今回で主要キャラ四人の方向性がある程度固まりました。
【バラクの宿】
タカシロ「昨晩はお楽しみでしたね」
カズマ「そうだな、すごく楽しかった」
ユージ「てめふざけんな、執拗に顔面目掛けて投げてきやがって。回復した気がしねぇぞコラ」
アキヒサ「あっはっは、だらしないなぁユージは」
ユージ「開始早々鳩尾にジャストヒットして昏倒したテメェには言われたかねぇな」
ショーコ「……カズマ、ちょっとやり過ぎ」
ユージ「ショーコ、お前が安全地帯からさりげなくカズマに枕手渡してたことを俺は知っているんだが?」
ショーコ「…………てへ♪」
ユージ「殴りたい、この笑顔。いや割とマジで」
どうやら勇者一行は泊まった宿屋で枕投げ合戦をしていたらしい。ノリが完全に中学生とか言ってはいけない。
ユージ「さて、昨日の得た情報から俺達が行く場所は決まったな。ところで、東西南北どこから行くかだが…」
アキヒサ「西は最後だね」
カズマ「ああ、明らかに他の3つとは格が違う気がするぜ」
ショーコ「……今のレベルだと戦っても返り討ちにあうだけ」
ユージ「だな」
満場一致で西を後回しにすることが決定。
『西』、そして『鉄人』と聞けば嫌な予感しかしないであろう。
ユージ「まあ一番近くの『ウィルソン火山』から行くとするか」
アキヒサ「そだね」
カヲール城の扉をの鍵である4つの珠を集めるため、勇者一行はまず最初に南の『ウィルソン火山』へ向かう。
果たして勇者一行は炎の珠を守る『龍人・トールゴン』に打ち勝つことができるのか?
カズマ「じゃあタクシーでも止めるか」
ユージ「いや、RPGの世界にそんな近代的なもん-」
キキィーッ!
ユージ「……俺、この世界嫌いになりそうだ」
ユージが世界のシステムに嫌気がさしてきたのを尻目に、カズマは“偶然”止まったタクシーに近づいてゆく。
スガワ「まいどー!FFFタクシーだ! 今ならただでいいぞ、ただし女子限定だけどnぐえぇっ!?」
ユージ「!?」
タクシーの運転手が窓を開けるや否やカズマは持ち前の腕力で運転手を外に引きずり出した。
ゴキャアッ
スガワ「も”ぁ”あ”っ!?」
ユージ「……」
カズマ「さてと…(ポイッ)」
スガワ「」ドサッ
すかさずカズマは運転手の首をねじ曲げて気絶させると、それをゴミのようにその辺に無造作に投げ捨てた。
ユージ「…………」
カズマ「(バタン)……よし、準備完了。お前ら乗り込めー」
アキヒサ「OK」
ショーコ「……わかった」
ユージ「………………」
タクシーに乗り込んだカズマは乗り込むように促し、三人
もそれに従いタクシーに乗り込む。
カズマ「よしっ! ウィルソン火山に向けて出発だ!」
二人「おー!」
ユージ「……………………」
勇者一行を乗せたタクシーはウィルソン火山に向けて走り出した。
ユージ「……ってこれただの犯罪じゃねぇかァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」
ユージのシャウトも虚しくタクシーはその歩みを止めないのであった。
ユージ「やべーよ完全に俺達お尋ね者だよこれ……」
ショーコ「……ユージ盗賊団、結成」
カズマ「懸賞金とかつくかね?」
アキヒサ「まあまだ初犯だし、僕は3000万ベリーぐらいかな?」
ユージ「なんでお前らそんな呑気なわけ!? あとお前ごときにそんな高額な懸賞金つくわけねぇだろ! そもそもここの貨幣単位ベリーじゃなくてゴールドだし!」
今日もユージのツッコミは絶好調である。
カズマ「心配しなさんな。こんなモンスターが幅をきかせている世紀末な世界で法律が正常に機能してるわけねぇだろ」
ユージ「……それはそうかもしれんが……本編ならともかく、いちおう今俺達勇者一行だぞ?」
カズマ「大切なことは肩書きじゃねぇ、どう行動するかだ」
ユージ「だからその行動が不味いんだが……大体お前なんで運転できるんだ?」
カズマ「こんなこともあろうかと頭文字Dを全巻読破してきたからな」
ユージ「大丈夫だよな!? 急に事故する予感がしてきたんだが!?」
そんな感じでカズマとユージが押し問答をしていると……
盗賊団「止まりやがれテメェら!」
チャララ~ン♪
【とうぞく×5があらわれた! ▼】
盗賊A「命が惜しければ金目の物を置いていきなァ!」
盗賊B「ついでにその車もなァ!」
カズマ「んだとコラ……運が無かったなぁ……テメェら俺達勇者一行に対して盗賊行為たぁ良い度胸だなァ!
テメェらみてぇな下賤な輩は…生かして帰さねぇ!」
ユージ「お前の面の皮は広辞苑か? ついさっきの所業をもう無かったことにしたよコイツ」
ユージ、アキヒサ、ショーコの三人は盗賊団と交戦するためにタクシーから降りるが、何故かカズマはタクシーに乗ったままであった。
ユージ「? なにやってんだカズマ? 早く降り-」
カズマ「オラァァァァァァァ!」
何を思ったかカズマはアクセルを全力で踏み込み、盗賊団目掛けて突っ込んでいった。
盗賊C「なっ!?」
盗賊D「うわぁあああバカ止ま-」
ドゴォオオオオオオオオオオオオオオ
タクシーは盗賊団もろとも炎上した。辺り一面に土煙が舞い上がる。
ユージ「……」
あまりの出来事に言葉を失うユージ。
カズマ「そんなもん欲しけりゃくれてやるよ。ご自由の持っていきな……あの世までなぁ!」
ユージ「いい加減自重しやがれこの野郎。お前のせいで世界観がRPGからグラセフにシフトチェンジしそうじゃねぇか……」
ぶつかる直前で脱出していつのまにか隣にきていたカズマに、ユージは痛くなってきた頭を手で押さえながらつっこむ。
やがて土煙が晴れるとそこには……
盗賊A「が……はぁ……」
ユージ「!?」
「「「「あ…兄者ァァァァァァァ!?」」」」
盗賊の一人が四人を庇うように両手を広げて立っていた。タクシーの爆発をまともに受け、全身が焼けただれている。
盗賊A「ど……うやら……俺は……ここまで……らしい………………お...お前達といた数年......わ...わるく...なかったぜ......。死ぬ...な...よ.......弟...........達......」
そう言った後盗賊Aは前に倒れ、そのまま動かなくなった。
【カズマのタクシーボム! かいしんのいちげき! とうぞくAに739のダメージ! とうぞくAはしんだ。▼】
「「「「兄者ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」」」」
カズマ「チッ、一回きりだってのに一人しか葬れなかったか」
ユージ「やべーよこれ完全に俺達の所業の方が極悪じゃねーかどうすんだよこれマジで……」
いい感じにユージの精神が壊れ始めてきた。
カズマ「だったら……(チラッ)……アキヒサァ、殺れェ!」
ショーコ「……!」
アキヒサ「オーケー、 一瞬で蹴散らしてくるよ!」
カズマは一瞬ショーコとアイコンタクトを交わした後、アキヒサに指示をだす。
盗賊E「おんどれぇえええええ…………兄者の仇ィィィィィィィ!」
盗賊Aの仇を討つため、盗賊Eがサーベルを構え、アキヒサに斬りかかる。
アキヒサ「フッ、雑魚が……必殺! ジャスティスアイアントルネードボォォォォォル!」
盗賊E「がはぁっ!」
【アキヒサのJ・I・T・B! とうぞくEに45のダメージ!】
鉄球をまともに喰らい、その場に崩れ落ちる盗賊E。
アキヒサ「他愛もないね……残りの3匹もこの僕一人で片付けてやるぜ」
鉄球を手もとに引き戻し、そのまま残りの盗賊達に向かって歩いていくアキヒサ。
ガシッ
アキヒサ「……!?」
盗賊E「へへっ………………さらばだ兄者達………」
ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオ
【とうぞくEはじばくした! アキヒサに317のダメージ! アキヒサはしんだ。 とうぞくEはしんだ 。▼】
「「「弟ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!」」」
カズマ「ヤムt…アキヒサァァァァァ!」
ユージ「ほんと出落ちに定評があるな、あいつは」
カズマ「テメェらよくも……くくっ……アキヒサを殺ってくれたなぁ……うくくく……」
ユージ「こらえきれてねぇぞ全然」
盗賊B「…………お前らは……お前らだけは……絶対の許せねぇ……!」
盗賊C「兄者と弟の仇……」
盗賊D「討たせてもらうぞ!」
三人の盗賊とカズマ(半笑い)が前にでる。まさに一触即発の状況だ。
カズマ「それで? テメェら盗賊風情はまさか、三人がかりなら俺を倒せるとでも思っているのか? あぁん?」
ユージ「お前どんどんセリフが悪役っぽくなってるな……」
盗賊B「……確かに俺達は所詮ただの盗賊……一人一人はそこまで強くない」
盗賊C「全員でかかっても勝ち目は薄いだろう……」
カズマ「へぇ……身の丈っつうもんを理解してるみたいだなぁ」
盗賊D「……だがな、俺達はお前を倒せる!」
カズマ「……あ?」
盗賊B「いくぞお前ら!」
盗賊C「了解だ!」
盗賊D「いつでもいいぜ!」
「「「融☆合!」」」
【とうぞくBととうぞくCととうぞくDは融合して、とうぞくおうになった! ▼】
カズマ「……なん……だと……!」
盗賊王「これが俺達兄弟の絆の結晶だ! 一人一人が弱くても力を合わせればどんな困難だろうと乗り越えてゆける! 人を人とも思わないテメェにはわからねぇだろうがな!」
カズマ「クッ……!」
ユージ「もう完全に向こうが主人公じゃん! なんなのこれ!? 命が惜しければ金目の物云々言ってた奴らのセリフじゃねぇよもう!」
盗賊王「うぉおおおおおおおおおおおお!」
カチッ
盗賊王「……ゑ?」
ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオ
【とうぞくおうはじらいをふんだ! とうぞくおうに306のダメージ! とうぞくおうはしんだ。 いちどうはけいけんちをもらった! ▼ 】
カズマ「はいおつかれさん(アイコンタクトでショーコに合図する)」
ショーコ「……パパラパーパーラーパッパパー ♪(FFのファンファーレ風)」
ユージ「待て待て待て待て待て待て待て待て待て待てまえぇえええええええええ! 何だ今の!?」
カズマ「? 何って、地雷」
ユージ「地雷!? なんでそんな近代兵器が都合良く埋まってたの!?」
カズマ「いや埋めたのショーコだよ、無限の火器製の応用で。さっき俺が指示しといた」
ショーコ「……ぴーす♪」
ユージ「お前話に絡んでこないと思ったらそんなことしてたの!?…… えええええ!? ……っつか……えええええ!?」
カズマ「なんだようるせぇな、どうした?」
ユージ「いや、あの展開でこのオチ!? じゃ……じゃあさっきまでの焦った反応とかは!? 」
カズマ「ブラフだけど?」
ユージ「…………………………はぁ……もうやだ……番外編入ってから自由過ぎだろこの外道コンビ……」
カズマ「じゃあさっさと行くぞ。タクシー無くなったから歩きだけどな」スタスタ
ショーコ「……ウィルソン火山まであと少し」スタスタ
そう言って二人は歩きだす。
ユージ「……大体なんで俺以外にツッコミがいねぇんだよ(ブツブツ)……
……ん? あ” ! あいつらまた棺桶置いていきやがった!」
先ほど盗賊Eの自爆に巻き込まれてしまったので、アキヒサは再び棺桶になってしまったのであった。
ユージ「……また俺が運ぶのかよ……大して役に立たねぇんだから置いていっていいかなこれ?」
とても動けない仲間に対する発言とは思えない愚痴をこぼしながら、まあ使い捨て装甲板くらいにはなるかと思い直し、棺桶を引きずって二人のあとを追うユージであった。
カチッ
ユージ「……ゑ?」
ショーコ「……あっ」
カズマ「あん? どうした?」
ショーコ「……予備で埋めておいた地雷回収するの忘れた」
カズマ「……なんか嫌な予感がするから一旦引き返すぞ」
勇者一行の旅はまだまだ続く
・ユージ(レベル15)
HP…150
MP…70
こうげき…60
ぼうぎょ…50
すばやさ…55
スキル…ツッコミ、勇者の力
役割…苦労人担当
相も変わらず気苦労の絶えないある意味一番可哀想な人。
本編では一、二を争う外道キャラであるが番外編では勇者という立場なので振る舞いには気をつけないといけない宿命も背負わされている。
勇者の力の詳細については未だに謎のままである。
・カズマ(レベル15)
HP…1200
MP…58
こうげき…160
ぼうぎょ…142
すばやさ…156
スキル…スーパークリティカル
役割…ヒール担当
ボケキャラの差別化のため外道キャラとなった。
間違いなくこの番外編で一番やりたい放題な人。所業がRPGというよりグランド・セフト・オートの住人である。
本編の和真から良識と自重を取り除き、法治国家ではない世界に放り込まれたのがカズマである。
なぜ勇者一行に加わっているのかは謎。
明らかに他と比べてステータス成長率が抜きん出ている理由も謎。
・ショーコ(レベル10)
HP…100
MP…220
こうげき…30
ぼうぎょ…34
すばやさ…50
スキル…無限の火器製
役割…特殊工作担当
ボケキャラの差別化のためテロリストとなった。
チートスキルを用いてどこぞのテロリストもびっくりのテロ工作を行う。しかし地雷を回収し忘れるといったドジっ娘な一面も。それをドジで済ませていいのかどうかは甚だ疑問だが。
・アキヒサ(レベル1)
HP…20
MP…33
こうげき…50
ぼうぎょ…12
すばやさ…17
スキル…バカ
役割…出落ち・かませ担当
ボケキャラの差別化のためヤムチャ化した。
闘う前のセリフ、敵を倒したと思い込んで有頂天になる、死に様、どれをとっても模範的なかませである。
くどいようだが本編のような格好良い明久はいない。