バカとテストとスポンサー   作:アスランLS

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【ミニコント】
テーマ:続・原因追求

飛鳥(星の配列は多分つっこみきれないからスルーするとして……)「流石に寝る前に読んだ本に成績が下がった要因があるとは思えないんだけど……」

優子「いったい何の本読んだのよ?」

徹「『理数系の時代は終わった』ってタイトルの本」

優子「なんでそんな本テスト前にチョイスしたの!?」

飛鳥「思いっきり貴方のアイデンティティーを揺るがしかねない……」

徹「なるほど、それもそうだね。ならあの本に30%ほど要因があると考えていいかな?」

優子「テスト前にそんな本読んだアンタが100%悪い」






卯月高原の死闘

明久「ムッツリーニ、打ち合わせ通り大島先生をよろしく!」

ムッツリーニ「……了解」

 

希望を託された二人は他のどの階より若干長い階段を駆け降り、理想郷への一本道へと辿りつく。

階段を振り切ったその先には雄二の予想した通り大島先生と、加えてもう一つ人影があった。

 

愛子「もしかしたら、来ないんじゃないかと思ったよムッツリーニ君」

明久「く、工藤さん……」

ムッツリーニ「………………」

 

この廊下はあまり広くないため、敵は大島先生一人だと思っていた明久にとっては完全に想定外の事態だ。流石のムッツリーニとはいえ大島先生と愛子を一人で相手にするのは無謀であることは、今までの闘いからはっきりしている。

 

しかし今のムッツリーニの目には、これまでもは比べ物にならないほどの闘志が宿っていた。

 

ムッツリーニ「……作戦に変更はない。

先に行け明久、ここは俺の戦場だ……!」

明久「でも……!」

愛子「本当は止めるべきなんだろうケド……いいよ、ムッツリーニ君に免じて通してあげる」

明久「っ!?」

ムッツリーニ「……行け、鉄人は任せた」

明久「…………わかったよムッツリーニ、僕は必ず鉄人を倒す。死ぬなよ、ムッツリーニ……!」

 

悲痛ながらも覚悟を決めた表情で、明久は止めようとする気配のない愛子と大島先生の横を通り過ぎる。

ムッツリーニは明久が鉄人を倒すと信じている。ならば明久も、ムッツリーニがこの二人を倒すのを信じるのみだ!

 

『試獣召喚(サモン)』

 

明久の後ろで召喚獣が展開された気配がする。どうやら戦闘が始まったようだ。ここまで来たからには、明久には信じるしかない。そして明久には、明久にしかできないことが残されている。

 

明久「皆、ありがとう……」

 

気がつけば明久はそんな言葉を口にしていた。

不可能だと思われていた作戦は、多くの仲間達に助けられて成功を収めようとしている。残る壁はただ一人のみ。現在時刻は二○一五時、目的を果たすには最適のタイミングだ。

 

鉄人「……やはり来たか、吉井」

 

扉の先の理想郷の前にそびえ立つ最終関門。最後にして最強の敵が目を開け、静かに構えを取る。

 

明久「勝負だ鉄人!僕は今日!アンタを超える!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ムッツリーニVS大島、工藤】

 

大島「土屋。お前には失望した。まさか、教師に勝てるなんて幻想を抱くとはな」

愛子「大島先生が出るまでもないですよ。ムッツリーニ君はボクがやりますから」

大島「そうか。それなら工藤に任せる。一応俺も召喚獣を呼ぶが、後方で待機させて見学に徹するとしよう」

愛子「はい。任せちゃってください」

 

ムッツリーニと言えども、保健体育のエキスパート二人を相手に単独で勝てるはずない。ましてや、片方は初日にムッツリーニをタイマンで打ち破った大島先生なのだから。

そう思っているのか、愛子と大島先生はあからさまに余裕を見せている。

 

ムッツリーニ「……が……決めた?」

愛子「ぅん?なぁに、ムッツリーニ君?」

 

精神を統一するように閉じられた目を開きながら、ムッツリーニは宣言する。

 

 

 

ムッツリーニ「……誰が、生徒は教師に勝てないなんて決めた!」

 

それは勝利宣言!指導者とライバル、その二つを相手にして勝利して見せるという、無謀で愚かしくも勇ましい啖呵であった。

 

大島「……ほう?土屋、随分と威勢の良いことを言うじゃないか。良いだろう、相手してやる……サモン!」

愛子「あははっ。相変わらずムッツリーニ君は面白いなぁ。でも、先生の前にまずはボクに勝たないと、ね?……サモンっと」

ムッツリーニ「……サモン」

 

幾何学模様と共に、三人の召喚獣が出現する。大島先生の武器は竹刀、工藤は斧、そしてムッツリーニは小太刀の二刀流。遅れて三人の点数が表示される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《保健体育》

『体育教師 大島武 511点

 Aクラス 工藤愛子 403点

VS

 Fクラス 土屋康太 802点』

 

 

表示されたムッツリーニの点数は、口にするのも馬鹿らしいほど圧倒的だった。

 

愛子「………………………え?ムッツリーニ君……、その点数、なに?」

 

この合宿を通して、オンリーワン・プレイヤーはさらなる覚醒を遂げた。この点数ならあの高橋先生をも上回るであろう。

 

愛子「は、800点オーバー!?そんな点数を取れる人がいるなんて、聞いたことがないよ!」

大島「土屋、貴様いつの間にここまでの力を……!」

ムッツリーニ「……信念は、不可能を可能にする!」

 

信じられないといった反応の愛子や教え子に大差をつけられ悔しそうに歯噛みする大島先生に、ムッツリーニは堂々たる態度でそう宣言した。

 

ムッツリーニ「……時間がない。二人まとめてかかってこい!」

大島「あまり調子に乗るなよ土屋……!点数の差だけで勝敗が決まると思うな!」

愛子「…そうだよ!点数では負けてるけど、二人がかりで挑めば!」

 

二人はすぐに冷静になって、それぞれ別の方向から攻撃を仕掛ける。大島先生の操作技術はムッツリーニより格段に上で、愛子は既に腕輪能力『電撃』でスピードを強化している。ムッツリーニの武器が『加速』だけならば、もしかすれば討ち取られていたかもしれない。

 

そう、『加速』だけならば。

 

 

ムッツリーニ「……そして俺は過去を凌駕する!

『影分身』!そして『加速』!」

 

 

バババババッ

 

 

愛子「えっ、何これ!?」

大島(これは…オーバークロックだと!?)

 

〈ムッツリーニ〉から真っ黒の影武者が五体出現し、一声に小太刀を構える。本体の身に付けている腕輪が光ると、本体を含めた全ての個体が超高速で敵に斬りかかり、二人の召喚獣を容赦なく切り裂いた。

 

 

《保健体育》

『体育教師 大島武 戦死

 Aクラス 工藤愛子 戦死

VS

 Fクラス 土屋康太 452点』

 

 

愛子「そんな……!?ボク達の召喚獣が一瞬で……!

それに今の能力って、まさか!?」

大島「土屋……まさかお前が、オーバークロックを身に付けているとはな……!」

ムッツリーニ「……俺は……この教科だけは……誰にも負けたくない!」

 

思い出すのは二ヶ月前の苦い記憶。

あの日ムッツリーニは誓った……いずれ学年首席にリベンジすると。

 

 

 

 

 

ムッツリーニWIN!

 

 

 

【明久VS鉄人】

 

明久「先生!良く僕がここまで辿り着くと思いましたね! 他の先生は皆楽観していたのに!」

鉄人「俺は相手を過小評価せんからな!貴様はバカだが!

口惜しいことにその行動力は並ではない!」

明久「それはまた、有難うございますーっと!」

 

襲い掛かってくる鉄人の拳を、〈明久〉は木刀を使って上手くいなす。今の明久に以前闘ったときのような油断は微塵もなく、召喚大会で立ちはだかった和真に比肩する相手だと思って闘いに臨んでいる。

 

鉄人「だが、お前のその行動力はもっと他の事に生かすべきだ! コレでは貴様等はただの性犯罪者だ!停学が怖くないのか!」

 

鉄人の巨体からは想像もつかないような鋭い蹴りが繰り出される。 これをまともに受けられたら吹き飛ばされる。

 

鉄人「ぐぅっ……!」

明久(……?)「脅そうたってそうは行きませんよ!コレだけの人数がいれば、全生徒の特定はできない!一部の生徒だけの処分なんて、できるわけがない!」

 

〈明久〉に届く寸前、鉄人は顔を歪め蹴りの勢いが弱まり、わずかだが隙が生まれる。〈明久〉はその隙を逃さず屈んでかわし、反撃に脇腹目掛けて木刀で横に薙ぐものの、その攻撃は鉄人の太い腕ではじかれる。あの和真の攻めをことごとく受けきっただけあって、筋肉でできた鎧を着ていると言っても過言ではない。

 

鉄人「バカが……本当にそう思っているのか?」

明久「え?」

 

弾かれた勢いを利用して〈秋冬〉は回し蹴りを放つも、太股にクリーンヒットしたのによろけたのは鉄人ではなく蹴りを放った〈明久〉だった。

 

召喚獣の体重が軽いことを差し引いても、常軌を逸した光景であることは間違いない。

 

鉄人「ならば貴様等全員ぶちのめし、 ゆっくりと特定していくまでだ!……ぐっ……!?」

 

明久「……ぐぅぅっ!?」

 

体制を崩した〈明久〉に鉄人の拳が浅くヒットし、壁際まで吹き飛ばされ、それに伴って明久の体にフィードバックによる痛みが返ってきた。

 

鉄人「…くっ……まずは貴様がその一人目だ!」

大したダメージを受けていないはずなのに何故か顔をしかめつつも、鉄人がさらに追撃をかけようと〈明久〉に駆け寄る。

 

明久(知ってはいたが強すぎる!召喚獣が一体だけじゃ明らかに力不足だ!和真、よくこんなの相手に渡り合えたね……

 

どうするんだ僕?ここで諦めて逃げるのか?戻って皆に土下座でもするのか?

 

 

 

いいや、ありえない!

この程度の逆境、和真なら絶対に諦めない!)

 

石にかじりついてでも勝利をもぎ取ると言わんばかりの覚悟に満ちた目で鉄人を睨めつけ、明久は一世一代の大博打を仕掛ける。

 

明久「行くぞ……っ!二重召喚(ダブル)!」

 

明久は決死の呼び声に応じて現れた二体目の召喚獣に、闘いの指示を出す。

 

鉄人「ぐぅっ!吉井、貴様……!」

 

突然現れたもう一体の召喚獣の攻撃を何とか防ぎ、鉄人は慌てて距離をとった。

一体だけで足りないのならもう一体追加してやればいい。幸いにも明久にはその力があった。召喚大会で手に入れることのできた力が。

 

鉄人「くっ……白金の腕輪か。学園長も余計なことをしてくれる……!」

 

鉄人が苦々しそうに呟く。

召喚大会で明久達が手に入れた二つの腕輪の内、雄二が持っている腕輪が召喚フィールドを教師の立ち会い無しで作ることができるのに対し、明久の持っている腕輪は二体目の召喚獣を喚び出すことができる。

 

明久「先生、勝負はこれからです」

 

二体の召喚獣に構えを取らせ、挟み込むように移動させる。主獣は右から、 副獣は左からそれぞれ木刀を取り出した。

 

鉄人「ぬっ、くぅ……っ!?」

 

まったく逆方向から繰り出される攻撃に対処ができず、鉄人の体制が崩れる。 すかさず二体同時にローキックを放つが、鉄人の膝を曲げて丸太のような腿で受け止める。しかし鉄人はビクともしなかったにもかかわらず、何故かよりしかめっ面になる。そのことをやや不可解に思いつつも、明久はそのまま追撃の手を緩めない。召喚獣達は拳、蹴り、木刀を駆使して左右から鉄人に攻撃を加えていく。

明らかに明久が優勢と言っていいものの、徐々に明久には焦りが見え始める。

 

明久「全然ダメージを与えられない……!!」

 

鉄人は鳩尾や頭部といった最低限の箇所の防御を徹底し、その他の攻撃はは和真の蹴りをも受け止めた頑強すぎる肉体で弾き返していく。

 

鉄人「どうした吉井?焦りが顔に出ているぞ。」

 

明久の表情を見て鉄人が唇を吊り上げる。決定打が生まれないことの他にもう一つ、明久の集中力もどんどん切れかかっている。  

その理由は、主獣と副獣の二体をいっぺんに操作をするとなると、二人分の動きを一気に考えなくてはならないことだ。一つの脳で二体の召喚獣に指示を出し続けるなど、いつまでも続けられるものではない。ましてや、頭脳労働が致命的に苦手な明久にとっては尚更である。

 

明久「でも……だからと言って、簡単に負けるわけにはいかないんだよ!」

 

主獣に木刀を振るわせ、副獣は右拳を突き出す。木刀を避け拳を受けた鉄人はやや苦しそうに呻きつつも、フェイントを織り混ぜて主獣に膝を放つ。主獣はワンテンポ遅れたもののなんとか両腕を交差させてガードし、その間に明久は副獣に反撃の司令を送るも、すぐさま遅れたツケが回ってくる。

 

鉄人「動きが鈍っているぞ吉井!」

明久「くぅっ!」 (右腕に鈍い衝撃……これはどっちが受けた攻撃だ?主獣か副獣か?ってまずい、攻撃の手を緩めると追撃が来る! とにかく木刀で……ダメだ、間に合わない!今度は拳が副獣に……と見せかけて主獣!?やばい!?フェイクだ!! )

 

フェイントに翻弄され集中を乱す明久の隙を突き、鉄人は主獣に容赦なく拳を叩き込む。

 

明久「ぐ、ふぅ……っ!」

 

鳩尾に鈍い痛みが走り、明久は苦しみに耐えかねて、廊下に背中から倒れ込んでしまった。

 

鉄人「……ここまでだな、吉井」

 

やや辛そうにしつつも、決着はついたと言わんばかりに余裕を見せる鉄人。 分厚い筋肉の鎧に常軌を逸した腕力は、向かい合うとどうしようもないという気持ちにさせられる。 いくら召喚獣が二体に増えたとしても操るのは明久一人だ。やっているうちにどちらに指示を出すべきか混乱していては本末転倒だ。

 

そしてそもそも、攻撃が当たったところで大して効いてないのでは話にならない。

 

鉄人「ッ…………所詮、下心の為の集中力なんてそんなものだ」

 

ゆっくりとした足取りで、若干ふらつきながらも鉄人は明久に近付いていく。

 

明久(……そうだ。鉄人の言う通り僕には集中力が足りない。だから余計なことを考えて召喚獣の行動が混ざってしまうんだ。だけど今わかったところでどうしろって言うんだよ?二体を同時に操る集中力なんてすぐには身に付かないよ……僕は和真みたいに何でもこなせるほど器用じゃないし……

 

 

 

 

 

 

 

 

……ちょっと待て、おかしくないか?)

 

絶望的な戦力差に闘志が消えかけていた明久に、とある疑問が思い浮かぶ。

 

明久(……なんで鉄人はあんなに苦しそうにしているんだ?なんでさっきから余裕のなさそうな表情なんだ?確かに僕も何発か入れたけど、正直ダメージが入ったとは思えない。一昨日の和真も結構入れてたけど特に効いてなかったし、だいたいあの和真の渾身の蹴りを受けてもビクともしなかった鉄人がこの程度のダメージでもたつくわけ……

 

 

 

 

待てよ?もしその前提から間違っていたとすれば…)

 

普段まるで仕事をしない明久の脳細胞が、この絶対的ピンチにフル稼働し始める。いくつもの散らばった疑念のピースをを組み上げ、明久は奇跡的に核心に至る。

 

明久「そうかぁっ!」

 

逆転のチャンスを見つけ出した明久は、全身のばねを使って起き上がる。

 

鉄人「ほう…まだやるのか?根性だけは一人前だな?」

明久「鉄人、感謝するよ。今アンタは僕にヒントをくれた」

鉄人「ヒントだと?」

明久「今言ったじゃないか。『集中』って」

 

二体の召喚獣に対してバラバラに指示を出すから、処理が追い付かず混乱してしまうのだ。 さらに攻撃を別々の箇所に分散させるから相手の防御を貫くほどの威力は出ない。それが今明久に問題とっての問題であった。

だがその二つの問題は、たった一つのある方法で解決することができる。

 

明久「そう、集中だ。狙いを絞るんだ。今から放つ全ての攻撃をただ一点……」

 

そして明久は鉄人のある部分を指差した。その場所とは、一昨日に和真が『ライトニングタイガー』で抉った場所……

 

明久「……アンタの左腰に集中させる!」

鉄人「っ!?……貴様、気付いたのか!?」

明久「化物じみているとはいえ、どうやらアンタも人間だったようだね……その腰、和真の渾身の一撃を受けて痛めてるんだろう?」

 

そう、和真の闘いは決して無駄ではなく鉄人の腰に多大なダメージを与えていたのだ。それを知っている教師は偶然知った高橋先生のみ。鉄人は怪我を隠し、焼きごてを当てられたかのような激痛を堪ながら明久と闘っていたのだ。

 

明久「卑怯とは言わせませんよ。その傷は、和真の遺したたった一つの希望なんですから……行くぞ鉄人!」

 

ローと見せかけて腰狙いに変化するキック、足元を狙ったと見せかけて腰を突きにいく木刀、鳩尾狙いからやはり腰に軌道を修正した拳、その他数々の腰への攻撃。気がつくと、よほど痛めてるのか、鉄人は再び防御で手一杯となっていた。

 

明久「砕け散れ、鉄人!」

鉄人「くっ……!?」

 

今まで以上のスピードで、主獣を使い、腰に狙いをつける。振り上げられる木刀を必死に当てまいとして、鉄人は両手でガードを固める。

 

明久「なんて、ウソです。」

 

ゴッ!

 

鉄人の注意が主獣に引き付けられたのを見計らって、陰に隠れていた副獣が 鉄人の太い首筋をぶん殴った。

 

西村「ぐぅ……っ!よ、吉井、貴様……!」

 

ドサリ、と重い音を立てて、最強の敵はようやくゆっくりと床に倒れ伏した。フィードバックだ体中が軋み、息も絶え絶えになりながらも、明久は倒れたままピクリとも動かない鉄人を真っ直ぐに見据え、静かに言い放った。

 

 

明久「僕の…いや、僕達の………勝ちだ……っ!」

 

 

 

 

 

 




綾倉「見事吉井君は西村先生を討ち取りましたね。原作と展開が違っていますが、ちゃんとした理由があるんです」

蒼介「三巻終了後、四巻に移行する前にオリジナルストーリーを挟む予定なのだが、そのために西村先生を負傷させておく必要があったのだ」

綾倉「では予告通り、これまでに登場した『オーバークロック』の詳細を下記にまとめておきます。余談ですが大門君も『オーバークロック』を習得していますよ」

蒼介「まるで『オーバークロック』のバーゲンセールですね。ちなみに私は条件を満たしていないので習得していない」


柊和真……ガトリング・レーザー
発動条件……点数が400点以上残っているとき
消費……1点を残した全点数
デメリット……その日1日召喚獣のスペックが最低レベルまで落ちる
効果……光速の殺人光線による段幕攻撃。莫大な代償と引き換えにしているだけあって、ガード不能・回避不能・高橋先生クラスでも瀕死に追い込む破壊力と絶大な威力。

久保利光……風の鎧
発動条件……元々の点数が400点以上あれば発動することができる
消費……50
デメリット……発動中、点数が減り続ける。
効果……あらゆる攻撃を無力化する竜巻を身にまとう。しかし維持コストがあるため持久戦には不向き。デメリットは比較的軽め。

五十嵐源太……千の刃
発動条件……全教科150点以上残っているとき
消費……150
デメリット……全教科から150点マイナス
効果……フィールドを埋め尽くす大量のナイフ。一つ一つの攻撃力はたかが知れているが、有無を言わさぬ数の暴力で押し潰す。軽く1000点以上消費するだけあって凄まじい殲滅能力だが、和真の『オーバークロック』とは致命的に相性が悪い。

ムッツリーニ……影分身
発動条件……元々の点数が400点以上あれば発動することができる
消費……一体につき10点
デメリット……『加速』を発動すると一体につき50消費する
効果……分身を喚び出すが、10ダメージで消滅するうえに、『加速』を使わなければ動きすらしない。しかし取り囲んであらゆる角度からの一斉攻撃は驚異的である。






















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