ギャグ100%です。
ここはモンスリー王国
人々は平和に暮らし、大地は豊かな緑に覆われ空には鳥が舞い、穏やかな風が綿雲を運んでいた
だがある日、空に闇が滲み、大地に邪悪な影を落とした
大魔王カヲルシフェルが永き眠りから目覚めたのだ!
次々に魔物を生みだし、人々を襲い殺戮の限りを尽くした
この世界は暗黒の時代を重ね、いつしかこう呼ばれるようになった……
“モンスター・ワールド”
残された人々は脅え、泣き叫び、己が生を呪った
だが、そこに一人の勇者が立ち上がった
希望の光を剣に宿し、三人の仲間を連れ、カヲルシフェルを倒すべく大地に一歩踏み出そうとしていた
「勇者・ユージ!」
「武闘家・アキヒサ!」
「武闘家・カズマ!」
「…武闘家・ショーコ!」
目指すは悪の根城・カヲール城!
魔王と勇者の対決が、今幕を開け-
ユージ「ちょっと待て」
アキヒサ「どうしたのさユージ?まだナレーションの途中だよ?」
ユージ「………………違う」
カズマ「は?」
ユージ「お前らおかしい。
なんでパーティーの4分の3が武闘家なんだよ?
どう考えてもバランス悪いだろうが」
ショーコ「…そんなこと言われても困る」
カズマ「俺達はそれぞれ代々続く武闘家の家系だからな」
ユージ「いや、そういうのいいから。こんなパーティーでカヲルシフェル倒せるわけねぇだろ。都合の良いことにそこに転職できる店があるからジョブチェンジしてこい」
カズマ「やれやれしかたねぇな…ソウスケ、ナレーション中盤くらいからもう一回頼むわ」
仕方ないな…
残された人々は脅え、泣き叫び、己が生を呪った
だがそこに一人の勇者が立ち上がった
希望の光を剣に宿し、三人の仲間を連れ、カヲルシフェルを倒すべく大地に一歩踏み出そうとしていた
「勇者・ユージ!」
「盗賊・アキヒサ!」
「山賊・カズマ!」
「…海賊・ショーコ!」
目指すは悪の根城・カヲール城!
魔王と勇者の対決が、今幕を開け-
ユージ「待てこら」
アキヒサ「なんなのさユージさっきから」
ユージ「なんだよお前らその職…」
カズマ「文句あんのか?ちゃんとバラバラじゃねぇか」
ユージ「勇者、盗賊、山賊、海賊ってどんな団体だよ!?俺以外どう見ても無法者集団じゃねぇか!」
ショーコ「…ユージも他人の家のタンス勝手に開けてお金とか取っていくから同じ穴の狢」
ユージ「そこはツッコむなよ!RPGの仕様なんだから!とにかく、もう一回転職してこい!」
カズマ「またかよ…ソウスケ、もう一回!」
やれやれ…
残された人々は脅え、泣き叫び、己が生を呪った
だがそこに一人の勇者が立ち上がった
希望の光を剣に宿し、三人の仲間を連れ、カヲルシフェルを倒すべく大地に一歩踏み出そうとしていた
「勇者・ユージ!」
「スライム・アキヒサ!」
「ゴーレム・カズマ!」
「…ドラゴン・ショーコ!」
目指すは悪の-
ユージ「はいカットォォォ!」
アキヒサ「今度はなんなのさ?」
ユージ「お前ら自分の外見見ておかしいと思わないのか!?いつからこの話は『ユージのワンダーランド』になったんだよ!?」
ショーコ「…味方が人間だけだと考えてる時点で常識に囚われている証拠」
ユージ「囚われてていいから、その常識には。これじゃ明らかに俺が魔物勢力側だと誤解されるじゃねぇか。物資の調達とか宿とかはどうするつもりなんだよ?」
カズマ「そんな物その辺の村から略奪してくれば解決するだろ?」
ユージ「完全に悪党じゃねぇか……勇者のする所業じゃねぇよ……とにかくこんなもん認められるか!もう一回行ってこい!」
カズマ「ったく、我が儘だな…ソウスケ、ワンモアセット!」
全然進まないな…
残された人々は脅え、泣き叫び、己が生を呪った
だがそこに一人の勇者が立ち上がった
希望の光を剣に宿し、三人の仲間を連れ、カヲルシフェルを倒すべく大地に一歩踏み出そうとしていた
「勇者・ユージ!」
「オルゴデミーラ・アキヒサ!」
「ラプソーン・カズマ!」
「…ダークドレアム・ショーコ!」
目指すは悪の-
ユージ「お前ら正座ァァァ!」
アキヒサ「またぁ!?」
カズマ「ほんとめんどくせぇなお前」
ユージ「誰がモンスターの格を上げろっつたよ!?なんで魔王退治しに行くメンバーが魔王引き連れてんだよ!?」
ショーコ「…毒を持って毒を制す」
ユージ「やかましいわ!というかよく転職できたなそれ!?……とにかく、もう一回行ってこい!もっと普通のやつな」
カズマ「ほんと注文が多いな…ソウスケェ!泣きの一回!」
もしやこのまま終わるんではないだろうな…
残された人々は脅え、泣き叫び、己が生を呪った
だがそこに一人の勇者が立ち上がった
希望の光を剣に宿し、三人の仲間を連れ、カヲルシフェルを倒すべく大地に一歩踏み出そうとしていた
「勇者・ユージ!」
「派遣社員・アキヒサ!」
「正社員・カズマ!」
「…公務員・ショーコ!」
目指すは-
ユージ「違ぁぁぁぁぁう!」
アキヒサ「いい加減にしてよユージ!」
ショーコ「…全然話が進まない」
ユージ「こっちのセリフだ!番外編だからって好き放題ボケ倒しやがって!」
カズマ「なんだよ、ちゃんと普通の職業だろ?」
ユージ「いや確かに普通だけど普通じゃねぇよ!世界観にまるで合ってねぇし!だれがこの集団見て魔王を倒しに行く勇者一行だって気づくんだよ!」
アキヒサ「やっぱり安定した職業が一番だよね」
ユージ「そんな一般論どうでもいいわ!大体そんな装備でどうやってモンスターを倒すんだよ!?」
カズマ「そりゃ勿論この名刺手裏剣を使うんだよ」
ユージ「地味過ぎるし弱過ぎるしシュール過ぎるわ!もう一回行ってこいゴルァ!」
カズマ「短気だなぁ…ソウスケェ!」
私もさっさと休みたいんだがな…
残された人々は脅え、泣き叫び、己が生を呪った
だがそこに一人の勇者が立ち上がった
希望の光を剣に宿し、三人の仲間を連れ、カヲルシフェルを倒すべく大地に一歩踏み出そうとしていた
「勇者・ユージ!」
「ピザ屋・アキヒサ!」
「プロゴルファー・カズマ!」
「…マッチ売りの少女・ショーコ!」
目指すは悪の根城・カヲール城!
魔王と勇者の対決が、今幕を開けたのだ!
ユージ「……………………もうこれでいいか……」
続く?
以上です。
要望があれば巻と巻の間に続きを挟んでいきます
では。