緋弾のアリア 意志を受け継ぎし者   作:暗黒の影

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気付いたら、こんなに書いていた・・・


では( ^ω^)_凵 どうぞ


第12弾 紅き雷電(リッパーを受け継ぎし者) 前編

 

リベリア 紛争激戦地区

 

 

中央最前線ゲリラ基地 防衛網

 

 

第三者Side

 

 

此処は、地区の中でも数少ない大型基地であり、20メートルの金属とコンクリートを合わせた複合防壁に滑り落ちやすい砂を使った12メートルの深い堀を含めた、対空・対地装備が充実している。

 

 

そのお陰で、今まで数多くの戦いから落とされずに済んでいた。

 

 

「クソッ!!何なんだアイツは!!政府の奴ら、あんな化け物を増援に呼んだのか!?」

 

 

しかし、そんな基地を防衛しているリベリアの兵士たちは、異様に焦っていた。

 

 

「おい!!RPGを持って来い!!」

 

 

焦っていた兵士の一人が、大声でそう叫んだ。

 

 

※RPGとは、ロシア語で『携帯式対戦車擲弾発射器』と意味する。因みに「РПГ-7:Ручной Противотанковый Гранатомёт(ルチノーイ・プラチヴァターンカヴィイ・グラナタミョート)」の英字綴りである「Ruchnoj Protivotankovyj Granatomjot」の頭文字をとった略称から作られた。英語の訳表記では「Rocket-Propelled Grenade(ロケット推進擲弾)」と綴られるが、これはバクロニムであり、厳密には誤りである。

 

 

その声を聞いた別の兵士が、長くスマートな筒にロケット弾を差し込んだかの様な武器・・・・RPG―7を持って走ってきた。

 

 

「ソレを貸せ!!」

 

 

兵士が持ってきたRPG―7を半端無理矢理、奪い取る形で取り、肩に乗せ発射態勢を取り固定されているスコープを覗きロケット弾を当てる標的に狙いを定める。

 

 

覗いたスコープには、未だに兵士を斬り続けている、髪の毛が白く体が黒い悪魔が見えていた。

 

 

「死ね!!悪魔の子供が!!」

 

 

兵士は、そう叫び引き金を引いた・・・

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

時間を遡り数十分前

 

 

リンクスSide

 

 

ストライカーから降り、分隊仲間と共にチェックポイントである廃ビルに向けて周囲を警戒しながら走る。

 

 

俺は、右脚のポーチに差し込んでいたカスタムハンドガンを手に持ちながら、周囲を警戒する。

 

 

「良いか。チェックポイントに到達次第、暗殺目標である男、ハルゲルト・ラ・シュナイロが確認されている最前線基地に向かうぞ」

 

 

「「「「了解!!」」」」

 

 

ストライカーから数メートル離れた裏路地を分隊全員で歩いていると仲間の一人がハンドサインとして『止まれ』を出した。

 

 

「どうした?」

 

 

隊長の言葉に前方警戒していた兵士に聞くと、向いの廃ビル、丁度チェックポイントの廃ビルの手前に立つ廃ビルに4人のスナイパーと地上を巡回する正確な人数は不明だが、数十人の兵士がいると隊長と分隊全員に報告をした。

 

 

「スナイパーが4人・・・チェックポイントに行ける道は、この道しかない・・・」

 

 

隊長は、カバー状態から顔を覗かせて兵士から報告をされた場所を見ていた。

 

 

「オーグメントモード 起動」

 

 

展開していたバイザーに搭載されている索敵・状況分析用ホログラフィック透視システム。通称、オーグメントモードと読んでいるこの機能は、赤外線・衛生情報を含めた各種の情報を複合する事で、バイザー越しであれば、どんなに建物や光学迷彩で隠れたって簡単に見つけることができる。

 

 

俺は、オーグメントモードを起動させる事で、敵がいる廃ビルを見る。

 

 

屋上に4人のスナイパーと屋内に12人の歩兵の反応、野外には、14人の歩兵が巡回していた。

 

 

「隊長」

 

 

俺は、オーグメントモードで確認した敵情報を報告する為、作戦を考えている隊長に声を掛ける。

 

 

「スナイパーを無力化と気付かれない様に巡回兵を・・・どうした。リンクス」

 

 

俺の声を聞き取り此方に振り向く隊長。

 

 

「屋上4人のスナイパーと屋内に12人の歩兵反応。野外には14人の歩兵が巡回してます」

 

 

オーグメントモードを起動させたまま、敵のいる場所を見詰めて報告する。

 

 

「何?敵の人数と場所がわかるのか!?」

 

 

「・・・・・はい。このバイザーには、衛星リンクによる映像とバイザー越しによる投影により、敵の居場所を透視する事ができますから」

 

 

「・・・・そんなものを、何処で・・・いや、聞かない方が良いか・・・」

 

 

何故、この様な高性能な物を持っているのか、不思議に思ったのかもしれないが、隊長は、深く聞くと危険だと思い聞く事を諦めた。

 

 

「・・・はい」

 

 

「敵の装備は、わかるか?」

 

 

「服装は、分かりませんが、装備している武器は、分かります」

 

 

「了解した。敵の所持している武器はなんだ?」

 

 

「スナイパーは、M14 EBRを近接武器としてマカロフを各自装備しています」

 

 

「M14ライフルをSage社が改修を施し、ピカティニーレールや専用ストック・グリップが装着され現代化された強化型バトルライフルか・・・威力、射程共にライフルマンの武器においてトップクラス、さらにそれを生かす高い精度を持つライフルだな」

 

 

「室内の兵士は、AN―94 アバカンを8人装備、残り4人は、PKP ペチェネグ軽機関銃を装備。サブウェポンとして、マカロフを装備しています」

 

 

「AN―94。ロシア製のAKの発展形で、特殊部隊向けの新型アサルトライフル。5.45×39mmロシアンを使用し、装弾数は30発。2点バーストの命中率が、確か高かったな。それにハンドガンは、マカロフで固定なのか?」

 

 

「・・・・はい。どうやら、全員ハンドガンは、統一している様です」

 

 

「分かった。野外の奴の装備も分かるか?」

 

 

「野外の兵士は、AKS―74Uを10人装備、残りは、RPK―74Mを装備しています」

 

 

「AKS―74UとRPK―74Mか・・・分かった、リンクス。此処から確実にチェックポイントに着けるまでの道を計算できるか?」

 

 

「既に出来てます。屋上にいるスナイパーを排除した後、異変に気付かれる前に右手側にある店に入ります。計算上、2人の兵士が、ルートを塞いでいますが、背後から2人を排除しします。その後は、隊長のルートを渡れば、完了です」

 

 

この作戦、聞くだけだと簡単そうに聞こえるが、実際に行動に移すとなると難しい。理由は、屋上にいるスナイパーが屋内と野外の兵士に5分間の定時連絡をしている事、つまり、5分以内にチェックポイントに着かないといけない。

 

 

「5分以内か・・・。悩んでも仕方ない。全員聞いたな。まず、スナイパーの排除だ」

 

 

『了解!!』

 

 

「それじゃあ、もう一度確認するが、屋上のスナイパーが4人、屋内に12人、野外に14人だな?」

 

 

「・・・はい。スナイパー、歩兵共に此方に気づいていません」

 

 

「分かった。余り騒がせたくないからな、屋上のスナイパーを殺った後は、最小限の道のりでチェックポイントに向かう」

 

 

「「「「了解」」」」

 

 

「リンクス。お前は、動くな。ここは私達だけで殺る」

 

 

そう言い隊長達は、自身たちが装備していたSCAR-Hにサプレッサーを取り付けて構えた。

 

 

「・・・・ですが」

 

 

「命令だ。私たちだけで殺る。お前は動くな」

 

 

「了解・・・」

 

 

どうやら、俺の出番はないようだ。隊長の命令通りに動かない様にしてるか・・・

 

 

「全員。良いな?同時にスナイパーを撃つんだ。奴らに気付かれたら面倒だからな」

 

 

隊長がそう言うと、全員息を整え始めた。

 

 

「・・・・・・・スゥー」

 

 

誰の声か分からないが、全員息を吸い止め、数秒・・・

 

 

「・・・・・・・ファイヤ!!」

 

 

隊長の声と共に4人の銃から放たれた銃弾は、亜音速のまま飛行し目標であるスナイパーの頭に風穴を開けた。

 

 

「・・・・・・目標の排除を確認。良し、行くぞ!!奴らに気付かれる前に行動するぞ!!」

 

 

目標の排除を確認した4人は、匍匐状態から立ち上がり直ぐに行動を移した。

 

 

「リンクス。先に行け。敵の排除は、私たちがする。気にせず行け」

 

 

「・・・・了解」

 

 

俺は、先ほど報告した道を慎重に進む。と言っても俺の脚部は、消音機能に近いモノがあるから、ある程度走っても気付かれないと思うが、後ろの分隊を考えたら、この速度が丁度良い。

 

 

店の中に入り、角などにトラップが無いかを瞬時に確認し進むと2人の敵兵が、丁度出口付近で左右を警戒していた。

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

「待て、お前は、動くなと言ったはずだ」

 

 

俺が、両腕に装備しているアサシンブレードで敵兵2人を排除しようと動こうとしたら、隊長に肩を掴まれ止められた。

 

 

「ですが・・・」

 

 

「お前には、本当に動いて欲しい時に動いてもらう。・・・それに2人だけなら、私達でどうにかなる。見ろ」

 

 

俺は、隊長に言われた通り出口にいる敵兵2人の方を見ると銃からナイフに変えた分隊員2名がカバー状態から同時に動き、迅速に腕を首に回し店の中に引き連れ手に持っていたナイフを喉に差し込み無力化した。

 

 

「な?」

 

 

「・・・・はい」

 

 

この人の部隊は凄い。ハンドサインを出さず、アイコンタクトだけで行動を起こせるほどの信頼がある。

 

 

「進むぞ。そろそろ、気付かれる」

 

 

「・・・はい」

 

 

俺は、そのままバイザーに表示されているルートを警戒しながら、進んでいると後ろの方が、うるさくなってきた。

 

 

「っち!!気付かれたか。全員走れ!!チェックポイントまでもう少しだ!!全員全速力で走れ!!」

 

 

「「「「了解!!」」」」

 

 

隊長の言葉を聞くと同時に全員走る。

 

 

「#%$#”!!」

 

 

走ると同時に屋内にいた兵士と野外にいた兵士が此方に気づき、発砲してきた。

 

 

「っち!!」

 

 

「GO!!GO!!GO!!」

 

 

弾に当たらない様に気を付けて走っていると曲がり角に弾除けに丁度良いくらいの建物があった。

 

 

「全員!!その建物に入れ!!」

 

 

その言葉と共に全員が建物の中に入る。

 

 

ダダダダダダダダダ!!

 

 

建物に入ると同時に飛んできていた弾が建物のコンクリートを削っていく。

 

 

「隊長!!どうしますか!?」

 

 

負けじと此方も応戦しながら、隊員の一人が聞いてくる。

 

 

「今考えている!!・・・・クソッ・・・チェックポイントまであともうちょいなのだが・・・」

 

 

悩んでるな。それもそうか、こんな弾幕で出て行ったら、仲間を危険に晒すだけだしな・・・。このまま、ジリ貧か?いや、めんどくさい・・・俺が出よう。

 

 

「隊長。チェックポイントまでの距離は?」

 

 

敵を近付けさせない様に弾幕を張っている隊長に聞く。

 

 

「100mだ!!それがどうした!?」

 

 

「・・・自分に作戦があります。誰でも良いです。敵一人を排除したら、建物から出てチェックポイントまで全力で走ってください」

 

 

「「「「「っな!?」」」」」

 

 

「何を考えている!?この弾幕だぞ!?」

 

 

「ですが、このまま、ジリ貧なのも時間の問題です。安心して下さい。自分がどうにかします」

 

 

「・・・・・だがな」

 

 

俺は、真剣な眼差しで隊長を見る。

 

 

「・・・・・・分かった」

 

 

「隊長!?」

 

 

「・・・・ありがとうございます」

 

 

「全員。聞いたな!?リーダーらしき奴を狙え!!」

 

 

『了解!!』

 

 

部隊全員が応戦一旦止め、タイミングを待つ。

 

 

ザッザッ・・・

 

 

不思議に思ったのか、敵兵数人が警戒しながら此方に向かってくる。

 

 

「いました。中央のRPK―74Mを所持して赤いベレー帽を被った奴です」

 

 

分隊員の一人が、必死に探し見つけたリーダーの様な兵士を全員で気付かれない様に見ると確かに確認できた。

 

 

「殺れ!!」

 

 

「了解!!」

 

 

分隊員は、瞬時に手に持っていたSCAR-Hをリーダーの様な奴に向け狙撃した。

 

 

ドサッ・・・

 

 

狙撃された敵兵は、そのまま重力に従い地面に倒れた。

 

 

何が起きたのか、理解できなかったのか、確認しに来た兵士を含めた敵兵士全員の動きが止まった。

 

 

「今だ!!走れ!!」

 

 

俺は、弾幕が止んだのを確認し全員に聞える様に叫んだ。

 

 

その声を聞いた分隊員全員が建物から飛び出てチェックポイントまで全力で走り始めた。

 

 

「・・・・・・!?#&$’!!」

 

 

俺らが、外に出て走り始めた事により、敵兵士も気を取り戻し此方を撃ってくる。

 

 

「リンクス!!撃って来たぞ!!」

 

 

「・・・・アナタ方は、そのまま走ってください!!俺が、止めます!!」

 

 

俺は、自身の身体能力を使い、脚を止めず、走りながら、飛来してくる弾を斬るのではなく、途方に弾き飛ばす。

 

 

「リンクス!!」

 

 

分隊員に当たりそうな弾も体を瞬時に動かし空中で弾いていると、分隊員の一人がチェックポイントに到着していた。

 

 

「・・・・全員が到着するまで時間を稼ぎます!!」

 

 

俺は、そのまま、チェックポイントの入口を敵兵士に見えない様に立ち止まり、ムラサマブレードを鞘に差し込み居合いの構えを取る。

 

 

「!!$#&%’!!」

 

 

警告を言っているのか、罵っているのか分からないが、敵兵士が叫びながら、銃を向けてくる。

 

 

「何を言っているのか分からん」

 

 

俺が、武器を下ろさないことが伝わったのか、それともシビレを切らしのか、発砲してきた。

 

 

各種から亜音速で飛んでくる弾丸を俺は、目で追い自分の間合いに来るまで動かない。

 

 

その間に弾が増えていくが、俺に見えているのは、味方に当たりそうなのと自分に当たりそうな弾丸を弾くだけであり、それ以外の弾は無視だ。

 

 

弾が、俺の間合いに入った瞬間、鞘に取り付けられているトリガーを引き薬莢に詰まった火薬から生まれる爆発を利用したスパイクで刀であるムラサマブレードが高速で射出される。

 

 

「・・・・・っふ!!はっ!!せっ!!」

 

 

高速で射出されたムラサマブレードを掴み取り飛来してきている弾丸を高速抜刀で弾き、次に飛来してくる弾丸にぶつけて弾く。コレを高速で繰り返す。

 

 

名付けるなら、連鎖撃ちver:S(ソード・キャノン)ってか?

 

 

そんな事を思っていると、敵の一人がリロードに入り弾幕が薄くなった。

 

 

「リンクス!!OKだ!!全員入った!!」

 

 

弾幕が薄くなると同時に全員がチェックポイントに到着した様だ。

 

 

「・・・・了解」

 

 

俺は、腰のポーチから、閃光手榴弾を取り出しピンを抜き取り、敵の中心にあたいする場所に放り投げ、直ぐに後ろを向き脚に電流を流し筋肉を膨張させ走る、まぁ、つまりニンジャランをし隊長たちのいる場所に向かう。

 

 

すると後ろから、一瞬だけ光が見えると同時に甲高い高音が鳴り響いたが、気にせずそのまま隊長たちのいる場所に滑り込んだ。

 

 

 

俺が、滑り込むと同時に分隊員が入口を閉め近くにあった物を扉の後ろに置き開かない様にした。

 

 

「一安心だな・・・」

 

 

全員がいる事を確認した隊長を含めた全員が一息ついた。

 

 

「リンクス。今回は助かった。だが、あまりあの様な無茶をするな」

 

 

「・・・了解です」

 

 

「それなら良い。行くぞ」

 

 

俺たちは、チェックポイントである廃ビルにある、目的の場所に向かった。

 

 

 




5811文字も書いていた・・・

いつも書いてる文字数の倍は行っとる・・・

では、次回会いましょう( ´ ▽ ` )ノ

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