バカとテストとスポンサー   作:アスランLS

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この強化合宿全体のまとめを書きなさい。

姫路 瑞希のまとめ
『他のクラスの人と勉強をすることで良い刺激が得られました。伸び悩んでいた科目についての学習方法や使い易い参考書についても教えて貰うことができたので、今後は更に頑張っていきたいと思います。夜はいつものように騒ぎがありましたが、これはこれで私達の学校らしいと思います。ある人から内緒で素敵な写真も貰えて大満足です!』

綾倉「姫路さんは全体的にそつなくこなしている様子だったので伸び悩んている科目があったということは意外ですね。無事に解決できそうなので何よりです。やはり姫路さんにはAクラスで学習する方が良い影響がありそうですね。次回の振り分け試験では是非とも頑張ってください」

島田 美波のまとめ
『三日目の夜のことが忘れられない。ウチはどうしたらいいんだろう。こんなことは誰にも相談できないし、アイツとはあれ以来話ができてないし……。瑞希の気持ちを知っているのに、これって裏切りになっちゃうのかな……?けど、ウチのは去年からの気持ちだから、こっちの方が先で……。ああもう!どうしていいのかわかんない!』


綾倉「なぜ誰にも相談できない悩みをこのまとめに書いたのかはわかりませんが、推測するにおそらく恋愛絡みでしょう。私から言えることは一つです。自分が後から思い出して後悔する事のないように行動するのが一番です。色々と悩んで立派な大人になるのが学生の仕事ですよ」


吉井 明久の日誌
『あまりに多くのトラブルがあって驚いた。初日はいきなり意識を失って宿泊所に運ばれたので記憶がない。その後は覗き犯の疑いをかけられて、自分に対する周りの見る目について悩まされた。勉強も、女子風呂を覗く為に頑張ろうと思ったけれど今のやり方でいいか不安が残るし、色々と考えさせられる強化合宿になったと思う。』

綾倉「あなたもあなたで色々と苦労しているようですが、私からアドバイスできることは特に無さそうですね」


柊 和真のまとめ
『正直今回の合宿は参加するメリットが特に無かったためさほど期待してなかったが、終わってみれば非常に充実した合宿だったと思う。学年全体や教師まで全てを巻き込んだ総力戦や、圧倒的格上の相手との手に汗握る闘いは、教科書を読んだり机に向かっているだけじゃ決して得られない価値のあるものだと俺は考えている』

綾倉「良くも悪くも君は自分が信じた道を迷わず進んでいるようですね。教師の私が言うのもなんですが、君の強みは他人の言うことに素直に従っていては発揮できませんからね」


大門 徹のまとめ
『今回僕の影薄すぎないか?』

綾倉「我慢してください」




ラストチャンス!

明久「ふぁ……あふ……」

雄二「流石に眠いぞこら……」

 

朝食の時間だと言うのに明久と雄二は非常に眠たそうにしている。結局二人とも昨夜は鉄人に捕まって朝まで教育について(拳で)語られたようだ。

これで三日連続ともなると、いくら体力自慢の二人でも限界に近い。

 

秀吉「お主ら災難じゃったのう……」

和真「随分大変だったみてぇだな。後でレモンティーでも淹れてやるか…」

 

秀吉は二人だけが説教を受けた事を申し訳なさそうにしている。和真は後で知ったことなので罪悪感の類いは存在しないが、かなり同情できる内容だったためとりあえずアフターケアでもしてやろうと思う。

 

明久「災難と言えば災難だったかも……ふわぁぁああ」

和真「自習時間に点数の補給とか色々やることはあるが、そんな調子で本当に大丈夫かよ?」

秀吉「弱ったのぅ。お主らがそんな様子では、今夜はとても……」

明久「別に全く寝てないわけじゃないから、気合さえ入れば目が覚めると思うけど……ふわぁ」

 

口を開くたびに欠伸が出ている。“あの”明久が目の前にあるカロリーよりも睡眠を優先しようとしているほど深刻な事態である。

 

雄二「俺もダメだ……。全然気合が入らふおぉぉおっ!?」

明久「ど、どうしたの雄二!?」

和真「げっ、汚ぇな!?ご飯に唾入るとこだったぞ!」

 

隣でダルそうにしていた雄二が、何かを見た瞬間一気に覚醒した。それにより和真の意外と神経質な一面も発覚したりする。

 

ムッツリーニ「……効果は抜群」

明久「あ、ムッツリーニ。おはよう」

 

後ろの出入り口から手に何かを持ってムッツリーニが入ってきた。彼にしては珍しく、誇らしげに胸を張っている。

 

秀吉「ムッツリーニ。今しがた雄二に見せたのは何じゃ?えらく興奮しておるように見えるのじゃが?」

ムッツリーニ「……魔法の写真」

和真「どれどれ、俺らにも見せてくれよ」

ムッツリーニ「………(スッ)」

 

手にしている写真四枚を和真達に手渡し、明久を中心に和真と秀吉が左右から覗き込む。

 

明久「魔法の写真だって?何を言っているんだか。僕らももう高校生なんだし、たかだか写真程度で気合なんかが入るわけがふおぉぉおっ!」

和真「だから唾飛ばすなぶん殴るぞ!……しかし、流石ムッツリーニ、すげぇ完成度だな……」

秀吉「ほう。これはまた……」

 

ムッツリーニが見せてくれた写真の一枚目は、昨夜撮影した姫路と優子の浴衣姿だった。ただでさえ二人とも恥ずかしそうに上目遣いをしながらの浴衣姿で色っぽい上に、少し胸元もはだけている。雄二と明久が覚醒したのも頷ける。

 

明久「僕、生きていて良かった……!」

和真「流石に大袈裟だろそれは……。しかし、大して露出してるわけでもねぇのにこれは……うん……アリだな」

秀吉「和真は普段この手のことに淡白じゃが、そういう反応を見るに、お主もちゃんと男なのじゃな」

和真(そしてお前はそんなだから女扱いされるんだよ……)「それにしても上目遣いか……。優子の奴よくこんな要望に答えたな。あいついったい何貰ったんだ?何があいつをここまで駆り立てたんだ?」

秀吉(薄々予想できるのう……この機会に少しでも進展すれば姉上も浮かばれるんじゃが)「……明久、二枚目は何が写っておるのじゃ?」

明久「えっと……」

 

渡された写真を捲ると、今度は浴衣を着た秀吉の写真。双子だけあって見た目は瓜二つだが、姉の優子が凛々しくて綺麗なタイプなのに対し、秀吉は可愛くて庇護欲をかきたてるタイプ。それらの違いが浴衣姿にも反映されている。

 

明久「やっぱり秀吉は何を着ても可愛いねぇ~」

和真「ムッツリーニも完全に可愛い路線で姉貴と差別化してるな。秀吉、そこんとこどう思うよ?」

秀吉「せめて…せめて姉上よりは男らしくなりたいのじゃが……」

和真「無理だろ」

秀吉「即答とはひどくないかの!?」

和真「だってよぉ、お前が優子より男にモテて、優子がお前より女にモテてるのは純然たる事実だろ?」

秀吉「聞こえん!ワシは何も聞いておらぬのじゃ!」

 

都合の悪い現実から全力で目を背ける秀吉。

異性より同性からモテるのが、二人の共通の悩みだったりする。

 

和真「明久、秀吉のメンタルが無事な内に三枚目を」

明久「あ…うん」(でも秀吉が女子にモテてもねぇ……)

 

割とひどいことを考えつつ明久は写真を捲る。すると今度は浴衣姿で迫る霧島とハーフパンツ姿の美波のツーショットが出てきた。

 

明久「す、凄いっ!これも凄いよムッツリーニ!今僕はキミを心から尊敬している!」

秀吉「確かにすごいのう……うまく明久と雄二が写らんような角度で撮ってあるし、もはやプロの業じゃな」

和真(翔子はいつものこととして……島田は何しに来たんだ?まさか夜這いってやつか?あのヘタレにしては随分頑張ったなオイ)

 

和真が翔子の恋路は全力で支援しているのに対し、美波や姫路には何の手も貸そうとしないのは、二人が直接明久に気持ちを伝えようとしないからである。

何があったか知らないがここまで難易度の高いことをやってのけた美波を見直しつつも、ここまでできるなら告白の一つや二つさっさとやれと和真は呆れる。

 

秀吉「して、四枚目は?」

明久「あ、うん。四枚目は……」

 

更に写真を捲る明久。すると、そこに写っていたのは、

 

 

 

セーラー服姿の明久。

 

ムッツリーニ「……綺麗に撮れたので印刷してみた」

明久「離して秀吉!和真!このバカの頭をカチ割ってやるんだ!」

秀吉「落ち着くのじゃ明久!よく撮れておるではないか!」

和真「気持ちは痛いほどわかるが今は抑えろ!というか、お前らほんとに昨日の夜何してたんだよ!?」

 

秀吉と一緒に暴れる明久を羽交い絞めにしつつ、こんなことなら自分も昨日起きておけば良かったと少々後悔する和真。

 

雄二「驚いたぞムッツリーニ。まさかここまで凄い写真を撮るとは」

 

目に輝きを取り戻した雄二がムッツリーニを労う。あまり女子に興味を示さない雄二や、日頃からまだ思春期を迎えてないなどと揶揄されている和真ですらあの反応だ。普通の男子が見たらどうなるかは想像に難くない。

 

秀吉「これで増員も期待できるというわけじゃな」

明久「……これ、他の皆にも見せないとダメかな?」

和真「お前な……」

雄二「明久。俺たちの目的を忘れるな。大局を見誤る人間に成功はないぞ」

明久「う……それはそうだけど……」

 

確かに大衆に晒すにはあまりにも勿体無い一品であることは否定しない。しかし彼らの目的はこの写真ではなく、脅迫犯を見つけ出すことである。目先の欲に流されては、ここまでしてきたことが全て無駄になってしまうことは明久にもわかっていた。

 

明久「ごめん。確かに間違えていた。この写真は目的の為の手段だし、そんな未練は断ち切る。後でムッツリーニに1グロスほど焼き増しして貰うだけで我慢するよ」

雄二「1グロスは多すぎだろ」

和真「流石に144枚は嵩張るわ」

秀吉「未練タラタラじゃな」

雄二「まあこいつは放っといて、と」

 

どこからかペンを取り出し、雄二は写真の裏に荒々しく警告文を書き殴った。

 

『この写真を全男子に回すこと。女子及び教師に見つからないよう注意!尚、パクったヤツは柊和真の名の下に私刑を執行する』

 

明久「なるほど、確かにこうやって注意書きをしておかないと一瞬で盗まれそうだね」

秀吉「じゃがこれで安心じゃろう。和真の私刑を恐れない者など二年にはおるまい」

和真「人の名前を印籠みたいに使いやがって……。まあことがことだし仕方ないか……」

 

若干不本意ではあるものの、そんなこといっている場合ではないので和真は黙認する。

 

雄二「おい須川。コレを男子に順番に回してくれ」

 

近くで食事をしていた須川に写真を渡す。須川は疑問符を浮かべながらも受け取り、

 

須川「ふぉおおおおおーーーーっ」

 

覚醒する。

 

明久「ところで雄二。僕の写真はきちんと抜いておいてくれた?」

雄二「安心しろ。あんなものを流したら士気がガタ落ちだからな。キッチリ抜いておいた」

明久「そっか。それは良かったよ」

和真(なんか引っ掛かるな……気のせいか久保あたりに回そうとしている気が……いやいや、まだ確定したわけじゃねぇ)

秀吉「うん?ムッツリーニ。お主、他にも写真を持っておったのか?」

 

和真が珍しく自分の天性の直感に目を背けている傍ら、秀吉がムッツリーニの手にはまだ写真があることに気がつく。

 

秀吉「どれどれ、何が写っておるのじゃ?」

明久「あ、僕にも見せてよ」

和真「俺にも頼む」

 

秀吉が受け取った写真を明久と和真は隣から覗き込む。そこに写っていたのは、

 

 

 

セーラー服姿の明久(WITHパンチラ)。

 

ムッツリーニ「……思わず撮ってしまった」

明久「放して秀吉!和真!コイツの脳髄を引きずり出してやるんだ!」

秀吉「見ておらん!ワシは何も見ておらんから落ち着くのじゃ!」

和真「マジで昨日お前に何があったんだよ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カチッ カチッ

 

 

時計の音だけがこの部屋に鳴り響く。いつもより妙に大きく聞こえるのは、全員の気持ちが昂っているからだろうか。

 

雄二「明久。今更ジタバタするな。補充テストも全て受けたし、写真も回した。やるべきことは全てやったのだから、あとは何も考えずに戦うだけだ」

秀吉「D・E・Fクラスは昨日に続いて全員参加のようじゃ。あとはA・B・Cクラスが協力してくれるかどうか、じゃな」

 

今日彼らは点数補充の為のテストせいで殆ど根回しに行けなかったので、写真を回した結果がどうなるかわからない。結果は作戦開始後になってから初めてわかる。

 

ムッツリーニ「……今日こそ借りを返す」

 

秘かに闘志を燃やすムッツリーニ。あの写真は撮った本人にも会心の出来だったみたいで、昼間の補充テストで凄い勢いで問題が解けたようだ。

 

和真(優子、飛鳥……今日は絶対負けねぇ。

高橋センセ……今日はあんたにも挑ませてもらう。

そして西村センセだが……俺が行くまでやられんじゃねぇって思うのは、流石に俺のエゴだよなぁ)

 

意外と執念深い和真は、この合宿中にできた借りを全て清算するつもりで闘いに臨む。

 

雄二「作戦開始も近い。最後の打ち合わせを始めるぞ。俺たちがいるのは三階だから、三階・二階・一階・女子風呂前の四ヵ所を突破しないと目的地には辿りつけない」

 

部屋の割り振りは三階にE・Fクラス、二回にC・Dクラス、一階にA・Bクラスとなっている。彼らのいる場所は女子風呂から一番遠い。

 

雄二「三階の敵はE・Fクラスの仲間が抑える。二階の敵はDクラスが抑える手筈になっているんだが……」

秀吉「Dクラスだけだと、少々厳しいじゃろうな」

 

教師側も各クラスの生徒の強さに応じて戦力を配置している。Cクラス抜きでの突破は正直難しいだろう。

 

明久「でも、ここまで来たらやるしかないよ」

雄二「もちろんそのつもりだ。それで、二階を突破すると立ち塞がるのはおそらく……」

ムッツリーニ「……高橋先生」

雄二「そうだ。学年主任の高橋女史が率いる一階教師陣だ。恐らくここには翔子や姫路、木下姉や橘、もしかすると学年8位の佐藤 美穂も参加するかもしれない」

 

今回の作戦の大きな課題の一つが、この高橋先生率いる女子側最高戦力である。ここをどうするかで作戦の成否が大きく変わってくるだろう。

 

雄二「明久とムッツリーニを通す一瞬の隙は俺が作る。そしてその足止めは…」

和真「俺と秀吉と源太、もし参加していればAクラスの久保と徹を中心に行う。可能ならば倒すつもりだ」

 

AクラスとBクラスが参加してくれさえすれば、総合的な戦力はやや不利ではあるものの絶望的というほどでもない。ある一人を除いては。

 

明久「和真……大丈夫なの?」

和真「まあまともにやりゃ無謀極まりないな。優子と飛鳥の連携には俺も昨日してやられたし、翔子と姫路と佐藤は作戦の出来次第でどうにかなるとして、最大のネックは高橋先生だな」

明久「う……あの人か……」

和真「心配するな。事前に策を雄二に伝えてある。秀吉も作戦通りに頼むぞ」

秀吉「う~む……あまり気が進まんのう……和真よ、本当にこれでいいのかの……?」  

 

どうやら和真の考えた策には秀吉の働きが重要になってくるようだが、当の秀吉は何故か乗り気でない様子。

 

和真「俺に後ろめたさを感じる必要はねぇよ。これは戦争、何より優先すべきは勝つことだ」

秀吉「……お主がそこまで言うなら、ワシも迷わんぞい。じゃが、ここで足止めさえもままならなければ……」

雄二「ああ。明久とムッツリーニは前後を挟まれて終わりだ。作戦は失敗、俺は翔子に残りの人生を奪われ、明久は変態として生きていくことになる」

秀吉「作戦が失敗しても大して現状と変わらん気がするのじゃが……?」

明久「なんてことを言うんだ」

雄二「……とにかく、A・Bクラスが協力してくれたら勝機は充分にある」

秀吉「Aクラスはともかく、Bクラスは大丈夫じゃろ。きちんと全員が、特に代表格が女に興味を持っておるからの。あの写真が効くはずじゃ」

明久「あははっ。秀吉の言い方だとAクラスの男子代表格は女の子に興味がないみたいだよ?」

「「「………………」」」

明久(え?何で気まずそうに目を逸らすの?ねえ?)

和真(もう流石に確定かな……)

 

別に和真は同性愛者に対して否定的な意見は特に持ち合わせていない。しかし想像してみてほしい、真面目で誠実だった友人が何故か知らない間に目覚めていたとしたら、どう思うだろうか?

 

雄二「そこまで行ったらあとはお前たちの仕事だ。わかっているな?」

ムッツリーニ「……大島先生を倒す」

明久「そして僕は鉄人、だね?」

 

正直、今までの戦いでもこれほど厳しいものはなかった。今回の作戦はあまりにギャンブル要素が多すぎる。

 

 

しかし、

 

 

ムッツリーニ「……大丈夫。きっとうまくいく」

和真「たりめーだ」

明久「うん」

雄二「当然だな」

秀吉「じゃな」

 

このメンバーならきっと何だってできるだろう。それこそ不可能を可能にすることも。

 

 

──ピピッ

 

どこかで電子音が聞こえた。

これは八時を告げる時報。

開戦の狼煙である。

 

五人は士気を高めるためため、肩を組んで円陣を作る。

 

雄二「……よし。てめぇら、気合は入っているか!」

 

「「「「「おうっ!」」」」」

 

雄二「女子も教師も、AクラスもFクラスも関係ねぇ!

男の底力、とくと見せてやろうじゃねぇか!」

 

「「「「おうっ!」」」」

 

雄二「これがラストチャンスだ!俺たち五人から始まったこの騒ぎ、勝利で幕を閉じる以外の結果はありえねぇ!」

 

「「「「当然だっ!」」」」

 

雄二「強化合宿第四夜・最終決戦、出陣るぞっ!」

 

「「「「よっしゃぁーーーっ!!」」」」

 

 

強化合宿四日目二〇〇〇時。

今、覗きを巡る最後の勝負が始まろうとしていた。

 




【ミニコント】
テーマ:カーナビ

和真[ポーン♪三十歩先、右折してください]

秀吉「了解したのじゃ!」

明久「ねぇねぇ、二人とも何やってんの?」

秀吉「……暇じゃから、カーナビごっこして遊んでおる」

和真[目的地に着きました]

明久「高校生の暇の潰し方としてはどうかと思うけど、確かに楽しそうだね。
よーし、カズナビ!僕の輝かしいスターダムな未来へ、最短ルートでナビゲートして!」

和真[ルートを大きく外れました。人生の目的地の再設定をしてください]

明久「……」

雄二「随分高性能だな」








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