魔法科高校でも俺の青春はまちがっている   作:Lチキ

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入学編13

その後は司波兄が忍者の弟子だったり、波の合成だとかトーラスシルバーだのいろいろあって最終的に服部が司波妹に謝って事なきを得た

 

 

「なんで最後がそんな適当なわけ」

 

 

色々はしょった説明に雫がツッコミを入れる。

といってもそれも仕方がないんだよ。なんせその後の話は専門的すぎて俺にはさっぱり理解できなかったし、本当に一瞬の出来事で判断なんてできなかったのだ。

 

 

ただ言えることとしたら服部ざまwwくらいのものだ

 

 

「まあ、要約すると『流石ですお兄様!』ってことだ」

 

 

 

「…それ、深雪のモノマネ?」

 

 

「みょ、妙に似てますね」

 

 

雫と光井があからさまに引いた反応をする。いや、まあ…俺もやってから何やってんだとは自分でも思ったけどそんなにひかなくても…

 

光井に至っては引き攣った笑顔に目が全然笑ってないし、むしろ怒ってるか?

司波信仰のあついこいつの前でやるべきではなかったな。なんつーかだんだん怖くなってくる

あれだ、普段怒らない奴が怒るとやたら怖いみたいなあれだ。

 

それから、変な空気のまま昼食は終了する

 

ちなみに俺の風紀員入りの話はもちろん流れた。そもそも俺にやる気がない上に、服部(笑)を倒したことで、司波兄の実力が証明され生徒会推薦枠はそのまま決まったから俺は用無しってことだ。ただそれで、そのまま俺を無視するんじゃあれってことでなんか会長からフォローっぽく2科生と1科生の溝を埋めるためだとかの説明があったが

 

 

正直気にしてないしむしろありがたい話だから軽く聞き流したからぶっちゃけよく覚えていない。まあ、あれだ会長お疲れ様ですってことで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

 

 

生徒会室からやや離れているここ、風紀員会本部ではこれから始まる部活・クラブの新人勧誘イベントのため集会が開かれた

 

普段CADの学内携帯を許されてるのは生徒会と風紀委員のみとされてるが、この新人勧誘では部活のデモのため特別に一般生徒もCADの携帯使用が許される。

 

 

それだけなら別段問題はないようだが、有望な新人を勧誘するためいささかむちゃな勧誘をする連中が毎年いるそうだ。有望な新人=部活連での勢力図に大きな変化が出るらしくもはや無法地帯化するとかしないとかって話だ

 

 

その上、学校側もそれを黙認しているので否応なきに風紀員の仕事が増えるイベントということだ。

 

 

さて、俺こと八幡は中学の頃より帰宅部でそういった物に所属するつもりも力もない。

ここでいう力とは魔法や優秀云々というはなしではなはなく単純にコミュ力の問題である。

なので、このままどこにも所属しないつもりだ

 

 

だがこれまた厄介なことに、入試の成績順位というのが出回っているらしく普段空気な俺でも、入試実技3位ということで勧誘される恐れがある

 

 

いや本当に俺を勧誘するとこなんてあるわけないとは思うが、雫達が聞いた話では部活連の中には強引な勧誘をするとこもあるそうで、そういったところは個人の希望や適性といった物を眼無視してとりあえず優秀な連中を手元に置きそでもそりが合わない人は他の部活との間で高額で取引されるらしい

 

 

おい、高校生がそれでいいのか?金銭の取引とか教育上やちゃいけないだろ

 

そんな訳で、コミュ力5な俺にもそういうのがある可能性が大いにある。そういうのは…めんどくさいし、関わり合いになりたくない。

だから、なるべく平穏に暮らすため部活は入らずこの大騒ぎなイベントにも関与せずを決め込むつもりだ。

 

最悪ミスディレつかって下校しようとか考えていたのだが、どうやらそれは杞憂に終わるらしい

 

 

 

 

「今年もまた、あのバカ騒ぎの一週間がやってきた。有力な部員の獲得は各部の勢力図に直接影響を及ぼす重要課題であり」

 

 

「殴り合いや魔法の打ち合いになることも残念ながら珍しくない。今年は幸い卒業生分の補充が間に合った」

 

 

渡辺先輩は見るからにゴツイ感じの風紀委員の中、毅然とした態度で進行を進める。そして、卒業生分である2人の生徒の紹介に移るべく2人の一年生に立つように言う。

 

ていうか、この明らかに男所帯なところに渡辺先輩は入ろうと思ったな…男である俺ですら躊躇してしまうことは請け合いなのに本当にすごいと思う。

その上、委員長とかもうなんか…凄いです

 

でも、そんなマジ凄い委員長、略してMSIに一言言いたいのですが

 

 

「1-Aの比企谷 八幡と1-Fの司波 達也だ。さっそくパトロールに加わってもらう」

 

 

いったいなぜこうなった?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、委員長の出動の一言で先輩方は胸の前に握った拳を掲げる。敬礼みたいなものつーか進撃的な巨人みたいな話の心臓を捧げよ!みたいなポーズだ

 

ぞろぞろと委員会本部を出ていき、残ったのは渡辺先輩と司波、そんで俺だけとなる。

 

 

「まずはこれを渡しておく」

 

 

3人になり渡辺先輩は先ほどまでの毅然とした態度から、どことなく柔らかい感じになり風紀員の腕章を俺達に渡す

 

黒字に赤の刺繍‥‥‥ていうかこれ色違いなだけでジャッジメントだよね?ちょっとデザインが違うっぽいけどジャッジメントの腕章だよな?

 

いや、どっちも風紀員だしなんか分からんがつながりがあるんだろ…そういうことにしておこう

 

 

「次にCADについてだ、風紀員会はCADの学内携帯を許可されている。使用についてもいちいち誰かの許可を仰ぐ必要はない」

 

 

「だが不正使用が発覚した場合は委員会除名の上一般生徒から厳重な罰が下る。甘く考えない事だ」

 

 

一瞬、不正使用とやらをすればいいんじゃねと思ったがなんか怖いし辞めとこ

っと、今はそんなんじゃなくとにかく聞かなければ

 

 

「あの…質問いいっすか?」

 

 

「ん?どうした、お前から質問なんて意外だな」

 

 

それは質問するような意欲向上があるとは意外といういみなのか?俺だって向上心くらいあるぞ‥‥…多分、もしかしたら、あるかもだからな!

 

 

 

「いやなんで俺がここにいるんですか?」

 

 

「お前が風紀員だからだろ」

 

 

渡辺先輩はどこか悪さをするときのような顔になり答える

いやいやそういうことではなくて、てか絶対わかって言ってるでしょ

 

 

「副会長との模擬戦で司波が風紀員になったんでしょ?んで俺はそこでお役御免だったのに」

 

 

「ああ、だから司波は生徒会推薦枠で風紀員になり、お前は教職員推薦枠で風紀員に入れることにした」

 

 

「は?」

 

 

俺は意味が分からず、唖然とする

教職員推薦枠ってなんだよ。意味事態は分かるがなぜ、俺が選ばれたのかが分からない

確かに入試の実技成績は良かったが、筆記は散々で総合すると中のやや上って感じ、授業も不真面目ではないにしろ発言も全くしない俺が選ばれる理由が思いつかん

 

 

「本当は教職員枠では森崎が選ばれる予定だったが、急きょ森崎が辞退してな。職員に相談されお前の名前を言っておいた」

 

 

渡辺先輩はそんな俺の思考を察したのか、経緯を説明してくれた。

つまりその森‥‥‥森本のやつのせいと、先輩が俺を推薦しやがったのか‥クソがこれじゃあ司波とやり合った(生徒会室での口論)意味がまったくねーじゃねーか。むしろ生徒会の時よりも明らかに断りずらいし

 

 

ん?待てよ。その名前って確か…そうなると‥‥‥

 

思考を終わらせた俺は隣にいる司波を睨む

 

 

「質問は以上か?」

 

 

渡辺先輩が聞くと司波はそっと手を挙げる。

俺に睨まれてるのは分かっているんだろうけど、あえて気にしないように話を進める

むしろ本当に気にしてない感じがするな…そういえば前に同じように睨み付けたら睨み返され目をそむけたことがあったな

 

おそらくそれで俺の睨み=取るに足らないみたいな感じに思われるのか

まあ事実だからしょうがないんだが

 

 

「CADは委員会の備品を使用していいでしょうか?」

 

 

「かまわないがアレは旧式だぞ?」

 

 

司波は整頓されてる戸棚にしまってある、CADに近寄る

詳しくは知らんが確かに最新のカタログにはどれも載っていない型だ

それと偏見だろうけど支給品や備品という言葉にはどことなく品質が落ちてる感じられるのは俺だけだろうか?

 

司波は戸棚の前まで来るとっフと一笑い

ていうか、銃の形のCAD持っていたはずなのだがあれはいいのか?

 

 

「確かに旧式ではありますがエキスパート仕様の高級品ですよ」

 

 

え?マジでそれ高いの?

これまた偏見だが備品という言葉に高級品という言葉が加わると一気に一級品みたいな感じがするのは俺だけではないはずだ

 

先輩達風紀員の人を見た感じなんか体育会系な感じがしたが、その割にここは随分と片付いていると思ったが、そんな高級品があるというならうなづける

 

 

「そういうことなら好きに使っていけ。どうせ今まで埃をかぶっていた代物だ」

 

 

おいコラ、高い物なら大切に扱えよ!これだから金持ちというやつは‥‥‥

 

心の中で貧乏人丸出しのことを考え愚痴をいうが、それも仕方がない事だと思う。なんせ俺の家は中流家庭で貧乏ではないにしろ普通の家だ。そんな奴が金持ち共のかようエリート学校にいきなり入れられたんだから金銭感覚の違いに頭を傾げるのも当たり前と言える

 

とくに後日、整頓したのが司波であることを聞いたときに一緒に聞いたCADの値段を知った時なんか唖然としたものだ

仮に俺の小遣いを1年貯めても到底手に入らん値段だぞ、それに埃をかぶらせるなんて

 

これだから金持ちは‥…と声に出して毒づいたほどだ

 

 

「ではこの2機をお借りします」

 

 

司波はブレスレット型のCADを2つ取る

でも、確かCADを2機同時につかうと魔法が発動しないんじゃなかったか?

まあ、こいつの事だしそれを知らない訳もないだろうから、またなんか知らんが流石ですお兄様をするつもりなのだろう。

渡辺先輩も少し首を傾げたがすぐに面白い奴と微笑んでいるところからするに俺と同じ結論にいたったのだろう


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