ハイスクールD×D~最強男の娘の転生物語~   作:三元新

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テストだったので遅くなりました。今回で決着です。それではどうぞ~♪


10話 全ての決着つきました

俺は今、突如襲ってきた『禍の団(カオス・ブリゲード)』と戦っているんだが…………、兄さんに命令されゼノヴィアと木場の手助けをしながら魔法使いどもを蹴散らしているんだけども、目の前では物凄いカオスな状態になっていた…………

 

「ふはははははは!!弱い…。弱いぞ!!魔法使いどもぉぉぉぉぉ!!」

 

「そしてくらえ!『烈風脚』!!」

 

ズカァァァァァン!!

 

『ぎゃぁぁぁ!?』

 

「レイジ様!いけます!」

 

「おう!わかった。行くぞ!!」

 

「「ソニック・スラッシャー!」」

 

ズシャシャシャシャシャシャシャ

 

『きゃぁぁぁぁぁ!!』

 

目の前で魔法使いどもを蹴散らす兄さん達の姿がうつった。現状は、魔法使い達が手も足も出せずに一方的にやられている状態になっていた。

魔法使いが魔法を放つがそれをこうき兄さんが能力で破壊したり、レイジ兄さんが雪姫で跳ね返したり…と、とりあえずカオスな現状がおきているのだ…。

 うん…、結論から言うとね、この戦闘に入りたくないよ!? なに!何なのさ!!なんで地球連邦軍の最強の二人が自由に暴れてんのさ!? 絶対嫌だよ!『絶対防御の破壊神』と『剣聖王』の二人が戦っている中に入るなんて!?

くそぅ…誰ですか、こんな二人がいるときにテロをしようと考えたアホは……。

 

「つ…つばささん?君のお兄さん達はスゴすぎないかい?」

 

「た…確かにな…。いったい彼らはなんなんだ?」

 

すると、隣にいたゼノヴィアと木場が兄さん達の事を聞いてきた。なんて言えばいいのでしょうか?

 

「えぇ~とですね。あなた達は『絶対防御の破壊神』と『剣聖王』は知っていますか?」

 

俺の質問に二人は頷いた。

 

「ああ、知ってるぞ?特に教会ではかなり有名だからな、その二人は。」

 

「確かに、悪魔の世界でもかなり知られているね。確か『絶対防御の破壊神』はその名の通り、どんな攻撃をしても傷が付かず、全ての物を破壊尽くす事から付けられた名前だと聞いたね。」

 

「ああ、教会の方でもその通りだ。確か…教会の戦士の中にはそいつと戦っている奴がいてな?なんでも、体長が2mを超えたがたいのいい大男で、攻撃が全く効かず全滅されられたみたいだったな。ゆういつ無事だった奴は体を小刻みにガクガク震わせながら、『奴は…化け物だ……』なんて言っていたな。」

 

「悪魔の方では何人かのはぐれ悪魔やはぐれ神父が殺られていたそうだよ」

 

「なるほど。あと、『剣聖王』はなんでも剣の使い手らしくてな、あまりの強さ故に付けられた二つ名だそうだ。その剣筋はありとあらゆる物を断ち、その剣筋を見切れる者はいない…と言われる程の剣士らしく、それ故に付いた名が最強の剣士がもつといわれる『剣聖王』だそうだ」

 

そう説明してくれた二人は、うんうんと頷きながら話をしていた。

 

「そうですか。そこまで知っているならいいですね。実はその二人が彼処にいる兄さん達なんですよ」

 

「「………え?」」

 

すると、二人は驚き顔になって同時に“えっ”と言った

 

「因みに、『絶対防御の破壊神』が彼処にいるこうき兄さん。『剣聖王』は反対方向にいるレイジ兄さんですよ~」

 

「「ええええええええええええええええ!?」」

 

俺の発言に物凄い大声で二人は叫んだ。あぅ~耳がぁ~…

 

「あぅ…。と、とりあえず、俺がこうして何もせずにボーとしているのは、そんな二人の間に入りたくないんですよ…」

 

まぁ~…、俺の能力とルーツの力を使えばどうってことはないんだが、それでもあの二人を相手するのはキツいんですよ……。それに、まだあの二人は“奥の手”がありますしね…………

 

さてと、どうしようかな?とりあえずサーゼクスさんの所にいる魔法使いどもを蹴散らしにいきますか。

 

「ゼノヴィアさん、木場さん。サーゼクスさん達の所に魔法使いが攻撃をしているので行きましょう?」

 

「「わかった。(了解だ)」」

 

俺達三人はサーゼクスさん達のいる所に急いで走った。サーゼクスさん達は自分達の回りに結界を張っており、その結界にむけて魔法使い達は攻撃をしていた。

 

「ゼノヴィアさんは右側を、木場さんは左側を、そして俺は中央の魔法使い達を相手するので各個撃破をお願いします!!」

 

「わかったよ!つばささん!」

 

「よし!わかった、つばさ!!デュランダルの錆にしてくれる!」

 

そう言った二人はそれぞれの場所に行き、魔法使いを相手した。

 

よし、俺も負けていれませんね。

 

「コピー能力発動!『フランドール・スカーレット』!」

 

俺はフランの能力を使った。そして俺は右手を中央にいる魔法使い達に向かって突きつけるようにだした。

 

「キュッとして、ドカーン!」

 

ドッカァァァァァァン!!

 

俺は右手をパーにしていたのをグーにして握ると、空中にいた魔法使い達がいた所が大爆発を起こした。

すると、目の前にいた魔法使い達は、爆発の影響により、服などが所々破けたり焦げたりした全身がボロボロの状態で地面に倒れていた。

 

「う~……、やり過ぎちゃったかな?」

 

う~ん、やり過ぎちゃったかも知れないけど…、まぁ、いっか♪

 

「大丈夫でしたか?皆さん!」

 

俺はサーゼクスさん達にかけよって聞いた

 

「すまない、此方は大丈夫だ。ありがとう、つばさくん」

 

「私からもお礼をさせてもらいます。ありがとうございます、つばささん」

 

「私からもお礼をさせてください。ありがとうございました、つばささん」

 

サーゼクスさん、ミカエルさん、ガブリエルさんの順番でお礼を言ってきた。

 

「いえ、気にしないでください!俺は当たり前のことをしただけですから」

 

そう言った俺はサーゼクスさん達にお辞儀をしたあと、急いで兄さん達の所に向かった。なぜなら、なにか嫌な勘が働いたからだ…

 

 

 

俺は急いで兄さん達のいた所にくると、地面で倒れているアザゼルと、空中で白い全身鎧のヴァーリがいた。

旧校舎の方向に向くと、イッセーとリアスさん、それにギャスパーがいた。あ、無事に助け出したんだね

 

「……チッ。この状況で反旗かよ、ヴァーリ」

 

「そうだよ、アザゼル」

 

アザゼルが憎々しげに言ったのをヴァーリが答えた。

はぁ…、やっぱり裏切ったんだね。おかしいなぁ~っと思ったんだよね~、会議室にタイミングよくテロを起こせたのが~。外には情報が漏れないようにしたはずなのに情報が漏れていた……なら考えられる事はひとつだ、それは………裏切りだね。

どうせ裏切りるならヴァーリかその他の雑魚兵の人だと思ったけど、ヴァーリなんだね~。

はぁ、嫌な予感が的中だよ…。予想通り、皆からしたら予期せぬ嵐がきたね。

 

「……一応、理由を訊いておこうか。何で堕天使側のお前が『禍の団(カオス・ブリゲード)』にいる?」

 

アザゼルの問いにヴァーリは淡々と答えた。

 

「正確には協力するだけだよ。魅力的なオファーをされたんだ。『アースがルドと戦ってみないか?』こんなことを言われたら、自分の力を試してみたくなるじゃない?私では断れないよ。」

 

「………いつオファーを受けた?」

 

「コカビエルを本部に連れ帰る途中で受けたんだ。こちらのほうがおもしろそうだからね」

 

「俺はおまえに『強くなれ』と言ったが、『世界を滅ぼす要因だけは作るな』と言ったはずだ」

 

「関係ないよ。私は永遠に戦えればそれでいいんだから。」

 

「……そうかよ。いや、俺は心のどこかでおまえが手元から離れていくのを予想していたのかもしれない。――おまえは出会った時から今日まで強い者との戦いを求めていたものな」

 

ヴァーリの答えにアザゼルは少し悲しそうな顔になっていた。

 

「何だかいやらしい視線を感じるわ……その子が赤龍帝なのですか?ヴァーリ」

 

「うん、残念ながらそうだよ。本当に残念な宿主なんだ」

 

「残念残念言うなッ!俺だって懸命に日々を生きてんだ!……って、何でおまえとアザゼルが対峙している?つーか、その姉ちゃん誰だよ?」

 

「なるほどね。本当に残念な子みたいね。ヴァーリ、殺すの?」

 

「どうしようか迷っていたんだけどね、今は殺さないよ。私は彼にそこまでの期待をかけているわけじゃないけどね、今はそれよりも彼らと戦ってみたいからね。」

 

そう言ったヴァーリは俺と兄さん達を指差した。

 

「ほう…、君は俺達と戦いたいと?」

 

「うん、そうだよ。あなた達…三大勢力のトップ陣が強いと言ったあなた達とね」

 

「そうか…。はぁ、面倒だな全く…」

 

「すまねえ、こうき」

 

アザゼルは申し訳なさそうに謝っていた

 

「今回の下準備と情報提供は白龍皇ですからね。彼女の本質を理解しておきながら、放置しておくなど、あなたらしくない。結果、自分の首を絞めることとなりましたね」

 

と、女性がアザゼルを嘲笑した。

 

「私の本名はヴァーリ。――ヴァーリ・ルシファーだよ」

 

苦笑しているアザゼルをよそにヴァーリは自身の胸に手を当て、皆に向かって言ってきた。

 

「死んだ先代の魔王ルシファーの血を引く者なんだよ。けれど、私は旧魔王の孫である父と人間の母との間に生まれた混血児。『白い龍(バニシング・ドラゴン)』の神器は半分人間だから手に入れたものだ。偶然だけどな。ルシファーの真の血縁者でもあり、『白い龍(バニシング・ドラゴン)』でもある私が誕生したの。運命、奇跡というものがあるなら、私のことかもしれないね。」

 

そう言うと、ヴァーリが着ている白龍皇の鎧の背中から光の翼と共に悪魔の翼が幾重にも生えだした。

 

「嘘よ……。そんな……」

 

「事実だ。もし、冗談のような存在がいるとしたら、こいつのことさ。俺が知っているなかで過去現在、おそらく未来永劫においても最強の白龍皇になる」

 

驚愕しているリアスさんにアザゼルは現実を教えた。

う~ん…、確かに強いけど、やっぱりグレートレッドのガイヤやオーフィスこと龍美、それにルーツに、他の古龍種達を見てきた俺からしたらやっぱり弱いね~。

えっ?マスタードラゴン?無理無理、あの人?に勝てる奴なんていないよ~。俺が転生者って事も見抜いたし、なにより、神龍だからね~。力が桁違い過ぎて比べ物にならないよ。俺だって全力をだしても勝てる気がしないもん

 

「覚悟を決めてもらいましょうか、アザゼル」

 

そんな事を思っていたら、アザゼルを嘲笑うカテレアがいた。すると、アザゼルは懐から一本短剣らしきものを取り出し

 

「俺の楽しみを奪う奴は消えてなくなれ」

 

「禁手化(バランス・ブレイク)……」

 

短剣は形を変え、パーツが別れ光が吹き出しアザゼルは金色の全身鎧に包まれていた

 

「『白い龍(バニシング・ドラゴン)と他にドラゴン系神器を研究して作り出した、俺の傑作人口神器だ。

『堕天龍の閃光槍(ダウン・フオール・ドラゴン・スピア)』それの擬似的禁手状態『堕天龍の鎧(ダウン・フオール・ドラゴン・アナザー・アーマー)』だ」

 

おぉ~!人口神器だ!とうとう作ったんだね~、念願の人口神器!本当…アザゼルの神器の研究はどんどん進んでいるんだな~。

 

アザゼルはカテレアに手招きをした。

 

「来いよ」

 

「なめるなッ!」

 

突然戦闘モードに切り替わった二人。特大なオーラを纏って飛び出す女性。

 

ザシュッ!

 

一瞬のことだった。

 

カテレアがアザゼルに飛び込み、アザゼルも槍を持って対応した。

 

刹那――。

 

ブシュッ!

 

カテレアの腹部から鮮血が噴出して、その場で膝をつく。

 

コンマの世界でアザゼルが勝ったようだ。それでもカテレアは、諦めずに立ち上がる。

 

「――ただではやらせません!」

 

グニュリ――。

 

そう言ったカテレアは自身の腕を触手のように変化させ、アザゼルの左腕に巻きつける。

 

そして、カテレアの体中に怪しげな文様が浮かび上がった。

 

うん?あれって……もしかして!?

 

その時、リアスさんが叫んだ。

 

「あれは、自爆用の術式だわ!」

 

リアスさんがカテレアの使用したモノを見て、叫んだ。

 

アザゼルが巻きついた触手みたいなものを剥がそうとするが、一向に剥がれる気配はない。

 

「アザゼル!この状態になった私を殺そうとしても無駄です!私と繋がれている以上、私が死ねばあなたも死ぬように強力な呪術も発動します!」

 

「――ッ!犠牲覚悟に大ダメージってか!?安っぽい発想だが、効果は絶大なわけだ」

 

アザゼルは悔しそうに叫んでいた。すると、こうき兄さんがアザゼルに近づいていった。

 

「ダメです!あれはもう、どうにもできません。行けばこうきさんも巻き込まれてしまいます!!」

 

「そうだ、こうき!来るんじゃねぇ!いくらお前でも、元が人間のお前がただじゃすまねぇ!!ここから離れてろ!!」

 

そう叫んでいたリアスさんとアザゼルだが、こうき兄さんは呆れたように溜め息をはいた。

 

「お前らなぁ~、俺を誰だと思ってるんだよ。それに忘れていないか?俺の能力をさ」

 

そう言った兄さんはそのままアザゼルに近づいていって、アザゼルの腕に付いた触手を掴んだ。

 

「何をするか知りませんが無駄ですよ。その触手は私の命を吸った特別性。絶対に外れませんし切れませんから」

 

カテレアはそう言ったが、こうき兄さんは不適に笑う。

 

「ほう、そうか。だがな…」

 

パァァン!

 

「俺には無意味な事だな」

 

「えっ…!?」

 

突然触手が破裂して、アザゼルの腕に付いていた触手も綺麗に塵となって霧散した。

突然起こった事に驚きを隠せないカテレアとアザゼル達…。

はぁ~、こうき兄さんの能力を甘く見ていたか忘れてましたね?アザゼル達は……。全く……。こうき兄さんに壊せない物なんて、この世には無いんですからね~。

 

「ふん、やはりこの程度だな。カテレア…お前に特別に教えてやろう。俺の能力は2つある。1つ目は『絶対防御』…ありとあらゆる物を防ぐ能力だ。俺が貴様の攻撃が食らわなかったのはその能力のお陰だな。

それで2つ目が、『絶対破壊』…ありとあらゆる物を破壊する能力だな。これは言わば『絶対防御』の反対の能力だな。そして、貴様の触手を破壊したのがこの能力の影響だ。まぁ、これにプラスで、まだ力があるが…、それはあまり使うことが無いな。俺は己の体のみで戦っているからな!

まあ、この能力を使って戦っていたら、付いた二つ名が『絶対防御の破壊神』……それが俺だよ」

 

「な…!あの……化け物があなただったなんて…!」

 

カテレアは化け物を見るような眼で驚いていた。

 

「さて…、貴様は俺達の邪魔をした。地球連邦軍がいると知ってて世界を混沌の闇に落とそうとしたんだ。勿論………覚悟はできてるんなだろうな?」

 

こうき兄さんから物凄い殺気と威圧が漏れていた。

 

「ひぃっ!?」

 

カテレアはあまりの殺気の強さに驚愕し、腰を抜かして尻餅をついていた。カテレアの顔は恐怖に刈り取られて、冷や汗を大量に流し、目元には涙が溜まっていた。

 

「じぁ………消えろ」

 

ズドォォォォォォン!!

 

こうき兄さんは左手に赤い気を纏わせてそれをを大きく振りかぶりカテレアに振りおろした。そしたら、大きな音とともに地面に大きなクレーターが出来てて、そこにはカテレアの姿はなかった。恐らく跡形もなく消し飛ばしたのだろう。

 

「で…、どうするんだ?白龍皇…。俺と…、いや、俺達と戦うか?」

 

こうき兄さんはヴァーリに聞いていた。

 

「うん、それでも戦うよ。今のは怖かったけど、余計に戦いたくなったしね!」

 

「そうかそうか…、お前らはどうするんだ?」

 

こうき兄さんが俺達のほうを向いて聞いてきた。

 

「俺はどっちでもいいぞ?負けはしないからな」

 

レイジ兄さんは自信満々に答える

 

「俺は、まぁ~……、どっちでもいいかな?出来れば戦いたくないけどね~」

 

俺はそう答える

 

「そうか…、なら戦うか!」

 

そう言った兄さんは左手をだし右手を後ろに構える様に構えた

 

「元々、戦うき満々だったくせに…」

 

俺は兄さん達にそう言った。二人とも本当に戦闘が大好きな人なんだから…

 

「ちょっと待て!俺も入っているのか!?」

 

レイジ兄さんは驚いた顔で俺に聞いてきた

 

「なにいってるの?そうに決まってるじゃないですか」

 

「ちょっ!それは誤解だ!俺は断じて戦闘狂ではない!」

 

「ふ~…ん。じゃぁ~…、さっきまで向こうでテンションが上がって魔法使いと戦っていたのはなぜかな~」

 

「え!いや…それは~………」

 

「ジーーー」

 

頭をかきながら明後日の方向を向くレイジ兄さんに向かって俺は無言でジーっと見ていた

 

「あ…あははは。……ごめんなさい」

 

「うん、よろしい」

 

レイジ兄さんは観念したのか頭を下げて謝ってきた。最初ッからそうすれば良かったのに

 

「う~んと、そろそろいいかな~?」

 

すると、痺れを切らしたヴァーリが叫んでいた

 

「いいですよー!」

 

「そう?じぁ~話もすんだ事みたいだし、つばさちゃん。私と戦おうよ!」

 

そう言ったヴァーリが突っ込んできた。

 

「おぉ~、早い早い。でも…」

 

俺は背中から鴉の翼を出した。

 

「その程度では遅いですよ?」

 

シュン!!

 

風を切る音が聞こえて、ヴァーリを俺は背中から蹴り飛ばし、更に飛ばした方向に飛んでいきそのまま上に殴り飛ばした。

 

「ぐっ…!ふふ…、私は女の子なのに容赦しないね。そんなのじゃ嫌われちゃうよ?」

 

ヴァーリは空中で飛ばされた勢いを白龍皇の光の翼で殺し、空中に静止していた。

 

「俺は、戦闘では老若男女問わず、容赦なしに戦いますからね。」

 

「そうなんだ。可愛い顔なのに怖いんだね~。さて、お喋りも個々までにして続き、やろっか」

 

「そうです…ね!」

 

俺は地面を思いっきり蹴って空中に飛びそのまま鴉の翼―射命丸 文の力を使って加速し、ヴァーリに突っ込む。ヴァーリはそれを交わして俺に殴りかかってきて、俺はそれを受け流しカウンターでパンチを放つヴァーリはそれを受けとめ、俺を蹴り飛ばした。俺は咄嗟に腕をクロスさせてガードをしたが、地面にぶつかり少しダメージをうってしまった。

 

「むぅ…、やっぱり生身だから痛いです…」

 

「生身なのにその程度って…、あなたは本当に規格外だね~。私さっきの結構本気で蹴ったのにな~」

 

ヴァーリは呆れたように溜め息をはいていた。

 

「やはり…俺も久しぶりに鎧を着けますか。ルーツ!」

 

『O.K.!つーくん!』

 

「『禁手化(バランス・ブレイク)!“祖龍の鎧(アンセスター・ドラゴン・スケイルメイル)”』」

 

俺はルーツと同じ白銀色に輝く全身鎧を身に纏った。形は赤龍帝の鎧と同じだ。この能力は5秒ごとに自信の全能力を10倍にしていき、さらに1km以内にいる仲間と認めた全員の全能力を10倍にする事ができる。だが、欠点があり、俺はコピーした能力がありすぎて、鎧を身につける前に使用した能力しか強化が出来ないのだ。

まぁ~、それ以外の自身の固有能力は全て同時に強化はできるんだけどね~。

 

「あれが……伝説の龍“祖龍 ミラ・ルーツ”が封印されている、つばさの“神器(セイクリット・ギア)”か!」

 

離れた場所でアザゼルが叫んだ気がするが今は気にしないでおきましょうか

 

「さて、始めましょうか。ヴァーリさん!」

 

「えぇ!楽しい戦いにしましょう!」

 

「「はぁっ!」」

 

ズカァァァン

 

俺とヴァーリの拳がぶつかり少し衝撃波が回りに飛んだが、俺達は気にせずそのままぶつかりあった。ヴァーリは空中に飛んで蹴りを放つが、俺は後ろへ回転しながら飛び、そのまま空中で魔方陣を出して足でそれを踏み込みヴァーリに突っ込む。ヴァーリは避けれず、腕をクロスして防ぐが“射命丸 文”の能力で加速していたのでそのまま吹き飛んだ。ヴァーリはすぐさま体制を建て直し魔力弾を放つが、俺は風を巻き起こし魔力弾を霧散させた。俺は更に“フランドール・スカーレット”の能力を使い、ヴァーリを爆発させた。すると、ヴァーリの鎧は砕け散り、ヴァーリが地面で倒れていた。

 

「うぅ……、な…なんて、デタラメな威力なのよ。只でさえ攻撃の一発一発が強力だって言うのに、この爆発の能力は威力が桁違い過ぎだよ」

 

ヴァーリはボロボロになりながらも、まだ立っていた。まぁ~、威力は弱めているからね~。流石にこの能力はどんなに屈強な奴でも簡単に爆発しちゃうからね~。本当…フランちゃんの能力を鍛えて、上手くコントロールできるようにしといて良かったぁな~。

 

「さて…、まだやりますか?ヴァーリさん?」

 

「えへへ、流石に…ヤバイかな」

 

うん、いくら力を手加減したとはいえ、あれだけくらえば流石にキツいでしょうね~。

 

俺は気づいて旧校舎の方向を向くと、イッセーがリアスさんとギャスパーから離れて、俺とヴァーリがいるすぐ近くにきて、ヴァーリの鎧から落ちた青い宝玉を手に持っていた。何をするんでしょうか?

 

「なあ、ドライグ。神器は思いに応えて進化するんだよな?」

 

『あぁ、そうだが……相棒、まさか――』

 

いったい、何をするつもりなんでしょうか、イッセーは…

 

「ドライグ。俺のイメージを伝えるから。――やってみてくれ」

 

『――やはりか。相棒、危険なイメージだぞ?だが、面白い!死ぬかもしれないが、覚悟はできているな?』

 

「死ぬのは勘弁してほしいな。俺だって、まだやりたい事が沢山あるんだよ。――だけど、痛みぐらいなら我慢してやる!!それで目の前のあの野郎を超えられるならなッ!!」

 

『フハハハハハハハハハハ!!いい覚悟だ!!ならば、俺も覚悟を決めよう!正気の沙汰ではないが――我は力の塊と称された赤き龍の帝王!!お互い、生きて超えてみせるぞ!相棒――いや、兵藤一誠ッッ!!』

 

「応ッ!!」

 

「何をするつもりなの!?」

 

ヴァーリが興味深そうに訊いていた

 

「『白い龍(バニシング・ドラゴン)』!アルビオン!ヴァーリ!もらうぜ、おまえの力を!!」

 

バリンッ!

 

イッセーは自分の右手の甲にある宝玉を割り、そこに『白い龍(バニシング・ドラゴン)』の宝玉をぶち込んだ!!

 

「――ッ!!」

 

ドクンッ!!

 

イッセーの体が脈を打った。――瞬間、激痛がきたのか、宝玉をはめ込んだ右腕を押さえて左足の膝をついた

 

「うがぁぁぁぁぁぁぁぁああッッ!!ぬがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああッッ!!!!!」

 

『ぐ、ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおッッ!!』

 

イッセーはさけんで、その中でドライグも苦悶を漏らしていた。

 

『無謀なことを。ドライグよ、我らは相反する存在だ。それは自滅行為だぞ?――こんなことでおまえは消滅する気なのか?』

 

『アルビオンよ!おまえは相変わらず頭が固いものだ!我らは長きに亘り、争い続けてきた。毎回毎回同じことの繰り返しだった!』

 

俺は二匹の会話を聞きながら、苦痛に耐えているイッセーを見ていた。

 

『だがな、俺はこの宿主――兵藤一誠に出会って一つ学んだ!――バカを貫き通せば、可能になることがある。とな!』

 

「バカで結構だ――いや、俺もドライグも大バカでいい!!神器!俺の想いに応えろぉぉぉぉぉぉ!!」

 

『Vanishing Dragon Power is taken(バニシング・ドラゴン・パワー・イズ・テイクン)』

 

右腕が白い光に包まれる。光が止むと、そこにあったのは――。

 

「……へへへ、『白龍皇の籠手(ディバイディング・ギア)』ってとこか?」

 

白き籠手が出現していた。

 

『あり得んッ!こんなことはあり得ない!』

 

アルビオンが驚愕の声音を出していた。

 

パチパチパチ。

 

イッセーへ拍手を送るヴァーリ。

 

「ふふ、面白いね。なら、私も少し本気を出そう!私の力で、キミの周囲にあるものすべてを半分にしてあげる!」

 

ヴァーリが宙で大きく手を広ると、光翼も巨大に伸びていく。

 

『Half Dimension(ハーフ・ディメイション)!』

 

宝玉の音声と共に、眼下に広がる木々へ手を向ける。

 

グバンッ――グババババババンッ!!

 

木々が一瞬で半分の太さになり、また半分に。またまた半分になっていく。

 

「兵藤一誠、おまえにもわかりやすく説明してやろう」

 

アザゼルがイッセーに言う。その隣にはこうき兄さんも立っていた。二人は両手をメガホンにして、叫んだ。

 

「「あの能力はすべてを半分にしていく。白龍皇が本気になれば、リアス・グレモリーたちのバストも半分になる!」」

 

「…………………はい?」

 

俺は予想外の二人の言葉に声が出なかった。俺は、そう言われたイッセーはどんな反応をしているか気になりイッセーを見ると……

 

「………ふ」

 

………ふ?

 

「ふっざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああッッ!!!!!!」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッ!!!

 

『Boost(ブースト)Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト)!!!!!!!』

 

イッセーは怒声をあげると、Boost(ブースト)と連続しながら力が膨れ上がった。

「許さない!!テメェだけは絶対に許さない!!ぶっ倒してやる!!ぶっ殺してやるッッ!!!!!」

 

『Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト) Boost(ブースト)!!!!!!!!』

 

ドゴォォォォォォォンッッ!!!

 

イッセーの周囲がはじけ飛ぶ!そして、旧校舎の外壁が崩れだした!!

 

「アッハッハッハッハッハッ!!なんだそりゃ!!マジかよ!!女の胸が小さくなるかもしれないって理由だけでドラゴンの力が跳ね上がりやがった!!」

 

ほんとう…なんでそんな理由で力を出すんですか…。おかしいでしょう…

 

「部長や眷属、家族に手を出してみろッ!!二度と立てない体にしてやらぁッッ!!この半分マニアがぁぁぁぁぁぁぁああッッ!!!!」

 

ドンッ!!

 

「キァァァ!」

 

ズカァァァン…!

 

イッセーの一撃でヴァーリが学校にぶっ飛ばされてしまった。えぇ…、俺も一瞬見失うって……いったいどんだけスピード出したんですか!?

 

「うぅ…イタタた、アルビオン…ヤバイかも」

 

『ヴァーリ!大丈夫か!!急いで撤退するんだ!』

 

「うん…、そうしたいけど、体が思うように動かないよ…」

 

その時、神速で俺とヴァーリの間に入り込んできた者がいた。

 

そいつは三国志の武将が来ているような鎧を身に纏った男だ。

 

「ヴァーリ、迎えに来たぜぃ」

 

「美猴じゃん。何をしに来たの?」

 

ヴァーリは口元の血を拭いながらフラフラと立ち上がり、爽やかそうな男性――美猴に話す。

 

「他の奴らが任務に失敗したから、撤退しようってことだよ。さっさと帰ろうや。本部は本部で北の田舎神族と一戦交えるってことだしよ。でもまあ、おまえは休息が必要だな。派手にやられたな」

 

「……うるさいし」

 

ヴァーリはふて腐れながら頬を膨らましていた。

 

「というか、おまえら誰なんだよ」

 

すると、イッセーが突然きた男に聞いていた。

 

「――闘戦勝仏の末裔だ。簡単に言うと、奴は孫悟空。西遊記で有名なクソ猿さ」

 

「そ、そ、孫、悟空ぅぅぅぅぅぅぅっ!?」

 

イッセーは驚きの真実にさけんでいた。俺はまぁ~、初代と会ったことあるからすぐ気づいたけどね~。

 

「正確にはその力を受け継いだ猿の妖怪だ。それにもコイツらのほかにもいるんだよな~。まあ、詳しくはサーゼクスにでも訊くんだな。しかし、嫌な面子だな。相手にするのは面倒だぜ、こいつらは」

 

「ま、そういうことだ。それで悪いけど、俺っちたちは撤退させてもらうぜ」

 

 ヴァーリが男に支えてもらいながら、笑顔を向けてくる。

 

「じゃあね、アザゼル、宿敵くん。それにつばさちゃんもまた戦おうね~。」

 

ヴァーリは手を振りながら叫んでいた。ヴァーリは、地面に広がった黒い闇の中へ消えていったのだった。


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