細かい事を気にせず、( ^ω^)_凵 どうぞ
リベリア 紛争激戦地区
西アフリカに位置する共和制国家。北にギニアがあり、西にシエラレオネ、東にコートジボワールと国境を接し、南は大西洋に面する。首都はモンロビア
リベリア共和国は未だに争いが絶えず、銃弾が飛び交う場所。
つまり戦場だ。撃って撃たれて、撃たれたからといって撃ってと、負の連鎖を引き起こす場所だ。
そんな負の連鎖を創りだす戦場にリンクスは、アメリカ陸軍の増援部隊として赴いていた。
リンクスside
よう。俺は、今、防弾・防刃を含む各種防護が付いた真っ黒なコート(MGRのサンダウナーのコートみたいなの)を着た状態でM1130『ストライカーCV』の兵員用シートに座って向かっている。
まさか、初任務が要人暗殺かよ・・・。もう少しヌルい任務を期待したんだけどな・・・
『まもなく、予定戦闘領域に入ります』
初任務である要人暗殺の事を愚痴っていると、頭部両側面に付けている索敵・状況分析・防毒マスク合体型バイザーからナレーターの声が聞こえた。
その声を聞くと同時に下に向いていた顔を上げて周りを見る。そこには、俺と同じ様に戦場に行く兵士たちがシートに座っている。
だけど、注意な?こいつ等、全員、テンプル騎士の戦闘用エージェントだからな?
「全員、戦闘準備をしろ!!降りた瞬間に頭撃たれるなんてヘマをするなよ!!したヤツは、俺が直々に地獄に送ってやるからな!!」
「「「「了解!!」」」」
隊長であるエージェントが隊員全員にそう言い隊員の声を聞くと俺の方へ向いた。
「リンクス。ベルグ上級騎士から話を聞いている。今回、お前は初任務になるそうだな」
「・・・・・・・」コク
えぇ。コレが初任務ですよ?初任務なのにこんな難しそうなのって・・・
「そうか・・・・。コレから行く場所は、戦場だ。人の生き死が激しく負の感情しか産まない場所だ」
戦争や紛争、太古の時代から、人間が自分たちの欲で起きる争い。
「・・・・・・・・」
多くの人間が死に行き倒れる場所・・・
「俺たちは、そんな戦争と変わらない紛争を続けている元凶を絶つ為に派遣された部隊だ」
紛争を絶つ・・・ね。
「・・・・・・」
「コレから、行く場所には、多くの敵が潜伏していると予想される。俺たちが、何とか殲滅するが、敵が予想より多い場合、そうだな。俺たちが対処できない数の敵が出てきたら必然的にお前にも出て行ってもらう事になる」
まぁ、そうだろうな。
「・・・・・・」
「お前は、まだ、若い。余り、人の生き死を見せたくないのだがな・・・」
この人の目に映る感情は、子供を見守る様な父の目をしている・・・
隊長から、目線を外し周りを見るとシートに座っていた隊員全員が、俺を見ていた。
「・・・・・・・」
あぁ・・・この人たちは・・・・戦闘用に製造された俺をちゃんとした人間として見てくれている様だ。
精神年齢は、30歳だけど、肉体の実年齢は12歳つまり、小学6年生の子供に人を殺させたくないのだろう。
優しい・・・だけどな、それじゃあ・・・
「・・・・・心配ないです。自分は、戦闘用として作られた兵器。言わば、人型兵器です」
俺の言葉を聞いた隊長と隊員たちは、驚くと直ぐに顔を顰めた。
「・・・・」
「・・・・・・」
俺は、隊長達から目線を外し目を閉じた。
「「「「・・・・・・」」」」
俺の言葉に言葉が詰まったのか、全員黙ってしまい。空気が重くる。
『全員。下車準備だ。戦闘領域に入った。目標地点まで、あと5分で着くぞ』
「「「「「っ!?」」」」」
そう通信機から聞こえた瞬間、全員降りる準備としてシートから立ち上がった。
俺も座っていたシートから立ち上がり、シート横に立て掛けてあった、全体が黒くトリガーとカートリッジが融合した鞘を腰のアームパーツに接続する。
ダダダダダダ!!キキキキン!!
全員が下車準備をし終えると同時に金属と金属のぶつかる音が聞こえてくる。
『全員、気を付けろ!!やっこさん方、こっちに気付いて攻撃してきやがった!!一応物陰にハッチを開ける!!弾が当たらないと思うが、気を付けろよ!!』
「「「「「了解!!」」」」」
全員が返事をすると同時に後部ハッチが開いた。
「GO!!GO!!GO!!」
ハッチが地面に着くと同時に全員背を低くした状態で外に走り出る。
「クリア!!」、「クリア!!」、「クリア!!」
外に出た兵士たちから、周囲に敵がいない事が知らされる。
「リンクス。兵器として生まれてきたからといって、人間の心を捨ててはいけない。それでは、ただのロボットと変わらないぞ」
何を・・・人間の心を捨てなければいけない様にしているのは、アンタ等テンプル騎士じゃないか・・・
「自分は、機械です。心を持ってしまっては、任務に支障を出します」
「・・・・今は、分からなくて良いさ。いつか分かる時が来る。さて、お話は、終わりだ。今回の目的である要人を暗殺しに行くぞ」
隊長は、そう言い背を低くした状態で外に出て行った。
人を殺す事に戸惑いを感じてしまっては、俺が殺られる・・・。だけど、人を殺す事に何も感じなくなってしまっては・・・
「いや・・・迷うのは、後にしよう。今は・・・」
頭部両側面に付いているバイザーとマスクを展開させ、隊長に続くように外に出る。
「暗殺目標である要人を殺すだけだ・・・」
次回会いましょう( ´ ▽ ` )ノ