バカとテストとスポンサー   作:アスランLS

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【バカテスト・現代文】
次の四字熟語の意味を答えなさい。

漱石沈流

柊 和真の答え
『負け惜しみが強く、自分の意見をあくまでも押し通したり、こじつけなどが上手いこと』

蒼介「正解だ。明治の文豪・塩原金之助のペンネーム『夏目漱石』はこの四字熟語に由来する」
 

吉井 明久の答え
『gibu me 千円札!』

源太「あのよぉ……本編は現在シリアスモードなんだからもうちょっとまともな回答にしろよ……
gibu じゃなくてgiveだしな……」



闘う理由

【和真VS明久】

 

明久「ほんとにどうしちゃったのさ!? 約束が違うじゃないか!」

和真「……」

 

明久は抗議するが和真は何も言わず、容赦なく巨槍が振るわれる。

以前までの〈明久〉ならば操作性云々以前にそのスピードに着いていくことができず、なすすべもなくやられていただろう。だが、Aクラス相当の点数をとり召喚獣のスペックが大幅に強化されたことにより、〈和真〉の猛攻をなんとか紙一重で交わすことができている。

 

明久「君が勝ってしまったら、学園長は教室を改修してくれないんだよ!? そうなったら……姫路さんは転校してしまうんだよ!?」

和真「…………」

 

明久は呼び掛けるが和真はそれを無視し、〈和真〉は槍をやや短く持って明久の召喚獣に接近した。規格外の腕力から繰り出される薙ぎ払いを、しかし〈明久〉は木刀でガードする。召喚獣のスペックが大幅に上がったとはいえ、〈和真〉と〈明久〉のパワーには覆し難いほどの圧倒的な差がある。普通にガードすれば確実に木刀ごと粉砕されてしまうだろう。

しかし〈明久〉はガード直後、力が加わった方向に自発的に飛ぶことにより、木刀にかかるパワーを軽減した。

 

明久「こんなのおかしいよ! 僕達は何のためこの清涼祭を頑張って来たんだよ!? 何のために、この召喚大会に出たんだよ!? 姫路さんのためじゃないのかよ! 答えろよ和真!」

和真「………………」

 

明久が問い詰めるが、やはり和真は冷たい表情のまま何も答えない。

〈和真〉は短く持った槍をアッパーのようなフォームで殴りかかる。〈明久〉はそれをかわすが、〈和真〉は即座に槍で上からぶっ叩く。 さすがに避けきることができず、槍の先が〈明久〉の肩をかすめる。たったそれだけの接触で明久の体に絶叫してしまいそうになるほどの激痛が走るが、明久はなんとか踏みとどまる。

 

明久「和真は姫路さんがいなくなってもいいの!? あの時協力してくれると言ったのは嘘だったの!? ねぇ……答えてよ…………!」

和真「……………………」

 

明久の悲痛な問いかけに、しかし和真は冷たい表情を崩すことはない。

怯んだ〈明久〉になおも〈和真〉情け容赦ない追撃を加える。〈明久〉もなんとかその攻撃を捌いていくが、防戦一方なのば誰の目にも明らかである。

 

明久「最後はいつも皆を助けてくれたじゃないか! たまにえげつないことをしても、僕達を過酷な状況に追い込んだりしても、本当に困っているときは手を差し伸べてくれたじゃないか! どうして姫路さんをこの学校から追い出そうとするのさ!?

…………なぁ…………答えろよ…!」

和真「…………………………」

 

怒りさえ滲ませた明久の糾弾すら、和真は気にも留めることはない。

〈和真〉は〈明久〉の手に巨槍を叩きつけた。

明久の手に激痛が走り、攻撃を喰らった〈明久〉も木刀を取り落とす。いっさいの躊躇もなく、〈和真〉はとどめとばかりに巨槍を降り下ろした。

 

 

 

明久「おい…………答えろよ………この馬鹿野郎ォォォォォォォォォォ!」

 

降り下ろされた槍の側面を、〈明久〉は全力で殴りつけた。骨がへし折れたのではないかと思うほどの痛みが明久の手にフィードバックされたが、槍の軌道をずらすことに成功し、そのまま槍は地面に激突した。

 

 

《日本史》

『Fクラス 吉井 明久 195点

VS

Fクラス 柊 和真 322点』

 

真「…………お前はそれで良いのか?」

明久「え……?」

 

戦闘体制を一旦とき、槍の構えを崩させながら和真はようやく口を開き、明久に問いかけた。

 

和真「お前のその点数……この1ヶ月、お前がひたすら努力したのは試召戦争のため、ひいては姫路のため……そうだろ?」

明久「そ、それがどうしたの-」

和真「甘ったれてんじゃねぇよ!」

明久「ぐぅ!? がはぁっ……!」

 

〈和真〉は〈明久〉を殴り倒す。フィードバックの影響で思わず胃液が飛び出そうになり、召喚獣は腹を抱えてその場にうずくまる。

 

和真「相手に勝ちを譲ってもらう? そんなみっともない勝ち方でいいとでも思ってんのかよ? 」

明久「いいじゃないかそれでも! 姫路さんがそれで救われるなら! 僕は、誰かから誉められたくてこの大会に出場したんじゃない!」

 

今度は〈明久〉が〈和真〉をぶん殴った。

〈和真〉の頬が腫れ上がるが、当然本体の和真には何の影響もない。

 

和真「んなこと見りゃわかんだよ! 俺が言いてぇのはな、確かに今俺がお前に勝ちを譲りゃ今回は助かる!だがよぉ、それから先はどうするんだよ!」

明久「それから……先……?」

和真「これから先も姫路には、Fクラスには困難が待ち受けている!これは確定だ、俺の直感がそう言っている!今そんな体たらくでこの先お前は姫路を守れんのかよ!」

明久「うぐぅぅぅ…………!」

 

〈和真〉は〈明久〉に痛烈なローキックを浴びせる。

 

和真「それだけじゃねぇ! 俺達はこの先試召戦争でAクラスに勝たなきゃならねぇ! だがよぉ、俺達だって無敵じゃねぇ! 現にこの大会で俺は梓先輩にボコられた! 」

 

反撃を許さず〈和真〉の拳が〈明久〉の顔面に突き刺さる。

 

和真「俺や翔子や姫路だってやられるときはやられるんだよ! それでお前は、俺達が全滅したとしてどうするんだ? 今みてぇに相手に勝ちを譲ってて貰うよう懇願すんのか!? あぁ!?」

明久「ぐ……ぅ…………!」

 

〈和真に〉が〈明久〉を蹴り飛す。

度重なる暴行を受け、明久はあまりの激痛に意識が飛びそうになるが、気絶寸前で唇を噛み千切ることでなんとか意識を繋いだ。

 

 

《日本史》

『Fクラス 吉井 明久 102点

VS

Fクラス 柊 和真 299点』

 

 

和真「お前が大切に思っている人なら、お前の手で守れよ! 行く手に立ち塞がる障害(オレ)は、力づくで排除してみろよ!」

明久「……和真…………でも…………」

和真「お前はまだ踏ん切りがつかねぇのか…………

だったら、その甘えを絶ち切ってやるよ」

 

そう吐き捨てた後、〈和真〉は槍を投擲するモーションになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【徹VS雄二】

 

雄二「オラァッ!」

徹「ッ………!」

 

〈雄二〉のメリケンサックが〈徹〉に突き刺さる。

それに対して〈徹〉はガントレットで反撃するが、〈雄二〉はバックステップでなんなくかわす。

雄二も小暮や飛鳥と同様、フットワーク重視のヒット&アウェイ戦法、またもや徹にとって相性が悪い相手だ。それに加えて〈雄二〉の武器はメリケンサックなので、それほど操作が上手いわけではない雄二でも……

 

雄二「喰らえ!」

徹(チィッ! 顔面殴られたら流石にのけぞるか……!)

 

相手の急所を正確に突くことができる。

これでは、飛鳥と戦ったときのような戦法は通用しない。

 

 

《日本史》

『Fクラス 坂本 雄二 319点

VS

Aクラス 大門 徹 201点』

 

 

一方、雄二の方も余裕たっぷりというわけではなかった。表面上は至極余裕たっぷりの笑みを浮かべてはいるものの、内心ではもう一方の戦場が気になって仕方がなかった。

 

雄二(操作技術に一日の長があるとはいえ、それだけで明久が和真を倒せるとは思えねぇ……早いとここいつを倒してあっちに合流しねぇと……)

 

そんなことを思いながら、再び〈雄二〉は〈徹〉の顔面をぶん殴った。

 

 

 

 

しかし、

 

ガキィィィイイン!

 

雄二「なぁっ!?」

 

〈雄二〉の拳が〈徹〉の顔面をとらえたると同時に、〈徹〉の拳も〈雄二〉の顔面に突き刺さっていた。

 

 

《日本史》

『Fクラス 坂本 雄二 228点

VS

Aクラス 大門 徹 163点』

 

 

徹「本当にこの召喚大会は災難続きだよ……

自分の召喚獣を武器にされたり、女装教唆の馬鹿に出くわしたり、まともに闘った相手が皆相性の悪い相手だったり……やれやれ……

 

 

良かったことと言えば、その手の輩の対処法が手に入ったぐらいだよ」

 

勝負は、まだ始まったばかりである。




以上です。
徹君は新技『クロスカウンター』を習得した。
まあ和真君みたいなリーチの長い武器が相手だと使えないんですが。詳しい説明は次回で。

中盤の明久の召喚獣を一方的にボコるシーンでは、実は全力でていません。もしそうならもう戦死してます。
逆に、序盤の攻撃はガチで潰しにかかってます。
喰らう=致命傷です。

激化する召喚大会決勝、果たして勝つのはどちらだ?

では

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