バカとテストとスポンサー   作:アスランLS

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【バカテスト・英語】

次の言葉を正しい英語に直しなさい。
『ハートフル ラブストーリー』

五十嵐源太、姫路瑞希の答え
『heartfull love story』

蒼介「正解だ。映画や本の謳い文句によく見かける単語だが、heartの部分を間違える人がたまにいる。身近にある英語であるが、意外とわかり難いようだな。ちなみに日本語に訳すと、『愛に満ちた物語』となる。生徒会長として諸君らには是非そのような健全な青春を皆で過ごして貰いたい」


島田美波の答え
『hurt full rough story』

蒼介「hurt……ケガ
full……いっぱいの
rough……荒っぽい
story……物語
意図的に間違えたのではないかと思う程綺麗に間違えているな。そのようなハートフルストーリーを演じるのはお前だけだ」


霧島翔子の答え
『hurt full rough story』


蒼介「まさかもう一人いるとは……文月学園は無法地帯か何かか?」






四巻開始・異端審問会結成!

和真「ふぁあああ……眠いぞ畜生……」

 

停学明けの登校日、普段ならば予鈴の二時間前には登校して蒼介達と何かしらのスポーツに励んでいるのだが、今日はとある理由でかなりギリギリの時間帯に登校している。ついでに何やら睡眠不足らしく誰かに鬱陶しく絡まれようものなら即座に殴り倒しかねないほど非常に不機嫌な状態だ。

同じクラスの美少女(?)木下秀吉はそんなバッドコンディション全快の和真に一瞬躊躇ったものの、勇気を振り絞って声をかけることにする。 

 

秀吉「……和真よ、おはようなのじゃ。久し振りの登校だというのにお主随分不機嫌じゃの?」

和真「あぁ?……なんだ、誰かと思えば高橋キラーの秀吉様じゃねぇか」

秀吉「その呼び名はやめてもらえんかのう!?分不相応極まりないのじゃ!」

和真「なんだよつれねぇな~、折角水戸黄門の印籠のごとく他クラスをびびらせて回ろうと思ってたのに」

秀吉「本人の預かり知らぬところで何大それた計画を練っておるのじゃお主は!?というか、ワシを弄りだしてから先程までの不機嫌な状態が嘘のようにイキイキしだしおったな!?」

 

ご存じの通りナチュラルサドの和真は他人を玩具にすることがとても大好きであるため、秀吉をこれでもかとからかい倒したことである程度の溜飲が下がったのであろう。そしてそんな和真に対して頬を膨らませている秀吉は、やはりどう見ても男には見えなかったそうな。

 

秀吉「まったくお主は……それはそうとなんでそんなに眠そうなのじゃ?お主確か普段は10時には寝入っておろう……まるで子どもみたいにのう(ボソッ)」    

和真「なんかイラっとしたがまあ見逃してやろう。どうもこうもねぇよ……寝る直前に蒼介から電話がかかってきてな、先日の覗き騒ぎに対してのお小言やら俺らが停学期間中に学園で起きた事件への対処に追われていることに対しての愚痴やらその他諸々を聞いているうちに気がついたら4時になってたんだよ畜生!」

秀吉「そ、それは災難じゃったなぁ……。それにしても姉上から聞いたときは度肝を抜かれたが、ワシらが停学中随分大変なことがあったみたいじゃのう」

和真「まったくだぜ……クソッ……俺も参加したかった……襲撃犯め、よりにもよって俺が停学中に攻めてきやがって」

秀吉「お主の戦闘狂ぶりも筋金入りじゃな……」

 

そんな感じで和真と秀吉が仲良く談笑しながら登校してると、アメリカの某武闘派宗教団体のような覆面が突如和真達を取り囲んだ。

覆面の額にはFの一文字、

 

『S級異端者の柊を発見!』

『よし!すぐに奴を捕らえろ!』

『了解!』

 

そして聞き覚えのある声から和真は親愛なるクラスメイト達であると確信する。

 

和真「朝から何のようだよ矢野、君島、武藤」

『知れたこと!』

『我ら異端審問会はFクラスの風紀を正す集団!』

『貴様の様な女子に不埒な真似をしそうな輩を生かしておくわけにはいかない!』

和真「ふーん……わかりやすく言えば?」

『『『お前みたいに女子にモテる奴が憎いんじゃコラァァァ!』』』

 

非常にシンプルかつ清々しいまでの逆恨みを原動力に特攻してくる三人。さて、柊和真という男は意外と暴力をあまり好まない性格であるのだが、降りかかる火の粉を薙ぎ払わないほどお人好しな性格でもない。何が言いたいかと言うと、襲いかかられればしっかり返り討ちにするのが和真のやり方だ。

 

和真「ヤマザキ春の腹パン祭ィィィィィ!!!(ドゴゴォォォォォッ)」

『『『ギャアアアアアアアアア!?!?!?』』』

 

和真は微妙に季節外れの技名(現在の季節は初夏)とともに三人の腹に的確に拳を食らわせ、哀れな三人は耐えきれずにその場に崩れ落ちた。

 

和真「安心しろ、峰打ちだ」

秀吉「腹パンに峰打ちも何も無いと思うんじゃが……」

 

そんな秀吉のツッコミは華麗にスルーしつつ、和真はその場に横たわった三人には目もくれず、秀吉を連れて登校を再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秀吉「こ、これは一体何事じゃっ!?」

和真「オイオイ、いつからこの教室はサバト会場になったんだよ……」

 

Fクラスの扉を開けた途端、秀吉と和真の口から出たのは驚きと呆れの言葉だった。まあ無理もない、教室内には暗幕が引かれており、先程のような覆面を被ったクラスメイトと思わしき連中が蝋燭を持っており、床には縛り付けられた明久が蓑虫状態で転がっていたのだから。

 

明久「秀吉!和真!良かった……!ずっと来ないから、てっきり今日は休みなのかと」

和真「俺もたまには寝坊するんだよ」

秀吉「今朝は少々支度に手間取ってしまったのじゃが……明久、お主らは何をしておるのじゃ?」

 

地面に転がっている明久に事情を聞いていると、元クラスメイトの覆面どもが寄ってきた。そして和真の姿を確認した途端ひどく狼狽する。

 

『ひ、柊!?貴様どうして!?』

『同士達を差し向けたのになぜ!?』

和真「あぁ、登校中襲ってきたあいつら?今頃ボロ雑巾のように地面に転がってると思うぜ?」

『なっ……!?』

和真「俺をどうこうしたけりゃ西村センセでも味方に付けるんだな」

『そうだった……こいつが鉄人に匹敵する化け物だと言うことを忘れていた……!』

『仕方ない、吉井だけだけでも処刑するか……。

柊、忌々しいが今日のところは見逃してやろう』

和真「あ?いつからお前らは俺に上からもの言えるほど偉くなったんだ?あぁ?別に俺はお前ら一人残らずぶちのめして、この教室に死体の山を築くことになっても一向に構わないんだぜ?(バキボキ)」

『『『調子に乗ってスミマセンデシタ』』』

 

寝不足で沸点がいつもより低い暴君・和真の怒気を浴びせられすぐさま土下座に移行する異端審問会の面々。プライドもへったくれも無いように思えるがその行動は正解である。なぜなら和真は殺るときは殺る男、態度を改めていなければ容赦なくぶちのめしていただろうと断言できる。

 

秀吉(和真は敵に回すと本当に恐ろしいからのう、色んな意味で……)「ところで……本当にお主らは何をやっておるのじゃ?」

須川「柊に木下、邪魔はしてくれるなよ?今我々は異端者である吉井明久の処刑を行うところなんだ」

 

秀吉の言葉に反応したリーダー格の須川は土下座をやめて、和真達に今から行う内容を得意気に説明する。

 

秀吉「そうじゃったのか。しかし明久は何をしたのじゃ?」

和真「だいたい雄二はどうしたんだよ。お前らの基準ではあいつも処刑対象だと予想できるが」

明久「あ、雄二は昼から登校してくるって鉄人が行ってたよ。何でも霧島さんが倒れたからお見舞いに行ってから学校に来るって」

秀吉「入院じゃと!?霧島は大丈夫なのかの……?」

明久「それは僕も心配だよ……」

和真「安心しろ、大丈夫だ。昨日の夜翔子から『今日欠席するけど特に心配はいらない』ってメール来たしな」(それにしても…お見舞い……ねぇ……)

 

秀吉達を安心させつつ、登校してきたら全力で弄り倒してやろうと心に誓う和真であった。

 

須川「その通り。異端審問会、通称FFF団結成祝いとして、本来なら柊、吉井、坂本の三人を処刑するつもりだった」

和真「あ?」

須川「スミマセン……しかし色々あって最も許されざる異端者である吉井を処刑することにしたのだ。この異端者・吉井明久はよりにもよって我らが聖域である文月学園敷地内で朝っぱらから島田美波と接吻などという不埒な行為を……」

 

ガラッ

 

須川の口上中、和真達が入ってきたのとは別の扉が開かれた。そして、耳まで真っ赤になった顔を俯けて足早に自分の席に向かう女子生徒、丁度須川の話に出てきた人物・島田美波が現れた。

 

和真(まさか、俺の脳内ヘタレランキング殿堂入りだったこいつがねぇ……合宿中の夜這いといい、随分と積極的になったもんだ)

 

教室が水をうったように静まり返るなか、和真は恋に奥手だったクラスメイトの劇的な変化に感心していた。

 

 

 

 

 

 




和真「さて、読者諸君に言っておかなければならないことがある」

蒼介「唐突になんだ?」

和真「四巻と五巻は試召戦争要素が薄目だから割とサクサク進めていく。まあぶっちゃけると手を抜く」

蒼介「それは流石にぶっちゃけ過ぎやしないか?」

和真「だって仕方ねぇじゃねぇかよ~。この作品は試召戦争メインでやっていくわけだから五巻とか膨らませる要素ゼロだし、四巻も相手がDクラスじゃねぇ……」

蒼介「まあ確かにお前の言わんとしていることもわからなくはないが」

和真「もう既にオーバークロックだの綾倉センセが15000点オーバーなんて馬鹿げた点数だすだのインフレが加速してんのに、今さらDクラスとの闘いなんて地味すぎるぜ」

蒼介「そう考えるとサクサク進めた方が良いのかもしれんな。……私の出番も無さそうだし」

和真「まあ重要なシーンまでカットするつもりは無いから安心していてくれ。それと蒼介。ここだけの話、五巻は俺の分を削ってお前の出番を増やすつもりだ」

蒼介「なに!?それは本当か!?」

和真「ある理由で五巻は俺の出番ほとんどねぇらしい。だからもう一人の主人公であるお前で俺の抜けた穴をカバーするつもりらしい」

蒼介は「……っ(グッ!)……っ(グッ!)」

和真「……そんなに渾身のガッツポーズするほど出番に餓えていたのかソウスケ……」







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