愛子「ねえねえ、和真ク~ン……ボクもう疲れちゃったよ……」
和真「んだよ集中力ねぇな」
愛子「いや、集中以前にもう脳が限界なんだケド……あ、そうだ和真君。せっかくの勉強会なんだし保健体育の勉強を教えてあげるよ。もちろん……実技でね♪」
和真「じゃあ頼むわ」
愛子「相変わらずつれな……ええ!?」
徹(良いのかい優子?君の彼氏勉強疲れなのかトチ狂った返答してるけど)
優子(放っておきなさい。アタシはもう何となくオチが読めてるから)
愛子「……あの~、提案しておいてなんだけど、流石に優子にも悪いし……」
和真「いつものように脳内ピンク一色なとこ悪いが、実技っつってもAEDの使い方についてだ」
愛子「あ……な、な~んだ……」
徹(なるほど、結局こんなオチかい)
優子(甘いわね徹。叩くなら砕けるまでが信条の和真がこんな甘っちょろいオチで済ませるはずないわ)
徹(え?)
和真「せっかくだから本格的に行うとするか」
愛子「え?本格的にって?」
和真「マネキンを用意して使っても電機ショックが流れたか、心肺蘇生が本当にできたのか……正直わかりづらいと思わねぇ?」
愛子「う、うん。確かにそうだね」
和真「つうわけで今からお前の心臓を止める」
愛子「……え”!?」
和真「お前、実技に自信があんだろ?それならさぞ優秀なモルモットになるだろうよ♪」
愛子「ごめんなさいふざけてましたぁぁぁ!!!」←逃走
和真「待てや実験サンプルがァァァ!!!」←追いかける
徹(……あー、愛子が追いかけ回されてる)
優子(愛子に追いつくか追いつかないかのスピードで追いかけてるわね……概ね予想通りだけど)
徹(まあ愛子のおかげで休憩する時間ができたから良しとしよう)
優子(そうね。いつもなら多少同情しているところだけど背に腹は代えられないものね)
※この件がきっかけで愛子はリタイヤすることになりました。なお、源太君は疲労困憊で現在ダウンしています。
気が付けば既に6時を過ぎていた。一同は翔子の案内のもと食事の用意がされている部屋に招かれる。翔子が部屋の扉を開けると、ご馳走の良い匂いが漂ってきた。
明久「す、凄い……っ!」
姫路「わぁ……」
秀吉「これはまた、贅沢じゃな」
一般家庭ではあまりお目にかかれないようなサイズのダイニングテーブルに所狭しと並べられた料理の数々。北京ダックや、フカヒレ、チンジャオロースやホイコーロ、八宝菜に麻婆豆腐といった中華料理を主体に中央の大皿に盛られており、それぞれの席にはツバメの巣らしき料理まであった。この前蒼介が振る舞った懐石料理とはまた違った荘厳さである。
美波「アキがこんなの食べたら、慣れない味でお腹壊しちゃいそうね」
明久「あははっ。本当だよ」
秀吉「ところで、ここで食事を摂るのはワシらだけかの?霧島の家族はおらんのか?」
翔子「……うん。私たちだけ」
部屋の中には勉強会に参加したメンバーのみであり、料理を作ったのは翔子の家族なのか、家政婦なのかはわからないがどちらの姿も見かけなかった。
雄二「翔子の家はそれぞれが自由に暮らしているからな」
翔子「……うん。だから気兼ねしないで好きに過ごしてほしい」
少なくとも雄二専用の監禁部屋が自然と作られている程度には自由な家庭のようだ。
翔子「……それじゃ、適当に座って」
それぞれ言われた通り手近にある席に座る。
「「「いただきまーすっ」」」
秀吉「うむ、絶品じゃな……」
姫路「お、美味しいです……!うぅ……また食べ過ぎちゃいます……」
明久「僕の好物のカロリーがこんなにたくさん……っ!」
ムッツリーニ「……鉄分補給」
蒼介「ふむ。食材の質、味付け、ともに悪くない」
雄二「翔子。なぜ俺に取り分けた料理だけ毒々しい紫色をしているんだ」
翔子「……おかしな薬なんて入ってない」
愛子「ボク中華料理大好きなんだよね!……あ、そうだ。吉井君、ボクが食べさせてあげる。はい、あーん」
明久「ん?あーん」
美波「アキッ!何やってんのよ!」
姫路「明久君っ!お行儀が悪いですよっ!」
蒼介「行儀が悪いのはお前たちもだ。あまり声を荒げるなみっともない」
雄二「翔子。なぜ俺のコップに注いだ飲み物だけ毒々しいピンク色をしているんだ」
翔子「……怪しい薬なんて入ってない」
秀吉「ムッツリーニ。これは何じゃ?」
ムッツリーニ「……ツバメの巣。美味しい」
一同は美味しく楽しく食事を済ませ、勉強の疲れを癒していく。一同が締めである杏仁豆腐を味わっているところで、翔子が雄二に話しかける。
翔子「……雄二」
雄二「なんだ翔子?」
翔子「……勉強の進み具合はどう?」
雄二「まったくもって順調だ。心配はいらねぇ」
翔子「……本当に?」
雄二「ああ。次のテストではお前に勝っちまうかもしれないぞ」
翔子「……そう、そこまで言うのなら」
雄二「ん?」
翔子「……勝負、する?」
その会話を横で聞いていた蒼介は、おそらくなにかを企んでいると確信する。なぜなら今の翔子は、和真が良からぬことを画策しているときの挑発的な目にそっくりだったからだ。
雄二「勝負だと?」
翔子「……うん。雄二がどの程度できるようになったのか、見てあげる」
雄二「ほほぅ……。随分と上から目線で言ってくれるじゃねぇか」
翔子「……実際に、私の方が上だから」
雄二「くっ。上等だ!勝負でもなんでもしてやろうじゃねぇか!本当の実力の違いってヤツを見せてやらぁ!」
蒼介(まさに手玉だな……)
気がつけば完全に乗せられている雄二。元神童が聞いて呆れると言いたいところだが、ただ単に翔子が雄二の扱いに非常に長けているだけである。
翔子「……わかった。それなら、この後に和真に用意してもらった振り分け試験式テスト三科目で勝負」
雄二「おうよ!今までの俺と思うなよ!」
翔子「……それで、私が勝ったら、雄二は今夜私と一緒に寝る」
雄二「……は?」
あまりに予想外な条件に思わず目を点にする雄二。
明久(馬鹿だなぁ、さてはきちんと聞いてなかったな。つまりあれでしょ。雄二がテストで負けたら霧島さんと一緒に寝るっていう話しなワケで……)
思考がそこに至った瞬間、明久の全身から嫉妬と憎悪がブレンドされた独特の殺気が漏れ出す。
明久「霧島さん。ゴメン。杏仁豆腐を食べたいからナイフを貸してもらえないかな?包丁や日本刀でもいいけど」
翔子「……今持ってくる」
雄二「待て翔子!今のコイツに刃物を渡すな!俺の命に関わる!」
翔子「……代わりに、雄二が勝ったら吉井と一緒に寝るのを許してあげる」
雄二「驚くほど俺のメリットがねぇぞ!?」
蒼介(つくづく騒動の絶えん奴らだ……)
愛子「いいな~。そういうの、面白そうだね。ボクも何かやりたいな」
明久が椅子を振りかぶろうとしていると、突然愛子が楽しそうに話題に割って入ってくる。この時点で蒼介は嫌な予感しかしなかった。
翔子「……愛子も勝負する?」
愛子「それもいいけど、折角だから……」
わざと一呼吸置いて明久に目線を送る愛子。
愛子「……そのテスト、皆で受けて、その点数で部屋振りを決めようよ」
蒼介(こいつ、わざと騒ぎを大きくしようとしているな……)
明久を見たまま愛子は片目を瞑って見せた。学力強化合宿以来、愛子は明久を弄ぶ楽しさを覚えたらしい。
明久「よしっ!望むとこ……」
姫路「だ、ダメですそんなことっ!明久君にはそういうコトは、えっと、その、まだ早いと思いますっ!」
愛子「でも、保健体育のテストの為にも吉井君がボクと実戦を経験しておくのはイイコトだと思うよ?」
姫路「ダメですっ?そんなのいけませんっ!」
愛子「保健体育のお勉強、ボクが吉井君に教えてあげたいな」
姫路「ダメッたらダメです!絶対にダメですっ!工藤さんがそんなことをしようとするのなら……私が明久君と一緒に寝ますっ!」
明久「えぇぇええっ!?姫路さん何言ってるの!?」
蒼介(姫路よ、それでは完全に工藤の思う壺だぞ……)
美波「み、瑞希!何言ってるのよ!そんなのダメに決まってるでしょ!?」
姫路「でも、美波ちゃんだって明久君のエッチな本を見たならわかるはずです!明久君だって男の子なんです!エッチなことに興味深々なんです!工藤さんと一緒に寝たら大変なんです!」
美波「確かに、アキの持っていた本の四冊目にはショートカットのコも載っていたけど……」
トップシークレットが流出しているのを見るに、どうやら明久のプライバシーという概念はもう既に消滅してしまったらしい。
姫路「ですから、明久君を守る為に、私が一緒に寝ますっ!」
美波「そ、そうねっ。アキを守る為に、ウチが一緒に寝てあげないとねっ!」
秀吉「いやいや、お主らは慌てすぎじゃ。別にこの提案に乗らなければ済むだけの話じゃと」
姫路「勝負です工藤さん!私、明久君の為に負けませんっ!」
美波「そうね!アキの為にもウチが一緒に寝るとするわ!」
愛子「あははっ。二人ともやっぱり面白いね。そうこなくっちゃ」
秀吉「済む……だけの話じゃと……思うんじゃが……」
蒼介「救いようが無いほど単純だな……」
秀吉の至極真っ当な提案は華麗にスルーされる。勉強ができることと頭が良いということはイコールではないという意見の良い見本である。
翔子「……じゃあ、問題用紙を持ってくる」
雄二「待て翔子!俺はまだ承諾してないぞ!」
翔子「……決定事項。さっき雄二は勝負するって言った。反対意見は認めない」
雄二「ぐ……っ!そ、そうだが……!…っと、すまん翔子、服にかからなかったか?」
雄二が目を泳がせて打開策を模索した結果テーブルの上のジュースの入ったコップが目に留まったので、翔子に見えない角度でコップを倒す。
翔子「……大丈夫」
雄二「いや、大丈夫じゃない。お前には見え辛いかもしれないが、服の裾のそのへんにかかったみたいだ」
翔子「……それは困るかも」
雄二「悪い。俺の不注意で……」
翔子「……あの薬は繊維を溶かすから」
雄二「待て。お前は俺の飲み物に何を入れたんだ」
蒼介「そんな危ないものを婚約者に飲まそうとするな……」
どうやら雄二の飲み物だけ特別製だったらしい。道理で色が明らかに違っていたわけだ。相当強い酸性なのか、今もこぼれたジュースが絨毯と反応して煙を出している。
翔子「……着替えてくる」
雄二「そうした方がいいだろうが……それなら、ちょっと早いが先に風呂にしないか?腹ごなしも兼ねてな」
蒼介(こいつ、まさか……)
着替えに行こうとする翔子を呼び止めて雄二が提案する。蒼介は雄二が何を企んでいるのかおおよそ見当がついてしまっ
たが、確証があるわけではないのでこの場は黙っておく。
翔子「……わかった。それなら先にお風呂にする」
雄二「んじゃ、模試試験はその後だな」
翔子「……うん」
翔子の同意を得て、雄二達は着替えの用意の為に男女別々の部屋に分かれた。
雄二「さて、行くか」
部屋に入って数分後、雄二が何かを決意したような表情でおもむろに立ち上がった。
明久「了解。覗きだね」
ムッツリーニ「……任せておけ」
秀吉「お主らはどこまでバカなのじゃ……」
ちなみに秀吉は一人で他の部屋を案内された後で、こっそりと男子の部屋に入ってきた。秀吉にも男としての矜持があるのだろう。
蒼介「ほう……。私の目と鼻の先で良い度胸だな貴様ら……」
明久「鳳君!?木刀なんてどこから取り出したの!?」
ムッツリーニ「……すごい殺気……っ!」
蒼介はいつもの冷静沈着な表情のまま、ぶちギレた和真に匹敵するレベルの殺気を撒き散らしながら折り畳み式の木刀を取り出す。蒼介がここまでキレているのはただの正義感だけでなく、先日雄二達の起こした騒動の尻拭いをさせられた私怨も混じっているのかもしれない。
雄二「鳳、早とちりするな。俺が行こうと言っているのは翔子の部屋だ」
蒼介「……坂本お前、やはり問題用紙を盗み出す気であったな?尚更見過ごすわけにはいかん」
雄二「まあ待て。お前は生徒会長だろう?生徒の不純異性交遊は止めるべきだろうが」
蒼介「いや、いくら霧島とてテスト前にそんな-」
雄二「あ い つ は す る」
蒼介「そ……そうか……」
こうも即座に、かつ真顔で断言されては蒼介と言えど引き下がざるをえない。Fクラスではそんなもの一般常識レベルのことであるが、やはり蒼介は真面目すぎるのかFクラスが織り成すカオス空間にいまいちついていけない。
明久「けど、別に僕らは盗む必要なんてないんだけど」
ムッツリーニ「(こくり)……それより、覗きが大事」
この二人は今回の提案を好ましく思っているため、カンニングの必要性がまるで無いのだ。今度こそ粛清しようと木刀を握り締める蒼介を手で制してから、雄二はいつものもったいぶった口調で問いかける。
雄二「本当にそう思うか?」
明久「何が言いたいのさ」
雄二「いいか明久、よく考えてみろ。お前の家に帰ってきている姉貴は、何を禁止していた?」
明久「えっと、①『ゲームは一日三十分』、②『不純異性交遊の全面禁止』……ってヤバイっ!!すっかり忘れてたっ!!」
女子と一緒に寝ることにでもなれば、明久の一人暮らし的にも生命的にも即アウトなのは明白だ。
明久「あ、でも、バレなければ」
雄二「協力しなければ俺がバラす」
明久「外道っ!この外道っ!」
雄二「それにムッツリーニ。お前も危険だぞ」
ムッツリーニ「……どうして?」
雄二「出血多量で死ぬ。確実に」
蒼介(先ほどから思ってはいたが、どういう身体構造をしているのだこいつは……?)
ムッツリーニ「……この俺が、死を恐れるとでも?」
蒼介「字面だけ見れば勇ましいな……」
雄二「だが、予想されるテストの順位を考えろ。上位の人間から相手を選んでいくとなると」
予想される順位としては中間の成績と照らし合わせると、①蒼介②翔子③愛子か雄二……という感じだ。
蒼介「私は一人で寝ると決めている。婚姻を済ませてもいない男女の同衾など鳳家の人間がするわけにはいかない。かといって男を選べば確実に変な噂が流れるだろうからな」
ムッツリーニ「……女子達が勝手に勘違いすること間違いなし」
明久(それにしても鳳君、和真から聞いてた通りお堅いなぁ……Fクラスではお目にかかることは無いタイプだ)
ちなみに蒼介本人も時代錯誤であることは自覚しているのか、鳳家の男女間に関するルールを他人に強要する気は特に無い。流石にR-18指定に発展するようなら生徒会長として止めなければならないが。
秀吉「鳳は誰も選ばないとして……霧島が雄二を、姫路が明久となると、工藤愛子は誰を選ぶかのう」
雄二「工藤はムッツリーニを選ぶだろうな」
ムッツリーニ「……まさか」
雄二「さっきの言い争いもある。ムッツリーニを失血死させて、保体の王者の座を奪うつもりじゃないか?」
ムッツリーニ「……っ!つくづく、卑怯な……っ!」
どうやらムッツリーニと愛子の間には、やや複雑なライバル関係が出来上がっているみたいだ。
ムッツリーニ「……あんなスパッツごときに、殺されるわけには……っ!」
訂正、ただスパッツで死ぬことが気に入らないだけのようだ。もっとも愛子がムッツリーニを殺ったとしても、愛子の上にはまだ蒼介がいるのでどっちみち保体のトップは取れないのだが。
雄二「というワケだ。協力してくれるな?」
明久「わかったよ。協力するよ」
ムッツリーニ「……やむを得ない」
蒼介「……不純異性交遊と天秤にかければ致し方ないとはいえ、見逃すのは今回限りだ」
明久「え?鳳君は参加しないの?」
蒼介「するわけないだろう。そもそも参加する意義すらない」
雄二「和真から聞いているが、お前も度を越した負けず嫌いなんだろ?俺達に遅れを取ることになるけど良いのかよ?」
蒼介「事前に答えを知っていようが、お前達では私には勝てんよ。私はまだ『明鏡止水の境地』に至れていない若輩者ではあるが、それでもお前達とは集中力が違う」
明久「明鏡……止水?」
聞き慣れないワードに反応したのか、明久は首を捻る。明久だけではない、雄二や秀吉、ムッツリーニも聞き覚えが無いようである。特に隠すものでも無いので蒼介は説明する。
蒼介「『明鏡止水の境地』とは鳳家に代々伝わる奥義で、極限の集中の果てにたどり着く特別な状態を指す。その状態に至った者は不要な思考や余計な外部情報などが全て遮断され、普段の数倍の集中力を発揮できる」
明久「な、なんだか凄そうだね……」
秀吉「普段の数倍とは大盤振る舞いじゃな」
ムッツリーニ「……奥義と呼ばれるだけのことはある」
感心した様子の二人とは裏腹に雄二は内心でかなり焦る。ただでさえ今でも手の付けようがないのではないのかと思うほどの化け物だというのに、さらに上の境地があることが判明したのだ。早急にAクラスを落とさなければならない理由がまた一つ増えてしまった。
秀吉「まあそれはそれとして、ワシも協力しよう」
明久「え?秀吉が?どうして?」
秀吉「どうしても、じゃ」
明久「???」
雄二「よし。そうと決まれば行動開始だ。翔子の口ぶりから察するに、テスト問題はアイツの部屋にある。そこに忍び込むぞ」
「「「了解」」」
蒼介(さっさと入浴を済ませてしまうか……)
四人が部屋を出ていくのを見届けてから、蒼介は着替えの準備をして男湯に向かった。
梓「鳳に強化フラグが立ってしまったようやな」
和真「流石にインフレ激しすぎね?」
綾倉「まあご心配なく。島田さんや木下君とは違って回収されるのはまだまだ先ですから」
和真「そりゃ安心」
綾倉「集中力はある日突然急に高くなったりしません。例えるなら海の底に沈んでいくように、徐々に徐々に増していくものです」
梓「なるほど、地道な努力が重要なんやね」
和真「……ん?待てよ、つまりそれって……」
綾倉「お気づきになられましたね。そう、日を追う毎に集中力を増しているということは、テストのたびに点数が上がっていくということです」
和真「やっぱりチンタラしてる暇はねぇんだな……」