

 

「・・・・・・状況確認。現在位置は」

 

 

あの研究所の地下では、衛生情報も繋がらないため、研究所のある場所が分からない。その為、まず此処がどの国なのかを探る。

 

 

‐‐------完了。現在位置は、イギリス・マインヘッドの山奥です。

 

 

「イギリス?それにマインヘッド・・・確か海に近かったか・・・」

 

 

地理に関しては、英才教育により覚えている。

 

 

「・・・まぁ良い・・・先ずは、此処から逃げないとな・・・俺の今の格好を見たら、完全に不審者だしな。人目にかからない場所に行かないとな」

 

 

そんな事を呟きながら、大きな倒木を飛び越えたり、くぐり抜けたり、スライディングして通り抜けたりして、スピードを落とさず、突き進んでいく。

 

 

「・・・・此処まで、来れば大丈夫か?」

 

 

レーダーを見ると、研究所との距離、2.3kmと表示されていた。

 

 

それを見た俺は、ニンジャランをやめて山を歩き回る。ゆっくりと歩いている俺のいる場所である、イギリスのマインヘッドとは、田舎に値する場所であり、森に生えている木々の葉が、太陽の光で照らし出され、周りからは、鳥たちの鳴き声や風に揺れる草たちの音が聞こえ幻想的な空間を目を閉じて味わう。

 

 

「・・・・さて、この後、どうするか・・・」

 

 

閉じていた目を開けて、周りを見渡す。

 

 

周りは森、森、森、人、森、森、森。

 

 

俺のいるこの国、イギリスは、日本と同じ海に囲まれた島国であるため、国から出ることができない・・・どうしたものか・・・

 

 

「・・・って、人?」

 

 

後ろを見るとハット帽子を深く被り、目元を隠し顔が伺えなく、茶色のコートを着込んだ男性がいた。

 

 

「初めまして、と言った方が言いかね?リンクス君」

 

 

っ!?俺の名前を知っている!?

 

 

「・・・誰だ?」

 

 

スーツに取り付けられているアサシンブレードを出し威嚇する。

 

 

「コレは、失礼したね。僕の名前は・・・」

 

 

俺が、アサシンブレードで警戒していると、男性は、被っていたハット帽子を手に持ち素顔を見せた。

 

 

「っな・・・アンタは・・・」

 

 

20歳後半にしか見えない男性の顔・・・それは、生前読んでいた小説の登場人物とそっくりであり、その人物の名は・・・

 

 

「シャーロック・ホームズ。改めて初めまして、リンクス君」

 

 

『緋弾のアリア』で登場する人外名探偵こと、シャーロック・ホームズ本人であった・・・

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「・・・何故、アンタが此処にいる」

 

 

素顔を見てしまった所為で余計警戒してしまうな・・・

 

 

しかし、シャーロック・ホームズがいるってことは・・・まさか、『緋弾のアリア』の世界と『アサシンクリード』の世界の融合か?

 

 

「どうやら、僕の事を知っている様だね。無駄にあの研究所に閉じ込められていなかった訳だね」

 

 

「・・・アンタが来た理由は、その未来予知と言って良いレベルにまで研ぎ澄まされた優れた推理力『条理予知(コグニス)』に導かれてか?」

 

 

シャーロックの言葉を流し、聞き入れる。

 

 

「ふむ。確かに僕が此処に来たのは『条理予知(コグニス)』が面白い未来を見せたからかね?」

 

 

「・・・俺を殺すのか?」

 

 

シャーロックは『緋弾の継承』を行うために、邪魔者は消す可能性があるからな・・・

 

 

「ふむ。確かに場合によっては・・・ね?」

 

 

アサシンブレードを仕舞い、ムラサマブレードに手を添える。

 

 

「っと言いたいんだけどね。どうやら、君は僕が思っていた以上に不思議な存在の様だね」

 

 

一向に戦闘体勢を取らないシャーロックに不思議に思っていると、唐突に言われた事に呆気を取ってしまった。

 

 

「・・・何?」

 

 

俺が、不思議な存在?まさか・・・転生者であると?

 

 

「読めないんだよ。君がこの先、何をもたらすのかがね」

 

 

「・・・・アンタの『条理予知(コグニス)』でもか?」

 

 

まさか、シャーロックの条理予知でさえ、俺の未来が読めない?

 

 

「だからかな。君を消したとして、未来にどんな影響を与えるのかが分からない」

 

 

喜ぶべきか悲しむべきか・・・いや、素直に喜ぶしかないな・・・

 

 

「・・・つまり、そう簡単に殺せないと?」

 

 

だが、油断はできないが、今すぐに殺そうとは、思っていないようだな・・・

 

 

「そうだね。それに僕としても君を消したくないしね」

 

 

何?消したくない・・・だと?

 

 

「僕は、君がこの先、何をもたらすのか気になるんだよ。僕の探究心が揺すぶられてね」

 

 

「・・・そうか。なら、今ことを起こす気はないんだな?」

 

 

「戦いたいのかい?」

 

 

「・・・いや、そのつもりはない。アンタにその意思がないなら、それに越した事はないからなら」

 

 

俺は、ムラサマブレードに添えていた手を引っ込めて、戦闘態勢を解除する。

 

 

「・・・それで、俺をどうする気だ?」

 

 

「君で良ければ、イ・ウーに来ないかい?これでも僕は、イ・ウーを纏めている人でね?組織皆からは『教授(プロフェシオン)』と呼ばれているんだ」

 

 

「イ・ウーに?あの超犯罪組織にか?何故だ?」

 

 

「君が未来に何をもたらすのかを間近で見てみたいのだよ」

 

 

「・・・そして、危険だと思ったら、排除できる様にか?」

 

 

「さぁ?どうだろうね?だけど、君はこの提案を受け入れるしかないと思うんだけど、どうかな?」

 

 

確かに、この国から出たとして、そうそう長くは、もたないだろうな・・・・

 

 

しかし、思い通りに動くのは、何か癪に触るからな・・・

 

 

「・・・良いだろう。俺は、アンタの組織『イ・ウー』に入ろう。しかし、条件がある」

 

 

「何かね?可能な限りなら、条件を飲めるよ?」

 

 

「1つは、単独自由行動の権限だ。2つは、俺を命令できるのがアンタしかないこと。3つは、活動拠点が欲しい」

 

 

「ふむ。3つ目の活動拠点は、少し時間がかかるかもしれないね」

 

 

「・・・いや、活動拠点には、俺本人に目星がある。そこに行ける様に手配をしてもらえれば、構わない」

 

 

「そうかい?なら、交渉成立だね。ようこそ、イ・ウーへ。リンクス君」

 

 

俺は、テンプル騎士団の研究所から脱出したこの日、イ・ウーに所属した。

 

 

 






と言う感じで主人公は、イ・ウーに行きました。


次回、イ・ウー本拠地に赴きます。


( ̄^ ̄)ゞまた次回会いましょう( ´ ▽ ` )ノ


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