蒼介「本編に入る前に、前回電車での移動中をカットしたわけだが、もし原作での島田の心理テストを我々がやっていた場合の結果を発表しようと思う」
和真「俺は 緑→翔子、橙→飛鳥、青→優子 だな」
蒼介「私は 緑→木下、橙→工藤、青→飛鳥だ」
源太「これもうタグに『オリ×優子』追加しといた方がいいんじゃねぇか?」
徹「といっても和真はガキだからね、作者すらこれから進展する気がしないみたいだよ」
和真(お前にだけはガキとかいわれたくないんだが……)
翔子「……ちなみに私は 緑→和真、橙→雄二、青→雄二になる」
飛鳥「やや反則に思うかもしれないけど、霧島さんはこの二人以外男子との交流が希薄だから仕方がないわね」
和真「ところで読者から中学生時には子持ち疑惑をかけられた綾倉センセ、実際のところどうなんだ?」
蒼介「十四歳の母ならぬ十四歳の父、か……」
綾倉「好き放題言ってくれますねあなた方も。まあ、法に触れる手段はとってない、とだけ言っておきましょう」
秀吉「な、なにごとじゃ!?」
美波「木下はこっちへ!そっちのバカ四人は抵抗をやめなさい!」
和真「お前なんざにバカ呼ばわりされる謂れは無ぇんだが?」
突然の不躾な暴言に和真が不快感を露にする一方、危険を即座に察した明久と雄二とムッツリーニは美波の一喝を受け窓から脱出する寸前で固まっていた。
秀吉「なぜお主らは咄嗟の行動で窓に向かえるのじゃ……?」
窓からの脱出は不可能と判断したのか、窓を閉めながら雄二は女子勢に向き合う。明久とムッツリーニも貴重品の入った鞄を下ろしながらそちらを向く。
雄二「仰々しくぞろぞろと、一体何の真似だ?」
小山「よくもまぁ、そんなシラが切れるものね。あなたたちが犯人だってことくらいすぐにわかるというのに」
美波の後ろから出てきて高圧的に言い放ったのは、Cクラス代表のヒステリックでおなじみの小山だ。後ろで並んでいる女達も腕を組んで頷いている。
明久「犯人?犯人ってなんのことさ?」
小山「コレのことよ」
ムッツリーニ「……CCDカメラと小型集音マイク」
小山が突きつけたものに、その手の知識に長けたムッツリーニが反応する。
小山「女子風呂の脱衣所に設置されていたの」
明久「え!?それって盗撮じゃないか!」
和真「それで、俺達がやったと短絡的に決めつけて因縁つけに来たってわけか。おやおや、頭の程度が知れる浅い推理だこと」
小山「なんですって!?とぼけても無駄よ!あなた達以外に誰がこんなことをするっていうの!?」
馬鹿にするような笑みを浮かべた和真の挑発が癇に障ったのか小山はヒステリックに喚き散らす。
相も変わらず沸点が低い女だが、決めつけてかかる小山達の態度にFクラスの良心である秀吉が抗議しようと前に歩み出た。
秀吉「違う!ワシらはそんなことをしておらん!覗きや盗撮なんてそのような真似は……」
明久「そうだよ!僕らはそんなことはしない!」
ムッツリーニ「……!(コクコク)」
秀吉の反論に便乗して前に出た明久とムッツリーニのまるで説得力の無い否定を聞いたおかげか、沸騰していた頭が急激に絶対零度に至る程冷却される小山。
小山「そんな真似は……何?」
秀吉「……否定……できん……っ!」
明久「えぇっ!信頼足りなくない!?」
和真(ごめん明久、俺でもフォローしきれない)
明久は自分の信頼の無さがムッツリーニと同じという事実に正直泣きそうになるが、和真からしても二人の女子からの評判は五十歩百歩であると言わざるを得ない。
姫路「まさか、本当に明久君たちがこんなことをしていたなんて……」
殺気立つ女子の中から一人悲しそうな声をあげたのは姫路だった。実際は無実であるはずの明久も信頼を裏切ったみたいな空気に思わず罪悪感が沸く。
美波「アキ……信じていたのに、どうしてこんなことを……」
明久「美波。信じていたなら拷問器具は用意してこないよね?」
和真「石抱なんてどっから調達してきたんだお前ら……」
女子達が用意した拷問器具は『石抱(いしだき)』という名前で、三角形の木を並べた台の上に相手を正座させ、膝にどんどん重石を乗せていく、江戸時代に幅広く使われた由緒正しき道具である。
土台が平坦なため本家ほど痛々しいものではないが、学力強化合宿に来た生徒が本来おいそれと用意できる代物ではないはずである。
明久「姫路さん、違うんだ!本当に僕らは-」
姫路「もう怒りました!よりによってお夕飯を欲張って食べちゃった時に覗きをしようなんて……!い、いつももう少しその、スリムなんですからねっ!?」
和真「怒るとこそこかよ……」
美波「う、ウチだっていつもはもう少し胸が大きいんだからね!?」
明久「それはウソ」
美波「皆、やっておしまい」
明久「ご、ごめんなさい!つい咄嗟に本音が!」
素早い動きで周りを取り囲まれ。明久とムッツリーニは土台の上に座らされた。窮地に立たされた明久は、ピンチのときにこそ頼りになる我らがFクラス代表に助けを乞う。
明久「雄二頼むっ!この場をなんとか収めて」
『……浮気は許さない』
『翔子待て!落ち着きぎゃぁぁああっ!』
まあ読者の皆様は予想していただろうが、雄二は既に霧島のアイアンクローの餌食になっていた。
美波「さて。真実を認めるまでたっぷりと可愛がってあげるからね?」
姫路「明久君、正直に話してくださいね♪」
そして明久達にも嗜虐スイッチが入った二人の手によって私刑が執行されようとしていた。彼等の命運が尽きようとしている頃、和真はというと……
和真「ほらほらどうしたバレー部のお嬢ちゃん達よぉ?さっきまでの意気込みはどこ行ったよ?」
『くっ……このぉ!!』
『うう……全然駄目だ……』
小山「チョロチョロと往生際の悪いわね!さっさと捕まりなさいよ!」
和真「やなこった」
和真を取り囲んでいるのは小山率いる女子バレー部の面々。多かれ少なかれ和真を疎ましく思っている彼女らは、今回の覗き騒動への罰を大義名分に痛い目にあわせてやろうと意気込んで乗り込んで来たわけだが、本格的なヤンキー数十人に真っ向から挑んで圧勝できるほどの戦闘力を有する和真にとって、たかが女子数名の猛攻を捌ききることなど造作もない。
この光景は一方的に危害を加えようとする女子であっても反撃しない和真の紳士的対応に見えるかもしれないが、間違いなくそうではないと断言できる。
和真「ねぇねぇ、今どんな気持ち?俺を痛めつけようと鼻息荒く乗り込んで来たのに良いように手玉に取られてどんな気持ち?恨み骨髄の相手に適当にあしらわれてる気分はどう?あまつさえその相手に情けをかけられて悔しくなーい?
ねぇねぇ?ねぇねぇねぇねぇねぇ?」
(((こいつムカつくぅぅぅううううう!!)))
煽る。
この男、明らかに相手をこけにするような表情を浮かべてひたすら煽りまくる。嗜虐スイッチが入っているのは姫路達だけではないようだ。
小山達は鬼の形相でさらに苛烈に掴みかかるものの、やはり捕らえられそうもない。
和真「ねぇねぇ小山、新学期早々Aクラスに喧嘩売ってソウスケに瞬殺されて設備落とされたらしいじゃん?
ねぇねぇどんな気持ち?仮にも“戦争”の名を冠した競技なのに、カップうどん作れるかどうかの時間で惨敗して恥ずかしくなかったの?そんなことがあったのに何事もなくクラス代表としてふんぞり返っていられるのはどうして?どんだけ面の皮厚いの?ついでにそんな残念な奴に仕切られてるその他大勢の端役の皆さん、生きてて楽しい?
ねぇねぇ?ねぇねぇねぇねぇねぇ?」
『『『うがぁあああああ!!』』』
小山達は女性がしてはいけないレベルのキレ顔にまど豹変するが、それでも歴然たる実力差があるのか和真にはまるで当たらない。彼女らの反応が予想以上に面白かったようで、和真は別の切り口から煽りにかかる。
和真「大体よぉ、本当に俺達がお前らを覗こうとすると思ってんのかよ?」
小山「こんなバカなことあんた達意外にだれが企むって言うのよ!?いい加減認めなさいよ見苦しい!」
和真「自惚れてんじゃねぇよ、負け犬どもが(ペッ)」
小山「~~~~~~~~~っ!!」
これ以上無い侮辱を受け、小山はヒステリーのあまり言葉を失うが、和真は情け容赦なく追い討ちする。
和真「よほど自分達の体に自信がおありのようでなによりですあいたたたたたたた~、痛いよ~、頭が可哀想な重度のナルシストがこんなにいっぱいいるよ~、痛々しいよ~、この人達存在そのものが痛々し過ぎるよ~」
小山「殺れぇぇぇぇぇえええええ!!!」
『『『殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺!』』』
もはや男女どうこう以前に人間だった面影すら残っていない妖怪じみた表情で、バレー部改め小山率いる百鬼夜行は和真に対して本気で殺すつもりで飛びかかった。
30分後、証拠不十分という形で明久達が解放された頃には、百鬼夜行と化したバレー部一同はスタミナを使い切ったらしく地面に這いつくばっていた。
和真「お、あいつらも解放されたみてぇだな。さてと、こいつらにもお引き取り願おうか」
和真は横たわっているバレー部達をまとめて担ぎ上げる。疲れきっているのか、男子に抱き抱えられても反論すらできない。そのまま和真は扉を開けて、
ポイポイポイポイポイポ(ry
和真「二度と来るんじゃねぇ三下どもが」バターン
部屋の外にまとめて不法投棄した後、扉を勢いよく閉めた。
そうして最後に部屋の外に向かってとどめの一声。
ぶわぁぁぁーーーーーーーーかっ!
小山(………………ふふふ…
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!
覚えてなさいよ、柊 和真!いずれアタシ達が受けた屈辱を三乗にして返してやるんだから!)
小山及びバレー部一同は扉の向こうにいる怨敵に対して以前とは比べ物にならない憎悪と殺意と復讐の焔を心に点火するのであった。
和真くん絶好調(悪い意味で)
筆者は別に小山さんに恨みとかは特にありません。
和真「俺も今回の話の二次創作でよくある『確証も無いのに拷問にかけようとする女子達を許せない!』、なんてまっとうな感性は持ってねぇ。『疑うのは自由、拷問も好きにかければよい。ただしできるもんならな!』っつうスタンスだ」
一巻の稚拙すぎる文章を大幅に修正しました。少しでも興味が湧いた人は暇なときにでも読んでください。