心が織りなす仮面の軌跡(閃の軌跡×ペルソナ)   作:十束

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53話「永遠の終わり」

 涼やかな青海の孤島、戦いを終えたライは気力を使い果たして大地に背を預けた。

 

 周囲に広がる光景は焼け焦げたクレーター、岩石の破片、分厚い氷に飲み込まれた氷河期の森林。どこも見ても終末的な惨状であったが、穏やかな静寂がライを包み込み、永遠に繰り返す1日の終わりを告げてくれる。

 

 ――終わった。

 そう、終わったのだ

 

 しかし、それを実感しても尚、ライの心が晴れる事はなかった。元凶となる神はもういない。だが、この胸に引っかかる違和感は何なのだろうか。何かを見落としているような胸騒ぎが消えない。だからこそライは瞳を閉じて深く考えを巡らせていた。

 

「――生きてる?」

 

 しかし、そんなライの思考を物静かな少女の声が遮

 ゆっくりとまぶたを開けると、目の前にはすすけた銀色の髪と黄色い瞳。要するにフィーが真上からライの顔を覗き込んでいたのだ。

 

「死んでる様に見えるか?」

「ん」

 

 冗談混じりの返し言葉に全力で頷かれてしまった。

 そこまで大怪我だったか?とライは急ぎ起き上がって身体の怪我を見渡す。……確かにデカラビアの物理弱点の影響で傷だらけではあったが、死に繋がる程の出血量ではない。

 

「冗談だよ」

「……心臓に悪い」

「む、それはこっちのセリフ。前みたいに倒れてたら私だって心配する」

「前?」

 

 いったい何時の事だろうか?とライは鉄仮面のような表情の下で思い返すが、いくら考えても答えは出てこない。ライはその言葉の意味をフィーに問おうと口を開く。

 

 しかし、

 

「ーー本当に、よかった」

 

 柔らかに呟くフィーの声を聴いたライは、何もしゃべる事が出来なかった。

 ……何も聞かずとも分かってしまった。彼女が言わんとしているのがライの知らない死後の光景であった事を。家族の死をきっかけに多くを失った少女に、また影を落としてしまう状況であった事を。

 

 そうだ、何を悩む必要がある?

 こうして誰一人欠ける事なく乗り越えることが出来た。それで十分じゃないか。

 

 ライは落ち着いた心でゆっくりと空を見上げた。

 青い偽物の空は少しずつ剥がれ落ち、その奥からは現実世界と思しき光景が顔を覗かせている。もうじきライ達もこの世界を脱し、まだ見ぬ明日へと歩を進める事だろう。そして、ブリオニア島で出会った少女の姉も。他の失踪者たちもまた――

 

 ……――失踪者も?

 

(そう言う、事か……)

 

 幻想の孤島が消える寸前、ライは違和感の正体に気がついた。

 

 いや、なぜ今まで気づかなかったのか。

 ラウラ達の様子を見るに、ライとフィーは紛れもなく6月28日を繰り返し過ごしていた。ならば、ライ達よりも過去の時間軸で囚われた失踪者たちは、いったい何日の時間を過ごしていた? 取り込まれるまでの数日か、それとも永遠か。……どちらにせよ、断言できる事が1つだけあるだろう。

 

 ――そこまで辿り着いた次の瞬間、ライ達は遺跡の点在する砂浜に座り込んでいた。

 

 穏やかな海が打ち寄せる海岸線。特徴的な石の遺跡はブリオニア島で何度も見てきたものだ。そして、眼前にそびえ立つ50mもあるだろう人型の像も、あの空回る島には存在していない。

 

 ”現実の世界に戻ってきた”

 

 そう認識したライは即座に周囲を見渡す。

 周りにいるのはライ達3人を抜かせば28名の老若男女。一様に倒れている彼らは人数から見ても失踪者と見て間違いないだろう。ライは重い足に鞭打って立ち上がり、近場に倒れていた女性の首元に手を当てた。

 

(脈はある。ぼんやりとだが目も開いている。……けど)

 

 まるで影にでもなったように無気力で、反応を示さない……。

 

 ……そう、これが今回の結末だ。

 

 永遠の一日に飲み込まれた者達が無事な訳なかったのだ。

 

 そこに奇跡など起こる筈もなく。

 地に転がる失踪者たちは、誰一人として起き上がる事はなかった。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 その後、見知らぬ遺跡にいたライ達3人はエリオットのペルソナによって位置を特定され、無事にブリオニア島の村へと戻ることが出来た。

 

 青々とした草木に囲まれた宿は懐かしくも感じたが、今日は6月28日。特別実習の最終日でもある。

 ライ達は感慨にふける暇もなく失踪者たちの事後処理で時間を使い果たし、気がつくと荷物を纏めて宿を出る時間となってしまった。

 

 今いるのは豪雨の中訪れた宿屋の入り口。

 昨日はあった筈の水たまりもすっかり蒸発している。そんな些細な変化でさえ目に止まってしまうライを他所に、村長が深々と頭を下げてきた。

 

「この度は大変助かりました。本当に、何とお礼を言ったら良いものか……」

 

 感慨深そうに、それでいて疲労に満ちた声色。……無理もない。ライとフィーが長い1日に挑み続けたように、彼もまた長い一ヶ月間をこの事件に費やして来たのだから。

 

「ん、その一言で十分。――だよね、ラウラ?」

「ああ。我らもまた、巻き込まれた当事者の1人に過ぎないからな」

 

 仲良さげに言葉を合わせるフィーとラウラだったが、村長は依然として「ですが」と頭を上げようとしない。流石に業を煮やしたのか、後方で眺めていたマキアスも口を挟んできた。

 

「お気持ちは察するが、そろそろ頭を上げてくれ給え。むしろ、僕らが船を出して頂いたお礼をするべきで――」

「――いえ、それでは私達の立つ瀬がない。せめてお礼の品だけでも……!」

「いやいや、僕らもそこまで大きな偉業をやった訳では」

「ん、確かにマキアスは何にもやってなかったね」

「フィー君っ!? 僕だって頑張ったんだぞ!? 暴走しがちなラウラ君を止めたり、それに――」

 

 マキアスが早口でぶつぶつ呟いていたが聞いている者はいなかった。

 彼はそんな星の下で生まれたのか定かではない。が、彼のそんな性分もまたある種のムードメーカーになり得るのだから、突っ込むのも野暮と言うものだ。いつの間にか頭を上げていた村長に向け、ラウラが姿勢正しく右手であるものを見せる。

 

「……何にせよ、マキアスの言葉も正しいだろう。礼を言うのは我らの方だ」

 

 それは黒く鈍い輝きを放つクロノバーストのクォーツだった。

 ライ達がロゴス=ゾーエーに立ち向かえた最後の一手。村長の好意で渡されていなければ勝てなかったと伝えると、ようやく彼も納得してくれたようだ。

 

「あの、1つ質問なんですけど、被害者の人たちってどうなるんですか?」

 

 と、そこで話の区切りを待っていたエリオットが、宿屋の奥を見ながら質問する。

 

 視線の先、宿屋のベットには失踪者だった何人かの観光客と、あの少女の姉が寝かされている。

 影のような廃人と化してしまった彼女らはどうなるのか。それを知らねば帰郷するライ達も締まりが悪いだろう。これも1つの礼だと、村長は重い口を開いた。

 

「資金のある者は医療の充実した海都オルディスに移されるでしょう。……しかし、この島で潤いのある者はそう多くない。多くはこの島で療養していく事になると思います」

「あっ」

 

 しまったとばかりにエリオットが口を塞ぐ。

 島の厳しい状況について聞いたのはつい昨日の事だ。怪事件が解決したとはいえ、状況は何1つとして変わってはいない。エレボニア帝国に渦巻く確執が消えることはないのだと、ライ達B班は嫌でも理解させられた。

 

「まあ心配する必要はございません。この辺境の地にも七曜教会はあります。教会に蓄えられた薬の知識や女神の加護があれば、いずれ意識も取り戻すことも不可能ではない筈だ」

 

 やや暗くなった空気を緩和するため、村長はくたびれた笑みを浮かべて会話を締めくくる。

 

「そろそろ、帰りの連絡船が出る時間です。次があれば是非、今度は観光地としてのブリオニア島を見せましょう」

「ええ、是非とも」

 

 ライは村長と短い握手を交わし、皆と共に船着き場へと足を向ける。

 

 短い筈が、異様に辛く長かった3日間。

 その記憶と傷跡を胸に帰ろうとしたその瞬間、宿の奥からどたばたと足音が聞こえてきた。

 

「あ、あのー!」

 

 振り返ると、宿の入り口に少女が立っていた。

 ライ達が訪れた嵐の晩のようにオロオロとした様子でライを見上げる少女。1つだけ違う点があるとするならば、少女は別に怯えている訳でもなく、両手を後ろ手に隠している事だろうか。

 

「えと、あの、……ありがとーございました!」

 

 目をつぶって差し出されたのは不格好なパンだった。

 2日目の朝に作ろうとしたものを、彼女なりの想いを込めて慌てて作ったのだろう。その手に取ったパンのぬくもりを感じ取り、ライは僅かだが笑みをこぼす。

 

(……俺よりも、数段上手いな)

 

 ありがとう、ライもそう返事を返して帰路へと歩いて行った。

 

 香ばしい麦の香りが口に広がる。

 いつの日か、あの少女がまたエプロンを身にまとい、姉と共に歩める時が来るのだろうか。知る由のない未来に思いをはせながら、ライ達はブリオニア島を後にした。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 ――エレボニア帝国本土へと戻る連絡船。

 日の光が差し込む船内のある席の前に、B班は皆集合していた。

 

「……フィー、寝てるね」

 

 皆が眺める席には猫のように丸まって眠るフィーの姿。彼女は連絡船に乗って早々、一息ついた時には既に眠っていたのだ。

 

「全く、あんな事があったと言うのに何時も通りとはな」

「それも彼女の良い一面だろう。気にする事でもあるまい」

「……いや、それでも授業中に眠る事だけは止めて貰いたいのだが」

 

 普段のよく眠るフィーを知っているマキアス達は、やや呆れ混じりに会話を続けている。

 しかし、繰り返す時間を共にしていたライにとっては別の印象を受けていた。

 

「漸く安心できる状況になったんだ。寝かせてやってくれ」

 

 あの孤島で生活をする中で、フィーはあまり睡眠を取っていなかった。それ程までに繰り返す時間は大きな負担となっていたのだろう。……もしかすると、フィーがよく眠るのも戦場と言う緊張下で生活する知恵なのかも知れない。ライはそんな推測を頭に浮かべながらも、フィーの髪をゆっくりと撫でた。

 

 少女の小さな呼吸が響き、しばし、ゆっくりとした時間が流れる。

 

「――ライ、少し僕に時間をくれないか?」

 

 そんな中、マキアスがライ1人に聞こえるような音量で話しかけて来た。

 

「どうした?」

「…………」

 

 マキアスは何も答えず、船の外へと視線を動かす。

 外で話がしたい。その意図を察したライは静かに頷き、フィーを起こさぬように席を立った。

 

 ――真っ青な空と海が見える船外。

 遠目に大陸が見える船縁に手をついて、ライとマキアスは無言で景色を眺めていた。

 

「……君は、今回の事件をどう思う?」

「”どう”とは?」

「28名の失踪者は廃人になったままだ。ブリオニア島の置かれた状況も変わっていない。……結局、僕らは何も変える事が出来なかった。もっと僕に出来たことがあったんじゃないか?と思えてしまってね」

 

 ぼんやりと海を見てため息を漏らすマキアス。

 そうか、彼はそこまで気にしていたのか。

 

「気にするな。人には向き不向きがある」

「いや、別にフィー君の言葉を気にしてる訳じゃないからな! それとせめて否定してくれないかっ!!」

「悪い」

「謝らないでくれ! 全く君達は……、……それで、君はどう思ってるんだ?」

 

 真剣な目つきを向けてくるマキアス。

 どうやら、フィーの言葉を気にしている訳ではないらしい。

 

「正直、この道を選んだ俺も最善だったとは思えない」

 

 永遠の今を否定され、現実世界に引き戻された28名の失踪者達。自らの意志で外を目指したライ達とは異なり、彼らは最後まで意志に関係なく流されてしまっていた。その中には神の言葉通りに救われていた者もいた筈だ。二度と会えない家族と一緒に過ごし、不安を感じることもない理想郷。その幸せを引き裂き、辛い現実へと引き戻したのは間違いなくライ自身なのだ。その結果が廃人ともなれば、とてもじゃないが最善の選択をしたとは思えまい。

 

「けど、この結末を知ってても俺は同じ道を選んでいた。理想の結果が得られなかったとしても、背負っていくしかないさ」

「全力で、か? 本当に君はぶれないな」

 

 到底僕には真似できそうにない、とマキアスは空笑いを浮かべる。

 

「……正直に言うと、僕は一連の事件を、エレボニア帝国の現状を少し舐めていたみたいだ」

 

 1回目と2回目の実習をライとは別の班にいたマキアスにとって、シャドウとは単に攻撃の通用しない未知の魔物でしかなかった。そして、革新派と貴族派の対立もまた、マキアスにとっては身分による対立の延長線でしかなかった。

 

 ……だが、実際はどうだ?

 両者は共にこのエレボニア帝国に暗い影を落としてしまっている。単純な構造など何処にもなく、解決困難な糸が絡み合っているではないか。国内の対立が人々の生活や心を圧迫し、その影響がシャドウ事件や今回の失踪者に繋がってしまっている現状。それを知ったからこそ、マキアスはそのメガネの奥で答えのない悩みにうなされていた。

 

「……そろそろ、僕も逃げられないかも知れないな」

 

 彼の漏らした小声は波の音に消えていく。

 残されたのは静寂に戻った2人と海風。陸地もだんだんと近づて来ており、船旅の終わりを示していた。それを見たマキアスは、これで終わりと言わんばかりに身を翻す。

 

「さて、そろそろ戻ろうではないか。本土に着いたらすぐに列車へと行かねばならないしな」

「――いや、悪いが先に戻っててくれ」

 

 しかし、ライは彼に続かない。

 まだやり残している事があると言わんばかりに、その鋭い視線を操舵室へと注いでいた。

 

「む、何か用事でも?」

「1つ確認したい事がある」

「そうか。あまり遅くならいでくれよ」

「ああ」

 

 船内へと戻るマキアスを見送ったライは1人、船の操舵室へと向かう。

 2日前、ブリオニア島へと向かった時と同じように。

 

 残された謎を、確かめる為に。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「――2日前に連絡船を出したか、ですか?」

「ええ」

 

 操舵室へと辿り着いたライは舵を握る操舵手に向けそう質問した。

 操舵手は行きの時とは異なり、かなり年老いた男性だ。当然ながらライに面識はない。

 

 だが、ライはここの操舵手と面識がない事を既に知っていた。だからこそ、この場所に来たのだ。

 

「何ですか、いきなり」

「お答え出来ませんか?」

「いえ、そう言う訳ではありませんが……」

 

 顎に片手を当てた操舵手は一旦前を向く。

 海も穏やか。意識を逸らしても事故の危険はないだろうと判断したのか、操舵手の男はしぶしぶライの質問に答えた。

 

 

「2日前は1便も出しちゃいませんよ」

 

 

 その答えこそ、ライが確認したい内容であった。

 

「島があんな状況で雨も降ってたとあっちゃ、まともな乗客なんている筈ないですしねぇ。まっ、臨時休業って奴です」

「……そうでしたか」

 

 2日前。つまりはライ達がブリオニア島に訪れたあの日に、連絡船は一便も出ていない。

 そう、異変は島に訪れる前から始まっていたのだ。

 

 この事実にライが気づいたのは、失踪者達を村のベッドに運んでいた時の事だ。

 28名の失踪者の中にライはとある顔を見つけてしまった。くたびれた男性の姿、――即ち、行きの船で出会った筈の操舵手の姿を。

 

 村長の言葉が脳裏によぎる。

 確かあの時、宿屋の姉に関する話をしていた時、村長はこう言ってはいなかったか。

 

『本土からの帰路の最中に突然、連絡船ごと消息不明となりました』

『連絡船ごと?』

『ええ、連絡船が発見されたのはその2日後。"操舵手"含め、誰一人残ってはいませんでした。あの時は何らかの事故に巻き込まれたと考えていたのですが……』

 

 姉がロゴス=ゾーエーに取り込まれた発端の事件。その時、操舵手も一緒に呑み込まれていたのだ。そんな人物が連絡船を動かし、ライ達をブリオニア島へと運べる筈もない。……女性が呑み込まれる光景を悔いる操舵手など、存在している筈がないのだ。

 

 あの狂ったように笑う操舵手は一体誰だった?

 ドロリとした気味の悪さが、心にねっとりと絡みつく。

 

「そう言えば、お客様は何時からブリオニア島に?」

「…………2日前、別ルートで」

「んん? まぁ、そうですか」

 

 聞くべき事を終えたライは、1人B班のいる席へと戻っていく。

 

 思えば、この事件は何から何までおかしかった。

 事件が一ヶ月前から続いていたにも関わらずサラは何も知らない様子だったし、ライ達がブリオニア島に行ける筈もなかった。この真相を解く事は出来ないが、その意図を推測する事くらいは可能だろう。

 

(何者かが、俺達をブリオニア島へ誘った……?)

 

 サラが事前に知っていれば、実習地を変えた事は想像に難くない。

 つまり、何者かがライ達をブリオニア島に向かわせる為、わざと情報を隠していたのだと考える事が出来る。

 

 事件の裏に隠された陰謀論。

 その一端を確かめたライは拳を握りしめ、トリスタの寮へと帰っていくのであった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 ……

 

 …………

 

 ……異変がなくなった深い海。薄暗い霧に包まれたその中に、突如として船影が浮かび上がる。

 

 見たところ普通の連絡船であったが、乗客は誰一人として乗ってはいない。無風であるにも関わらず、船の金具が耳障りな音を鳴らし、ゆらゆらと揺れながら目的もなく霧中を彷徨い続けていた。

 

 だが、幽霊船を思わせる船の中に一人だけ人影が存在していた。

 薄暗い操舵室で舵を握る男性の姿。彼はどこへと向かうでもなく、虚空の混沌を仰ぎ見ている。

 

「かくして、青年はまた1つ試練を乗り越えた、か。……クク」

 

 何かを思い浮かべた様子の男。

 その口角が突如、グニャリと上がる。

 

「……クハ、ハハハハッ、ハハハハハハハハハハハ!!」

 

 その笑いは、最早正気を保っているとは言えなかった。何かを嘲笑するように。どこまでも人間らしく、蔑んだ表情で。彼は壊れた様に笑い声を響かせ続けている。

 

 おどろおどろしい声が木霊する赤い海の中。

 這い寄るように不気味な連絡船は、深い霧の向こう側へと消えていった。

 

 

 

 

 




大変長らくお待たせいたしました。
かくして長く続いた3章も完結、でございます。

しかしながら、この3章で1年もかかってしまうとは夢にも思いませんでした。学生でなくなると本当に時間がなくなるのですね。とは言え、止める気は毛頭ないので、少しづつでもペースアップできたらなと考えております。

……それはそうと、ペルソナ5が楽しみでしょうがないです!
バイク型ペルソナ!? ネクロノミコンがUFOに!? 悪魔会話復活!? 早く9月になりませんかね! 後、閃の軌跡3の詳細はまだなのでしょうか!!

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