バカとテストとスポンサー   作:アスランLS

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【バカテスト・世界史】
イスラーム教の聖典をなんというか。

姫路 瑞希の答え
『クルアーン』

蒼介「正解だ。ちなみにコーランでもOKだ」

木下 秀吉の答え
『クルーン』

飛鳥「惜しい。けどそれだと100マイルの外人投手になってしまうわ」

島田 美波の答え
『クウラ』

蒼介「それだと戦闘力53万の兄になってしまうぞ」

土屋 康太及びFクラス男子一同の答え
『成人向けの写真集』

飛鳥「……あなた達の頭にはそれしかないの?」


正体

和真「おーっす、今戻―っと、随分客増えたなオイ」

 

四回戦終了後、教室に戻った和真を待ち受けていたのは、行く前とは比べ物にならない大勢の客だった。一般公開の宣伝効果はなかなか馬鹿にならないようだ。

 

秀吉「和真、戻って来て早々悪いが接客を頼む。お主へのリクエストがかなり多いのじゃ」

翔子「……主に女性客の」

和真「ったく、息つく間も無く労働かよ……骨が折れるな」

 

軽くぼやきつつも和真は接客に回る。

基本自由気ままに振る舞う和真だが、するべきことはする男なのだ。

 

『あ、柊!さっきの試合凄かったな!』

『とても格好良かったよ柊君!』

『おめでとう!まさかアズに勝っちゃうなんてね』

 

和真「そいつはどーも、黒崎、古河、寿先輩。相討ちみたいなもんだけどな」

 

先ほどの試合を称賛する客に和真は。律儀に礼を言っていく。

 

秀吉「和真の交遊関係はどこまで広いんじゃ……」

翔子「……和真は友達が多いから」

 

この学園で和真と面識の無い人間などもういない。

 

 

 

 

 

雄二「―っと。ほぅ。なかなかに盛況じゃないか。ここまでとは予想外だ」

明久「そうだね。かなりいい感じだね」

姫路「良かった。宣伝の効果があったみたいですね」

美波「そうでなきゃ、こんな恥ずかしい格好で大会に出た意味がないものね」

 

それからちょっとして、明久達四人が戻って来た。和真達より早く試合が始まったのにもかかわらず遅れたのは、色々と誤解を解く必要があったからだ(葉月関連)。

 

葉月「あ! バカなお兄ちゃん! お客さんがいっぱい来てくれたんだよ!」

 

葉月が明久達を見つけて、店の中からトトトッと駆け寄ってきた。

 

明久「そうだね。葉月ちゃん、お手伝いどうもありがとうね」

葉月「んにゃ~……」

 

明久が頭を撫でると気持ち良さそうに目を細めている。反応が猫みたいでとても愛くるしい。

 

『お、あの子たちだ!』

『近くで見ると一層可愛いな!』

『手伝いの小さな子も教室内にいる子も可愛いし、レベルが高いな!』

 

お客さんたちの中からそんな声があがる。

 

明久(やっぱりチャイナドレスは男を惑わす効果があるね)

 

誰よりも惑わされている男が言うと説得力が違う。

 

秀吉「明久。戻ってきたようじゃな。どちらが勝ったのじゃ?」

和真「まあ大体予想つくけどな」

 

秀吉と和真がトレイ片手に明久達に寄ってくる。

訂正、和真は両手にトレイを持った上にさらにもう一つ頭に乗せている。そのトレイの上にはお客さんにだす飲茶やドリンクなども乗っているが、全く意に介さず普通に歩いてきた。目を疑うほどのバランス感覚である。

 

明久「雄二、かな?」

美波「そうね。坂本の一人勝ちね」

姫路「ですね」

秀吉「? 明久は同じチームなのに負けじゃったのか?」

和真「大方、雄二が明久もろとも敵を始末したとかだろ?」

明久「流石和真、理解が速いね」

 

ある意味明久の一人負けのような内容だったらしい。

 

明久「ちなみに和真は?」

和真「なんとか勝ちを拾った。俺の召喚獣は戦死したがな」

雄二「そんなことよりも、数少ないウェイトレスが固まっていたら客が落胆するぞ。今は喫茶店に専念してくれ」

 

気がつくとお客さんの視線がこちらに随分と集中していた。

 

姫路「そうですね。喫茶店のお手伝いをしないといけませんよね」

美波「そうね。ちょっと視線が気になるけど、売り上げの為に頑張りますか!」

葉月「はいっ。葉月も頑張りますっ」

和真「明らかに俺の負担が大きい気がするが……まあいいか」

秀吉「……ワシは一応男なのじゃが……」

明久「秀吉。絶対に性別をバラしちゃダメだからね?」

和真「もしバレたら、明日からお前は女装趣味のオカマ野郎という烙印を押されたまま生きていくことになるぞ」

 

背筋も凍るほど恐ろしい脅し文句である。間違ってはいないのだが、もう少し言い方というものがあるだろう。

 

秀吉「そ、それは嫌じゃな……。やれやれ、仕方ないのぅ……。あ、いらっしゃいませ!中華喫茶ヨーロピアンへようこそ!」

新規入店のお客さんが来た途端に秀吉の口調が変わった。

演劇部ホープの悲しい習性である。

 

雄二「さて、俺達も突っ立ってないで手伝うか」

和真「そうだな~(ガッチャガッチャ)」

雄二「和真、それ心臓に悪いからやめろ」

和真「仕方ねぇだろ、仕事多いんだから」

明久「せめてスキップで移動しないで、お願い」

 

 

 

 

 

 

 

 

和真「……さて、そろそろだな。行くぞー、お前ら」

明久「ほーい。それじゃ、準決勝に行ってくるね」

姫路「はい。四人とも頑張ってくださいね」

翔子「……わかった。絶対に勝ってくる」

雄二「そうはいくか。勝つのは俺達だ」

 

喫茶店の中で動き回ること一時間。いよいよ準決勝の時間となった。

決勝戦は明日の午後に予定されているので、今日の試合はこれで最後になる。

そして対戦カードは…

 

『二年Fクラス 柊 和真

二年Aクラス 大門 徹

VS

三年Aクラス 夏川 俊平

三年Aクラス 常村 勇作 』

 

『二年Fクラス 吉井 明久

二年Fクラス 坂本 雄二

VS

二年Fクラス 霧島 翔子

二年Aクラス 木下 優子』

 

和真「常夏コンビが相手か……きっちり引導を渡してやるぜ。つーことでじゃあな、お前らも頑張れよ!」

 

三人を激励を送った後、和真は明久達とは別の特設ステージに移動しにいった

翔子「……雄二、負けないから」

 

雄二達に宣戦布告をした後、翔子は特設ステージの反対側に移動しにいった。

 

雄二(この試合だけは負けねぇ……負けられねぇ!)

 

いまだかつてないほど雄二の闘志は燃え上がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

竹原「―では、私が合図すると同時に実行しろ、わかったな?」

 

電話ごしの相手の了承を確認すると、竹原は通話を切った。

 

?「……教頭、吉井君達が勝てば、やはり例の作戦を実行するのですか?」

竹原「ああ。あのバカどもが勝つことは無いとは思うが、念のためだ。Fクラスの従業員どもをエサにあいつらをおびき寄せ、少々痛めつけてもらう。明日の決勝戦を棄権せざるを得ない程度にな。坂本は中学時代有名な不良だそうだがこちらの用意した人数は50人、万に一つも勝ち目など無いだろう」

?「………………」

 

竹原の作戦を改めて聞き、男は苦渋に満ちた顔になる。

 

竹原「どうしたんだね?」

?「……やはりこの作戦はどうかと思うのですが。流石に生徒を傷つけるやり方は……」

竹原「まだそんなことを言っているのか君は」

 

男の否定的な意見を聞き、竹原は呆れた表情になる。

 

竹原「あのバカどもが怪我をしようが誰が悲しむ? あいつらはもともといない方が世の中のためであるくらいの、正真正銘のクズどもなのだよ」

?「………では。では人質にされる生徒はどうなのですか?あのような連中が彼女達に手をださない保証は―」

竹原「それがどうした?」

 

男の反論を竹原が遮る。まるでどうでもいいと言わんばかりの表情で。

 

竹原「まったく、君は優秀だが少々甘すぎるな、

 

 

 

 

 

 

 

 

綾倉先生」

 

綾倉「…………」

 

教頭の呆れたような物言いに綾倉は押し黙る。

 

竹原「いいか、我々の計画が成就すれば文月学園は解体される。そうなれば彼女達と私達は生徒と教師の関係ではなくなるのだよ。無関係な小娘がどうなろうと知ったことではないだろう?」

綾倉「………………そう、ですね」

竹原「わかったかね。なら話は終わりだ。職員室に戻りたまえ。君が教頭室にいるところを学園長に見られると、いろいろとまずいことになるのでね」

綾倉「…………失礼します」

 

それを聞き、綾倉は踵を返し教頭室を立ち去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、というわけでコナンスーツの男の正体は、三年学年主任の綾倉 慶先生でした。しかしどうやらなにか訳ありのご様子です。
果たして……?

あと、この作品では竹原の救済とかはありません。
全世界1億7000万の竹原ファンの皆様、申し訳ない。

では。

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