魔法科高校でも俺の青春はまちがっている   作:Lチキ

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入学編21

「勧誘期間、お疲れ様」

 

 

俺の肩に手を乗せそう話しかけるのは雫だ。朝のHR前、この時間に俺に話しかけるのなんて雫か光井しかいない、さらにこの簡潔な文は光井ではない。

 

というか別に声で分かるんだけどな

 

 

「…おう、お前らもなんか大変だったな」

 

 

「別に平気。八幡なんか疲れてる?」

 

 

「別に…」

 

 

「嘘。見るからにすごいよ、特に目がいつもの倍くらい濁ってる」

 

 

「おいコラ、それは普段から目が濁ってるて言いたいのか」

 

 

「濁ってるよ」

 

 

「お前そこは、もう少し包んで言えよ。真実をありのまま告げることは優しさじゃないんだぞ」

 

 

「‥‥‥濁ってる」

 

 

「考えた結果それかよ。つーか、より直球になってんじゃねーか」

 

 

やっと勧誘期間が終わり、風紀員の仕事も一段落が付いたので、別段疲れているわけではない。筋肉痛とか腰痛が時間差でやってきてはいるが一応想定の範囲内だ

 

 

だが、雫がそういうという事は自分でも知らない間に疲れが出ているのだろう。心当たりがあるとすればそれはあれだろう。司 甲

 

 

勧誘期間4日目、司波襲撃後の司先輩の後を尾行したが、同じ部活の壬生先輩と少しの会話をした後は、ほかの仲間と落ち合う事もせずそのまま部活をして帰っていった。

 

 

俺の予想は外れ、その間に費やした時間が丸々無駄となり無駄にテンション高めだった俺の心は一気に消沈した。

 

 

だって、普通こういうのって作戦が終わったすぐ後に集まるもんじゃねーの?

刑事ドラマしかり、スーパー戦隊の悪の幹部しかりみんなそうしてたじゃん!

 

 

「現実とフィクションはやっぱり違うってことか‥‥‥」

 

 

「フィクション?」

 

 

「いやなんでもない。ただの独り言だ」

 

 

「話してる途中に独り言もないと思うけど」

 

 

「はいはい。すいません。」

 

 

「はいは、一回」

 

 

なんか小学校でこんな事あったな。つーか雫さんなんか楽しんでませんか?

 

 

「‥‥‥はい」

 

 

「うん、よろしい」

 

 

と、雫は悪さをした子供のようにニコリと笑い自分の席まで戻る。

 

朝っぱらからいいもん見れた…って違う違う。朝っぱらから疲れる話を終えただ。べ、別にあんたの笑顔にときめいたりしてないんだからね!

 

 

まあ、多少はドキリとしたがな。

 

 

 

 

 

 

 

見事なまでに八幡の勧誘期間尾行大作戦が失敗した今日この頃、数日にわたる疲れと失敗したことによる気落ちでしばらくの間、行動不能だったが雫との他愛のない会話によるアロマ効果的ななにかで何とか動けるようになった俺は、一科生のクラスがある塔とは逆にある二科生のクラス塔にきている

 

 

昼休みという事もあり廊下にはかなりの数の生徒が出ている。もちろんだが全員二科生だ。

溝が大きいという影響と基本的にこちらに来る用事がないという事で、一科生の姿はなく仮に、ここに一科生がこようものならちょっとした騒ぎになるだろう。

 

 

俺がこちらに来たのは勿論、司先輩の内情を知るためだ。なのでそんな目立つようなことをしてしまったら調査ができなくなるので、それは避けたい

 

 

なので一番手っ取り早い方法である、変装をするという結論に至った。俺は風紀員という立場にありながら、司波がやたら派手に動いてくれたおかげで、一般生徒から風紀員として認識されていない。というか、クラスメイトからもたまに認識されていないので、制服を変えただけで簡単に潜入できるだろう

 

 

ちなみに言っておくが、別に魔法を使ったとかではなくガチで認識されていない。雫と光井が話しかけてくれて周りの連中も俺がそこにいる事に気が付くみたいな感じだ

 

 

たまに光井は素で俺の事を忘れてる時があるがな…

あ、あと司波妹とはもちろん話なんてしていない。トップカースト中のトップと話をするなど論外である。森‥‥‥誰それ?

 

 

しかし、一科生である俺が二科生の制服を持っているなんてことはないし、それを借りるような友達もいない。一応知り合いはちらほらといるが、いきなり制服を貸してくれとたのんで

 

「いいよ」というような奴はいないだろ。よって俺は一科の制服のままこちらにきている。

 

 

だが、周りは特に気にする様子もない。別に俺の存在が限りなく空気とか言うんではないぞ?

簡単な話、花が邪魔ならそれをなくせばいい。

 

光学系魔法の応用でエンブレムの花の部分を黒塗りにしてあるのだ。さらに普段は梳かしてない髪をそろえ目元までおろしている。その上で変装の代名詞ともいえるメガネを着用

これで俺が誰なのかわかるやつはまずいないだろう。

 

えっ、勧誘期間でもないのに校内で魔法使っていいのかって?

 

‥‥‥どこぞのギャンブラーが言ってたろ。イカサマはばれなきゃイカサマではないと、つまりそういうことだ

 

 

こちらの校舎も作りは一科のほうと同じようなので、とりあえず先輩のクラスがある階まで行くことにして廊下を進む。すると前方にお目当ての角刈りメガネを発見し、すかさず物陰に隠れ、様子を見る。

 

何をしてるのかと思えば女子生徒と話をしているようだ。

 

 

「ッチ」

 

 

休み時間に女子と仲良く話すとかなにそのリア充?

ついつい舌打ちしちまったぜ……ッケ

どこぞのラノベみたいな展開だと爆発しろとか羨ましいとか思うけど、こういうナチュラルなのってただただイラつくよな ッチ

 

 

しかし、あれだよな。司波兄にしろこいつ(司)にしろ、二科生にやたらリア充多いよな?

一科と二科の関係は一科>二科みたいな構図のはずなのに全然勝ってる気がしない

 

初日から校則違反をする森ほか1-Aの面々に、司波に完封された服部空気読めない副会長、勧誘期間に剣道部(二科)にちょっかい出して返り討ちに合いキレて違反行為に及んだ桐原先輩と剣術部(一科)の皆さん‥‥‥

 

 

むしろ何が勝ってるというんだこれ?魔法云々以前に、人間性に問題ありすぎるだろ一科生、とくに男子。副会長(笑)にしてみれば、魔法で負けてたし……ざまぁ

 

 

…今日はなんかやたら病んでるな、疲れてるのかな?

 

 

 

 

 

目標(司)は話を終えたようで、その場を離れる。目標がほかの階に移動したのを確認し、さきほど彼と話してた生徒を探す。

 

 

見つけた、彼女は確か…壬生先輩だったか?

 

ポニーテールが印象に残る彼女の対面から近づき、通り過ぎ様に肩をぶつけそのまま横転する。

 

 

「っわ!だ、大丈夫君!」

 

 

壬生先輩は倒れた俺に驚いたのか少し声が張る

 

 

「は、はい大丈夫です。ぶつかっちゃてすいません」

 

 

「こちらこそごめんなさい。考え事してたから気が付かなくってごめんさい。えっと…一年生かな?」

 

 

「は、はい。一年の曳田 八(ひきた はち)です」

 

 

一応捜査なので偽名を使ってみるが、これ調べられたらすぐばれるよな?そんな生徒多分いないし…ま なんとかなるか

 

 

「そう八君。本当にごめんね、私は―――」

 

 

「あ、あの!剣道部の壬生先輩ですよね?勧誘期間の時拝見しました!あの時すごくかっこよかったです!」」

 

 

「あははは、そういわれると照れるなー」

 

 

先輩は顔を若干赤くし頭の後ろに手を回す。

 

 

「そ、それであの!剣道部に興味があってお話を聞きたいんですけど、少しお時間いただけませんか?」

 

 

「ん―放課後でいいなら大丈夫だけど」

 

 

「じ、じゃあ、あの、お願いします!」

 

 

腰を90℃に曲げお願いをし、その後カフェでの待ち合わせを約束を取り付け壬生先輩はその場を後にする。

 

ほかのところも周り、司先輩のクラスと学年での素行調査を実行、これにより大体の人と成り、あと数人だけどあのリストバンドをした奴らも確認できた。それと放課後に部活での様子を聞くことができれば、なんとか調べられるだろ

 

 


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