ハイスクールD×D~最強男の娘の転生物語~   作:三元新

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お気に入り件数300を越えました!皆さん!この小説を見ていただきありがとうございます!! これからも頑張って書いていくので暖かく見守ってくださると嬉しいです!! それでは、本編をどうぞゆっくりみていってね♪


12話 恐怖の夢

俺は今、何処か分からない場所に立っていた。回りにはなにもなく、ただただ、瓦礫があり全てが燃えて赤く染まっていた……。

 

あれ…?ここは…どこ? なぜなにもないの? なぜみんな燃えてるの…? なぜ?なぜ?なぜ!

 

『くははは!燃えろ!燃えろ! あの忌々しき一族は全て朽ち果てろ! ぐぁっははははははは!』

 

目の前には、灰色の大きな狼がみんなを切り刻んでいく。みんな、殺されていく、みんな死んでいく…。

あれ? なんで、お兄ちゃんが倒れてるの? お姉ちゃんが倒れてるの? うそだよね? 冗談だよね? 死ぬわけないよね? だって、あのお兄ちゃんとお姉ちゃん達なんだよ…?死ぬわけが……

 

『きゃぁぁぁ!!』 『うわぁぁぁ!!』

 

え…? なに? あ…れ? リアス…さん? イッセー…? それに、アーシアも小猫ちゃんもゼノヴィアも黒歌さんも木場も、サーゼクスさんも セラフォルーさんも アザゼルも ミカエルさんも……みんな…みんな倒れてる……。あかく…あかく…あかくあかく…あかくあかくアカクアカクアカクアカクアカクアカクアカクアカクアカクアカクアカクアカクアカクアカク!!!

 

みんな…赤く染まってる………なぜ?…どうして? ドウシテナノ? 俺が何をしたって言うの!!

 

『おぉ?まぁだ生き残りがいたのか。くっくっくっくっくっ! お前で最後だなぁ~。なぁ~に、心配はいらないさ…。お前もすぐに、あいつらの所に連れてってやるよ』

 

やだ…、来ないで…! やだ…嫌だよ…!まだ死にたくない…!まだ生きたい!! 誰か…助けて…!助けてよぉ~……!!

 

『そんじゃぁ…。死ねぇーーーーー!!!!!!』

 

ひっ………!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イヤァァァァァァァァ!!!!!!」

 

俺は勢いよくベットから起き上がった。

 

「はぁ…はぁ…はぁ………!」

 

俺は回りを見渡す…。そこは何時もと変わらぬ自室だった。そして、俺の体は汗でベットりとして、とても気持ち悪かった。

 

「…………ゆ…夢…なの?」

 

夢…だったのかな…? あんなにも赤く染まっていて、みんな知ってる人や大切な人達がみんな赤く染まって倒れている恐ろしい夢………。 なんで、あんな夢を見たんだろうか……。 まさか…正夢……? あ…あははは…、そ…そんなわけ…ないよね? うん…きっとない、あるはずがない! きっとあれはただの夢だ! ただの夢なんだ! あんな事…おこるはずがない!!

 でも…、夢に出てきたあの狼…何処かで見た気がする………。どこだっけ…?うぅ…ん思い出せない…。いくら探しても霧がかかったかの様にわからなくなってしまう。 いつもいつも、感じんな所でわからなくなるから、とっても気持ち悪いよ…。 うぅ~………。

 

 

 誰か…いるかな? このままじゃ……耐えられないよ………

 

俺はパジャマのままだが、部屋を出て家の中を歩き回る事にした。

 

「黒歌さ~ん!…幽香お姉ちゃーん!!……………………?」

 

返事がない………。あれ…?誰もいないの…? ほ…本当に…誰もいないの……? ま…まさか…!? あの夢が、夢じゃなく現実だったら…………………

 

「………………くっ!!」

 

俺は走った。広い家の中をひたすら走った。誰かいないか叫びながら…色んな部屋を回りながら、ただひたすら不安を取り除こうと、誰かいないか色んな所を探し回った。だが………………

 

「だれも…………いない……」

 

そう…、誰もいなかった。いるのは俺一人……どんなに探しても、俺以外の人はいなかったのだ…。もしかしたら、夢が本当だったのかも知れない…。家だけじゃない…外に出ても、回りには俺以外は誰もいないかも知れない……そう思うたび俺の不安は膨らんでいった……。大好きな家族も友達も仲間も…みんな、みんな…いなくなっていると思ってしまう……。 俺は此からずっと一人なのか……すっと孤独なのか…不安が不安を呼び…俺の心は今でも壊れそうなくらいに不安に押し潰されていた…。

 

「お願い……誰か……誰か…返事をしてよ………誰か…いないの?……お願いだから……誰か…返事をしてよぉ………」

 

俺の頬に一粒の涙がこぼれ落ちた。それから更に落ちていき…その量は増えていった…。

 

「ひっ…く…えっ…ぐ……だれかぁ……返事を…してよぉ…………」

 

それでも誰も返事はない…………。俺の心は絶望に変わった……。朝みた夢は…、夢じゃなかったんだ……、現実だったんだと…………。そう…、もうこの世界には…この世には…誰もいない……。家族も、友達も、仲間も…みんな…み~んな死んじゃったから…………。だから…俺は……一人ぼっち…なんだ…。 もう…本当に…みんな死んじゃったのかな…?みんな…本当にいなくなってしまったのかな…? だれかぁ…一言でもいいから…返事を……してよぉ…………

 

ブゥオォン!

 

「つーく~ん♪ いる~? 遊びに来てあげたよ~♪」

 

この声は……………

 

「……紫…さん…?」

 

俺の目の前には、紫さんがいた。何時もの様に隙間から来たみたい……。

 

「あら?つーくん見っけ!……あら?どうしたの?」

 

「紫…さん?……本当に…本当に…紫さん?…偽者でもなく、夢でもなく…本物の……紫さん?」

 

「え?えぇ。そうよ?本物の八雲 紫よ。どうしたのよ?そんな質問して。それに、目も赤く腫れているわよ?大丈夫?」

 

そう言った紫さんは、俺の頬に優しく手を触れてきた。……温かい…。人の手の温もりが感じれる…。そして、紫さんが目の前にいる……夢じゃなく……本当に…現実にいる……。 と、いうことは……夢は夢だったんだ……。みんな…生きてるんだ……家族も、友達も、仲間も…みんな…みんな、生きてるんだ!! 良かったぁ…良かったよぉ……

 

ガバァッ!!

 

「キャッ!?」

 

俺は思いっきり紫さんに抱きついた……。本物だ…この温もりは…本物なんだ……。

 

「ど、どうしたのよ、いきなり抱きついてきて…。ビックリするじゃない」

 

「ひっ…く…えぐぅ……怖かった……怖かったよぉ……みんな…みんないなくなっちゃったんじゃないかと思ったよぉ~……よがったぁ…よがったよぉ~……」

 

「つーくん……。なにがあったの?私に話してみなさい……?。」

 

そう、紫さんが優しく問いかけてくれる。俺はそれに小さく頷いた。

 

「うん……えぇとね……」

 

俺は今日みた全ての事を話した。 恐ろしく現実的な夢を見てしまったこと……朝その夢を見て飛び起きて、不安にかられ家を誰か居ないか探し回った事……誰もおらず、夢は夢じゃなく現象だったのではないかと不安に押し潰されていた事を……そして、紫さんが来てくれて、不安が無くなったことを………

 

 

「ひっ…くぅ……本当…に…怖かっ…た!……みん、な……居なく…なっ…て…しまっ…たんじゃ…ないかって…思っ…て…しまっ…た…んだ……ひっ…く……えっ…ぐ………怖かった……本当に……本当に……怖かったよぉ……」

 

「そうなのね……。それは怖かったわね……。大丈夫……私達は何処にも行かないわ……貴方を置いて絶対に何処にも行かないわ…。私達…幻想郷の住民も……貴方のお兄さん、お姉さん達も……そして、貴方の仲間の悪魔や天使の人達も……。みんな絶対に居なくならないは…。此だけは必ず約束するから……。だから、大丈夫…安心して? 絶対に大丈夫だからなね?つーくん……」

 

「紫…しゃぁん……ひっく…ふぇっぐ……う…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!」

 

俺は紫さんに思いっきり強く抱き締め顔を胸に埋めて泣きまくった……。普段なら恥ずかしすぎてこんな行動は無理だろうが、今の俺にはそんな考えなんて一つもなかった…。ただただ、心の中から安心していたから、たまっていたものを全て吐き出していたのだった……

 

「ふふふ…、可愛い子ね……まったく…こんな弟を持って羨ましいわぁ…さつき達が……」

 

 

それから、俺は紫さんの胸で沢山泣くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暫く泣いたあと、おれは不安がなくなったので泣き止んだ……。しかし、自分の今の状況とみっともなく大泣きしていたのとで、顔が耳まで真っ赤になってる気がした。たぶん、トマトの様に真っ赤になっているだろう。

 

「は…うぅ~…そのぉ~、ご、ごめんなさい。紫さん……服を…汚してしまって……」

 

俺は紫さんに恥ずかしがりながら、謝っていた。何故なら、俺が泣いていたせいで、服がびちゃびちゃになっていたからだ。

 

「あら、いいわよ別に~。替えならいくらでもあるし、何時もよりも可愛くて普段見れない貴方の姿を見れたんだから、まったく気にしていないわよ。むしろ、可愛い姿、ごちそうさまでした♪」

 

そう言った紫さんは笑顔だった。はぅぅ!そんな事を言われたらよけい恥ずかしくなっちゃうよ~…!

 

すると、紫さんの服がいつの間にか新しくなっており、新品の様に綺麗になっていた。

 

「着替えもすんだし、私は帰るわ、じゃぁ~ね~」

 

そう言った紫さんは、隙間を出して帰ろうとしたが……。俺が服を着かんで止めた。

 

「あら?どうしたの?つーくん。まだなにかあるのかしら?」

 

「あの…えっと…その…あの……うぅ~……」

 

言わなきゃ言わなきゃ!これは絶対言わなきゃダメなんだ!!

 

「その…ありがとう…ごさまいます……今日は…本当に……」

 

すると、紫さんが少しキョトンとした顔になるが、すぐに優しく微笑み…

 

「どういたしまして」

 

そう言ってくれた。はぅ~、言えたぜ!俺よ…頑張ったね!! でも、本当にお礼をするのは、気持ちいいね~♪

 

―side out―

 

 

 

 

―紫side―

私の名前は八雲 紫よ。今日はつーくんの今住んでる家に久しぶりに遊びに行こうと思い来たんだけども、この子が突然抱きついてきて、泣いたのよ…。理由を聞いたら、大好きなみんなが死んでいて一人になっていた夢を見たそうなのよ…。不安がって泣いていたこの子はとっても可愛かっわ。でも、やっぱりどんなに強がっていても淋しがり屋なのね…。本当…小さい時から変わらないわね…。

 

私が帰ろうとして、捕まりお礼をされたので、それを返して次こそは帰ろうとして隙間を出した。

 

「じゃ、次こそは帰るわね」

 

「まっ!まって!」

 

あら?まだあるのかしら。本当、淋しがり屋さんね~♪

 

「あら?まだなにかあるのかしら?」

 

「その…えっ…とね?……今日はあの怖い夢を見たせいで、一人でいるのが怖いの………だから………だから………一緒にいてくれる………?」

 

…………え? ちょ……ちょっとまちなさい。これは夢なの?夢なのかしら?こんなにも可愛い生き物がこの世にいるのかしら? 痛い!! うん、頬をつねってみたけど、痛いわね…。夢じゃないわけね………。ふぅ…。こんな生き物がいていいのかしら?顔を赤くさせて、上目ずかいの涙目で、細くか弱そうな手で小さく服の袖を掴んでいて、恥ずかしがりながらお願いする、こんなにも可愛い生き物がいるのかしら………。あぁ…ダメだわ……この子にそんな顔でお願いされたら断れないじゃないのよ………

 

「ゆ…ゆかりしゃぁ~ん………だめ…でしゅかぁ?」

 

裾を掴んでいた手に力が入り、更に涙目になり、今にも泣きそうな顔で聞いてきた。

も…もう!こんなのダメだわ!断れるわけないじゃない!!

 

「いいわ!いいわよ!今日は一日一緒にいましょ?つーくん!!」

 

「ほ…本当に? 本当に、本当…?」

 

「えぇ!本当に本当よ♪私は嘘はついていないわ!」

 

私がそう言った瞬間、目の前で不安そうにしていたつーくんが物凄い笑顔になった。

 

「やったぁぁぁ♪ゆかりしゃぁーん!ありがとう!!うわぁぁい♪」

 

目の前で、ぴょんぴょん跳ねながら喜んでいるつーくん…。ヤバイ…この子可愛い過ぎるわ…。そうよね…こんな純粋で淋しがり屋さんなこの子を一人になんて出来ないわね。この子を一人にしない為にも、私達ももっと強くならないとね…。

 

「じゃぁ、つーくん。今から晩ご飯を作るわね。だから、手伝ってくれるかしら?」

 

「うん!手伝う~♪」

 

手伝う~って…もう!可愛い過ぎるわよぉ~!!!!!!

 

「そう!なら、頑張ろっか♪」

 

「はい!」

 

こうして、私達は一緒にご飯を作るのだった。




どうでしたか?今回は主人公の淋しがり屋を協調してかいて見ました。前回でもありましたが、主人公の記憶は一部だけ霧がかかったかの様にわからなくなっているようです。 理由については後々話しますが、ヒントは主人公の前世です。 まぁ、今回夢にも出てきた“灰色の大狼”ですが、これは物語の鍵になっています。いったいこの大狼は主人公とどんな関係なのでしょうか………。

では、次回までお楽しみです♪ それでは、バイバーイ(⌒∇⌒)ノ"

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