日本国民の三大義務を答えよ
姫路 瑞希の答え
『勤労の義務、納税の義務、教育を受けさせる義務 』
蒼介「正解だ。特に言うことはない」
土屋 康太の答え
『盗聴の義務、盗撮の義務、成人向けの本を読む義務』
源太「すぐ滅ぶだろうな、そんな国」
吉井 明久
『負けない義務♪ 投げ出さない義務♪ 逃げ出さない義務♪』
蒼介「信じ抜く義務♪ …………ハッ!?」
源太「ダメになりそうなのか? ん?」ニヤニヤ
蒼介「や、やかましい!///」
明久「失礼しまーす」
雄二「邪魔するぞ」
ノックだけして明久が返事も待たずにすぐさま学園長室の扉を開け、そのまま二人はずかずかと中に入っていく。彼等の辞書に遠慮の文字は無い。
秀吉「お主ら、全く敬意を払っておらん気がするのじゃが……」
和真「気のせいなんじゃなくて事実そうなんだろ」
と言いつつ他の三人も特に躊躇することなく明久達に続いて入っていくのだが。
明久「そう? きちんとノックをして挨拶したけど?」
学園長「アタシは前に返事を待つようにいったはずだがねぇ」
明久達の振る舞いを見て呆れたような表情になるバ…学園長。
明久「あ、学園長。優勝の報告に来ました」
学園長「言われなくてもわかっているよ。アンタたちに賞状を渡したのは誰だと思ってるんだい」
明久(相変わらず遠慮のないババァだ。少しは相手に気を遣うことを覚えた方が良いと思う)
Look who’s talking.
学園長「それにしても……また仲間を増やして来たもんだねぇ」
ムッツリーニと秀吉を見て咎めるように言い捨てるババァ。
雄二「こいつらもババァのせいで迷惑を被ったからな。元凶の顔ぐらい拝んでもばちはあたらないはずだ」
学園長「……ふん、そうかい。そいつは悪かったね」
つまらなそうに鼻を鳴らす学え…ババァ。
アイヲコメーテーハーナタバヲー オオゲサダーケード-ウケトーッテー♪
和真「お、蒼介からだ。……はいもしもーし」
学園長「アタシの部屋に入るんなら携帯ぐらい切っときな。 というかアンタの着信音意外過ぎるね……」
((((同感))))
男がSup○rfly好きで何が悪い。
和真「―んじゃ今から行くわ。じゃあな」
いくつか通話してから和真は通話を切る。
和真「…さて、お前等に簡潔に説明すると、竹原が雇ったチンピラどもが仲間引き連れて仕返しに来やがった」
明久「な、なんだって!?」
学園長「どういうことさね!? 既に竹原が捕まったんだからもう-」
雄二「……いや、そうとは限らないぞ」
取り乱す明久達と違い、思い当たる節があるのか、雄二は冷静であった。
雄二「和真、あのチンピラ共は閏年高校の生徒だろ?」
和真「だろうな。そこしか考えられねぇ」
明久「閏年高校!? 確か『最凶』と言われている、この辺りで一番不良が集まっている学校だよね!?」
和真「ああ。メンツとプライドで生きているような連中だからな、進学校の俺達にボコられて黙ったままのはずがねぇ」
明久「ど、どうするの和真!」
和真「んなもん決まってる。返り討ちにしてお引き取り願うだけだ。」
雄二「おい和真、俺も混ぜろよ。ストレス解消に-」
和真「ふざけんな。あんだけ重労働押しつけられたんだ、分けてやるわけねぇだろ。それに、お前等にはやって欲しいことがあるしな」
明久「そ、それって何!?」
和真「何か目立つことをして残っている生徒を学園から出させないでくれ。流石に第三者を守りながら対処できるほど甘い奴等じゃねぇ」
明久「わかったよ和真!」
ムッツリーニ「…………引き受けた!」
秀吉「任せるのじゃ!」
三人は迷うことなく了承した。
雄二「待て! やっぱり俺も-」
和真「断ればお前の夢と笑顔を奪う♪」
雄二「どんな脅しだ!? ……あーっもう仕方ねぇな!」
反発していた雄二も力技で納得させた。
学園長「柊!」
和真「あん? どうしたばーさん」
学園長「…………無茶はするんじゃないよ」
和真「! …………あいよっ!」
軽く返事して和真は学園長室から出ていった。
文月学園の坂道で、三人の生徒か集まっていた。
和真「待たせたな。まだ来てねぇのか」
飛鳥「ええ。でも、そろそろ来ると思うわ」
蒼介「学園の方は大丈夫なのか?」
和真「問題無ぇだろ、西村センセもいるしな。
……にしても、向こうは学校規模で報復に来てるっつうのにこっちは三人か」
蒼介「……撃退する自信が無いのか?」
和真「ハッ、んなわけねぇだろ。
……あいつらが『最凶』だろうと、俺達は『最強』だ」
蒼介「……そうだな。あのようなごろつき共に遅れをとるほど、私達は弱くない」
飛鳥「……来たわ」
飛鳥の言った通り、三人の目の前に鉄パイプやらチェーンやらバットやらを携えた、100人近くもの団体が姿を表す。
地域『最凶』の不良学校、私立閏年高校のチンピラ共だ。
その団体の一番前にいる男が、和真達を見つけると顔を歪ませた。
チンピラ1「ほぅ……テメェらか、俺達『最凶』に喧嘩売った命知らず共は」
和真「だったらどうなんだよ」
チンピラ1「そりゃあ勿論、きっちり礼をさせてもらうだけだぜ」
蒼介「おかしなことを言う。そもそも、うちの生徒に手を出してきたのはお前達だろう?」
チンピラ1「んなもん関係無ぇんだよ。俺達“閏年”が進学校のボンボンに遅れを取るなんてことあってはならねぇんだわ。……そんなわけで潰すわ、悪く思うなよ。
お前等! まずはこいつらから痛めつけてやるぞ!」
その男の合図とともに、後ろにいるチンピラ共が武器を構えて殺気立つ。
蒼介「やはり話し合いで解決はできそうに無いな……仕方がない」
呆れるように嘆息した後、懐から折り畳み式の木刀を取り出し、臨戦態勢に入る蒼介。
飛鳥「正直荒事は好きじゃないけど、そうも言ってられないわね……さっさと終わらして帰るわよ二人とも」
続いて飛鳥も柔道の構えをしながら臨戦態勢に入る。
チンピラ1「何言ってやがる。お前等がこれから行くのは学校でも自宅でもねぇ……病院のベッドの上だ! かかれぇお前r-」
和真「全然遅ぇわお前」
男の言葉が言い終わらない内に、和真は信じられないスピードで男の目と鼻の先まで接近し胸ぐらを掴む。
チンピラ1「んなっ!? 何しや-」
和真「飛んでけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
チンピラ1「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
そしてそのままその男を他のチンピラ共に向かって全力でぶん投げた。そのまま男はチンピラ共に激突し、ボウリングのピンの如く数十人が将棋倒しになる。
その様子を愉快そうに見ながら、和真は凶悪そうな笑みを浮かべた。
和真「さぁ、楽しい蹂躙(パーティー)の始まりだ」
そこからは、とても100対3の闘いとは思えない、完全に一方的な展開となった。
飛鳥は向かってくる敵を長年鍛練を積んできた柔道技で次々と捌き、
蒼介は父親から教わった一子相伝の剣術で自分に群がるチンピラを最小限の攻撃で昏倒させていき、
和真は変幻自在かつ超高速、そして破壊的な強さを以て、雑草を刈るかの如く敵を狩っていった。
これが『アクティブ』の戦闘担当の力。数を揃えただけの烏合の衆では決して彼等を倒せはしない。
綾倉「……大したものですね、これは」
約10分後、辺り一面に死屍累々と転がる閏年高校の生徒を見回ながら、綾倉先生は感嘆する。
これで倒れている生徒が怪我らしい怪我を一つも負っていないことが、彼ら『最強』の凄まじさを際立てている。
そしてこの光景を作りだした三人は、少しも疲れた様子を見せず呑気に談笑している。
綾倉「何はともあれ、これで一件落着ですね」
栗色の髪を掻き上げながら、綾倉先生は満足そうにそう呟いた。
『アクティブ』無双! 和真君の人間ボウリングが炸裂しました!
ちなみに怪我をさせずに倒せたのは、蒼介君&飛鳥さん=技術で和真君=感覚です。
あと、戦闘担当には源太君も含まれています。
泣いても笑っても残り2話で第二巻終了となります。
では。