魔法科高校でも俺の青春はまちがっている   作:Lチキ

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どさくさに紛れてCADの紹介です。分かる人はいると思いますが電極です


入学編18

光井は魔法で疑似的に大きな鏡を作り勧誘してる先輩方の後ろの植木の中を移動する。そうすることで反対側では植木の奥で作業してる風に見えるというわけだ。逆に手前の人が振り向くとすぐばれてしまうのだが、校門までの間だし問題ないだろう

 

 

「で、なんで俺まで一緒にいかなきゃいけないんだよ」

 

 

「みんなで行ったほうが心強い」

 

 

「そうだろうけどさ…風紀員あるし」

 

 

「その間、風紀員の仕事さぼれるよ?」

 

 

「よし、なら一緒に行こう」

 

 

雫と結託してさぼッ……この2人が無事に行けるよう見守るためついていくことにする。

つーか、雫は日に日に俺の扱いを分かっていってるな。なんか俺ちょろくね?

 

 

そんな俺と雫のやり取りを見ていた光井はやれやれといった感じでため息をこぼし

ややジト目になりながら、こちらを見る

 

 

「2人とも大声出すとばれちゃいますよ?」

 

 

「平気だよ、八幡が声が周りに聞こえないようにしてるし」

 

 

「おう…って、お前よく気が付いたな」

 

 

確かに周りに防壁を作りこちらの声をシャットアウトしている。だが、忘れられているかもだが、俺の魔法は特性上、発動したことが分かりずらい筈なのだ

 

 

この特性は強力で、あの司波兄でさえ発動したのは分かったが何をしたのかまでは分からないと言っているのだ。

現に光井はあたりを見渡し、いつの間にか張られていた防壁に驚いている。

 

 

それなのに雫はいつ魔法を発動したかに気が付き、その魔法の内容までも言い当てたのだ。

 

つまりそれは、俺の魔法の要ともいえる特性を看破したという事なのか?

 

 

先ほどまでとは打って変わり、背中に嫌な汗が出る。流石に俺も唯一の強みともいえる物を脅かされては気が気ではない

 

 

「別に、私は八幡の動きを見てただけ」

 

 

「は…どういうことだよ?」

 

 

「八幡のCADってその首のでしょ?さっきそれのスイッチを入れてたから」

 

 

確かに俺のCADはチョーカー型で、今首につけているこれだ。

見た目は何処にでもあるような黒いチョーカーだか、チョーカーの右隣にはスイッチといくつかのボタンがありそれを操作することにより魔法の切り替えをする

 

 

以前あった平塚 静に仮入隊のお祝いにCADをくれるという事で、初めは警戒し断ったが彼女のあまりの強引さで押し切られてしまい結局お世話になる事にしたのだが、

 

 

今まで使用してたブレスレット型のCADでは魔法の切り替えの際に両手がふさがり動作に遅れが生じるという理由で排除

 

 

携帯端末型のCADは俺自身があまり携帯を携帯しないのでうっかりどこかに忘れてしまう恐れがあるので排除

 

 

銃型のCADは俺の魔法に合わないという事で排除し

なんやかんやで俺専用のオーダーメイドCADを作ってくれたのだ。

 

 

それがこのチョーカー型である。魔法との相性はもちろん片手で操作できるし、身に着けているものだから忘れる心配もない。さらに専用のイヤホンをつける事によりプレーヤーにもなる優れものだ

 

 

雫は俺が首に手を回すのが見え、魔法を使ったのを察知したのだ。しかし、それでは、まだ説明ができない。

 

 

「じゃあなんで、効果まで分かったんだよ」

 

 

魔法が発動されて、障壁を視認できたとしてもその障壁が何を遮るものかまでは分からないはずだ。

 

それなのに雫は声と断言している。これは別に特性がどうとか言うわけじゃない。

 

 

俺の特性はあくまで、発動のタイミングのみに有効でそれ以後の継続系の通常魔法ではほかの人にも知覚されてしまう。

 

 

だが、今回の場合障壁魔法という幅広い物の中で声を遮ると正しい答えを断言したことは純粋に興味がわいた。

 

 

司波みたいに展開術式を見てどういった用途の魔法が発動されるのか分かるっていうなら頷けるが、俺が知る限り雫にはそんなはちゃめちゃチートスキルはない筈だ

 

まさか雫にもそういう裏設定的なものがあるのかと想像したが

 

 

「八幡ならそうするだろうなって予想しただけだよ」

 

 

と、雫から帰ってきた答えは想像したものとは全く別だった

 

 

「八幡て普段から周りに対する警戒心が強いでしょ。それに人の視線にも敏感だし、そんな八幡がこの状況で普通に話してるし多分そういうのかなって思っただけ」

 

 

あたってる?と小首を傾げる雫だが…つまりそれはこの一連のなかで雫は俺の動作、思考、性格の全てを理解したということなのか‥‥‥?

 

 

以前にも俺の思考を読んでいる風な事を言っていたがこれは本当にこれはシャレにならんぞ、むしろ特性が看破されたほうがましなレベルだ

 

 

なんせ、雫は俺が知らないうちに俺の考えや動きを把握しているという事だ。それはもはや掌握される少し手前ぐらいの距離感だ

 

 

今まで自分と他人の間に壁を作り溝を深め続けていたのにいったいどうしたというのだ。

 

なにか異様なまでの緊張感が押し寄せ、頭がうまく回らない

そこでとっさにでた軽口は某シリーズで某委員長が絡むと必ず言うお決まりのお約束

 

 

「…お、お前はなんでも知っているな」

 

 

もちろん雫はこんなネタを知らないので首を傾げるが、俺の方を見て微笑みながら言う言葉は偶然にも元ネタに沿う形となる

 

 

「なんでもは知らないよ、八幡の事だけ」

 

 

と言う雫の言葉はもはや告白ととっても過言ではない凶悪なセリフになったが、

 

 

相手が俺なのでそんな勘違いは起きない。よかったな相手が俺で、変な誤解は生まれないですむ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本当に危ないところだった‥‥‥


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