八月後半――私達は本邸前で帰宅の準備に入っていました。
グレモリー眷属の皆さんと私は荷物も準備し終わり、イッセーはリアスさんの両親…グレモリー卿とヴェネラナ夫人と挨拶を交わしているようです。 ここまでお話が聞こえてきますね。とても将来が楽しそうです♪
イッセーも大変ですね。本人としては、話の内容がしっかりわかってれば幸せなんですけど。 まぁ、本人が気づくまでいつになるのやら……。
……え?わたしが教えればいい? ダメですよ~。これにかんしては、本人が気づかないといけません。でないと進展しないのでね。
おや?お話が終わったようです。
「さて、みんな行くわよ!」
私達は荷物を持ってそのまま魔方陣で駅まで向かいました。
駅に着いてみんなさんは次々と荷物を列車に積み込みます。私はスキマにいれているので持つ必要も積み込む必要もないので、荷物はありません。
そして、そんな私はといいますとレイジ兄さまと皐月姉さまとお話をしています。
「つばきちゃん。私達は暫く冥界に残ります。まだ光輝兄さんのお仕事が残っているので」
「そうだな。俺も例の“妖魔”について光輝と調査をしなくちゃならん。お前は一端帰ってこの事をナツルと優子に伝えてくれ」
「はい、わかりました。気をつけてくださいね。皐月姉さま、レイジ兄さま。私もすぐに戻って参りますから」
「あぁ。わかっているさ。だから心配するな。俺も皐月もちゃんと無事にいるよ。なぁ、皐月」
「そうですよ。つばきちゃんは私達の大切な妹です。約束は必ず守ります。だからつばきちゃんもすぐにきてくださいね」
「はい!皐月姉さま。あ、あと此が私が調べた“妖魔”に関しての調査結果です」
私はスキマから一つのレポートの紙の束を渡しました。
「そう、ありがとう」
プルルルル~
「あ、列車が出発しそうです。では、暫くのあいだ頼みます!」
「おう!任しとけ!」
「えぇ、任しなさい」
私は列車に乗り込み、席に移動して窓を開けて私は窓から手を振ります。
「ツバキ姉さま、リアスお姉さま。お元気で~!」
ミリキャスの言葉に手を振って微笑む。
サーゼクスさん、グレイフィアさん、そしてミリキャス……親子のスリーショットを見て平和だと思った私でした。
現在私は列車の席座りイッセーの宿題の講師をやっております。イッセーはどうやら夏休みの課題が多く残っていたらしくて、列車内でがんばっています。
私ははとっくに終わっています。流石に量が多かったし、皆さんが修行中の間は何もすることがありませんでしたので、ミリキャスの相手をしながら一緒に勉強を頑張っていました。ミリキャスはやっぱりサーゼクスさんとグレイフィアさんの子供何だなぁ~っと思いましたね。とても頭が賢かったです。 それと、やっぱりまだ子供何だなぁ~とも思いましたね。何故かといいますと、たまにグレイフィアさんが私達の勉強会きてミリキャスと私の勉強を見てくれました。その時のミリキャスは、本当にとても嬉しそうにニコニコと笑顔でいました。それにグレイフィアさんも楽しそうに嬉しそうにしながら勉強を教えていました。そんな二人を見ながら私はホッコリと『平和だな~』っと思っていましたね。
――それから十数分後。
宿題を終えたイッセーは、疲れのせいか寝てしまいました。隣のアーシアがイッセーに膝枕をやっていました。何だか嬉しそうな顔のアーシアです。
私はそんな二人を見たあと、窓の外をみてボーっとしていました。
「(“妖魔”か………)」
妖魔…生態系や生息地、種類や数等がわからなく突然現れては暴れて、突然消えるという摩訶不思議な謎の生物…。そもそも生物なのかもわからない本当に謎に包まれた何かなのだ。
家にあった歴史書では今から100年前に地球に突然現れたと書かれていました。其からと言うものごくまれに出現しそこに住む生物を襲っているそうです。昔の人はそれを“鬼”と呼んでいたそうです。現に見た目が鬼の様な者もいれば、狼の様なもの、鳥の様なもの、カエルや蛇、魚や人形もいたそうです。挙げ句には鬼火や首なし、巨体でお腹に大きな口があるやつや下半身は蛇で上半身が鬼の様なものに腕が四本あるもの、カタツムリみないなものに人の体の様なものがあるバケモノ達も沢山いたそうです。
これをほおっておくと生物は滅びる…と先祖の遺言に書いてありました。
そんなバケモノを私達結城家は代々退治及び調査をおこなっていました。それでも最近新種の様なものが出てきて大変です。機械じみたやつまで出てきたので毎回調査が困難になってしまいます。本当にまいってしまうですよ。まったく………
「はぁ~……。深く考えすぎても体に悪いですし、今は休めるために寝ましょうか」
私は横になり、そのまま意識を落としました。
「ふあぁ~」
だいぶん寝ましたね、私。さて、今は何処なのでしょうか? あら?どうやら人間界の地下ホームに到着しているようですね。
「ツバキ起きたかにゃ?もう、皆降りたにゃ」
声が聞こえてきたので横を向くと黒歌がいました。もしかして、頭に柔らかいものがあったのって……私はいままで―――
「黒歌、もしかして膝枕してくれてた?」
「うん、膝枕してたにゃ」
やっぱり
「足…痛くなかった?」
「大丈夫にゃん♪ツバキは軽いし、それに可愛い寝顔を間近で見れたからそれでもう満足にゃん♪」
そ…そうでしたか。てか、可愛いって…///恥ずかしい…なのです…///
「さ、さて!早く列車を降りましょう!黒歌」
私は恥ずかしさをまぎらわすために慌てて列車を降りました
「はいはい、そんなに急ぐと転けちゃうよ~♪」
そんな声を聞きながら私は急いで列車から降りて皆さんと合流すべく、黒歌と一緒に少し早めに歩いていました。暫く歩くと数メートル先にリアスさん達グレモリーメンバーを見つけたのですが、何故か困惑しているようで、私と黒歌は近くに駆け寄りました。そこにいたのは―――
「アーシア・アルジェント……やっと会えた」
優男がアーシアに詰め寄っており、アーシアが困惑した表情で佇んでいるところでした。
「おいおいおい!!アーシアに何の用だ?」
その間に入り込むイッセー。 でも、この顔……何処かで見たことが―――
「僕を忘れてしまったのかな?僕とキミはあの時に出会ったはずだよ?」
優男はそんなことは気にせず、服の胸元を開く。そこには大きな傷跡がありました…。
それを見たアーシアが、目を見開いていた。
「――っ。その傷跡は、もしかして……」
「そう、あのときは顔を見せられなかったけど、僕はあのときの悪魔だ」
その時、私は脳裏に浮かんだある悪魔の名前を思い出しました。
「――そうだ、ディオドラ・アスタロト。あの会合の時に顔合わせした上級悪魔ですよ!」
ディオドラはアーシアに近づいたかと思ったら、手を握って手の甲にキスをしました。
イッセーは掴みかかろうとしたので私の能力を使いイッセーの動きを止めました。
「アーシア、僕はキミを迎えに来たんだ。会合のとき、挨拶が出来なくてゴメン。でも、僕とキミの出会いは運命だったんだと思う。―――僕の妻になって欲しい」
ディオドラは、私たちの目の前でアーシアに求婚したのでした。
私達のあの暑かった夏が終わり、季節の変わり目となる秋がいま始まろうとしていた。