ハイスクールD×D~最強男の娘の転生物語~   作:三元新

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これを見ていてくださる皆様方には感謝なのです。

そして、現在は沢山きていた誤字の修正中です。ただ、話数が多すぎて、何処が間違っているのかわかりません!スマホなので余計にわかりません。もしも、わかる場所があれば教えてくださると嬉しいです!!m(__)m
頑張って一話一話確認しながらなおしていきますので、これからもどうぞよろしくお願いします♪

そして、久々の連続の投稿なのです!


5話 悪神ロキと神喰狼フェンリル

北欧の主神オーディンこと、オー爺ちゃんが来日して数日経ったある日の夜。

 

スレイプニルという八本足の巨大軍馬の馬車にイッセーたちリアスさんの眷属、光輝兄さんとレイジ兄さん、そして俺、アザゼル、オー爺ちゃん、ロスヴァイセさんが乗って夜空を移動している。

 

さらに、俺たちの後方にはバラキエルさんとイリナが飛んでついてきている。あと、お供のハイドラとドラグーンが人形形態で飛んでいた。

 

ちなみに俺は、馬車の屋根の上で胡座をかいて気配察知をしながら夜空を眺めているのですよ。

 

まぁ、そんなことよりも………

 

「来たか…」

 

光輝兄さんの一言でいきなり前を飛んでいたスレイプニルが鳴き声を上げて急停止した。

 

まったく…、嫌な気配が漂ってるね~。ほんと面倒くさい。

 

俺はそう思いながら馬車の屋根から降りて、光輝兄さんとレイジ兄さん、そしてバラキエルさんと共に馬車の前に出て戦闘態勢に入る。

 

宙を飛べるメンバーは全員、馬車を囲むように陣を描く。

 

――前方に若い男が浮遊している。

 

その男が黒マントをバッと広げると、口の端を吊り上げて高らかにしゃべりだした。

 

「はっじめまして、諸君!我こそは北欧の悪神、ロキだ!」

 

「悪神ロキか……まさかとは思っていたが、また面倒なのが出てきたな……」

 

光輝兄さんはボソリとつぶやく。

 

アザゼルが黒い翼を羽ばたかせて馬車から出てくる。

 

「これはロキ殿。こんなところで奇遇ですな。何か用ですかな?この馬車には北欧の主神オーディン殿が乗られている。それを周知の上での行動だろうか?」

 

アザゼルが冷静に問い掛ける。

 

すると、ロキは腕を組みながら口を開いた。

 

「いやなに、我らが主神殿が、我らが神話体系を抜け出て、我ら以外の神話体系に接触していくのが耐えがたい苦痛でね。我慢できずに邪魔をしに来たのだ」

 

ロキの悪意全開の宣言。

 

それを聞いたアザゼルは、口調を変えた。

 

「……堂々と言ってくれるじゃねぇか、ロキ」

 

声音にかなりの怒気が含まれている。

 

俺はいつでも行動できるように構えておく。

 

アザゼルの一言を聞いて、ロキは楽しそうに笑う。

 

「ふはははは、これは堕天使の総督殿。本来、貴殿や悪魔逹と会いたくはなかったのだが、致し方あるまい。オーディン共々我が粛正を受けるがいい」

 

「おまえが他の神話体系に接触するのはいいってのか?矛盾しているな」

 

「他の神話体系を滅ぼすのならば良いのだ。和平をするのが納得出来ないのだよ。我々の領域に土足で踏み込み、そこへ聖書を広げたのがそちらの神話なのだから」

 

「……それを俺に言われてもな。その辺はミカエルか、死んだ聖書の神に言ってくれ」

 

アザゼルは頭をボリボリ掻きながらそう返す。

 

一応、神龍マスタードラゴンの力を受け継ぐ俺は、血の半分は人間で残りの半分が神龍の血なんだよな~。

つまり、ドラゴンと神の血が両方あるんだよね。

何が言いたいのかというとね、少なからず俺も神の…それもドラゴンの神の血を持ってるわけだから、そこんとこは大丈夫なのかな?

 

「どちらにしても主神オーディン自らが極東の神々と和議をするのが問題だ。これでは我らが迎えるべき『神々の黄昏(ラグナロク)』が成就できないではないか。ユグドラシルの情報と交換条件で得たいものは何なのだ」

 

アザゼルは指を突きつけて訊いた。

 

「ひとつ訊く!おまえのこの行動は『禍の団(カオス・ブリゲード)』と繋がっているのか?って、それを律儀に答える悪神さまでもないか」

 

ロキはおもしろくなさそうに返す。

 

「愚者たるテロリストと我が想いを一緒にされるとは不快極まりないところだ。――己の意志でここに参上している。そこにオーフィスの意志は無い」

 

それを聞いて、アザゼルは体の力を抜いた。

 

「『禍の団(カオス・ブリゲード)』じゃねぇのか。だが、これはこれでまた厄介な問題だ。なるほど、爺さん。これが北が抱える問題点か」

 

アザゼルが馬車の方に顔を向けると、オー爺ちゃんがロスヴァイセさんを引き連れて馬車から出るところだった。足下に魔方陣を展開して魔方陣ごと空中を移動していく。

 

「どうにもの、頭の固い者がまだいるのが現状じゃ。こういう風に自ら出向く阿呆まで登場するのでな」

 

オー爺ちゃんは白い髭をさすりながら言った。

 

「ロキさま!これは越権行為です!!主神に牙を向くなどと!許される事ではありません!!しかるべき公正な場で異を唱えるべきです!!」

 

ロスヴァイセさんは瞬時にスーツ姿から鎧姿に変わり、ロキに物申した。

 

しかし、ロキは聞く耳を持たない。

 

「一介の戦乙女ごときが我が邪魔をしないでくれたまえ。オーディンに訊いているのだ。まだこのような北欧神話を超えたおこないを続けるおつもりなのか?」

 

返答を迫られたオー爺ちゃんが平然と答えた。

 

「そうじゃよ。少なくともお主よりもサーゼクスやアザゼル、光輝達と話していたほうが万倍も楽しいわい。それに日本の神道を知りたくての。あちらもこちらのユグドラシルに興味を持っていたようでな。和議を果たしたらお互い大使を招いて、異文化交流しようと思っただけじゃよ」

 

それを聞いたロキは、苦笑した。

 

「……認識した。なんと愚かなことか。――ここで黄昏(たそがれ)をおこなおうではないか」

 

すると、ロキから凄まじいまでの敵意が放たれてくる。

 

「それは、抗戦の宣言と受け取っていいんだな?」

 

アザゼルの最後の確認にもロキは不敵に笑んだ。

 

「いかようにも」

 

ドンッ!

 

その言葉と同時に一気にロキへと詰め寄った俺とレイジ兄さん。

 

レイジ兄さんは相棒の雪姫を、俺は妖刀・村雨をロキに降り下ろす。

 

ガキィィン

 

「……ふむ、流石は地球連邦軍の幹部クラス。だてに世界最強の軍隊の長をやってはいないか」

 

二人の刀はロキの両手の魔方陣で防がれていた。

 

「まぁ、端からこの攻撃が通るとなんて思ってはいないさ」

 

「レイジ兄さんの言う通りだよ。所詮は初撃。あなたクラスの実力者相手に食らうとは思ってもいませんよ。なんせ――まだ始まったばかりですから!!」

 

キィィン…ガガガガガガ!!!!!!!!!

 

俺とレイジ兄さんは一旦離れると、またロキに降り下ろし、そこから連撃を放っていく。

 

「ふははは!なかなかやるではないか人間!!」

 

ロキは笑いながら俺達の攻撃を器用に避けて防いでいく。

 

はぁ…、だてに悪神の名を語ってはいませんね~。攻撃が通らないよ。

 

「そりゃどー…もっと!」

 

ギィィィン!!

 

レイジ兄さんがロキから3mほど離れた。

 

「避けろよツバサ!『零式秘技・千の槍雨』」

 

レイジ兄さんは高速の突きを放つ。そこから雨の如く突撃が鎌鼬のように飛んでくる。

 

俺はそれを咄嗟に避けて器用にかわす。

 

「ぐ!これはキツいな…」

 

ロキは悪態をついた。でも、ダメージはまったく無いようだ。

 

「まったく…レイジ兄さん危ないよ~。もう少しで当たるところだったよ~。まぁ~いいや。なら、俺も行くよ~。『絶無・奈落ヘの誘い』」

 

村雨を横凪ぎにはらう。すると、真っ黒の斬撃がロキに向かって飛んだ。

 

「ふん、こんなもの…」

 

ロキは斬撃を避けた。…………だが

 

「ここからが、この技の発揮だよ?」

 

黒い斬撃がロキの後ろで消えたと思ったら、斬撃が消えた所から空間が割れて、そこから黒い手の様なものが無数に出てきてロキを襲う。

 

「なに!?なんだこれは!……まさか!?」

 

ロキは慌てながらも黒い手を避けていく。

 

「くふふ、やっぱりわかっちゃったかな?」

 

「貴様、この手は地獄から出してきたな!!」

 

「くふふ、大正解だよ。悪神ロキ。その手は、確かに地獄から来ているよ~。だけどね?正確には、過去にこの村雨によって屠られた死者の怨念の怨みだよ~。その手は文字通り地獄から来ていて、相手を自分達と同じ所へ誘おうとしているんですよ。だから『奈落ヘの誘い』まぁ、あまりにも強力な呪詛なので滅多に使いませんけどね~。」

 

そう、言わばこの技は村雨だからできる呪いの技だ。村雨はかなりの数の人を人外を屠ってきた。その殺された魂の強力な怨念が宿りこの技が完成したのだ。

故にその呪詛は強力で、力が無いものはすぐに呑み込まれ向こうの世界にへと連れていかれるのだ。

だからこそ、滅多に使わないんだよね。

 

本来、村雨と言うのは誰が作ったのかもわからない刀だ…。この妖刀・村雨にはこんな伝承が残っている。

 

村雨には触れてはいけない

なぜなら『生きて』いるから。

人を愛し憎み、その身を変えて現れる。

愛する者には『約束』を、憎まれし者には『厄災』を………

 

こんな伝承が残っている。家にもあって、よくお爺ちゃんが言ってたのをいまでも覚えている。

 

まぁ、実際の所は対生物戦なら負けない妖刀だって事だね~。“この子”自体はスゴくいい子だしね。

 

「この…糞がぁぁぁ!!」

 

パーーーン………

 

「ただの死者の怨念ごときが我がロキを飲み込もうなぞ永遠に無理だ」

 

どうやらロキはあの技から抜け出したようだ。

 

「……お前、俺にたいして危ないって言っときながら、お前のその技の方が遥かに危ないぞ…。なんだよ怨念って…。映姫さんに見つかれば怒られるぞ…」

 

「ふ…、大丈夫だよレイジお兄ちゃん。……もう、怒られたから…。説教を丸一日も…」

 

ふぅ~、ほんと…あの時ほど映姫さんが怖いなんて思った時はないよ…。だって、物凄い覇気を撒き散らしながら此方をニコニコ(目は笑っていない)としながら此方に近づきていて、そのあと丸一日もお得意のお説教を正座で聞かされたんだよ?……最後は必死に謝り滅多に使いませんって約束しましたし。まさか、俺も初めてこの技を使ったその日に地獄に呼び出されるなんて思ってもいなかったもん。

 

「あぁ…そっか。頑張れ」

 

「うん…グスン」

 

レイジ兄さんが俺の頭を優しく撫でてきた。うぅ~…レイジ兄さんのナデナデは気持ちいいです~

 

「お前ら…イチャイチャしてないで戦いに集中しろよな……」

 

「「イチャイチャしてない(なんてするか)!!!」」

 

アザゼルに変な事を言われ反応する俺とレイジ兄さん。気づけばイッセー達がいつの間にか戦っていた。

 

「……あれ?アザゼル~。光輝兄さんは?」

 

俺は光輝兄さんがいないことに気がついた。

 

「は?お前たちと一緒にいたんじゃなかったのか?」

 

「うんん、いなかったよ。ねぇ、レイジ兄さん」

 

「あぁ、光輝は俺達とはいなかったが…。てっきり後ろでアザゼルたちといたのかと思っていたんだが」

 

「そうか…。あいついったい何処にいきやがったんだ?」

 

ドッバァァァァッァァァッッ!!!!

 

その直後、突然何かが勢いよく弾け飛んだ。

 

それによる爆風が皆を襲うが、俺が風を起こしそれを飛ばした。

 

「いったいなんだいまの攻撃…」

 

「さぁ~?いまのクラスとなるとイッセーあたりじゃないかな?」

 

「ツバサの言う通りイッセーだ。ロキが放った波動をあいつが倍加して撃ったのが相殺してさっきの現象が起きた。」

 

ふーん。イッセーがねぇ~。

 

この様子を見ていたロキが、嬉しそうに口の端を釣り上げた。

 

「……特別手を抜いたわけではないのだがな。これはまたおもしろい限りだ。うれしくなるぞ。とりあえず、笑っておこう。ふははははっ!!」

 

リアスさんや朱乃さんたちも翼を広げて馬車から出てくる。

 

「紅い髪。グレモリー家……だったか?現魔王の血筋だったな。堕天使幹部が二人、天使が一匹、悪魔がたくさん、赤龍帝、世界最強の軍隊のトップ二人と娘が一人。……オーディン、ただの護衛にしては厳重だ」

 

地球連邦軍のトップ二人に娘が一人って………もしかして俺のこと!?

 

「お主のような大馬鹿者が来たんじゃ。結果的に正解だったわい」

 

オー爺ちゃんの一言にロキは不敵な笑みでうなずく。

 

「よろしい。ならば呼ぼう。出てこいッ!我が愛しき息子よッ!!」

 

ロキの叫びに対し、空間に歪みが生じる。

 

ヌゥゥゥゥ。

 

その空間の歪みから姿を現したのは、十メートルほどの体躯の灰色の狼。

 

「「神喰狼(フェンリル)」」

 

俺とレイジ兄さんの声が重なる。

 

すると、アザゼルがイッセーの方を見て叫ぶ。

 

「イッセー!そいつは最悪最大級の魔物の一匹だ!神喰狼(フェンリル)はその名の通り、神を確実に殺せる牙を持っている!そいつに噛まれたら、いくらその鎧でも容易に貫通できるぞ!」

 

「マジですかッ!!」

 

イッセーが警戒態勢を一層高めた。

 

「そうそう。気をつけたまえ。こいつは我が開発した魔物のなかでトップクラスに最悪の部類だ。何せ、こいつの牙はどの神でも殺せるって代物なのでね。試したことはないが、他の神話体系の神仏でも有効だろう。上級悪魔でも伝説のドラゴンでも余裕で致命傷を与えられる」

 

ロキの指先がリアスさんに向けられる。

 

「本来、北欧の者以外に我がフェンリルの牙を使いたくはないのだが……。まあ、この子に北欧の者以外の血を覚えさせるのも良い経験となるかもしれない」

 

その言葉でイッセーのオーラが極端に跳ね上がった!無意識なのだろうけども、物凄いオーラだ。

 

「――魔王の血筋。その血を舐めるのもフェンリルの糧となるだろう。――やれ」

 

オオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオンッッ!!

 

闇の広がる夜空で灰色のオオカミ――フェンリルが透き通るほど見事な遠吠えをしてみせた。

 

『JET(ジェット)!!』

 

一迅の風の瞬間、フェンリルとイッセーが視界から消え――。

 

「触るんじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!」

 

ドゴンッ!!

 

イッセーが神速で襲いかかるフェンリルよりも疾くリアスの前に立ち、真正面からフェンリルの顔面を殴り飛ばしていた!!

 

「ぶ、部長!だいじょうぶですか!?ケガは?」

 

イッセーはリアスさんの怪我を心配しているが、鎧の腹部に――。

 

「ごふっ」

 

「イッセーッ!!」

 

――先ほどの一瞬で、フェンリルが左前脚の爪でイッセーの腹部を鎧ごと貫いた。

 

体勢が崩れるイッセーを木場が支える。

 

「イッセーくん。しっかり。すぐにアーシアさんの力で回復させよう!!」

 

「イッセーさん!早く!!」

 

馬車から回復役のアーシアが身を乗り出し、手元に回復のオーラを作って放とうとしていた。

 

「いや、そうはさせん。赤龍帝、フェンリルの動きに一瞬とはいえ追いついた。恐るべきことだ。今のうちに始末しておこう!!」

 

ロキが再びフェンリルに指示を送る。

 

ヤバイ!?

 

そう思い俺とレイジ兄さんは駆け寄ろうとしたその時――――

 

「メテオォォォストライィィィィィク!!!!!!!!!」

 

ゴオオオオオオオオオ……ズトォォン!!!

 

「ギャウン!?」

 

ドカァァァン!!!

 

物凄いスピードで赤く炎のように燃えた何かが空から降ってきてフェンリルを地面に落とした。

 

モクモクと地面から煙が上がっていて、その煙が突然晴れる。

 

そこにいたのは――――

 

「ふはははは!!結城光輝!ただいま参上!!」

 

シャキーンと効果音が出ている気がするくらい、戦隊もののポーズを決めている。――それもフェンリルの上で…。

 

『光輝(さん)!?』

 

どうやらさっきの出来事で混乱していたみんなが復活したようだ。

 

「はぁ…。何やってんだよあいつ。通りでいなかったわけだ…。」

 

「あははは…。流石はうちの長男だね~。」

 

ほんと…、まさか『メテオストライク』を使って来るなんてね~。

 

<説明しよう!『メテオストライク』とは、天高く空に飛び、そこから両足を突き出しながら、自身の体を炎でコーティングし、まるで隕石の如く破壊の蹴りを放つ、ありとあらゆるものを粉砕する強力な技だ!>

 

む?何か変な解説が聞こえた気が……気のせいかな?

 

「な…なんだあの人間は!そもそも人間なのか!?なぜフェンリルが下敷きになっている!あいつはいったいなんなんだ!」

 

そのなかでもロキが一番驚いていた。

 

そりゃそうだよね~。いきなり炎が落ちてきたと思えばフェンリルが叩き落とされて、さらに人間の下敷きにされているんだもんね~。

 

「光輝だからな」

 

「光輝兄さんだからだね」

 

「意味がわからんぞ!?」

 

ロキが叫んでいるが、俺達だって意味わかんないもん。そもそも、光輝兄さんは人間かどうかも怪しいし。……ん?なんでって?じゃ~、お前たちに聞くが銃弾や魔法弾ならまだしも、戦車や戦艦の砲弾や霧雨魔理沙の様な魔力砲、核兵器類や、挙げ句の果てには隕石など、様々な攻撃をくらっていながら、無傷なんですよ?さらに、そんな攻撃すらも破壊する能力を持っているのですよ?こんな馬鹿げた能力を持った人を100%人間と言えるのですか?言えませんよね。俺だって言えませんもの。ですので、わからないと言う答えになるのですよ。

 

「……くっ、まぁいい!フェンリル!起きろ!!起きてその人間を殺せ!!」

 

すると、むくりと突然フェンリルは起きた。光輝兄さんは咄嗟にフェンリルから飛び降りフェンリルから5m離れた場所に着地する。

 

「ガアアアァァ!!!!!」

 

フェンリルは着地した光輝兄さんを噛み砕かんと襲いかかった。

 

「おい!光輝避けろ!!ツバサもレイジも助けに行かないのか!?」

 

アザゼルが叫んでいるが気にしない。なぜなら――

 

ガキィィィィィン!

 

フェンリルの牙は光輝兄さんの身体には刺さらないから。

 

「なに!?」

 

ロキがかなり狼狽していた。なんせ、フェンリルの牙は何か固いものにでもあたったかのような音をたてて、光輝兄さんの身体で刺さらず止まっているのだから。

 

「……ふん、この程度の攻撃で俺の身体を貫通させようと―――片腹痛いわ!!!!!」

 

ゴウ!!

 

光輝兄さんが叫ぶと異様な突風が吹き上げた。

 

「―――攻撃ってのはなぁ…こうなんだよ!!」

 

ドゴン!

 

「ギャン!!?」

 

ズゴォォォン!

 

フェンリルは近くの岩山にぶっ飛び激突した。

 

「俺に怪我をさせようなんざ100万年早いんだよ。この駄犬が」

 

あはは~。あのフェンリルを駄犬呼ばわりですか~。相変わらずだね~。

 

「この……人間風情が!!!!!」

 

どうやらロキは物凄く怒り狂っているようだ。

 

激オコだね♪☆…………ごめんなさい。

 

「どうやら、私の出番はないみたいだね」

 

俺が心の中でふざけていると、突如として聞こえた声。その声の主である人物である白銀の鎧が俺の隣に降りてきた。

 

「久しぶりだね、結城 翼(つばさ)ちゃん♪」

 

「ヴァーリ…」

 

俺の目の前に現れたのは、白龍皇ヴァーリ。

 

「おいおい、おっぱいドラゴンは致命しょうかぃ?強いんだか、弱いんだか、わからねぇぜぃ」

 

横からは金色の雲に乗った美猴が出てきた。

 

「――ッ!おっとっと、白龍皇か!!」

 

さっきまで怒り狂っていたロキがヴァーリの登場に嬉々として笑んだ。

 

「初めまして、悪の神ロキ殿。私は白龍皇ヴァーリ。貴殿を屠りに来たよ」

 

「ふん…二天龍が見られて満足した。今日は一旦引き下がろう!」

 

ロキはフェンリルを自身のもとに引き上げさせる。

 

ロキがマントを翻すと、空間が大きく歪みだす。

 

「だが、この国の神々との会談の日!またお邪魔させてもらう!!オーディン!次こそ我と我が子フェリルが、主神の喉笛を噛み切ってみせよう!!それと、貴様ら人間共も一緒にな!」

 

そう叫んでロキは魔方陣で逃げようとした。

 

「追います?」

 

「いや、いいぞ、つばさ。」

 

「は~い」

 

俺は光輝兄さんに聞いたがどうやら追わなくてもいいようだ。

 

そして、ロキはそのまま消え去った。

 

「それにしても、随分ふざけているよね、つばさのお兄さんは…」

 

「あはは~。まぁ…光輝兄さんですからね~。」

 

呆れながらヴァーリに言われ、苦笑いで答えるしかなかった。

 

「とりあえず安全な場所まで移動するぞ。この近くにつばさの家がある。そこまで行くぞみんな」

 

『はい!(おう)』

 

「白龍皇お前らもこい」

 

「わかったよ~」

 

「わかったぜぃ」

 

光輝兄さんの指示でみんな俺がいま住んでる家に来るようだ。とりあえず、まずはイッセーの回復からだよね。家にいる人達にベットとかお風呂とかの準備をしてもらわないとね。

 

こうして俺達は一旦戻る事になったのだった。




どうでしたか?今回は全面的に主人公とその兄を活躍させてもらいました!

そして、つばさの持ってる妖刀・村雨。なかなか恐ろしい。
あ…、因みにこの村雨のモデルは『八犬伝~東方八犬異聞~』ってマンガです。もしも、気になる人がいれば読んで見てください!ちょっとBL要素が多いですが、結構戦いや謎があり面白い作品です。

そして、相変わらずの長男の光輝さん。チートっぷりが半端ないですね、はい。

さて、次回も頑張って書いていきますね~。それではまた次回でお会いしましょ~。バイバ~イ!

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