大和絵の一派である住吉派の住吉如慶の子で、江戸幕府御用絵師として活躍した人物は誰か。
柊 和真の答え
『住吉 具慶』
蒼介「正解だ。ちなみに『洛中洛外図巻』、『東照宮縁起絵巻』などが代表作だ」
飛鳥「幕府の御用絵師は当時『狩野派』の独占状態だったから、彼が召し抱えられたことがどれだけ凄いかがわかるわね」
島田 美波の答え
『住吉 愚兄』
蒼介「まだ漢字には慣れていないようだな」
飛鳥「これだとただのバカ兄貴になるわね」
木下 秀吉の答え
『吉井 明久』
蒼介「微妙に島田の答えとリンクしているな」
飛鳥「愚兄=バカなお兄ちゃん=吉井君ってことね……」
秀吉「で、三回戦は不戦勝じゃったと?」
明久「うん。食中毒で棄権したんだ」
Fクラス教室内で、秀吉、和真、翔子、明久、雄二が話し合う。
あれから色々あって常夏コンビを取り逃がした後、慌てて会場に向かった三回戦だが、対戦相手がまさかの食中毒で棄権という拍子抜けの結果だった。
和真「ったく、こっちは激戦だったってのになにもせず勝ち抜くとはいい身分だなオイ」
こんな言い方をしているが戦闘狂の和真のことだ、同じことが自分に降りかかれば間違いなくがっかりしていただろう。
秀吉「ならば、済まぬがこっちの立て直しに協力してくれんか?」
雄二「そうだな。一度失った客を取り戻す為にも、何かインパクトのあることをやる必要がありそうだな」
教室の中は相変わらず空席だらけ。悪評の元は潰したが、流れた噂はどうしようもない。ここらで一つ大きなことをやらないとお客さんは来てくれないだろう。
翔子「……雄二、どうするの?」
教室内を見渡しても、できそうなことは特に無い。
雄二「任せておけ。中華とコレでは安直過ぎる発想だが、効果は絶大なはずだ」
そう言って雄二は見事な刺繍の入ったチャイナドレスを数着取り出す。
秀吉「ほう。若干裾が短いような気もするが、こるならば確かにインパクトはあるじゃろうな。コレを宣伝用に―」
雄二「ああ。コレを明久と和真が―」
ドゴォォォォォ!
雄二が言い終わる前に、和真は雄二の後頭部を片手で掴み、顔面から床に叩きつけた。
雄二「いだぁぁぁ!?」
和真「さて、今からお前の土手っ腹に『ネオタイガーショット』を喰らわせるが、遺言があるなら聞いてやる」
床でのたうち回る雄二を恐ろしく冷たい目で見下ろし、シュート体勢に入りながら和真は死の宣告をする。
雄二「待て待て待て待て待てぇぇぇ!冗談!冗談だからよせぇぇぇ!」
ぶつかった衝撃で鼻から血を流しながら猛然と命乞いをする雄二。和真の脚力で無防備の腹にネオタイガーショット(タイガーショットよりも力強く蹴ること)なんか喰らったら最低でも病院送り間違いなしだ。
和真「お前は知ってたよな?俺がそれ(女装)を勧めてくるバカに、どれだけストレスとイライラとフラストレーションが溜まってるかを。それを知った上であんなふざけた提案をするってことは、命がいらねぇと考えていいよな?」
雄二「待てぇ!一旦落ち着こう!穏便に済ませよう!」
和真「まあ遺言云々は冗談だ。安心しろ、10分の9殺し程度で勘弁してやるから」
雄二「安心できねぇよ!?もうそれほとんど死んでるからな!風前の灯火だからな!」
翔子「……和真、そろそろ許してあげて?」
和真「ったく、しょうがねぇな……まあ十分追いつめたし、これくらいにしといてやるよ」
ひと通り雄二を苛めて満足したのか、和真は矛を収める。
秀吉「それで、結局誰が着るのじゃ?」
雄二「翔子と秀吉と姫路と島田に着てもらうつもりだ。翔子、頼めるか?」
翔子「……わかった」
秀吉「ワシが着るのは冗談ではないのかのぅ……?」
雄二「それから、和真」
和真「今度こそ死ぬか?」
雄二「違ぇよ!これだよ!」
そう言って和真に男性用のチャイナ服を渡す。
和真「それあるなら最初から出せよ……お前完全にやられ損じゃねぇか」
やった本人が言うのはいかがなものかと。
美波「たっだいま~!って、なんだ。アキってばメイド服脱いじゃったんだ」
姫路「あ……残念です。可愛かったのに……」
葉月「お兄ちゃん。葉月もう一回見たいな~」
三回戦を終えた二人が教室に帰って来た。
明久「あはは。残念ながら、ただで人のコスプレを見られるほど世の中甘くないよ?」
邪悪な笑みを浮かべ、明久は姫路達に近づいていく。
雄二「そういうことだ。姫路に島田、クラスの売り上げの為に協力してもらうぞ」
雄二と明久はエモノを逃がさないように、チャイナを片手に退路を断つ。
姫路「な、なんだか二人とも、目が怖いですよ……?」
美波「凄く邪悪な気配を感じるんだけど……」
和真(どう見ても変質者だな、この絵面)
雄二「やれ、明久!」
明久「オーケー!へっへっへっおとなしくこのチャイナ服に着替え「タイガーショット!(ドゴォ)」痛ぁっ!マジすんませんした!自分チョーシくれてましたっ!」
雄二「弱いな、お前……というかタイガーショット流行ってんのか?」
和真「ただ思いっきり蹴ってるだけだけどな」
美波「どうしてまた、急にそんなことを言い出すのよ?前に須川はチャイナドレスを着たりすることはない、って言ってたじゃない」
雄二「店の宣伝の為と、明久の趣味だ。明久はチャイナドレスが好きだよな?」
明久(え!?そんなこと急に言われても……本当は大好きだけど、なんだかそういった趣味を知られるのも恥ずかしい気がする。ここは上手くお茶を濁す程度で誤魔化そう)
「大好―愛してる!」
雄二「……お前は本当に嘘をつけないヤツだな」
明久は決して政治家にはなれないだろう、色んな意味で。
美波「し、仕方ないわね!店の売り上げの為に、仕方なく着てあげるわ!」
姫路「そ、そうですね!お店の為ですしね!」
そう言って二人はそれぞれ服を手に取る。
実に現金な奴らである。
葉月「お兄ちゃん、葉月の分は?」
明久「え?葉月ちゃんも手伝ってくれるの?」
葉月「お手伝い……?あ、うん!手伝うから、あの服葉月にもちょうだい!」
明久(なんて良い子なんだ。美波の妹とは思えない)
口に出さない辺り明久も少しは成長したようだ。
明久「けど、ごめんね。気持ちは嬉しいんだけど、葉月ちゃんの分は数が―」
ムッツリーニ「…………!!(チクチクチクチク)」
明久「ム、ムッツリーニ!どうしてそんな凄い勢いで裁縫を!?って言うかさっきまでいなかったよね!?」
ムッツリーニ「…………俺の嗅覚を舐めるな」
彼のセリフは字面だけ見ればとてもカッコいいセリフが多い。ほぼ内容が台無しにしているが。
姫路「それじゃ、着替えて来ますね」
そう言って姫路と美波はチャイナドレスを抱えて教室を出て行った。
和真「…よっと、着替え完了」
明久「早っ!?」
さっきまで制服だったのにいつのまにか和真がチャイナ服に着替え終わっていた。
明久「しかし……なんというか、拳法とか使えそうだね」
和真「そういう型にはまったの俺はあんま得意じゃねぇな」
ムッツリーニ「…………できた」
葉月「わ、このお兄さん凄いです!」
神の如きスピードでムッツリーニで葉月用のチャイナドレスを完成させていた。
下心が絡んだムッツリーニに不可能は無い。
秀吉「ふむ。それでは着替えるとするかの」
明久「ちょ、ちょっと秀吉!ここで着替えるの!?きちんと女子更衣室で着替えないとダメだよ!」
秀吉「……最近、明久がワシの事を女として見ておるような気がするんじゃが」
雄二「気のせいだ。秀吉は秀吉だろう」
明久「うん。雄二の言うとおりだよ。秀吉は性別が『秀吉』で良いと思う。男とか女とかじゃないさ」
雄二「……俺が言ったのはそう言う意味じゃない」
明久「……あれ?違った?」
葉月「んしょ、んしょ……」
ムッツリーニ「……………!!(ボタボタボタ)」
明久「は、葉月ちゃん!キミもこんなところで着替えちゃダメだよ!ムッツリーニが出血多量で死んじゃうから」
和真「前々から思ってたけど、こいつ普段あんな感じなのにウブ過ぎるだろオイ……」
大量に出血しているはずなのに、鼻を押さえているムッツリーニは心から幸せそうだった。
というわけで、雄二ドンマイ……
和真君はリアルファイト最強クラスの設定なのに、攻撃描写は初めてです。
普段は暴力とか振るわない(言葉の暴力は別)和真君ですが、女装関連とスポーツ関連では本物の鬼になります。
今回は徹君をフルボッコにした小暮さんです。
小暮 葵
・性質……速度重視&防御度外視型
・総合科目……3700点前後 (学年5位)
・400点以上……古典
・ステータス
(総合科目)
攻撃力……B+
機動力……A+
防御力……D+
・腕輪……まだ不明
素早い動きで翻弄し、相手の隙を突く戦術。
徹や久保のようなタイプに強く、余程のことが無い限り負けはしない。
逆に和真のような多彩かつ広範囲攻撃が可能なタイプとの相性は最悪。