ここはモンスリー王国
人々は平和に暮らし、大地は豊かな緑に覆われ空には鳥が舞い、穏やかな風が綿雲を運んでいた
だがある日、空に闇が滲み、大地に邪悪な影を落とした
大魔王カヲルシフェルが永き眠りから目覚めたのだ!
次々に魔物を生みだし、人々を襲い殺戮の限りを尽くした
この世界は暗黒の時代を重ね、いつしかこう呼ばれるようになった……
“モンスター・ワールド”
残された人々は脅え、泣き叫び、己が生を呪った
だが、そこに一人の勇者が立ち上がった
希望の光を剣に宿し、三人の仲間を連れた勇者一行は、カヲルシフェルを倒すべく今日もカオール城に向けて旅を続ける!
【ケネディ町】
テーンテーンテテテーン♪
アイコ「はい、お預かりしたポケモンは皆元気になったよ。 またのご利用お待ちしてまーす♪」
アキヒサ「モンスリーよ、 僕は帰ってきた!」
ユージ「誰もお前の帰還なんざ期待していねぇよ。……つか今度はポケモンかよ……この世界節操なさ過ぎだろ……」
カズマ「細かいこといちいち気にしていると溶けるぞ?」
ユージ「溶けてたまるか」
前回の戦闘でアキヒサが戦死してしまったため、教会で復活させるために資金を集めていたユージ達だったが、教会へ向かう途中たまたま『ポケモンセンター』があったらしい。
ユージ「しかもタダかよ……俺の前回の苦労はなんだったんだ……」
ショーコ「……ユージ、元気出して」
カズマ「ったく、さっきからグチグチグチグチ……何事もポジティブシーンキーング! に考えやがれよ。その金で装備強化するとか、色々あるだろ」
ユージ「お前らがもう少し自重してくれたらずっと楽になるんだがな。……まぁ装備の強化は必須かもな、特にアキヒサ」
アキヒサ「え? 僕? 僕にはこの聖剣ピッツゥアがあるけど」
ユージ「これほど聖剣を語ることがおこがましい武器が今まであっただろうか? つーかそれただのピザだろうが」
そういうわけで勇者一行は、汗水たらして稼いだ金で装備を整えることにした。
ユージ……勇者の剣(?)、銅の鎧(ぼうぎょ+10)、風の靴(すばやさ+15)
ユージ「ふむ、なかなか強化されたな」
カズマ……五番アイアン(こうげき+10)、ゴルフウェア(ぼうぎょ+3・すばやさ+5)、怪しい腕輪(MP+10)
ユージ「カズマにしては普通の装備だな。若干俺の感覚が麻痺してる可能性も否めないが」
ショーコ……怪しい服(MP+10)、怪しい靴(MP+10)、怪しい腕輪(MP+10)
ユージ「もうこれただの怪しい人じゃねぇか……まぁまだ許容範囲だ。問題は……」
アキヒサ……全身タイツ(こうげき+3・ぼうぎょ+3・MP+3)、2002年眼鏡(MP+20)、J・I・T・B(こうげき+30)
ユージ「テメェだァァァァァ!」
アキヒサ「? 何か問題が?」
ユージ「問題しかねぇよ! なんだよその怪しい装備一式より遥かに怪しいラインナップ!? どう贔屓目に見てもただの不審者じゃねぇか! だいたいなんだその武器!?」
そう言ってユージはアキヒサが手に持っている武器に指を突きつける。その武器は鎖に繋がれた鉄球である。見るからに殺傷能力の高そうなトゲも複数ついており、なかなか強そうではあるのだが、どう見ても光の陣営が使いそうな武器ではない。
アキヒサ「何って…ジャスティス・アイアン・トルネード・ボールだけど?」
ユージ「いや、だからなんだよそれ!?」
アキヒサ「ジャスティス・アイアン・トルネード・ボールはジャスティス・アイアン・トルネード・ボールであってそれ以上でも以下でもないよ?」
ユージ「なに一つわからねぇよその説明じゃあよぉ! 結局なんなんだよその禍々しい器物はよぉ!?」
アキヒサ「勝てる! カヲルシフェルがどんなヤツであろうと負けるはずがない!僕はいま究極のパワーを手に入れたのだーっ!!」
ユージ「ダメだこいつ……ネイルと合体して調子こいたピッコロみたいなこと言ってやがる……」
カズマ「さて、装備も整えたし……次は情報収集か?」
ユージ「(流された……)ああ。今のまじゃ目的が大魔王討伐ということ以外何もわからないからな」
ショーコ「……それもこれもちゃんと設定を用意していなかった作者が原因」
ユージ「仕方ないだろ、本来一発ネタだったんだから」
アキヒサ「ところで、情報を集めると言ってもどこでするのさ?」
ユージ「そりゃお前、RPGで情報集めっつったら酒場だろうが」
カズマ「ちょうどそこにあるしな」
酒場【ラディカルグッドスピード】
ユージ「なんてご都合主義……まあ良いか……」
装備を整えた勇者一行は、情報収集のため酒場に入っていった。
クウガ「よー、俺がこの酒場の店長だ。つっても従業員なんざいねーけどな。まぁ気軽におっちゃんと読んでくれや…っと、タバコタバコ…」グデー
ユージ(なんだこのやる気の無いだらけた接客!?どこが【ラディカルグッドスピード】だよ、 店名改名しろ!
……あんま大した情報持ってなさそうだな。まあダメ元で聞いておくけどな)
カズマ「おっちゃん、俺達大魔王倒しに行きてぇんだけど、どうすりゃいい?」
クウガ「あ? 大魔王を倒しに行きてーならとりあえず東西南北の最奥部にある4つの珠が必要だ。カヲール城の扉の鍵はその4つの珠だからな。だが4つの珠はカヲルシフェル直属の部下、『四天王』と呼ばれる強力な魔人達が守っている。半端な実力じゃあ手も足もでないほど強いらしい。南の『ウィルソン火山』にある炎の珠を守っているのは火を司る魔人『龍人・トールゴン』、北の『ルーズベル島』にある海の珠を守っているのは水を司る魔人『魚人・タマノオトシゴ』、東の『ワシン塔』にある嵐の珠を守っているのは風を司る魔人『翼人・アーシュカ』、西の『レーガン砂漠』にある大地の珠を守っているのは土を司る魔人『鉄人・イッソウ』。ここから一番近いのは『ウィルソン火山』だな」
ユージ「そ…そうすか……
(予想した100倍情報持ってたァァァァァ!? なんかジャンプの打ちきり予定漫画ばりのハイペースで情報が集まったよ!? え、なに!? ラディカルグッドスピードってこういうこと!?)」
クウガ「とりあえず情報教えてやったんだから何か飲んでいけよー」つメニュー
ユージ「は、はぁ……じゃあ何か頼もうか、どれどれ-」
【メニュー】
・コンポタ
・コンポタのコンポタ割り
・コンポタ(ロック)
・ノンアルコールコンポタ
・ビールじゃなくてコンポタ
・ジュースよりもコンポタ
・コンポタとみせかけてワイン……とみせかけてやっぱりコンポタ
・どうあがいてもコンポタ
・安定のコンポタ
・KONPOTA
・いとしさとせつなさとコンポタ
・やっぱこれだねロッテのコンポタ
・あなたの喉に狙いを決めてコンポタ
・コンポタと泪と男と女
・シャア専用コンポタ
・魂歩佗
・違いのわかる人のためのコンポタ
・違いのわからない人のためのコンポタ
・違いがわからないのにわかった気でいる人のためのコンポタ
・違いをわかりたい人のためのコンポタ
・違いをわかった気でいた……そうやって自分を騙し続けていた……だけど、かけがえのない沢山の仲間達のお陰で自分の過ちに気づくことができた!
もう遅いかもしれない……もう可能性なんて残っていないのかもしれない……だけど私は諦めない! 最後の最後まであがき続ける! そうして希望をつかみとってみせる!
違いを……わかるようになってみせる!
……という人のためのコンポタ
・コーンポタージュ
ユージ「コンポタしか無ェェェェェェェ!
なんだよこのメニュー!? 酒場っつうか最早コンポタ場じゃねぇか!」
クウガ「あー、俺自分の気に入った物しか出さねぇ主義なんだ」
ユージ「限度があるだろ限度が! こんなんで経営やっていけるのかよ!?」
クウガ「情報目的でここに来る奴多いからなー、こんなメニューでもやっていけるんだよ、これが」
ユージ(ダメだこいつ……早くなんとかしないと……)
カズマ「じゃあ俺コンポタのコンポタ割りで」
ユージ(コンポタのコンポタ割りってなに!? 割り切れねぇよ! コンポタも俺の感情も!)
アキヒサ「僕はコンポタ(ロック)で」
ユージ(それただのコンポタじゃねぇか! なにちょっと格好良く言ってんだよ!?)
ショーコ「……私はノンアルコールコンポタ」
ユージ(だからそれもただのコンポタだろうが! なんでさっきからコンポタにアルコールが入ってること前提なんだよ!?)
クウガ「あいよ。 ……で、お前は?」
ユージ「…………。違いをわかった気でいた……そうやって自分を騙し続けていた……だけど、かけがえのない沢山の仲間達のお陰で自分の過ちに気づくことができた! もう遅いかもしれない……もう可能性なんて残っていないのかもしれない……だけど私は諦めない! 最後の最後まであがき続ける! そうして希望をつかみとってみせる! 違いを……わかるようになってみせる! ……という人のためのコンポt」
クウガ「長ーよバカ、死ね」
ユージ「お前がメニューに載せたんだろうがァァァァァァァ!」
勇者一行の旅はまだまだ続く
・ユージ(レベル10)
HP…100
MP…50
こうげき…45
ぼうぎょ…39
すばやさ…48
スキル…ツッコミ、勇者の力
・カズマ(レベル10)
HP…800
MP…40
こうげき…115
ぼうぎょ…96
すばやさ…108
スキル…スーパークリティカル
・ショーコ(レベル10)
HP…80
MP…150
こうげき…20
ぼうぎょ…22
すばやさ…35
スキル…無限の火器製
・アキヒサ(レベル1)
HP…20
MP…33
こうげき…50
ぼうぎょ…12
すばやさ…17
スキル…バカ