魔法科高校でも俺の青春はまちがっている   作:Lチキ

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なんか八幡て探偵とか刑事とか向いてそうなイメージがあります。

それと相棒13が始まりました!いや~これから水曜が楽しみです


入学編20

雑木林の中2人の男子生徒が話しており、その雰囲気はただことではない様子だ

一人は、司波を狙った空気弾を使った犯人

 

もう一人はメガネをかけた角刈りがトレードマークの司先輩。相変わらずメガネを中指でクイッとさせる姿はラスボス臭がすごいな

 

 

「すいません…まさか、あれをよけられるとは‥‥」

 

 

「かまわないよ。おかげで色々と観察ができた」

 

 

「しかし、これでは当初の目的の彼の実力を測ることが…」

 

 

「分かっている。次は俺がいこう」

 

 

メガネをクイッとさせそう宣言する。

 

こんな風貌事態が黒幕っぽい奴も昨今珍しい限りだが、今の会話を聞いたらあからさまな黒幕である。もしこの会話を第三者が聞いたら間違いなくそう答えるだろう。

 

 

そして彼ら2人のすぐ近くでこの会話を聞いていた八幡も同様のことを考える

 

 

今現在彼はミスディレクションを発動させ2人から5メートルほど離れた木の陰でこの会話を盗聴&録音している。

 

 

空気弾を撃った犯人をすぐさま追いかけ、隙を見て捕まえようとしてこの現場まで尾行したのはいいが思いもよらない人物を見つけ捕まえる事を放棄し情報収集に変更したのはいいが、

 

 

どうやら物凄くめんどくさい事を計画してるようで、その顔はもはやげんなりとしていた。

違反行為の取り締まりに来てみればそれを指示した人間の特定および次回の犯行予告まで判明し、普通ならお手柄なのだがそこは彼、比企谷 八幡なのでこういう厄介ごとを嫌い、できれば関わりたくはないと心の底から思っている

 

 

しかし、一度受けた仕事はきっちりする性質なのでとにかく今は情報収集に徹する

この情報を持ちかえればめんどくさい事に巻き込まれるのは必死だろう。なんせ聞く限りただの違反行為ではなく、なんらかの目的を遂行するためにやった集団行動なのだ

 

 

目的の部分はどうでもいいし興味はないが集団行動の部分が厄介だ。今確認するだけでこの2人と喧嘩をしていた連中もグルだと考えれば4人、さらに司先輩のつけているブレスレット

 

白い帯に赤と青を縁取ったデザインのものだが目の前にいるもう一人もつけているしなんらかのシンボル的な物の可能性がある。

 

 

ユニフォームみたいな感じだな。自分たちの仲間を区別するためにつけるそれは彼らがそれなりの集団である可能性を提示する

 

 

正確な人数は分からないが不特定多数の人間がこの件に関与している可能性がある。人数が多ければ多いほど厄介きわまりなく、さらに人に向かって魔法を使用する連中がいっぱいいるなど、風紀員としてめんどくさい事このうえない

 

 

最悪の場合は刑事ドラマで見るような大捕り物に発展しかねない‥‥ほんとうにめんどくさい

 

流石にそんなフィクションの世界みたいなこと起きるわけはないと思うが、念のためもう少し調べる必要がある事には違いない

 

 

なので司波には悪いがおとりになってもらうことにする‥‥‥…別に今までの仕返しとかじゃないぞ?ほんとだって本当!八幡はそんな事をしませんことよ!‥‥‥

 

 

‥‥‥本当にヤバそうならなんかするけど司波だし平気だろ多分

 

 

「四日目の放課後しかけるほかのメンバーは手を出さないよう言っておいてくれ」

 

 

「はい」

 

 

司先輩らは話が終わったようでその場を移動する。

一人は今来た道の逆を、司先輩は俺の前を通り過ぎ校門まで歩いて行った

 

前を通り過ぎた時に一瞬、ヒヤッとしたがどうやら気が付かれなかったようだ。これぞまさにステルスヒッキー!キリッ……うん、やめよう。緊張がとけおかしなテンションになってるんだよ

 

 

とりあえず、今は家に帰るとしよう。本当はこのあと司先輩を尾行でもすればもっと詳しい事も分かるかもだが、俺のメンタルが持ちそうにない

 

 

あ…そういや雫達に何も言わずに来ちゃったんだよな‥‥‥まあ、いいか明日にでも詫びいれればどうにかなるだろう

 

なにやら騒がしいが俺はそんなことを気にも留めずに帰宅する。

ただ、翌日に風紀委員の事を忘れて帰ってしまったため、渡辺先輩よりこっぴどく叱られ森からすんげー嫌味を言われその日一日は放課後までずっと消沈するはめになるのだが

 

 

「あ、そういやコーヒー切れてたっけ…買っていこ」

 

 

今はまだそれをしらないのであった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勧誘期間四日目 放課後

 

あれから2日が立ちとうとう、司波襲撃計画の実行日となった。そして今俺は風紀員の仕事をしながら司波を観察している。

 

本当は司先輩が自分のクラスから出て行ったところから尾行できればよかったのだが、つい昨日の事だが委員長よりさぼりに付き説教されたうえで念を押されたためどうしても委員会の顔出しに行かねばならずそれがかなわなかった

 

2回目のさぼり発覚という事で、すごい剣幕で怒られた‥‥‥

鋭い眼光で睨みつけられ胸倉をつかみ顔を近づけ、ささやくように言われた

 

 

「いいか比企谷‥‥‥………次はないぞ?」

 

 

渡辺先輩みたいな美人と至近距離で顔を見合わせ、ささやかれるなんて本来なら思春期真っただ中の男としてうれしい事この上ないのだが

 

 

本当に怖かった…とくにあの名前を呼ばれた後の妙な間、あの時なんて生きた心地がせず、時間にすると5秒程度なのに10分くらいあのままだったような感覚になり、足や手が小刻みに震えていた

 

 

しかもその後、森の野郎がどこから聞きつけたのか分からないがやたらと絡んできて

うざいのなんのと

 

 

「貴様なにをしている!俺がお前のためにゆづってやった風紀委員をさぼるなんて!」

 

 

「そもそもお前は、気概が足りないんだ!」

 

 

「いいか我々は選ばれし一科生であり…」

 

 

「名門、森~の名に泥をつけるつもりか!!」

 

 

最後のほうは眠くてよく聞いてなかったが、本当になんなんだあいつは?そもそも俺は別に頼んでねーんだっつうの、まったく

 

 

説教もさることながらこれが止めとなり、その日の授業の記憶がほとんどないはめになり、放課後は放課後で渡辺先輩じきじきに俺の監視をしてくださり、もうほんと…お腹いっぱい過ぎて胃もたれしましたよほんとにね

 

 

その日真面目にやったおかげで、今日は一人で回ることを許されたので、今はじっくりと張り込み中だ。司先輩は見失いどこにいるかわからないが、司波を襲撃するつもりなのでその周りにいれば向こうからやってくるだろう

 

 

「乱闘だー!!」

 

 

誰に向けたわけではない大声がし、そちらの方向を見ると2人の男子生徒が今まさに魔法を発動させようとしていた。

 

司波はすぐさまその場に駆けつける

 

 

「風紀委員です。今すぐやめてください」

 

 

司波は制止を呼びかけるが、そのうちの一人がその声に反応し、くるりと司波の方に転換し、発動された魔法はそのまま司波にむけ発射される

 

 

「クッ」

 

 

顔めがけて発射された魔法は司波が首を動かしなんとか交わした。だがその隙に先ほど魔法を使ってた生徒2名は逃亡した。すぐさま追いかけようとするが

 

 

「痛ッ!きおつけろ!」

 

 

その方向にいた先輩に行く手を阻まれ追いかける事ができず、ついに見失ってしまった。

 

一見魔法の誤爆のようだが怪しいな、行く手を邪魔した方は司波に見えないように笑っているし……どうやら司先輩とは関係ないがあいつに嫌がらせをしているようだ。

 

 

まったくもって人間てやつは何処にいてもやることは変わらんな。

 

 

小学校、中学校と色々な嫌がらせをされたことを思い出したが感傷してる暇もないので、今の4人の顔を映したものを委員会に報告しておこう。

 

 

司波にも気が付かれずに尾行しているので、もちろんほかの連中も気が付いておらず先ほどの喧嘩から、司波に向けられた悪意のある笑いまでバッチし録画することに成功した。

 

 

俺のトラウマを掘り起こした罪、しっかりと償え

 

 

ちなみに彼らは後日、魔法の不適正使用及びそれの補佐で厳重注意され反省文の提出を命じられることとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『風紀委員各自に連絡、西側通路にて2年生どうしが喧嘩をしていると通報があった。近くにいる者は直ちに急行せよ。繰り返す~・・・』

 

 

「一年の司波 達也です。すぐにいきます」

 

 

無線により告げられた場所は俺たちのいる場所から遠くない所で、司波は応答後すぐにはしりだしその場所まで移動する。

 

すぐにその後を追いかける。途中ちかみちであるあの時の雑木林を通るようなので魔法で加速しながら木々の間を抜け、司波と一定の距離を取り後を追う

 

 

もうすぐ雑木林の出口にたどり着くというところで司波は急に足を止め、俺とは逆の方の木に体を向けすばやく腕を交差する

 

 

そこには魔法を発動させようとしている司先輩がいたが、司波の手から複数のサイオンの波があらわれ先輩の魔法をかき消す。

 

 

「待てッ!」

 

 

そのまま逃げる先輩を司波は追いかけるが、先輩は魔法による高速走行を使用し一目散に逃げ、司波はそこで追いかけるのを諦めたようで、ヤレヤレといった感じで片手を腰に当てため息を一つ

 

 

司波はそのまま先ほどの喧嘩の現場に行くようだ。

 

 

俺はと言うと、現在進行形で司先輩を追跡中である。雑木林を抜け100mほど走った先輩はそこで魔法をやめ、徐々にスピードを落としながら乱れた息を整える

 

 

そのやや後方から息を多少切らしてそれを追う。本来なら剣道部の主将と風紀員とはいえもと帰宅部の俺では持久力にスピードと差がでるのだが、魔法による追いかけっこでは一科生の俺にやや分があった。

 

 

司先輩は何食わぬ顔で体育館のほうに引き換えし、途中の渡り廊下であった女生徒となにやら話をしている。

 

 

二科生でポニーテールの女生徒確かあれは‥‥壬生先輩だったか?

今や司波の代名詞ともなった、剣術部乱闘事件の剣道部の方の当事者だった人だ。

同じ部活の2人が話をしているだけなので、対して問題もない様子だ。

 

 

壬生先輩はあのリストバンドもつけてないようだし

そのまま先輩達2人は少しして話を終え、お互い別々の方向へいく。俺の予想ではこの後司先輩は仲間とあつまるかして今回の襲撃の報告をするはずだ

 

 

その場面を目撃できれば、相手の人数や戦力もわかり風紀員も動きやすくなる。願わくば目的とやらもわかればいいのだが…

 

贅沢は言わないし興味もたいしてないので別にいいがな

 

 


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