今回の話は別にいらない気がしますが気にしないでください。
和真「……さて、さっきの敗戦の反省会でもするか」
流石全国区、運動神経抜群でもラクロス未経験者ばかりのチームではさすがに無茶だったのか、結成以来初の敗北を喫してしまった『アクティブ』。
どことなく雰囲気がギスギスしている。
源太「ったく。あのとき徹が俺のパス捕り損なうから…」
徹「なんだと?あれは源太のパスが荒いのが悪いんじゃないか。責任を僕に押し付けるな」
『アクティブ』随一の犬猿コンビがここぞとばかりにお互いを貶し合う。
源太「んだとぉ!?あの程度のパスくらい捕れねぇ奴が全国レベルに対抗できるとでも思ってんのかよ!『アクティブ』の面汚しがよぉ!」
徹「それはこっちのセリフだよ。あんな繊細さの欠片もないパスで全国区に挑もうなどお笑い草だよ。なーにが『アクティブ』は無敵だ!だよ、お荷物のチンピラ君?」
源太「誰がチンピラだこのクソガキィィィ!」
徹「誰がガキだゴルァァァァァ!」
レベルの低い争いからそのまま殴り合いに発展する二人。というか、途中からラクロス関係無いじゃないか。
優子「やめなさい二人とも!喧嘩していたら進まないでしょ!」
二人「弟に男子からの人気負けてる残念女は黙ってろ!」
優子「なんですってぇぇぇぇぇ!」
喧嘩を収めようとした優子も密かに気にしているコンプレックスを刺激され参戦、三つ巴のキャットファイトが繰り広げられる。
和真「あーもう喧嘩すんなお前等!」
蒼介「まったくだ!見苦しい!」
業を煮やした和真と蒼介が止めに入る。
『アクティブ』の中心の二人の渇により三人は取り敢えず矛を収める。
優子「代表…和真…」
源太「いや、でもよ…」
和真「でももストもねぇよ。くだらねぇことで争うなよ」
蒼介「そもそも今回の敗北は個人のではなくチームの敗北、その理由を誰かに押し付けようなど言語道断。恥を知れ」
優子「…そうね。ごめんなさい、熱くなってしまったわ」
源太「それもそうだな…スマン」
徹「まあ仕方ないね、謝っておいて上げるよ」
和真「あぁ?」
他の二人が素直に謝罪する中、器も小さく空気も読まない徹の物言いにイラッとする和真。
和真「…………そんなんだからお前は成長しねぇんだよ、中身も“見た目”も」
徹「なんだと和真テメェェェ!」
和真「ていっ」
徹「がふぅっ!?」
和真に殴りかかるが足払いされて顔面を強打する徹。とても痛そうだ。
蒼介「やめろ大門!カズマも煽るな馬鹿者!」
和真「わりぃ、徹の返しがすごくイラッとしてつい」
蒼介「それについては私も同感だが、このままでは話が進まないだろう」
和真「まあそれもそうだな。それに、よく考えたら試合の反省会よりすることがあったな」
そう言うと和真はおもむろに立ち上がり、皆に向かって話す。
和真「俺達は今日初めて敗北した。相手はラクロスの全国レベル、連携も俺達とは比べ物にならなかった。そして向こうには絶対的なスコアラー・沢渡がいる。今の俺達では何度やっても結果は同じだろう。そこで一つ確認の意味も込めて聞きたい」
一旦言葉を切り、全員を見回してからこう告げる。
和真「お前等、このままでいいのか?」
このまま負けたままで終わるのか?そういう和真の問いに対して、
源太「いいわけねぇだろ!」
蒼介「愚問だな」
優子「もちろんリベンジするわよ!」
徹「この屈辱は、倍にして返すよ!」
チーム全員の思いは一つになった。
和真「…よし!ではこれから暫くラクロス練習期間に入るぞ!数ヶ月後にリベンジだ!」
和真がそう言うと五人は輪になって中央に手をかざした。
『おぉー!』
チーム『アクティブ』の闘いは続く。
明久「うぅ………大事な食費が……」
時刻は四時半。
ようやく姫路と美波から解放された明久は大分軽くなった財布を携え、家の近くの河原で黄昏ていた。16歳とは思えないほど哀愁が漂っている。
明久「明日から断食修行が始まっちゃうよ……この若さで悟りなんか開きたくないなぁ……」
仏門では修行だけでは悟りを開くことはできないとされているのだが、明久は当然そんなことは知るよしもない。
というか、そんななし崩し的な断食で開けてたまるか。
もっとも割り勘にしておけばここまでの被害を受けることはなかったのだが。食費がピンチなのに自分から進んで奢りに行く姿勢はある意味とても男らしい。
明久「………………試召戦争、負けちゃったな」
ふと明久の脳裏に今日の出来事がフラッシュバックする。
負けてしまったので、3ヶ月間は試召戦争を申し込むことはできない。
その上さらに設備を落とされてしまった。
姫路の為により良い設備を手に入れようと試召戦争を始めたのに、逆に悪化させてしまったのだ。
明久「……肝心のAクラス戦では、何の役にも立てなかったな」
明久はそのことを悔やんでいた。
確かに自分は雄二に捨て駒として扱われた。
だが自分にAクラスを倒せる力があれば話は別だったただろう。自分がバカであることを今日ほど恨めしかったことはない。
明久「かといってそんなすぐ成績が伸びるわけないし……このままじゃ、三ヶ月後も役立たずのまま戦死しちゃうだろうな……はぁ」
「随分と憂鬱そうな顔だなぁ、少年」
明久「そりゃ憂鬱にもなるよ…頑張ってる人が報われないのが悔しくて始めたのに……」
明久(………………………え?僕、誰に話しかけられたの?)
横を向くといつの間にか男性が隣に腰かけていた。
所々はねまくったボサボサの黒髪
覇気の欠片も感じない濁った目
あまり手入れされていない口元の無精髭
他にも着ているスーツがぐしゃぐしゃだったりボタンがきちんと留められていなかったりシャツがはみ出ていたりネクタイがゆるゆるだったり……
明久(………………………………ふむ)
「? なんだよ人のことじろじろ見て」
明久「なんだ、ホームレスの人か」
「ストレートに失礼だなオイ…」
謎の男性は呆れたようにツッコむ。
「おっちゃんはこう見えても会社員だよ。こんなナリしてんのはただ性格がズボラなだけだ」
明久「ズボラにも限度があるでしょ…というかおっちゃん、なにしてるんですか?まだ夕方なのに」
謎の男性、改めおっちゃんにそんなことを聞く明久。確かに平日のこんな時間に河原でのんびりしているのは不自然だ。
おっちゃん「ああ、だるくなったんで早退したんだよ。残業など死んでもやってたまるかアホらしい」
明久「…………あぁ……そうですか」(この人…………ダメ人間の代名詞だ)
おっちゃん「話を戻すが、何をそんなに落ち込んでたんだ?」
明久「え?……ちょっと自分の無力さを痛感していたというか」
こんな胡散臭いおっちゃんに悩みを打ち明けるなど正気の沙汰ではないが、誰でもいいから聞いて欲しかった明久は内容を抽象的に告げる。
おっちゃん「ふーん…お前さん文月学園の生徒だろ?ということは……試験召喚戦争がらみか?」
明久「…え!?なんでわかったんですか!?」
おっちゃん「あそこほど世間の注目を集めている学校はねーよ。なにしろ四大企業全てがスポンサーを買ってでたとこだからな」
総合計で世界資本の5%近くを保有する四大企業は社会への影響力も極めて強い。その四大企業が支援する文月学園は世間からの注目をとても浴びている。もし試験召喚システムがシステムが全世界の学校教育に取り入れられることになれば、数百億単位のお金が動くことになるからだ。
おっちゃん「まあ十中八九点数が低いからクラスの役に立てなかった、とかだろ?みるからにバカっぽいしな、お前」
明久「全部ばれた!?というか初対面の相手にバカって失礼過ぎませんか!?、」
おっちゃん「人をホームレス扱いしたお前に言われたくねーよ」
明久「ぐ……なんで僕はこんな小汚いおっちゃんに常識を説かれているんだ…」
おっちゃん「ほんと失礼だなお前……まあいい。年上として、一つお前にアドバイスしてやるよ」
突如真剣な顔つきになるおっちゃん。
明久「アドバイス……ですか?」
おっちゃん「ああ…………何事もいっぺんにしようとするな。自分にできないことは一つずつできるしていけばいい」
明久「一つずつ…か…」
おっちゃん「例えばすぐに結果を出したけりゃ暗記科目を取り組め。お前みたいなバカでも数をこなしゃ結果はでるさ」
明久「バカは余計だけど……なるほど……」
八方塞がりだった明久に光が差したような気がした。
明久「……よし、やってみよう。
ありがとうございました!ホームレスのおっちゃん」
そう言って明久は帰っていった。
おっちゃん「だからホームレスじゃねぇっつの…」
愚痴るように呟いたあと、河原に設置された自販機に近寄る。三つ葉に玄武、“御門エンタープライズ”のマークがついている煙草の自販機だ。
おっちゃんは小銭を数枚入れ煙草を購入し、一服しようと箱を開けたとき、ポケットから着信音が鳴り響いた。
おっちゃん「はいもしも-」
『どこほっつき歩いてやがるんですかぁぁぁ!まだ勤務時間でしょうがぁぁぁ!』
電話に出るや否や怒鳴り散らす女性の声。
相当怒っているようだ。
おっちゃん「おう、キュウリか」
『桐生(キリュウ)です!そのアダ名いい加減やめてって言ってるでしょ!?』
おっちゃん「黙れ。お前の呼び方は俺が決める」
『横暴過ぎる!』
おっちゃん「なんの用だよ?今日の分の俺の仕事はもう片付けたからもう帰っていいだろ?」
『いいわけないでしょ!?毎回いってますけど勝手に帰らないでください!苦情は私に来るんですからね!とにかく今すぐ会社に戻-』
おっちゃん「却下だボケ」ピッ
強引に電話を切った後、電源を切りかけ直せないようにする。よほど行きたくないらしい。
おっちゃん「どいつもこいつも仕事仕事……ったく、俺の味方はいつだってニコチンだけだぜ…」
一服しながらそう呟いた。
雑談コーナー・その1
蒼介「第一巻が無事終了したな」
和真「それはいいけど、なんだよこのコーナー?」
蒼介「このコーナーでは巻の終わりの間に主に本編ではできない話などをしていくコーナーだ。本編中はメタ発言はなるべく控えているからな」
和真「なるほどな。でも俺達二人だけで進めるのはなんか味気無ぇから誰か呼ぼうぜ」
蒼介「ふむ、それもそうだな。では誰をゲストに呼ぶかはお前が決めてくれ」
和真「あいよ!じゃあ今回は第一巻ではろくに出番の無かった不遇ヒロイン、橘 飛鳥を呼んだぜ!」
飛鳥「……間違ってないけどもうちょっと言い方ってものがあるでしょう」
蒼介「基本的にFクラス目線で進んだため出番が少ないのは大門や五十嵐も同じだが、お前に至っては試召戦争すら参加しなかったからな」
飛鳥「まあ仕方ないわよ。私の成績では代表戦に出るには力不足だし」
和真「それがな飛鳥、実は当初お前も闘う予定だったんだぜ?」
飛鳥「…え?どういうこと?」
蒼介「オリジナルキャラクターが追加された分、当初vsAクラスは七対七の形式で進める予定だったんだが…」
和真「二つ追加されたら雄二は万全を期して科目選択権がある方に俺を入れるだろ?Aクラス側で追加されるのはお前と佐藤。で、選択権がある方には全科目同じような点数のお前じゃなくて理数系の点数が高い佐藤が入るだろう」
飛鳥「ということはつまり……」
蒼介「ああ、カズマVS飛鳥という構図になってしまう。開始直後カズマの一斉砲撃を浴びて終了だ。流石にデビュー戦がそれではあんまりなのと、カズマ無双が4回目になり読者も飽きるだろう、ということでお前の出番はカットされたんだ」
和真「久保と姫路の闘いは決定事項だったし、仮に俺が優子、お前が翔子と当たっても似たような結果になるしな」
飛鳥「そんな裏話があったなんて……」
蒼介「安心しろ、お前は私と違ってこの後に出番がいくつも用意されている。闘う機会はいくらでもある」
飛鳥「それなら構わな……私と違って?蒼介、この後出番ないの?」
蒼介「そういうわけではない。仮にも第二の主人公なのだから出番は結構ある。ただ、召喚獣で闘う機会はかなり少なくなるだろう」
飛鳥「え、どうしてなの?」
和真「率直に言うと強すぎてバランスが崩壊するんだよ。だから今後はさまざまな理由でソウスケが闘う機会はカットされる。まあラスボスなんだし、最終戦まではどっしり構えていた方がいいだろ」
蒼介「まことに遺憾で不満で不本意だが、仕方なく渋々泣く泣く嫌々同意した」
飛鳥(あ……やっぱり闘いたかったんだ……)
和真「それじゃあそろそろ本題に入るか」
蒼介「そうだな。まず最初に、読者の皆はこれについてどう思う?」→和真「」
和真「名前を台詞の前に着けているのは誰が喋っているかわかり易いようにという配慮なんだが、もし『んなもんいるかボケェ!邪魔なんだよとっとと外さんかいワァァァレェェェ!』という人は直接メッセージを送ってくれ。何人か集まったら即、外す」
飛鳥「いつの時代のチンピラよそれ…」
蒼介「続いては巻と巻の間に投稿しようと思っている番外編についてだな」
飛鳥「この後にも二巻が始まる前に番外編を二つ挟むつもりね」
和真「今後も巻と巻の間に番外編をいくつか入れていくつもりだ。そこで……どんな番外編をして欲しいか募集しようと思う」
飛鳥「なんでそんなことを?作者が話を考えるの面倒だから?」
蒼介「いや、以前書かれた感想に『~して欲しい』という内容があったんだが、作者は最終話までの構成はおおまかにできているため、小さいことならともかく大がかりな変更はできないんだ」
和真「その点番外編は本編と関係ないからどんだけはっちゃけてもいいしな」
飛鳥「その認識はどうかと思うけど…なるほど、折角提案してくれたんだし、あまり無下にはしたくないものね」
蒼介「そういう訳で、『○○が○○する話』といった意見があるなら、同じく直接メッセージを送って欲しい。どの案を採用したかは次回からのこのコーナーで随時発表していく。全て採用することはできないかもしれないが、可能な限り実現させよう」
和真「ただし一人につき一つで頼むぜ。本編が進まなくなっちまうからな」
飛鳥「巻と巻の間に最多で3つづつ載せていくわ。多すぎたら本編が進まなくなってしまうからね」
蒼介「続いては0.5巻についてだな」
飛鳥「この作品の主人公はあなた達二人だから、カットせざるを得ない話がいくつかあるわね」
和真「明久達の一年生の頃の話とか、それぞれの小学生時代とかな。一年生の頃の話は俺達の目線で進めればいいが、それぞれの小学生時代はなぁ……」
蒼介「私達が絡まない以上原作通りになってしまうからな。他にも木下姉弟の入れ替わりの話は物理的に不可能になってしまったな」
和真「まあ代わりの話は用意しているけどな。翔子と雄二はどうやって和解したのか、とかな」
飛鳥「読者の皆様、原作キャラ達の過去話を詳しく知りたい人は、原作を読みましょう」
蒼介「さて、ラストだ。いくつかある疑問を解決していく」
和真「まず一つ目は、なぜタイトルが『バカとテストとスポンサー』なのにスポンサーがあんまり出てこないのか?だな」
飛鳥「それは私も気になっていたわ」
蒼介「別に構わないだろう?『炎のゴブレット』もタイトルにまでなっておいて、蓋開けたらただの抽選装置だったのだし」
飛鳥「いやそういう問題!?」
和真「そんなもんドンキで買ってきたビンゴマシーンでいいだろ別に」
飛鳥「いいわけないでしょ!?魔法使い達の祭典の代表者をそんな物で選んでたらシュール過ぎるわよ!」
蒼介「まあ冗談はさておき、一巻はクラス同士の試召戦争がメインのため、スポンサー云々は話に絡まないからだ。四大企業なついてはこれから先徐々に明らかになっていく」
和真「まあ関係者のお前等が学園にいる以上、嫌でも関わってくるだろうしな」
蒼介「続いての疑問は、この内容をなぜバカテスでするのか?だな」
飛鳥「まあ明らかに世界観がずれているものね。ギャグも少ないし、バトルがガチ過ぎるし、知略より根性に重きを置いているように見えるし……」
和真「まあ作者はあんな感じの泥臭い漫画や小説が好きだしな」
蒼介「作者がバカテスの二次創作を書こうと思ったのは、友人からバカテスの小説全巻頂いたからだ」
和真「それで、全部読破したことだし折角だから書いてみようと思って投稿を始めた、と」
飛鳥「短絡的にもほどがあるわね…」
蒼介「以上だ」
和真「次回、バカとテストとスポンサー番外編『伝説の勇者ユージ』!絶対読んでくれよな!」
飛鳥「大丈夫なのその話?すごく長そうなんだけど」
和真「大丈夫だ。一話で終わるから」
飛鳥「……え?」