魔法科高校でも俺の青春はまちがっている   作:Lチキ

28 / 43
少し久しぶりです皆さん。投稿遅くなりすいません


色々途中ですが、新しい事を始めましたよければそちらも見ていただけると嬉しいです。


感想待ってます


入学編27

日は傾き、周りが鮮やかなオレンジ色に染まる始めるカフェテラス

そこの窓側の席には3人の人物が腰を下ろしていた

 

一人は、制服姿の無表情なイケメン。カップに入ったコーヒーを静かに飲んでいる。その姿はあまりに大人びて制服を着ていないなら学生とは思えない

 

その対面に座るのは3人の中唯一の女性、ポニーテールの彼女は先ほどから神妙な顔つきで目の前に座る男性を見ている。両手に握られたプラスチック製の容器の中身はアイスティーのようだ

 

その二人に挟まれるように座っているのは、目元が隠れるくらいに髪をおろしているメガネをかけている少年。初めの男性と同じ制服を着て、同じ容器でコーヒーを飲んでいる彼だがその印象はあまりに地味だ

 

目元が隠れているので顔の認識が曖昧の上、身長もイケメンよりやや低いといったところで、通常なら平均かそれより少し上といったところだろうが、なにぶんそのすぐ前にいるイケメンのせいで限りなく印象がなくなっている。総合するとやっぱ地味だ

 

司波、壬生、曳き 八の3人は以前の話し合いの中答えが出せなかった壬生先輩の答えが出たという事で依然と同じカフェの同じ席に集まっている

 

三者三様の面持ちでいるようだが、それぞれの放つ雰囲気…というより温度差が見ているだけでありありと分かる。

 

 

 

真剣な熱のこもった顔をしてる壬生先輩に比べ、司波は相変わらずの無表情で又も変装している俺は、見えないだろうが凄くめんどくさそうな顔をしている

 

 

ここに俺が呼ばれた意味があるのだろうか?壬生先輩は、前に話を聞いてくれた俺にも話を聞くように頼んできたが、俺の目的はもうほぼ完了してるし、司波のした質問も正直興味がない。

 

 

それ以上に今は色々あり疲労困憊一歩手前状態なので早く帰って寝たい‥‥‥

 

 

「この前の返事なんだけど…」

 

 

そんな俺の思いも虚しく、壬生先輩は語り始めた

せめてなるべく早く終わらして帰りたい、その辺はおそらく司波も同じだと予想できる

 

今日は司波妹の生徒会がいつもより早めに終わるという事を光井達と話していたし、恐らく…というかまず間違いなく、妹を待っている司波にはあまり時間がない

 

 

あの妹の事だから、兄と一緒に帰るためならいつまでも待っていそうだな。なんなら忠犬ハチ公並みに待ってる可能性もある。むしろ自ら進んで探しに行くな

 

 

だが、そんな事をこのシスコンが許すはずもなく話の途中だろうが、隕石が落ちてこようが妹を待たせることなく駆けつけるだろう

 

 

何こいつら、超人かなんかなの子犬守るために電車止めたり牛丼食ったりするの?

いや、それどころか悪魔超人相手に無双しそうな兄妹だったな

 

 

少なくともフェイス面で勝負したら悪魔超人は虐殺される事、請け合いだ

ほとんどがマスクだから顔が分からんが、多分顔面偏差値は高くないだろ

 

 

悪魔超人といえばバッファローマンとか有名だけど現代科学で言うなら音を出して戦うやつが実は最強であるとかいう説があったな

詳しくは知らんが、最高音量を出さずに周囲数メートルにいる人間の脳を破壊できるとかなんとか……

 

みんなは有名なやつが強いって思っていてもその実、無名なやつが強かった。物事は他人じゃなく自分で判断しないと本質を見失うってことだな。故にボッチこそがこの世のすべての本質を知ることができる唯一無二の存在というわけだ。

 

ボッチまじ賢者

 

 

「最初は学校側に魔法だけが私達の全てじゃないと伝えるだけでいいと思ってた。でも、やっぱりそれだけじゃダメだって分かった」

 

 

壬生先輩は司波の目を見ながら語りかける

 

 

 

「私達は学校側に待遇改善を要求したいと思う」

 

 

 

待遇改善の部分を強調するかのように語る壬生先輩の目は何かを覚悟したかのような印象を受ける。おそらく言ってることは本当でそういう趣旨を学校側に要求すると真剣に言っているのだろう。

 

 

そのためにこの話を司波に持ちかけたのだ。しかし、それではだめだ

学校側にしても司波を味方につけるにしても出した要求に具体性が皆無である。さらに待遇改善といっても何をどうするというのか?

 

 

俺が調べた限りでの話だが、一科生と二科生の間に生じる劣等感と優越感とは裏腹にその実、学校側としてはこの2つにそこまで落差を生じさせていない

 

 

日常生活でいうなら精々教師不足による授業スタイルの差くらいのものだ

二科生の授業には原則として教師が付かない。それは教師不足を補うために致し方なく取る苦肉の策といえる。そもそも国としては、いくら補欠といえどできる事なら数少ない魔法師の芽はより多く育てたいはずだ

 

 

だが、現状としてそうも言ってられないから成績順にそういう差が出る。だが、これは言わば致し方ないもので学校側もいくら要求されてもどうしようがないだろう。

 

 

そもそも学生に要求されたくらいで改善できる問題ならとうにしている、公務員は総じて融通が効かないだの言われ、何かあれば「これだから公務員は!」と悪態をつかれるがこと、保身に関して公務員をこえる者は少ない。

 

故に国立であるこの学校に関しても国防の要といえる魔法師の育成には最大限の融通を利かせている。それなのにこういった事態が起きているのだ。それは職員、学校、国の怠慢でもなくただの人材不足に他ならない

 

 

さらに言うなら教師の有無で、成績が変わるなんて一人で勉強のできない奴のいい訳だ。義務教育であるはずの中学生生活において先生達から半ば放置されてきた俺からすると、抗議する前に勉強しろと言いたい

 

 

授業で指されたことはおろか宿題を忘れても何も言われず、それどころか出席しているにも関わらず欠席扱いにされたこともある俺だが、その成績は決して悪いものではなかった(一部を除いて)むしろクラスでも上位に位置していたほどだ(一部だけ)

 

 

どうしても先生に教えてほしいなら放課後に個人的に聞きに行き、二科生だからと無下に扱われたところを録音してPTAにでもマスコミにでも抗議すれば万事解決だ……解決はしてないか

 

 

あとその他の工房見学やら備品、施設では同じものを使用しているので差がない

 

 

 

それ以外を上げるとするなら後は、部活とかだろう。確かに魔法競技系のクラブの方がその他に比べて若干多くの部費をもらっているが、それは単純に部活の成績順に優遇してるだけでありそのことを問題にするのはお門違いだろう

 

 

唯一上げる落差といえば生徒会に二科生を採用してはいけないと学校の規則で決まっている事ぐらいだ。仮にそれを撤廃したとしても壬生先輩達が言いたいのはそういう事ではないのだろうがな

 

 

それにしても皮肉な話だ。恐らく一科生の中でも二科生との溝を埋めたいと一番考えてるであろう人物が所属している組織こそが学校の中で一番溝を上長させている原因とはな

 

 

「具体的に何を改めてほしいんですか?」

 

 

案の定司波はその事に触れている。ここでもしでっち上げでもいいから何か具体的で信憑性のあることを言えればいいのだが…

 

 

「そ、それはもちろん私達の待遇全般よ!」

 

 

「全般というと例えば授業ですか?一科と二科の主な違いは指導教員の有無ですが、そうすると先輩は学校に対して教師の増員を求めているのですか?」

 

 

「そこまで言うつもりはないけど…」

 

 

「ではクラブ活動ですか?剣道部には剣術部と同じペースで体育館が割り当ててあるはずですが」

 

 

「そ、それはっ!そうかもしれないけど……」

 

 

残念なことに壬生先輩にそれは無理なようだ。そもそも具体的な物が少ない上に、見た目道理真っ直ぐな性格のこの人にはそもそもでっち上げなどという考えすらしないだろう

 

 

つまり、そんな考えがすぐ浮かぶ俺は見た目も性格も曲がっているという事だが、逆説的に考えて世の中曲がってる連中ばっかりだし彼女のような人は少数だ、すなわち民主主義的に考えれば俺こそが正しいということだ。

 

流石民主主義、またの名を数の暴力

 

 

まあ、俺の場合普段こいつを敵に回していつも戦う前から惨敗してるから嫌いなんだけどな。くたばれ民主主義

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。