バカとテストとスポンサー   作:アスランLS

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このあたりから(主に和真や蒼介や御門あたりの)インフレがすごいことになっていくのでご注意を。


準決勝①『修羅の猛威』

御門「寝てろ雑魚共!」

 

 

《物理》

『学年主任 御門空雅  1203点

vs

 ??? ????×20 戦死』

 

 

ランクアップ能力『ラディカル・グッドスピード』による無限加速能力をフルに使い、〈御門〉はフィールド内に次々と這い出てくる自律型召喚獣を片っ端から葬り去りながら前進する。既に〈御門〉の速さは人間の肉眼で捉えきれないほどになっており、出現すると同時にフェードアウトしていく自立型召喚獣達が不憫になってくるほどの蹂躙劇である。

 

御門(流石にそろそろ軌道計算が追いつかねーし、一旦止めるか……おっ)

 

〈御門〉の加速を一旦止めつつ次に現れるであろう自律型召喚獣に警戒する。しかし先ほどまで間髪入れずにフィールド内に現れていた幾何学模様が、どういうわけか一切現れなくなった。

 

御門(ようやく焼け石に水だって気づいたか。つかどっかから監視してやがんのか?悪趣味極まりねーぜ……

それとも……)「נעלם(領域消滅)

 

走りながら御門が難解な言語を呟くと、先程まで自分を中心に展開していた召喚フィールドが召喚獣ごと消滅した。

 

御門(……消しても何も起きねーな。さっきは消した途端俺を閉じ込めるように前と後ろに壁が隆起したってのに。今いる区間には自律型召喚獣を仕込んでいないっつーことか。ってことはゴールも近……っと、言ったそばから大広間らしき場所が見えてきたな)

 

罠がある可能性は決して低くはないが、引き返したところで手がかりが見つかるわけでもない。御門は躊躇うこと無く大広間らしき場所に躍り出た。

 

 

 

そして御門はそこで、とんでもないものと遭遇する。

 

御門「なん、だ……?こいつは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方『フリーダム・コロッセオ』では、トリックスターと修羅が凄まじい攻防を繰り広げていた。 

 

梓「ホンマ腹立つなぁアンタ……そのレベルに達するまでに、ウチがどれほど苦労したと思ってんねん!?」

和真「そいつはすまなかったよ。生憎アンタとは出来が違うもんでなぁっ!」

梓「ぬかせボケェッ!」

 

〈梓〉が逆手持ちにした干将で斬りかかり、〈和真〉はそれをロンギヌスで受け止める。

だがその攻撃は囮……〈梓〉はすかさず莫耶を順手に持ち替えロンギヌスを挟み込み、ロンギヌスを基点に体を半回転させ足甲で〈和真〉の側頭部を狙う。

しかも〈梓〉はご丁寧にロンギヌスを持っていない方の手が届かない角度から蹴りを放っている。空いている手ではガードできず、避ける為には得物を捨てなければならないという極めて危機的状況。

 

和真「遅ぇよ!」

梓「う、嘘やろ!?」

 

しかし〈和真〉は超人的な反射神経を発揮し、即座にロンギヌスを握る手を持ち替え〈梓〉の蹴りを掴んだ。

 

梓(完全に意表ついた筈やのに振りきれへんとか、こいつの反射神経チート過ぎやろ……)

 

梓と闘う上でフェイクを警戒する相手など珍しくもない。その程度の相手なら梓は正攻法主体で攻めて翻弄できる。しかし厄介なことに和真は梓のフェイクなどほんの一欠片たりとも注意を払っていない。何故なら和真は仕掛けられてから反応しても防ぎきれるほどの天賦の反射神経を備えているからだ。

 

梓(リンクシステムで視覚が繋がったせいで厄介さが格段に上がってるやないか…恨むで綾倉先生-)

和真「オラァァアアアッ!」

梓(-ってそんな場合やないやろウチのアホォ!?)

 

〈和真〉はそのまま大きく〈梓〉を真上にぶん投げ、すぐさまフリーになったロンギヌスで刺突を狙う。

 

梓「せやけどまだまだ詰めが甘いなぁっ!バク宙踵落としを喰らえや!」

 

空中では回避は流石の梓とて困難だが、反撃となれば梓ほどの熟練度の持ち主には決して難しくはない。〈梓〉は空中で一回転し、迫りくるロンギヌスめがけて踵落としで迎え撃った。前の試合で〈リンネ〉に放ったものと比べればダッシュ力を上乗せが出来ない分威力は落ちるものの、重力と回転による遠心力で十二分に威力に上乗せされたその蹴りだ。

 

和真「……ハッ、恐るるに足らねぇよそんな攻撃!」

 

しかし〈和真〉は構うこと無く攻撃を続行した。そんじょそこらの召喚獣ならともかく、攻撃特化の〈和真〉なら真っ向からぶち破れる筈……というのが和真の読みで、実際それは正しい。

そして、梓も同じ予想をしていた。

 

梓(せやから詰めが甘い言うたやろ。

誰がアンタと力比べなんか挑むかいな)

 

梓の狙いは激突の瞬間ロンギヌスを基点に体全体を半回転させ、〈和真〉の真横に転がり落ちることで刺突をかわすこと。そして悠々と着地してから隙の出来た〈和真〉に奇襲をかけることだ

 

ガキィインッ!

 

梓(ほなバイバイ-)

和真「-逃がすと思ってんのか!」

梓「っ!?マジか!?」

和真(終わりだ!)

 

それでも和真を振り切ることは叶わない。〈梓〉が力比べを挑む気が無いと判断するや否や〈和真〉は超反射ですかさず槍を引き戻し、再び〈梓〉に照準を定めて刺突を繰り出した。

 

梓(あかん……こいつの反応速度をまだ低く見積もってた!以前までのこいつとはもう比較にもならん!……流石にここからはガードも回避も100パー不可能、万事休すや…

 

 

 

 

なんてな、今までの見とったらアンタが反応してくるなんて十分予想できる範囲や。せやから詰めが甘い言うてんねん……ウチの得物がいつのまにか一振りだけになっとることに全然気づいてへんやん)

 

三回戦での雄二の戦術から得たヒントを駆使した二段フェイント攻撃。和真の並外れた反射神経を逆手に取り安いフェイクに反応させ、真に本命の攻撃は和真の死角を通るよういつの間にか投擲された干将である。いくら和真の反応速度が迅速でも見えてない攻撃には反応できない。そして干将の不意打ちで生じた隙をついて莫耶で斬りかかること……それが梓の真の狙いだ。

 

 

 

 

 

 

 

だが、梓はある致命的な見落としをしていた。

それは…

 

 

和真「残念だったな」

梓「え-」

 

 

和真に同じ戦法は通用しないということだ。

 

 

和真「オラァッ!」

梓「っ!?空いてる手でウチの武器を弾いて-」

和真「そして喰らえ!」

梓(そのままウチに攻撃-くそっ、間に合えや!)

 

間に合わないと悟るや否や、〈梓〉はすかさず莫耶で受け止める。そんなことをしたところでロンギヌスによる刺突を受けきれる筈も無いのだが、気休め程度にはダメージを軽減させることに成功する。そして勢い良く吹き飛ばされた〈梓〉はゴロゴロと地面を転がりながら、タイミング良く側転の応用で起き上がり体勢を立て直した。そのまま追撃にいくつもりだった〈和真〉も思わず立ち止まる。

 

 

《総合科目》

『三年Aクラス 佐伯梓 3871点

vs

 二年Fクラス 柊和真 5042点』

 

 

和真「ほー、そんな起き上がり方もできんのかよ。やるじゃねーか先輩」

梓「澄ました顔で言いよって腹立つわぁ……というかなんでウチの投擲に気づいとんねん、完全に死角を突いた筈やのに……」

和真「そんだけアンタを信じてたってことだぜ」

梓「………はぁ?」

 

何言ってんだコイツ?と言わんばかりに怪訝な表情をする梓に、和真は若干イラッとしながらも説明を始める。

 

和真「俺の超反応への対抗手段はいくつかあるが、最も実用的なのは死角からの攻撃。だがな……裏を返せば自分の死角のさえ把握していれば攻撃が予測できるってことだ。あとはアンタが攻撃する絶好のタイミングを見計らって手で防げば、多少のダメージは負うが致命傷にはほど遠い。

改めて言ってやるが信じてたぜ……アンタなら最も俺の隙をつくのに絶好なタイミングで、確実に命中するよう計算して死角をついてくるってな」

梓(……操作技術や反射神経云々だけやない、もしそれだけやったらまだ崩せんこともない。……せやけど、こいつの戦闘センスはウチのそれとは比較になれへん……こいつが天性のバトルセンス持っとることは薄々気付いとったけど、完全に開花するとこうも変わるんか……。おまけにウチのフェイクを仕掛けるタイミングも掴まれつつあるようやし……

 

 

 

 

 

……詰みやな。しゃあない、どうも優勝は諦めるしかなさそうやな。……せやけど和真、この勝負だけは勝たしてもらうで。

決勝までとっとくつもりやった仕込み

……ここで解禁したる!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、文月学園上空に朱雀と剣のエンブレムが刻まれた超音速ステルス機が現れ、その機体から二人の男が飛び出し、校門前にパラシュートで着陸した。

一人は“鳳財閥”のトップにして、道をアクロバティックに迷いアンティクア・バーブーダまで行っていた蒼介の実父・鳳秀介である。そしてもう一人は…

 

秀介「ふぅ……何とか間に合ったようだね」

守那「フハハハハハ!迷子のお迎えに亜音速ステルス機をこさせるような奴は、世界広しと言えどもお前だけだろうよ!」

 

和真の実父にして人類最強の男・柊守那である。

 

 

 

 

 

 




藍華「間に合ってるわけないでしょうが!!!」


実家に帰省するので次の更新は18日です。

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