バカとテストとスポンサー   作:アスランLS

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【バカテスト・日本史】
ホトトギスという語句を使って、豊臣秀吉を指す俳句を答えなさい。

霧島 翔子の答え
『鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス』

蒼介「正解だ。ちなみにこれらの俳句は本人達が読んだものではない。安土桃山文化を調べればわかるが、派手さを追求するだけの戦国武将が風流を理解する心を持っていたとは思えん」

吉井 明久の答え
『鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス』

飛鳥「職員室で日本史の先生が吉井君の答案の採点後号泣したそうよ」

柊 和真の答え
『ホトトギス たとえ鳴こうが 殺すまで』

蒼介「残酷過ぎるわ! 点数調整が目的とはいえはっちゃけすぎだろう!」

玉野 美紀の答え
『啼かぬなら 啼かせてみせよう 男の娘』

飛鳥「ホトトギスはどこ行ったのよホトトギスは」


決意

雄二「オラァ!」

 

即座に拳を引き戻し、〈雄二〉は再びメリケンサックで殴りかかる。しかし、

 

徹「甘いね!」

 

攻撃があたる直前、〈徹〉もガントレットで反撃した。またしてもお互いの拳が再び相手の顔面に突き刺さる。

 

 

《日本史》

『Fクラス 坂本 雄二 133点

VS

Aクラス 大門 徹 114点』

 

 

これが対近接専用技『クロスカウンター』。

狩りは相手を狩る瞬間が最も危険である。

梓・飛鳥ペア戦のときと同様に、基本的に攻撃中は相手の攻撃を回避もガードも難しいのだ。徹はその瞬間を突いて、スピード負けしている雄二に反撃している。

当然相手の攻撃をまともに喰らうことになるのだが、それこそ徹の独壇場、耐久性では遥かに雄二を上回っている。

 

これが大門徹の真骨頂。相手の攻撃を真正面から受け止め反撃する、カウンター特化の重戦車。

 

雄二(クソッ……このままじゃ確実にこっちがくたばる!

 

 

 

 

 

…………ん? 待てよ………………試してみるか)

 

何か勘づいたのか、〈雄二〉は再び拳を構えた。

 

徹(バカの一つ覚えか……期待外れだよ、坂本 雄二)

 

雄二に軽い失望を覚えつつ、徹もクロスカウンターの準備をする。そして〈〉雄二はまたメリケンサックでぶん殴った、

 

 

 

 

 

徹の召喚獣のガントレットに。

 

徹「なっ!? …このぉ!」

 

一瞬面食らうものの、すぐに切り替えて拳を押し返そうとする〈徹〉。

二体の拳は拮抗するかに思えたが、〈雄二〉が〈徹〉を吹き飛ばした。

 

徹「しまっ……!」

 

雄二と徹の初期の点数には結構な差がある。にもかかわらず、クロスカウンターで雄二のダメージの方がが大きかったのは、徹が防御力を重視したスペックであることと、雄二の防御力を軽視したスペックのせいであろう。しかし、どうやら腕力のみならば雄二に分があったようだ。

 

雄二「とどめだ!」

 

弾かれて空中で身動きがとれなくなっている〈徹〉の顔面に、〈雄二〉の両拳がクリーンヒットした。ダンプカーの衝突に匹敵するほどの直撃×2、防御に秀でた徹の召喚獣といえども、100点そこそこ程度では流石に耐えきれない。

 

雄二「よし、勝っ-」

 

 

 

 

ズガァァァァァァアアァァァン!!!

 

雄二が勝利を確信した瞬間、突如襲来した巨槍に〈雄二〉が貫かれ、そのまま召喚フィールドの端に叩きつけられる。耳をつんざくような轟音が、この不意打ちがどれだけの威力であったかを物語っている。

 

 

《日本史》

『Fクラス 坂本 雄二 戦死

VS

Aクラス 大門 徹 戦死

Fクラス 柊 和真 299点』

 

 

和真「これでイーブンだな」

 

いつのまにかこちらに来ていた和真は、突き刺さった槍を召喚獣に回収させた。

 

明久「ちょっ、和真! ?君の相手は僕じゃなかったのかよ!?」

和真「これはタッグマッチだぜ? もう片方が隙だらけならそっちを狙うだろうが」

明久「だからってそんな不意打ち、和真のすることじゃないよ!」

和真「なんで俺がお前のイメージに沿って行動しなきゃなんねぇんだよ。俺のルールは俺が決める 、俺は誰にも囚われたりはしねぇ。まあそんな訳で徹と雄二、邪魔だから下がってろ」

徹「はいはい」

 

和真に促され、徹はさっさと移動していった。

表面上は冷静に振る舞いながら、血が出そうなほど拳を握りしめながら。

 

雄二「くそっ、油断した…………明久、和真の撃破はお前に任せた。負けたら承知しねぇぞ」

 

そう言って雄二もすごすごと引き下がる。

 

和真「さぁて、これでお前の味方はいなくなった。

……で、どうするんだ?」

明久「…………」 

 

前髪をいじりながら和真は問いかけるが、明久は押し黙ったまま目を伏せている。

 

和真「姫路の転校を阻止したけりゃ、俺をぶっ倒す必要がある。だが、俺とお前じゃあ力の差がありすぎる。お前が俺を上回っているのは操作技術だけだ」

 

それは決して自信過剰な訳でも、明久を見くびっているわけでもない、純然たる事実。残り点数、召喚獣のスペック、武器の強さ、戦術性など、敗北する要素が揃いすぎている。まさに『オンリーワン』と『パーフェクト』の構図なのだ。

 

和真「……それでお前は諦めるのか?まぁ姫路は優しいからな、ここでお前がギブアップしようが責めやしね-」

明久「……める……だろ……」

和真「あん? 何だって?」

 

 

 

明久「諦めるわけないだろ!!

上等だよ! 僕は君をぶっ倒して優勝してやる!

君という壁が立ち塞がるなら殴り壊す!

勝利への道がなければ創りだしてやる!

 

僕を……誰だと思っている!!!」

 

明久の瞳から迷いが消え、〈明久〉も木刀を固く固く握りしめる。相手が学年6位の優等生だろうと、Fクラス最強の矛だろうと、大切な友人だろうと関係ない!

明久の頭に姫路を見捨てる選択肢など、どこにも存在しないのである!

 

和真「ほぉ、俺に勝てる気でいんのかよ?

そこまでの啖呵を切ったんだ、何か勝てる根拠があるんだろうな?」

 

興味半分、挑発半分で和真は問いかける。

 

明久「……前に姫路さんが言っていた

 

 

 

『好きな人の為なら頑張れる』って!」

 

啖呵とともに〈明久〉が木刀を握りしめて突撃する。〈和真〉はタイミングを合わせて槍を薙ぎ払ったが、槍が命中する直前に〈明久〉はスライディングでそれを潜り抜ける。

槍を振り切った後〈和真〉は即座に二撃目を上から叩きつけるが、〈明久〉は降り下ろされた槍を木刀で受け流した。受け流しただけなので力の勢いは殺されることなく、槍はそのまま地面に叩きつけられた。

〈和真〉が槍を引き戻すまでの間、その僅かな隙を逃さず〈明久〉は高速で踏み込み、木刀で思い切り殴りつけた。

しかし〈和真〉は殴られた瞬間に自分から後ろに飛ぶことで、ある程度威力を弱めることに成功する。〈和真〉は防御力を完全に度外視したスペックなので、このアクションを行っていなければ即死していただろう。

 

 

《日本史》

『Fクラス 吉井 明久 102点

VS

Fクラス 柊 和真 146点』

 

 

明久「僕も今この瞬間、心からそう思ったよ」

和真(へぇ……こいつの強さがここまでとはな)

 

これが吉井明久の全力。

急上昇した召喚獣のスペックを余すところ無く十全に発揮する操作技術は和真のそれを遥かに上回っている。これに対抗できるのは生徒の中では今のところ佐伯梓ぐらいであろう。

今の明久の強さはFクラスレベルの点数のときとは比べ物にならない。どれだけ優れた操作技術を持っていようが、操作する召喚獣が劣悪なスペックでは大した戦力にはなり得ない。『弘法は筆を選ばず』などということわざがあるが、空海だってちゃんとした筆を選んだ方が、より力を発揮できるはずなのである。

 

明久「僕と雄二はあらゆる策を使ってこの決勝戦まで勝ち進んだ。でも君にはそんなもの通用しないよね?

だから……和真! 君は小細工なしの真っ向勝負でぶっ倒してやる!」

和真「……いいね、ククク……やっと面白くなってきたじゃねぇか!」

 

満足そうにそう言った後、〈和真〉は突如槍を真っ二つにへし折った。

 

和真「やっぱ喧嘩はそうでなくちゃなあ! 来いよ明久! 俺の全力をもって狩りとってやるよ!」

 

〈和真〉が刃先のついていない方の棒をゴミのように放り投げる傍ら、和真は実に凶悪そうな笑みを浮かべる。

獣が牙をむく行為が原点とされる、この上なく攻撃的な笑みを。

 




徹君「はいはい」(ぐぬぬぬぬぬ)
『アクティブ』のメンバーだけあって、徹君も相当の負けず嫌いなようです。
徹君はまだまだ発展途上です。
明久のように攻撃を受け流せてこそ一流。

前回と今回の和真君は説得モードでした。
あくまでも和真君にとっては趣味なので、明久が弱いままぶちのめしても意味ナインです。
しかし明久が本気になったので、次回の和真君は一切容赦しません。南無。

吉井 明久
・性質……速度重視型
・ステータス
(日本史)
攻撃力……C+
機動力……B+
防御力……C+

大幅に強化された明久の召喚獣。
このスペックに操作技術が加わるためかなり協力。
しかし戦闘の経験はあまり無いため、戦いのテクニックは佐伯 梓に劣る。

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