魔法科高校でも俺の青春はまちがっている   作:Lチキ

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入学編いつまで続くのか…

切のいいとこで終わっていいですかね?それともどんなに長くても続けた方がいいですかね?


入学編9

軽い舌打ちを聞こえないようにし、目の前の司波兄を睨みつける

そして思考を巡らせる、今ここで必要なのはこいつの糾弾ではない。いかにこの場を切り抜けるかだ

 

 

「話は聞くが‥‥さっき言った通り俺には喧嘩の仲裁なんてやる度胸も力もないぞ?」

 

 

「何を言っているんだ、森崎達との悪ふざけでは見事その場を仲裁したじゃないか。」

 

 

白々しい、昨日の嘘でわかっていたがあくまでアレは喧嘩ではなく悪ふざけにしたいらしい。わざわざその言葉を使うというところからも伺える

 

だがこのことにより俺にはもめ事の仲裁、それもCADを使用したもめ事を解消したという実績が残ってしまった。

 

このままでは非常にまずい、普通なら目が腐ってなければイケメンの俺とイケメンの司波では誰がどう見ても司波を選ぶ。だが、昨日の事の発端からうかがえるにこの学校では一科生と二科生というだけで、カーストの入れ替わりが起きる。

 

 

森崎は容姿、言動、カリスマなど、どうみてもカースト中層のモブ崎が3つとも持っておりなおかつその周りも美男美女ぞろいで埋まっているトップカースト司波グループに喧嘩を売ったのはそれが原因ともいえる。

 

 

つまり、一科の俺と二科の司波では俺の方が断然有利であり偶然にも風紀員の活動と同じ問題に取り組んだ実績が一つある分さらに形勢は俺に傾く

 

 

「あんなのただ、膝カックンして駄目なんじゃねーのっていただけだろ?」

 

 

「必要最低限の被害と言葉だけであの場を鎮圧できるなんて十分すぎるだろ?あんなまね俺にはできないな」

 

 

事実を曲げず、できる限り幼稚な言葉を使ってあたかもあんなのなんでもありませんよ?みたいな雰囲気を出すがそれも駄目だった。

俺とは逆に、不自然にならない程度の難しい単語を並べたうえ、最後に自分は下げて俺を持ち上げやがった

 

このままでは俺の評価は上がってしまう。どうにか下げなくては

だが、守りに入っててはこいつには勝つことができないならば…

 

 

「まねできないのはこっちだぜ、確か起動式を直接読み取ることができるんだって?その上大体の魔法は起動式だけでわかるんだろ。すごい目と頭脳だよな。風紀員の事情は知らんが、今までも罪状が分からない未遂犯ってやつはいるんだろ?」

 

「そういうやつらにしてみたら、お前の存在そのものは強力な抑止力になる。」

 

 

恐らくこれが、司波が風紀員として選ばれそうになってる理由の一環だろう。

後ろでさっきまで睨んでいた男役員はそんなのありえないと、騒いでいるがその他に変化はない

 

やはりな、ブラコンの司波妹は兄を生徒会に押し規則でそれを阻まれた。そんな中出たのが風紀員という座だ。

生徒会には劣るがそれでもその座はどうしてもほしい物だろう。ならばあいつは兄のセールスポイントを押してくるに違いないと睨んでいたが

どうやらあたりらしい

 

 

「それは俺はもちろん、ほかの生徒だって、できない芸当だろ?なら俺よりお前の方が風紀員に選ばれるべきだ。」

 

「なーに心配はいらないだろ?魔法の実技が苦手だそうだが、そんなのほかの役員がカバーしてくれる。適材適所ってやつだ」

 

 

これでどうだ!司波を前面に押し立て、さらに来るであろう反論にあらかじめ釘を打っておく。形勢は一気に司波有利に進んだはずだ!

 

 

心の中でほくそえみながら、手を広げ扉側にいる司波を生徒会の方に促す。これで司波が乗り扉から離れれば俺はそのまま下校、司波は晴れて風紀員。イケメンの司波が来ることで風紀員長も幸せ言わずもながら妹も満足するだろう。

 

さあ、こい!お前が来れば皆幸せになれる。お前の犠牲は忘れないだからくるんだ!来るんだ司波ーッッ!!!

 

 

内心勝利を確信した俺の後ろから、突如待ったの声が掛かる

 

 

「渡辺先輩、待ってください」

 

 

それは先ほどまで俺ら2人を敵視していた男の生徒会役員だ

 

 

「なんだ服部 刑部少丞 範蔵副会長」

 

 

名前長ッ!

 

「フルネームで呼ばないでください!」

 

 

「じゃあ服部 範蔵副会長」

 

 

「服部 形部です!そんなことが言いたいのではなく」

 

 

「じゃあなんだ?」

 

 

「その一年生を風紀員にするのは反対です」

 

 

服部なんちゃら副会長は事もあろうに、司波兄に指をさし告げる

 

 

「過去ウィードを風紀員に任命した例はありません」

 

 

となにやら、渡辺先輩と揉めているようだが…ふざけるなよ!今の流れ完全に俺は助かる流れだったのにこのままじゃせっかくの作戦がパーじゃねーか!

 

空気呼めよ!服部なんちゃら!!

 

だがまずい、この服部KYのせいで流れが断ち切られた。さらにこいつもウィードと、言う言葉を使っていることから、森崎と同じタイプだ…いや、むしろ森崎よりはるかに厄介と言ってもいいだろう

 

新入生のあいつと違い、この人は相当根深く差別意識がねずいているに違いない。さらに生徒会副会長という確固たる立場、権力があり、まさにエリート中のエリートといったところか

 

 

エリート(笑)の森崎とは周りに対する発言力の重さが違うだろう。

そしてそんな人が、司波の風紀員任命に対し待ったの声をかけたのだ

 

 

さっきまで俺と司波は色々言い合っていたが結局は何も決まっていない

当人の司波がうんと言ったわけでも、会長と先輩が決定を下したわけでもない。

 

もしこの場にいたのが司波兄だけなら会長や先輩も擁護するかもだが、一応俺もいるのであからさまにどちらに付くような真似はできない

 

最悪このまま俺でゴリ押しされかねないし何より、当人の司波はやる気がないのだ。形勢はまたも一気に逆転した。


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