バカとテストとスポンサー   作:アスランLS

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【注目生徒データ⑧】

・高城雅春(三年Aクラス)

〈召喚獣〉バランス型

〈武器〉日本刀

〈能力〉不明

〈成績〉
外国語…408点
国語……414点
数学……410点
理科……422点
社会……416点
保体……385点

総合科目……4525点


・金田一真之介(三年Aクラス)

〈召喚獣〉バランス型

〈武器〉グラディウス

〈能力〉不明

〈成績〉
外国語……422点
国語……383点
数学……358点
理科……366点
社会……371点
保体……318点

総合科目……4118点








本戦開始

時刻は昼休み。本戦出場を果たしたFクラスメンバー達は英気を養うため食堂にてランチタイムを満喫していた。……のだが、

 

 

ガツガツムシャムシャガツガツムシャムシャガツガツムシャムシャガツガツムシャムシャガツガツムシャムシャ…

 

「「「「「「「………」」」」」」」

和真「……ん?お前ら何ぼけーっと見てんだよ?さっさと食わねぇと昼休み終わっちまうぞ」

 

食堂のメニュー全てを注文しそれら全てを凄いスピードでたいらげる(しかし食事マナーは無駄に良い)和真に明久達は開いた口が塞がらない。

 

明久「あの、和真……食べ過ぎじゃない?」

和真「あん?……お前ら、俺が食う方だって知らなかったっけ?」

雄二「いや、それは知ってるけどよ……いくらなんでも多すぎだろ。アレか?性格だけでなく胃袋もサイヤ人化したのか?」

和真「当たらずとも遠からずだな。“気炎万丈”は物凄くカロリーの消耗が激しいから、いざってときにガス欠しないよう食い溜めしてるんだよ」

「「「「「「「気炎万丈?」」」」」」」

和真「口で説明してもピンとこねぇだろうから説明はしねぇが、本戦で見せてやるよ」

 

聞きなれないワードに首を傾げる一同だが、和真が明らかに詳しく説明する気が無さそうなので、徒労を避けるため追求はしない。

 

姫路「でもそんなに食べると太っちゃいませんか?」

和真「前にも言ったがな姫路、食った分より動けば太らねぇんだぜ?」

姫路「うぅ……それは、そうですが……」

 

運動神経にコンプレックスを持つせいか何かと運動不足になりがちな姫路にとっては耳の痛い話である。……まあ姫路に和真や『アクティブ』メンバー並の運動量を要求するのは酷な話だとは思うが。

 

和真「(モグモグモグ…ゴクン)ふう……ごっそーさん」

雄二「食うの早いな……それはそうと和真、お前ら予選免除組はずっとモニターで見物してたんだろ?誰が勝ち上がったか教えろよ」

和真「あん?まずはお前ら7人だろ?2-Aからは成績上位9人、2-Bからは源太と根本。あとは3-Aから6人と一年の生徒会役員4人で計28人だ」

雄二「なるほど……概ね予想通りの面子が残ったが、一年の4人は完全にノーマークだったぜ」

翔子「……それは仕方ない。一年生が召喚獣の操作を始めたのは一学期末、この短期間じゃ普通なら戦うどころかまともに動かすのも苦労するはず」

美波「でも翔子、ウチと木下が闘った二人は召喚獣を自在に動かしていたわよ……」

秀吉「うむ……流石に明久には及ばないが、少なくとも和真に匹敵するレベルであったのは間違いなかったぞい……」

 

他の面々が一年生四人の内、実際に美波達が闘った鉄平と千莉に関心を寄せる一方で、実際にモニターで目の当たりにした和真だけは詩織と泰山……特に詩織について考える。

 

和真(あいつらの操作技術はハッキリ言って明久クラス、間違っても一朝一夕で身に付く筈のないレベルだった。何故一年生のあいつらが……それに綾倉Jr.が何故ソウスケん家の技を……チッ、怪しさ満点だがわからねぇことだらけだから何とも言えねぇ。

 

 

 

 

 

 

 

……でもまぁぶっちゃけ興味ねぇし、そのうちソウスケが全部解決するだろうし、放っておくか)

 

色々と思考を巡らせたのち、和真は蒼介に全てを丸投げしつつ詩織に対する関心を無くした。一見薄情に見えるが見方を変えれば蒼介なら間違いなく可能であるという、決して揺らぐことのない信頼の証でもある。

 

和真(大体こういうまどろっこしいのは専門外なんだよ……。ソウスケ達の追っている奴等がなりふり構わず荒事を起こし始めてからが俺の出番だ)

 

………もっともらしい理屈を述べたが結局の所、本人が大雑把で喧嘩早いことが一番の理由だ。考える頭はあるものの性格がどこまでも現場向きな男だ。彼が知略を巡らせるときは、そうしなければ勝てない相手がいるとき、試召戦争絡みのような団体行動のとき、そして人を追い詰めたいときのみである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休み終了後、予選を勝ち抜いた28人と免除された4人が体育館に集まり、前に立つ『S・B・F』実行委員長の綾倉先生が語る本戦の説明に耳を傾ける。

 

綾倉「本戦の内容は至ってシンプル。一対一の対戦を勝ち上がっていくトーナメント戦です。明確なルールは5つ。一つ目は予選と同じように一年生に対する腕輪能力の使用は即失格です。二つ目は、皆さんお手持ちのPDAの『科目』というアイコンを開いてください」

 

生徒達が指示された通り『科目』のアイコンを選択すると、国・数・英・社・理・保・総の7つのアイコンが画面に表示される。

 

綾倉「それぞれの対戦の前にそのPDAから希望する科目を選んでメインコンピューターに送信してもらい、両者の希望が合致した場合はその科目に決定、合致しなければランダムで選ばれた科目で戦ってもらいます」

明久(ただ科目決めるだけでそんな無駄にデジタルにしなくても良いような……)

 

明久の疑問は最もだがこのPDAの開発は“桐谷”が手掛けたもの。ITの会社とは得てして何でもデジタル化したがるものである。

 

綾倉「3つ目は試召戦争を行う才、『召喚獣視覚リンクシステム』を介して行ってもらいます」

金田一「『召喚獣視覚リンクシステム』?何だそりゃ?」

綾倉「先日“桐谷”が開発した最新鋭の機械です。原理を詳しく説明すると日が暮れてしまうので省きますが、要は本人と召喚獣の視界を同一化させることができるシステムです。それにより、召喚獣の操作を容易に行うことができるようになるでしょう」

和真(なるほどねぇ……ラジコンを操作するのとパワードスーツを着て歩くのでは、後者の方が圧倒的に簡単なのと同じ理屈か)

綾倉「このシステムは一年生が背負っている経験の差というハンデを軽減するため私が要請したものですが……どうやら余計なお世話だったようですねぇ」

 

そう言いながら綾倉先生は詩織達に向けて含みのある笑みを向けるが、当の彼女らは眉一つ動かさず平然としている。

 

綾倉「……まあ良いでしょう。そして四つ目、君達が闘うフィールドですが…」

 

そこで一旦言葉を切り、綾倉先生はおもむろに取り出したリモコンを操作する。すると上からやたらと大きなスクリーンが降りてきた。生徒達が脳内にクエスチョンマークを浮かべながらスクリーンに注目すると…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スクリーンには文月学園のグラウンド上空にやけに特徴的な形状のジェット機が数十機ほど集まっている光景が写し出されていた。

 

(((……ナニコレ?)))

 

生徒達が困惑するのもお構いなしにジェット機達はグラウンドに離陸しながらガシャンガシャンと変形し、そのままどこかの特撮アニメのように合体していき、最終的にドームのような形状になりつつグラウンドに着陸した。

 

綾倉「“桐谷グループ”が開発した移動式闘技場『フリーダム・コロッセオ』……あれが君達の闘う舞台です」

(((もう何でもありだな“桐谷グループ”!?)))

和真(金持ちの考えることってわけわかんねぇな)

 

色々とツッコミ所満載だが、それでも綾倉先生はお構いなしに説明を続ける。

 

綾倉「最後に肝心のトーナメントですが、公平を期すために今からコンピューターで無作為に決定します。一回戦から優勝候補と当たっても恨まないでくださいね?」

 

そう言いながら綾倉先生がリモコンのボタンを押すと、スクリーンに四ブロックのトーナメントが表示され、予選通過者の名前が一人ずつ追加されていく。

 

 

 

【Aブロック】

 

〈一回戦〉

①佐伯梓vs木下秀吉

 

②佐藤美穂vs霧島翔子

 

③沢渡晴香vs五十嵐源太

 

④リンネ=クラインvs宮阪杏里

 

 

〈二回戦〉

1.①の勝者vs②の勝者

 

2.③の勝者vs④の勝者

 

 

〈三回戦〉

1.の勝者vs2.の勝者

 

 

 

秀吉(むぅ……いきなり佐伯先輩が相手とはのう……)

和真(億が一勝てたとしても二回戦では多分翔子、三回戦ではスウェーデンの天才児が相手とか……御愁傷様)

 

 

 

【Bブロック】

 

〈一回戦〉

①時任正浩vs坂本雄二

 

②木下優子vs柊和真

 

③名波建一vs志村泰山

 

④小暮葵vs大門徹

 

〈二・三回戦〉 

Aブロックと同上

 

 

 

優子(っ!?……一回戦から和真が相手、か)

雄二(時任って確か、2-Aの……まあこいつより、二回戦の相手が鬼門だな……)

徹(時は満ちた……今こそ屈辱を晴らすときだ!)

和真(俺のいるブロックも中々の面子だなこりゃ。……まあ誰が相手だろうが勝つのは俺だ)

 

 

 

【Cブロック】

 

〈一回戦〉

①久保利光vs市原両次郎

 

②姫路瑞希vs二宮悠太

 

③土屋康太vs工藤愛子

 

④宗方千莉vs鳳蒼介

 

〈二・三回戦〉 

Aブロックと同上

 

 

久保(一回戦の市原先輩には、申し訳ないが問題なく勝てるだろう。そして二回戦の相手は……間違いなく姫路さんだ)

姫路(久保君とはこれまで一勝一敗……手強い相手ですが、勉強の成果を疲労するにはもってこいの相手ですね)

ムッツリーニ(工藤が相手か……奴に遅れを取ることはないだろうが、お得意の色仕掛けには注意だな)ハナジタラー

愛子(-みたいなこと考えてるんだろうなムッツリーニ君、鼻血出てるし……ボクをただのお色気要員だと思ってるなら大きな間違いだよ!)

千莉(生徒会長殿か。相手にとって不足なしでござる)

蒼介「…………」

 

 

 

【Dブロック】

 

〈一回戦〉

①島田美波vs橘飛鳥

 

②吉井明久vs根本恭二

 

③黒木鉄平vs金田一真之介

 

④高城雅春vs綾倉詩織

 

〈二・三回戦〉 

Aブロックと同上

 

〈準決勝〉

・Aブロック覇者vsBブロック覇者

 

・Cブロック覇者vsDブロック覇者

 

〈決勝〉

勝ち残った二名

 

 

 

飛鳥(一回戦の相手は美波か……)

美波(いきなり飛鳥かぁ……。数学か外国語じゃないと勝ち目0ね……)

明久(よりによって根本君か。また何かろくでもない手で来ないといいけど……)

根本(吉井が相手か……ククク、丁度良い。一学期に受けた屈辱、キッチリ返してやる!)

 

 

 

綾倉「トーナメント表のデータは皆さんのPDAに転送しておきました。全員優勝目指してベストを尽くしてください。……それでは皆さん、『フリーダム・コロッセオ』へ移動してください」

 

 

 

 

 




いよいよ始まりましたバトル漫画の定番、トーナメント戦。全試合書くとストーリーが進みにくくなるので、明らかに盛り上がりそうにない組み合わせは潔くカットしますのでご了承ください……。

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