……はい、皆さんがおっしゃりたいことは重々承知しております。耳をすませば「もう節分も過ぎてもうたわアホ!」という鋭いツッコミが聞こえてきます……。
ここまで投稿が遅れた理由はですね……正月ボケを引き摺り過ぎて執筆意欲がまるでわかなかったからですハイ……。
それでは気を取り直して……いよいよアドラメレク一派との最終決戦スタートしますが、その前にSBF準決勝終了後にダゴンこと鳳紫苑さんとベルゼビュートの自立型召喚獣コンビに、守那さんチームが接触した後どうなったのか見ていきましょう。
新校舎四階にて守那達はアドラメレクの手の者と思われる二人、綾倉詩織と宮阪桃里……もといダゴン(鳳紫苑)とベルゼビュートと対峙していた。
ベル「なんだ君達は?アドラメレク一派?いきなりわけのわからないことを……
…………なーんて誤魔化しは効きそうもねーよな、流石に┐(¬_¬)┌」
紫苑「だろうね。我が子や教え子の晴れ舞台をすっぽかしてまで追ってきたんだ、何かしらの確証があって然るべきだろうさ」
ベル「は?おいこらダゴン、尾行されてんのわかってんなら-どぅわっ!?Σ(゚ロ゚;)」
ベルが紫苑に苦言を呈する間もなく、鉄人の拳がベルの顔面に迫る。完全に虚をつかれたベルだが、驚くべきことにその豪腕を片腕で受け止めた。
ベル「教師のくせに随分と乱暴だなお前。億が一で俺達がただの妄想癖の中二病とかだったらどーするつもりだったよ?(¬_¬)」
鉄人「教育的指導と言っただろう?問題児にはまずは拳から、が俺の教育理念だからな」
ベル(マジかよ……普通の学校だったら懲戒免職ものじゃねそれ?(;^o^))
鉄人「それにお前のその口ぶりからすると、アドラメレクの手の者であることは間違いないようだ。鳳会長や御門先生から知らされた貴様らの悪行……悪いがに手頃を加えてやるほど、俺は寛容な人間ではない!」
再度鉄人は力の限り拳を振るうが、ベルゼビュートは鬱陶しそうにしつつもその猛激を平然と腕でガードする。補足すると、鉄人の腕力は素の和真(素手でコンクリートを粉砕できるレベル)よりも上であり、彼の全力をこのように真っ向から受け止めたりすれば、普通骨の一本や二本は軽くへし折れる筈である。
鉄人(っ…!この頑強さ……やはりこいつも人間ではないのか……!?)
ベル「あーもうメンドクセーな……いっそのこと始末してやろうか……(#゚Д゚)y」
紫苑「ダメに決まってるだろう。ここは退くよ」
ベル「……チェッ、しゃーねーな。それじゃあ、あばよっ!ヾ( ´ー`)ノ」
鉄人「っ…!逃がさん!」
物凄いスピードで一目散に撤退する紫苑達に、三人は追いかけようと走り出すが…
紫苑「すまないね、アンタ達の相手はこいつらにしてもらうとするよ(パチンッ)」
高橋「これは……召喚フィールド!?」
鉄人「それも、この階全体に展開されている!?」
前を走る紫苑の意味深なスナップが合図となり、四階全体に召喚フィールドが敷かれた。
守那(さっき秀介から聞いた話だと、あの嬢ちゃんかなり長いことこの学校に潜伏していたみてぇだし、仕掛けの一つや二つお茶の子さいさいってわけだ。それにこんなもんが展開されれば……ハッ、やはり出てくるだろうよ)
鉄人「こいつらは……!?」
高橋「自律型召喚獣……!」
守那達の前後左右に幾何学模様な現れ、彼等を取り囲むかのように四体の自律型召喚獣が出現する-
守那「どりゃぁぁあああああっ!!!」
鉄人「ぅぉおっ!?」
高橋「ひゃぁあっ!?」
寸前に守那は鉄人と高橋先生を掴み、包囲網から遠く離れた場所へぶん投げた。守那の大雑把な行動に慣れている鉄人は空中で高橋先生を抱え、怪我をさせないよう着地した。そして色んな理由で混乱している高橋先生を降ろしつつ、とんでもない暴挙に出た守那に苦言を呈する。
鉄人「いきなり何するんですか守那さん!?あなたの滅茶苦茶な行動には馴れていますが、高橋先生まで巻き添えにするのはやめていただきたい!危ないでしょうが!」
守那「さっさと奴等を追え宗一!こいつらを片付け次第ワシも合流する!」
鉄人「えぇい、相変わらずアンタは人の話を聞かないな!それに、いくらアンタでも生身で4人もの自律型召喚獣の相手は無茶だ!」
高橋「そ、そうですよ柊さん!あなたは召喚獣を所持していないのでしょう!?ここは私達が-」
守那「ごちゃごちゃうるせぇんだよボケが!さっさと消えねぇとテメェらごと消し飛ばすぞ!」
「「っ!?」」
ビリビリビリィィッッッ!!!
守那の指示を無視して加勢しようとした二人に、全身に皮膚を剥がされたかのような衝撃が走り抜けた。それは奇しくも現在コロッセオで息子の和真が披露しているであろう、“気炎万丈の極致”へと至った者が発露する、感情のエネルギーと殺気の混合物であった。
守那「若造が一丁前にくだらん心配している場合か。大局を見失うなよ宗一、ワシらの勝利はこいつらを片付けることではない」
鉄人「…………わかりました。高橋先生、ここは守那さんに任せて先を急ぎましょう」
高橋「西村先生!?」
異論を唱えさせることなく、鉄人は高橋先生を連れ紫苑達を追っていった。それと同時に、自立型召喚獣達が守那を取り囲んだ。
《総合科目》
『??? Gradius 8000点
??? Quiksilver 5000点
??? Ripper 4500点
??? Wivern 4500点』
守那「ほう……かつてここで起きた自律型召喚獣襲撃事件の七体の主犯格のうちの四体か。なかなか豪勢なラインナップじゃないか!」
愉快そうに笑いつつ守那は懐から金属製の真っ赤なリストバンドを取りだし、自身の両手両足首に取り付けた。
守那「フハッ……フハハハハハ!面白い、ちょうどワシも張り合いの無い闘いばかりで飽き飽きしていたところよ!せっかくだから新兵器の実験台になってもらうとするか……
そのキーワードが引き金となり、守那の両手に赤色のガントレットが、両足には同じく赤色のソルレットが装着された。
守那「さて、科学とオカルトより生まれし化け物共よ……はたして貴様らはワシの
高橋「西村先生!どうして柊さん一人をあの場に置き去りにしたのですか!?」
手を引かれ階段を上りながら高橋先生は抗議するも、鉄人は一切足を止めることへない。
鉄人「守那さんなら俺達二人を抱えてあの場から離脱することもできた筈。そうしなかったのはおそらく、あの召喚獣達を野放しにすれば校舎に被害が出かねないからです」
高橋「だったら三人で片付けてから……」
鉄人「奴等に逃亡を許せば、たとえあの召喚獣達を倒せても俺達の負けです」
高橋「それはそうですが……でも!生身の柊さんでは召喚獣の相手は-」
鉄人「心配ありません。
あの人は……柊守那は紛れもなく人類最強です」
ドゴォォォオオオオオンッ!!!
鉄人の言葉を裏付けるかのように、四階からとてつもなく大きな爆発音が鳴り響いた。
鉄人「……まぁ、どっちにしても校舎はただでは済まさそうですが……」
高橋「あの、西村先生……今の爆発音らしき音は柊さんの起こしたものなんですか……?」
鉄人「守那さんは決して常識の尺度では図れない人です。俺の知る限りでは少なくとも、アクセル全壊で突っ込んでくるトラックを片手で受け止めるくらいは朝飯前でした」
高橋「……柊さんは人間、ですよね……?」
鉄人「…………」
高橋先生のもっともな疑問に、鉄人は答えることはできなかった。まあそれも仕方ない……ただでさえ文月学園の生徒一同から人外認定されている鉄人を素でボコれるほど強い守那に、“気炎万丈”による爆発的な身体強化なんてものが加われば、それはもはや生き物と言うより兵器に近いだろう……下手すれば憲法9条に抵触しかねないレベルの。
そうこうしている内に階段を上りきり、そして彼等は扉を開け屋上へと出た。
鉄人「さあ、追い詰めたぞ貴様ら!」
ベル「げっ、来やがったよしつけーな……('A`)」
紫苑「……仕方ないね。ベル、相手してやりな」
ベル「オメーは闘わねーのかよ?(・・?) 」
紫苑「アンタと違って私は争いが好きな訳じゃないんだよ。……どうしてもと言うなら加勢してやるけど?」
ベル「アホ抜かせ。乗り気でない奴なんかにせっかくの獲物分けてやるもんかよ。
……
鉄人「っ……
高橋「
ベルゼビュートから殺気が放たれた瞬間、鉄人はフィールドを展開し二人は召喚獣を喚び出す。……物理干渉できる教師用ではなく、神器と腕輪を装備した生徒用の召喚獣を。
紫苑(西村先生の武器はミョルニル、高橋先生の武器はデュランダルといったところかねぇ。二人ともランクアップしてるだろうし、戦闘の準備は万全のつもりだろう。……だけど足りない。
一方のベルゼビュートは全身が黒く染まり、背中からは悪魔のような翼が生え、大鎌を握りしめた腕が合計六本もあるなど、完全に人間離れした化け物へと変化していた。
《総合科目》
『学年主任 高橋洋子 8214点
補習担当 西村宗一 7489点
VS
??? Belzébuth 18000点』
ベル「格の違いを教えてやるからよ……精々足掻いて俺を楽しませろや!」
翼をはためかせ、蠅の王が飛翔する。
次回、人類最強と呼ばれる男がその真価を発揮します。