魔法科高校でも俺の青春はまちがっている   作:Lチキ

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入学編7

「おいおい、そんなに警戒しないでくれ。目がすごい事になってるぞ?」

 

 

むしろこの状況で、警戒するなとは無理だと思う。

 

 

「目は生まれつきなんで、ほっといてください。つーかなんでそのこと知ってるんですか」

 

 

「先ほど言った通り、私の組織は国内の不穏分子の摘発や監視もしているその延長で、新魔法なんかの情報もあらかたくる。そんな下り、我が隊にピッタリの魔法があるではないかと調べたところ。君の事や比企谷家の現状を知ったわけだ」

 

 

「いくら軍でもそんなこと‥‥」

 

仮にも本家の人間が隠してることだぞ?国家権力だからってそんなのこと不可能ではないのか?

 

 

「我が隊は軍内部でも新参の部類だし、権限や信頼もスズメの涙といったとこだ。相手がそこそこの企業やナンバーズだったらまず不可能だろうな。それこそ崖っぷちで潰れそうな元名門相手ぐらいしかできない芸当だ」

 

 

崖っぷちで潰れそうって…さんざんな言われようだな

しかも、情報がだだもれとか終わってるな…

 

 

それにしても、勧誘しようとしてる相手にそんな内情をいっていいのだろうか

 

 

「…ですが、なんで俺なんです?調べたら知ってる通り、ただの一般人ですよ。いくら魔法が使えたって実戦とかじゃ使えないでしょう?」

 

 

「実戦?…ああ、なるほど!」

 

 

突然なにか分かったといった感じに、声を上げる平塚…さん

 

 

「君は勘違いしているよ」

 

 

「勘違い?」

 

 

「君の言うとおりいくらんでも、元一般人を現場や戦場に出すなどしないさ」

 

 

「え…でも、軍に入れって」

 

 

「軍はなにも戦うだけが仕事ではないよ。それに、君が軍に入っても今すぐどうこうという話ではない。むしろ保護目的のためといったほうが近いかもしれない」

 

 

「保護って…いったいなにから?」

 

 

え、俺誰かに狙われてるの?なにそれ笑えない

 

 

「色々あるさ、君の家の情報管理なんてざるもいいとこなんだし新魔法開発に目を付けた国内企業や、他国のスパイそんなやからが君や君のご家族に危害を及ぼさないなんて保障どこにもないからな。」

 

 

どうやら入隊とか言っても、それは名目上の物だけらしい。なにより家族という言葉に反応する。

 

つまりそれは、妹の小町に何かしらの危害が俺のせいで降り注ぐという事か…そうなると俺はもちろん、本家なんかも役には立たないだろう。

なんせぼろくそ言われてるしな…それならいっそ平塚さんに言われた通り守ってもらえば

 

 

「さらに君も一校で学び将来的に正式に軍に入ることも視野に入れての申し込みだ。今から学べば大学を卒業するころには、魔法の扱いにも慣れてるだろう」

 

 

一瞬それもいいかもと思ったが

何気なく言われた爆弾発言に思わず立ち上がり講義をする

 

 

「は!?ちょと、俺軍に入るなんて」

 

 

「ちなみに、今から大学卒業まで名目上君の軍入隊を認め、その後正式に入隊することを条件に、比企谷本家に対し軍は支援金を支払う契約をした。君が断ればその話もなしになるな」

 

 

「はあああああ!?」

 

 

それで、本家の人間が俺を連れてきたのかよ!

つーかおいコラ、本家!勝手に何してんだよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあー…」

 

 

昨日は散々だった。結局あの後、断ろうとしたら部屋の外で待機してた黒服達が入ってきてめっちゃ睨んでくるし、うっかり口が滑り年の事の触れたら大昔流行ったアニメの必殺技をやられるし、つーかなんなのあの人の怪力?あれを魔法なしでやるとか人間業じゃねーよ…

 

 

お詫びとか言って夕飯をごちそうになったら、なぜか普通のラーメン屋に連れて行かれた。こういう場合ってどこか高い店とか行くんじゃないのか…いや、詳しく知らんが

 

 

ちなみにラーメンの味はうまかった。近いし今度行ってみるか

そんな事を思ってる俺に後ろから声がかかる

 

 

「おはよう八幡」

 

 

「おはようございます。八幡さん」

 

 

雫と光井だ、なんだがこうしてると普通の友達のようだが、朝の校門前さらに同じクラスなのだからこうして会うことも珍しくない。

別にあんたと一緒に行きたいわけじゃないんだからね!的な展開はないのである

 

 

「なんか疲れてる?」

 

 

「あん?別に普通だが」

 

 

挨拶をした後なぜか2人は俺の隣を歩き、登校している。そんな中俺の顔を凝視していた雫が聞いてきた。

雫のその言葉を聞いた光井も俺の顔をみて「そういえば目が…」と小声で言っていた

 

ラノベ主人公でもあるまいし近距離での小声が聞こえないわけはないのである。

 

 

と、そこで俺を見ていた雫の目がジトーという効果音を上げる

 

 

「…なんだ?」

 

 

「八幡、嘘ついてる」

 

 

「そんなことねーって」

 

 

「嘘」

 

 

最近分かったことだが雫はやたら頑固なところがある。一度言い出したら聞かなんだよな特に、この目の時は絶対ひかない

 

 

「はあ…別に昨日ちょっと家の事で色々あってな。その疲れが出てるだけだ」

 

 

昨日の軍の事や平塚さんの事は口外しないようにと釘を刺されている。今までの俺ならそんなものする相手なんていないと、一周してたとこだが最近になってそういうことを聞きそうな連中が俺のまりにいるから用心に越したことはない

 

そこで最低限の事しか言わず、雫に返した

 

 

「そう。無理してるなら一度保健室にいったほうがいいよ」

 

 

ジト目をとき、今度は心配してるような目をする。

 

 

「生憎無理してまで、授業に出ようなんて殊勝な心がけ持ってないんでなそうするよ」

 

 

雫の目線にいたたまれなくなり、つい悪態をついてしまう。ボッチは同情される目線には案外慣れているが、そんな本当に心配されてるような目には耐性がないのだ

 

 

「それならいい…無理はしないでね」

 

 

本当にやめてもらいたい。ついつい惚れてしまいそうになる。

つーかこいつ何気に男前だよな

そうこうしてる間にクラスにつき俺と雫たちはそれぞれの席に行く

 

来る途中、司波兄妹が生徒会長に呼ばれていたが、まあ俺には関係ないか


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