魔法科高校でも俺の青春はまちがっている   作:Lチキ

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入学編8

放課後なぜか俺は生徒会室の前にいた。朝から心配されている目は見てはいないが物凄い勢いで濁っていることだろう。虫なんて食ったことないが苦虫を食ったらこんな顔になるんだろうなー、みたいな顔をしているに違いない

 

そして隣にはその原因だと思われる

 

 

「どういうことだ、司波兄?」

 

 

「なんのことだ?」

 

 

「とぼけるな、なんで俺が生徒会に呼び出されなきゃならんのだ」

 

 

「なぜそれを俺に聞く?」

 

 

「朝お前らと会長が話してるのを見たし、妹の方が昼を生徒会室で食べるといい出ていくのを見た。」

 

 

実際は光井が司波妹を昼食に誘ったが生徒会に呼ばれているからそこでいただくという旨で断られ、俺と雫はそんな光井の愚痴を聞かされたのだ

 

 

「その2つに今日の呼び出し、極めつけはお前がここにいるという事。これでなんも知らんわけないよな」

 

 

さらにもう一つ。口には出さんが昼から帰ってきた司波妹が俺に向かい親の仇を見るような目で見てくることだ

 

ギロリと一睨み、司波兄に向ける

 

 

「とりあえず中に入ればわかるだろう」

 

 

逆に睨まれ、俺は反射的に身を後退させる

それは、小型犬が大型犬に威嚇された時のような感じで、キャインと言いそうになる

 

小町~・・・イケメンには勝てなかったよ‥‥

 

 

司波兄はコンコンと2回ノックをし扉を開けるとクラスと名前を言いそれに続き妹も名前を言う

 

 

「よ、来たな」

 

 

「いらっしゃい深雪さん。達也君もご苦労様、そっちの彼が比企谷君ね」

 

 

昨日の風紀委員長の先輩だ…なんか昨日会った時と打って変わって、随分とフランクな感じだ。

そして、それに続き会長が出迎えの言葉を言った後、目線を俺に向ける

 

 

「…どうも、比企谷っす」

 

 

「なんだ?元気がないな」

 

 

俺の挨拶を聞いた渡辺先輩がなんかめんどい感じに絡んでくる。

 

この人みた感じもそうだが、中身も体育会系だな…苦手なんだよな、あの元気がないもう一度みたいなノリ。挨拶くらい普通にしたい

 

 

「そんなことないっすよ。ところで俺はなんで呼ばれたんですか?なんかした覚えは…ないっすよ」

 

 

一瞬考えてしまった。昨日は魔法の無断使用をしちゃったが、まあ状況が状況だし自衛の一環に入るだろ…たぶん。

そもそも俺が魔法を使ったことはばれてないはずだしな

どこぞの誰かも言っていたなイカサマはばれなきゃイカサマにならにとかなんとか

 

 

「別に君に問題があるとか言うわけじゃない。そうだな…まず昼の事について話そうか」

 

 

そういい先輩は今日の昼、生徒会室で起きたことについて話した

 

まとめるとこうだ、

 

伝統として、学年主席は生徒会メンバーとして役職に就く。そのため妹が呼ばれ成り行きで兄も同行することになった。

 

妹が兄のいいところを力説、兄は実技は二科生だが筆記は主席らしい。そのため自分ではなく兄を生徒会に推薦。流石俺が認めたブラコン、ぶれないな

 

でも生徒会は一科生から選ばれる規則があり断念

 

そんな時、風紀委員長が生徒会推薦枠で風紀員に席があるとのことで、兄を風紀員にいれようとする

 

兄はそれに反対、色々口論した結果

「俺よりも比企谷の方が、風紀員として責務を果たせます」

などと、苦し紛れに俺に火の粉を投げつける。何してくれてんだこん野郎…

 

そこで昼休みは終わり、話の続きは俺を交えて放課後またここでという事になり

 

冒頭に戻る

 

 

話を聞き終えた俺は目をパチクリさせ、ことの発端に目を向ける

 

 

「やっぱ、お前のせいかよ。つーかなんだよ風紀委員て」

 

 

トンファーもってリーゼントとか従えるわけ、それとも足に鉄釘装備してジャッジメントですの!とでもいうわけ?

 

 

「風紀員は学校の風紀を維持し、主な任務は魔法使用に関する校則違反の摘発、魔法を使用した騒乱行為の取り締まり、だそうだぞ」

 

 

と、司波兄が他人事のように説明する。つーかそれ、バリバリ危険じゃん

こいつ本気で俺に厄介ごとを押し付ける気だな

あとあれか、妹の方が俺に敵意を向けるのはそれが原因かよ。兄の活躍の場を奪ってみたいな

 

俺まったく関係ないじゃん。とばっちりも甚だしい

 

 

「生憎俺はそういう体を使った系のやつとは無縁な生活送ってたんで、足手まといにしかなりません。丁重にお断りします。それじゃあさよなら」

 

 

入ってきた扉に体を向け、駆け足で出ようとする。だが先回りしていた司波兄によって阻止される。つーか今の前にいたよな?なんで俺より早いんだよ

 

 

「まあ、待て。そんなに早く帰っては先輩たちの顔に泥を塗ることになるぞ?もう少し話そうじゃないか」

 

 

こいつ、先輩っていうとこを強調しやがって…

実際会長や風紀員長の顔に泥を塗ることになんてならない。よくて失礼な後輩くらいの認識だ。だが、こいつの一言であたかも今、出ていくことで先輩の顔をつぶしてしまう。そんな空気を作り出した

 

 

司波妹は、そのやり取りをみてギリッと歯をかみしめる。そんな顔すんじゃこいつ止めろよ

会長と委員長は兄の意図が理解でき、それでも静観を貫く。悪い笑いをしてるのは気のせいか?

先輩…?ぽいロリっ子はどうすればいいかわからない様子でおどおどとしている…先輩だよな?

その後ろの髪の長いなんか真面目っぽい女性は興味がないような感じで紅茶を啜る。

この人たちじゃあ、司波のいったようなことは思わないだろうし、妹にしてはここで俺が退出すれば満面の笑みで送り出すに違いない

 

 

だが、会長の椅子の隣にいる男、役員唯一の男と思われるこいつは俺らが入ってきてからずっと俺と司波兄に敵意を向けている

 

その上でさっきの司波兄の言葉を真に受けたようで、出て行こうとする俺を睨んでいる。何あの人怖いんだけど…

 

 

そしてそんな男の様子を見、勝ち誇ったようなしたり顔をする司波兄…クソ、完全にこいつの術中に嵌っちまってんじゃねーか

 

 

俺に残された手は、退室を諦めるか土下座するかの2択しかない

俺が少し本気を出せば、衆人看取のもと土下座だろうが靴舐めだろうがなんだってするが…それはあくまで、最終手段としてとっておこう

 

というわけで、必然的に退室を諦めるしかなかった


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