おっす!久しぶりだな、兵藤一誠ことイッセーだ!俺は今、部長の婚約者のライザーとか言う種蒔き焼き鳥野郎と部長の結婚をかけたレーティングゲームっていう戦いをやっているんだ。
で、そこで同じ部員で仲間でもある、学園のアイドル“結城つばさ”ちゃんがいるんだ。なんで、男なのにアイドルなんて呼ばれているのかというと、こいつは見た目が超美少女だからそう呼ばれているんだよ。誰にでも優しくて困った人がいたらすぐ助けてくれて、さらに頭もよく運動神経もかなりいい物凄い子なんだよ。で、このあだ名は本人は知らないみたいだ。で…話を戻すけどもその子もレーティングゲームを手伝ってくれているんだけど、さっきまで俺達は無事に作戦を終えて次に行こうとしたら、突然つばさちゃんが小猫ちゃんを突飛ばしたんだ、俺は“なにしてんだよ!つばさちゃん!”って言おうとした瞬間、つばさちゃんが爆発したんだよ。正確にいえば、小猫ちゃんが元々いた場所が爆発したんだ…。そこには大きなクレーターが出来ていて、中心から黒い煙がモクモクと空に上がっていた…。いったい誰がつばさちゃんを…!
「つばさ先輩…!」
小猫ちゃんがかなり泣きそうな顔で焦ってる、自分を守るために動いたせいで犠牲になってしまった事に。
「撃破」
すると、俺たちの上から声が聞こえてきた。上を見ると…空に女性が浮いていた。確か…あいつはライザーの『女王』!
しかも、俺達の目の前であの焼き鳥野郎と大人のディープキスをやってた奴だ…!!アイツがつばさちゃんを…!!
「ふふふ。獲物を狩るときは、獲物が何かをやり遂げた瞬間が一番隙だらけとなっていて狩りやすい。こちらは多少の駒を『犠牲』にしてもあなたたちをひとつ狩れば充分。ただでさえメンバーが少ないのですもの。それだけで大打撃でしょう?どうせ、私たちを倒してもライザーさまは倒せないんですもの。あがいても無駄よ?それに、たまたまあの人間は気づいてその子を助けたけども結局爆発に巻き込まれただけで、ただの無駄死にね。」
こいつ………!よくも…つばさちゃんを……!!
「てめー!!降りてきやがれ!!俺がテメーをぶっ飛ばしてやる!!」
「イッセー先輩!私もこいつをぶっ飛ばしてやります…!」
小猫ちゃん…
「あぁ…!小猫ちゃん!二人でこいつをぶっ飛ばしてやろう!」
「はい!」
「ふん…。あなた達は私に勝てないわよ?いくらあがこうとね?」
「へっ…!やってみないとわかんねぇだろ!!」
俺は『女王』に向かって飛びだそうとした時、突然冷たい殺気を感じた。な…!なんだ!この殺気は!
「ふぅ~…あぶないあぶない…。さすがにびっくりしてしまいましたよ…。いや~…流石の俺でもこれには驚きましたね~」
すると、声が聞こえてきた…。そう、爆発してクレーターができていた、中心から…。ま…まさか…!
すると、一陣の風がふいて煙が霧散して消えた。その霧散した煙の中から出てきたのは…、見た目がどこも傷どころか服でさえ焦げ目のないまったくの無傷のつばさちゃんだった…。
「って…!えええええええ!?無傷ぅぅぅ!?」
「え…?うそ…!」
小猫ちゃんも目を見開いて驚いていた。そりゃそうなるよね!?
「そ…そんな!?無傷なんて…!あなたはいったい何者なの!?いったいどうやったのよ!?」
すると、ライザーの『女王』が物凄く驚き焦りながらつばさちゃんに質問をしていた。それを聞いたつばさちゃんは少し間を置いたあと、“ふぅ”と短いため息をした。
「何故っていわれましても、別に何もしていませんよ?普通に諸にくらっただけですよ?」
「じゃあ何故無傷なのよ!あの攻撃をくらって無傷なんてあり得ないわ!!まさか!あなた『フェニックスの涙』を使っていたのね!」
フェニックスの涙?なんだそれ?
「別に『フェニックスの涙』なんて使っていませんよ?そもそも、持っていませんしね。それに……」
「それに…?」
つばさちゃんは少し間を置いて口を開いた。
「この程度の爆発では、俺に傷どころかかすり傷すら負わせませんよ~。それに、これと比べれば……いえ、比べるのも烏滸がましいですね。それ程までに天と地の差がありますから」
「(す…すげー!流石つばさちゃんだ!最強の名前はだてじゃないのか!てか…テオ・ナナ夫婦?なんだ?いったい誰なんだ?)」
『テオ・ナナ夫婦だと!?いや…しかし……あの夫婦がアイツと関わりがあるわけが…。だが…あいつの相棒がルーツだしな…いや…でも……ブツブツ』
俺はそんな事を思っているとドライグが突然驚いた声で独り言を喋っていた。どうしたんだ?ドライグは…?
ドカァァン
すると、突然爆発がおきた。うぉ…!?びっくりしたな…。爆発を起こした『女王』を見ると、顔に青筋を立てて物凄く怒った顔で片手をつき出すように構えていた。
「ふふふ…。ここまで侮辱されたのは初めてだわ…。私の爆発がそのテオ・ナナ夫婦とか言う者に劣っていると…?」
「うん、物凄く」
『女王』に質問されたつばさちゃんは笑顔で答えた。それを見た『女王』は、さらに青筋を立てて両手をつきだし魔力を高めた。ヤバイこの魔力は危険すぎる!!
「つばさ先輩!早く逃げてください!!」
「つばさちゃん!早く逃げろ!」
俺と小猫ちゃんはつばさちゃんに逃げろと叫んだ。やっぱり小猫ちゃんもこの魔力に気づいたのか。すると、それを聞いたつばさちゃんは不適に笑みをこぼした。
「ふぅ…心配しなくても大丈夫ですよ?この程度…。さぁ~きなさいな。焼き鳥眷属の『女王』さん?」
「なら、死になさい!!」
ドカァァァァァァァァァン!?
いままでよりも大きな爆発がおきた。だ…大丈夫かよ!?つばさちゃん!
「今度こそ、殺ったわね。」
あ…フラグが…
「誰を殺ったのです?」
ドン!
ドカァァァン!!
「……ッ!」
すると、つばさちゃんがいつの間にか『女王』の背後にいて、女王を地面に叩きつけた。な…!?いつの間に!?てか…浮いてるぅぅぅ!
「くぅ…あ…あなた!いつの間に後ろに!?」
すると『女王』は立ち上がった。
「ついさっきですよ?」
「え…?」
「いや~…流石にあの威力では服は持ちませんでしたね~、ほら、こんなにもボロボロですよ~。」
「な…!なんで無事なのよ!?私の最高の攻撃だったのよ!?」
『女王』がそう叫ぶとつばさちゃんは心底驚いた顔で『女王』を見ていた。なんで驚いてるんだ?まぁ確かにあの攻撃は凄かったからきっとそれに驚いて…
「え…?そうだったのですか?あの程度があなたの最高だったんですか!な~んだ…やっぱり雑魚じゃないですか…。ガッカリです…。あの程度だと、テオ・ナナ夫婦の足元にもおよびませんよ~。」
えええええええ!?そっちで驚いていたのぉぉぉ!てか…あれで足元におよばないって…、テオ・ナナ夫婦ってどんだけ凄い人なんだよぉぉぉ!
「そ…そんな…」
「はぁ~。あなたに本当の爆発っていうのを~…」
すると、つばさちゃんは手を上にかざす…。そしたら、地面で立っている『女王』の回りに小さな光る玉が十個くらい現れた。なんだあれ?
「教えてあげますよ!」
パチン…!
ズドドドドドドドドドドドドォォォォォォン!!!
つばさちゃんが指を鳴らした瞬間…、『女王』の回りにいた小さな光る玉が一斉に爆発した!な…なんじゃこりゃぁぁぁ!
「く………はっ………!」
『女王』の全身がさっきの爆発で血だらけになって、所々火傷もしていた。
「ふふ…、どうでしたか?本当の爆発ってのをその身にあびた感じわ」
突然『女王』は懐のポケットに手を入れて、そこから小さな瓶に液体が入った物を取りだし、蓋を開けてその中に入っていた液体を全て飲み干した。すると…みるみるうちに全身の傷が無くなり、全ての傷が回復した。な…!?
「ふふふ…。まさかこの私がこんな小娘にこれを使うはめになるなんてね…。」
「うん?それは確か…」
「これは『フェニックスの涙』よ。あなたもしっているでしょう?」
「えぇ…。やっぱり持っていたのですね。レーティングゲームでは各、陣営に必ず2つは支給されていますしね。」
そうか…あれが『フェニックスの涙』なのか…。あれ…まてよ…、確かつばさちゃんは今、各陣営に2つは支給されるって言ったけども俺達は持っているのか?
「あなた達も持っているでしょう?誰が持っているのよ?」
「さぁ~?誰が持っているのでしょうか?」
「し…知らないの?そう…、まぁいいわ!ここであなた達を全員倒すからね!あなたはあの攻撃力の魔力を放ったんだし、そう易々と連発できないだろうしね!」
た…確かに!あんな攻撃力を持つ攻撃を連発なんて魔力の関係上できないよね!流石につばさちゃんでも!できない…よね…?
「なんなら試しt…」
「あらあら。あなたの相手は私ですわよ?」
すると、聞きなれた声が聞こえてきた。あ…朱乃さんだ!
「あ…!朱乃さん。」
「つばさちゃん?ここは私に任せてくださいませ。すぐに終わらせて見せますわ。木場君の所に行ってくださいな。……それに、折角あなたに鍛えて貰ったのにただ見とくだけなんて嫌ですものね」
朱乃さんはニコニコしながらつばさちゃんに言っていた。
「わかりました。ここは任せますね?朱乃さん。」
「はい♪ありがとうごさいますわ。」
「イッセー!小猫ちゃん!早く木場の所に行きますよ!」
「おう!」
「わかりました。」
俺達は急いで木場の所に行こうと走っていたら、つばさちゃんが『あっ…そうだ!』と言って止まって朱乃さんの方へ振り向いた。
「朱乃さ~ん!無事に必ず来てくださいね~!そしたら、朱乃さんの言うことをなんでも一つ聞いてあげますから~!頑張ってくださいね~」
すると、突然朱乃さんの目がキランと光(った気がした) 、朱乃さんの魔力が格段に上がった。
「うふふ…うふふふふふふ!つばさちゃんが私の言うことをなんでも聞いてくれる!こんなチャンスは滅多にありませんわ!そうなったら、頑張って敵を殲滅させませんとね。うふふ…、どんなお願い…いや…命令をしましょうか……。うふふふふふふ…!」
「ひッ!」
あまりの迫力に『女王』が小さな悲鳴をあげていた。こ…怖ぇぇぇ!!俺も怖ぇよ!隣にいた小猫ちゃんも震えている…。くそ…つばさちゃんはなんてことを…!
ガクガクブルブル
俺はつばさちゃんを見ると、凄い量の冷や汗を出しながら物凄く震えていた。つばさちゃーーーん!!!
「つばさちゃん!どうしてそんなに震えるような約束をしたのだよ!」
「だ…だってぇ~!その方が朱乃さんのやる気もアップしてさらに勝負がつくのが早くなると思ったからぁ~!……っぐすん」
ドキン!
く…反則だ…!男の子なのに顔が超が付くほどの美少女なんだから、若干涙目でうつ向いているのは破壊力が凄い…!ぐぅ…!耐えろ俺の理性!俺の息子よ!つばさちゃんは見た目は美少女だけど男だ!俺は別の道には決していかないぞ!!うをぉぉぉぉおおお!
そのあと、数分後に何とか俺の理性はおさまった。ふぅ~あぶね~あぶね~…危うく別の道を歩む所だった。でも…つばさちゃんならいいかも…。もしも…つばさちゃんが本当に女の子だったら…ぐふ…ぐふふふふふ!
「……卑猥な妄想禁止」
「イッセー…。顔がキモいよ…?」
「え…!ご…ごめんなさい…」
あ…あぶね~…顔に出てしまっていた…。もしも…つばさちゃんのエッチな姿を想像してたなんてしたら……、あの松田と元浜のような結果に……ブルブル!!
だ…だめだ!思い出したくない!!あれは…本気でヤバイ…。と…取りあえず気を引き締めて今のレーティングゲームに集中しないと…!
そう思った俺はレーティングゲームに勝つことだけを考えると事にした。
―イッセーside out―
―つばさside―
う~ん…イッセーはいったい何を考えていたのでしょうか…?さっきまで俺に熱い視線を送っていたと思ったら涎を滴ながらニヤニヤと変態の顔になってしまったのでびっくりすると同時にかなり引きましたよ…。イッセーは何をまたエロい事を考えていたのでしょうか?まったく…戦い中だというのに呑気でブレない人ですね…
「みんな…此方だよ!」
すると…小さい声で木場が喋っていた。俺達は無事に木場と合流して、部室棟の裏の茂みに隠れている…。
「ここにいる敵は『騎士』、『戦車』、『僧侶』が一名ずつ。合計三名だよ」
ふーん。結構少ないですね…。てっきり残りの眷属総出で来てると思っていたのですが。
イッセーが手を握りながら木場の方を見ていた。
「木場は、こういうときでも冷静だよな。俺は慣れていないのに突然の戦いで緊張しすぎで手が震えてるぜ…。」
「イッセーくん。流石に僕だって、冷静なわけじゃないよ。これは部長の眷族悪魔としてのすべてをぶつけ合う勝負なんだ。今後の全てにも繋がる大事なね。僕は歓喜と共に恐怖しているこの手の感覚を忘れたくない。それに、僕だって戦いには慣れているけども、流石にレーティングゲームは初めてだからかなり緊張してるんだよ?だから、この緊張も、この張り詰めた空気も、すべて感じとって自分の糧にしようと思うよ…。」
すると、木場が手を見せてくれた。木場の手はフルフルと震えている。
「はは…!木場も震えているのかよ。俺だけじゃなかったんだな…。」
「そうだよ?イッセーくん。だから、お互いに強くなろう、イッセーくん!」
「おう!木場!」
そう言ってふたりは腕を組み合った。あはは~友情がさらに芽生えましたね~。
「んじゃ、女子が見て興奮するようなコンビネーションでも展開すっか」
「ハハハ!僕が『攻め』でいいのかな?」
「バカ!『攻め』なら俺だ!って、違ーう!死ねイケメン!」
すると、ふたりはそんなホモホモしい会話をしていた。あ…録音機を持ってきとけば良かった。
「さて…、そろそろ行こうか!」
木場が言った瞬間グラウンドから声が聞こえた。
「私はライザーさまに仕える『騎士』カーラマイン!こそこそと腹の探り合いをするのは飽きた!リアス・グレモリーの『騎士』よ、いざ尋常に剣を交えようではないか!」
そこには、野球部が使っているグラウンドに甲冑を装備している女性が立っていた。
「名乗られたからには『騎士』として出ないといけないね!」
すると、木場がグラウンドに出た。まったく、あの人は何をしているのですか…。本当…剣バカですね。とってもうちのレイジお兄ちゃんと似ていますね…。そう言えば…レイジお兄ちゃんと“雪姫”さんは元気にしているのでしょうか…。仕事で海外にいっていると聞いたので、元気にしてるといいですね~。久しぶりに会いたいな~…
俺はそう思いながら、他のイッセーと小猫ちゃんと一緒に木場の後を着いていった。
「僕はリアス・グレモリーさまの眷族、『騎士』木場祐斗」
「俺は『兵士』の兵藤一誠だ!」
「私は『戦車』の塔城小猫です」
「えーと、俺はわけあって参加することになった人間の結城つばさです。」
すると、甲冑を着た女性『騎士』のカーラマインが口元をつり上げた。嬉しそうだなぁー。
「リアス・グレモリーの眷属におまえたちのような戦士がいたことをうれしく思うぞ。堂々と真正面から出てくるなど、正気の沙汰ではないからな!さぁ…グレモリーの『騎士』よ尋常に勝負しようじゃないか!」
「個人的に僕も『騎士』として、尋常じゃない切りあいをしたかったのだよ!」
「こい!!グレモリーの騎士よ!!」
木場とカーラマインとか言う焼き鳥の『騎士』はそれぞれの剣を持って斬りあっていた。
「はぁ~…、暇だな~…」
「ふっ…ヒマそうだな」
「「ッ!」」
イッセーと小猫ちゃんが驚き、俺も声がした方を見ると、顔の半分にだけ仮面をつけた女性と綺麗なドレス姿のお姫様みたいな人がいた。てか、このドレスを着た人どっかで見たような~…。
「まったく、カーラマインったら頭の中まで剣剣剣なんですから。それに、カーラマインったら『兵士』を『犠牲』するときも渋い顔してましたし…。しかも、せっかくかわいい子を二人も見つけたと思ったらそちらの一人も剣バカだなんてついていませんわ………。そこの人間さん?」
「はい?なんでしょうか?」
「どうせ暇ですし、私とお茶をしませんこと?」
「え…?」
戦い場でお茶を?何を言っているのでしょうか?
「な…!アイツはなにいってんだ!」
イッセーも叫び困っていると、一緒にいた仮面の人が困り顔で教えてくれた。
「あー、気にしないでくれ、あの子は特殊なんだ。戦いも基本観戦しているだけなんだ。さっき彼女が言ったとおり、本当に君とお茶をしたいだけなんだよ。」
えぇ~。マジですか~。てか…特殊って?
「彼女は、いや、あのお方はレイヴェル・フェ二ックス。ライザーさまの妹君だ。」
「なんで、自分の妹を眷属にしてるんだよ…。あの焼き鳥野郎は妹にまで手を出してるのか?」
イッセーが嫌そうな顔をしながら質問した。
「ライザーさま曰く、『近親相姦っての?憧れたり、羨ましがる者多いじゃん?まあ、俺は妹萌えじゃないからカタチとして眷属悪魔ってことで』だそうだ」
うん…やっぱりただの変態ですね。これならまだイッセーの方がマシですよ。いや…マシ…なのかな…?マシ…だよね?イッセー?
それと、今思い出した…。そう言えばフェニックス家の当主と長男が来たとき『私達の妹はとてもしっかりしてて、頭が良くてね。凄く可愛いんだよ。これが私の妹の写真だよ、見てくれ!』なんて言われて見たことがありましたわ…。
「アイツ…!やっぱり部長と結婚なんて絶対にさせねぇ!」
「本当ですね…。それに…」
「?」
俺はライザーの妹“レイヴェル・フェニックス”と一緒に来ていた仮面の人に視線を向けた。すると、仮面の人もこちらに気づき首をかしげた。
「あなた達も…苦労しているのですね…。」
「く…そうなんだよ…。私達も、ライザー様には苦労してばっかりなんだ。」
「この戦いが終わったら愚痴を聞いてあげますよ。それで少しは気持ちも軽くなると思いますよ?」
「いいのか…?」
「はい!」
「ふふ…ありがとう。さて、そこの『兵士』!」
「は…はい!」
急に呼ばれたイッセーは上ずった声で返事をした。そのあと、その声をだしたイッセーは若干顔を赤くしていた。
「お前との勝負を申し込む!いいな?」
「おう!いつでもいいぜ!」
「ふっ…でわ、いくぞ!はぁ!!」
ドン!
ふたりの拳同士がぶつかりあった。あちらも戦闘を開始しちゃいましたね~。
「人間さん?いつになったら私とのお茶の返事を返してくださるのてすか?」
「あぁ、ごめんなさい。OKですよ?お茶をいただきます。小猫ちゃんは?」
「結構です…」
「だそうですよ?」
「わかりましたわ。では、こちらに座ってくださいませ。」
ライザーの妹レイヴェルはいつの間にか出ていた、お洒落なレストランやカフェテリアの外のベランダ席にあるような、白いテーブルと椅子を用意していた。そこのテーブルの上にはお洒落なティーカップセットがあり、横にはバケットがあった。
「さぁ、私とお茶をしながらお話をしませんこと?」
「はい。いいですよ?何を話しますか?」
俺はレイヴェルと向かい合うように座った。
「あなたは何故あの時お兄さまに対してあのような喧嘩を吹っ掛けるような事を言ったのです?」
あぁ~…あの時ですね。
「それは、ただあの種蒔き焼き鳥野郎が気にくわなかったし、それにありのままの真実をそのまま伝えただけですしね。」
「そうなのですか。では、何故あなたは悪魔でもないのに彼処にいたのですか?人間ですよね?」
「たまたまですね…。」
「でも、あなたはあのグレイフィア様ととても親しい関係でしたわよね?それに、お兄様が見せしめのように眷属とキスをしていた時にグレイフィア様が『あなたの教育上よろしくないので』なんて言いながら、あなたの目をふさぐ時点で、ただの知り合いなんてもんじゃないですよね?」
おふぅ~…しっかりと聞いていらっしゃってますね…。
「まぁ~そうですね~。」
ヤバイ…正体バレそう…。
「それに、お兄様があなたを誘った時もグレイフィア様が物凄く怒っていらっしゃって、その時に魔王様と魔王様の眷属が総出で消しにくると、おっしゃったんですよ?そうなれば、あなたは魔王様とその眷属の皆様とも親しい関係ということになりますよ?あなたはいったい何者なんですか?」
うわぁん…この子結構聞いてるよ~…!どうしよう…!いっそのことバラすか?この子なら大丈夫だよね?いや…でもな~…
「どうしたのですか?」
首をかしげて、顔を覗いてきた。ヤバイ…!もう招待をかくせないかも~…!
ズドォォォン
すると、グラウンドの方から爆発音が聞こえた。誰でしょうか?この爆発音は?
「くっ…」
『ライザー・フェ二ックスさまの『戦車』一名リタイヤ』
すると、グレイフィアさんの放送が流れる。ほ~う…。イッセーが倒したのですね♪やるじゃないですか♪
「ふ…!勝ってやったぜ!」
「おめでとうございます。頑張りましたね。イッセー!」
「おう!サンキューつばさちゃん!」
「サイテーの倒しかたでしたけどね…」
「ちょ…!小猫ちゃん!?」
なんでしょうか?サイテーの倒し方って?
「小猫ちゃん?いったいそれはなんですか?」
「それはですね…」
「言わないで!小猫ちゃーん!」
イッセーが叫ぶが小猫ちゃんは迷わず喋った。
「敵の服をあの技で消し飛ばして、羞恥心で大事な部分を隠すため座った隙を狙い、魔力の塊を放って相手を倒したのですよ」
なるほどね~…イッセー…あなたって人は…
「イッセー…」
「な…なに?」
「前言撤回します。サイテーの人ですねあなた……。
そして、死んでください」
「ぐは…!」ドサ!
今回二度目の撃沈…。イッセーは本当懲りないですね~…
「あら?イザベラ姉さんは殺られたの?」
「あ…!ライザー様を侮辱した人間がいるわよ!」
「本当だ!」
すると、残りの焼き鳥の眷属が集合した。えーと、『僧侶』一、『騎士』一、『兵士』二ですか…。
「く…まだいたのかよ!こうなったら全員相手をしてやる!」
「あら、あなたみたいな人に四人も必要ないですわ。ニィ、リィ」
「にゃ」
「にゃにゃ」
レイヴェルの一言で獣耳のふたりの少女が出てきた。これも姉妹ですか…。
「彼女たちは獣人の女戦戦士。体術は、それはそれは大したものですのよ?」
「へん!俺は負けないぜ!」
すると、ふたりの獣耳少女がイッセーに飛びかかる。イッセーは軽いフットワークで避けながら獣耳少女をあしらっている。
「あたらにゃい!」
「くそ~!」
「はん!その程度の攻撃じゃー、俺には届かないぜ!あの人の方がよっぽど早いぜ!」
あはは~、確かにそれぐらいの敵の攻撃を避けれなければ、今ごろ死んでいましたからね~。あなたは。ま~だからこそ俺はこういう事の為に、あの人をあなたに付けたんですけどね~。
「くらえ!!」
イッセーはふたりの獣耳少女の懐に入り、同時にパンチを入れてふたりを飛ばした。
『ライザー・フェニックス様の「兵士」二名、リタイア』
「なっ…!最初はあんなにも弱かったはずなのに!このたったの10日間でここまで動きがよくなるなんて!」
「へへ!この10日間で俺は何度も死にかけたからな!そりゃ~自然に強くもなるさ!」
まぁ…それで、強くならなかったらどうしようもなかったですけどね…。
「あなた達全員で掛かりなさい!」
「「はぁ!」」
すると、残りの二人もイッセーに飛びかかるが空中でふたりの動きが止まった。
「「え…?」」
ふたりは何がおきてるかわからないようだ…。まぁ…俺がふたりの時を止めているからね~。わかるわけがないけどな。
「なんだか知らねえが、今がチャンスだな!」
イッセーは赤龍帝の籠手に米粒くらいの小さな魔力の塊を作り出した。
「くらえ…ドラゴン・ショット!!」
すると、米粒サイズの魔力は籠手から離れると、大人が二人も入るほどの大きな塊へと変貌し、残りの眷属を包み込んだ。
『ライザー・フェニックス様の『僧侶』、『騎士』リタイア』
グレイフィアさんの放送がまた流れる。
『続いてライザー・フェニックス様の『騎士』リタイア』
ほぉ…木場が勝ちましたね…?
「ふぅ…倒せたよ。つばさちゃん。君のお陰で勝つことができたよ。」
「俺は何もしていませんけどね~」
すると、レイヴェルが焦りながらこっちにきた。
「あなた達はまだ諦めませんの?まだこちらには『女王』が残っていますし、それに、いくらあなた達でも“不死鳥”でもあるお兄様は倒せませんわよ?」
「いや?倒せるよ?俺ならね~。」
「本気で言ってますの?あなた…。人間ですよね?」
「うん…。そうだけどなにか問題でも?」
「それは…!」
『ライザー・フェニックス様の『女王』リタイア』
レイヴェルがなにかをいいかけた時、グレイフィアさんの放送が流れた。にゃははは~。やっぱり朱乃さんが勝てましたね~。
「なぁっ…!!」
「あはは~、やっぱりライザーの『女王』は負けましたね。」
「あらあら。思ってたよりも粘るので時間がかかってしまいましたわ。」
朱乃さんが戦い終わったのか、少し破けた制服をきて飛んできた。
「お疲れ様です朱乃さん」
「ありがとうございますわ。それよりも、リアスから連絡がきて、今は、アーシアちゃんを連れてライザーと学校の屋上で一騎討ちをしているみたいですわ。急いで行きませんと!」
「わかりました…。それでは皆さん屋上に行きましょうか!」
『はい!』
俺達は屋上へ向かおうとしたら、俺だけレイヴェルに肩を捕まれた。どうしたんでしょうか?忙いでいるのですが…
「どうしましたか?俺は今忙いでいるのですが…?」
「あなた達は本気でお兄様を倒そうとしているのですか?無謀にも程がありますわよ!特にあなたは人間なのですから、お兄様を倒すことなんてできませんことよ?」
なんだか、物凄くバカにされていますね…
「はぁ~…あなた達悪魔は人間を舐めすぎですよ…。それに、俺は人間でも、そんじゃそこらの一般人と一緒にしないでくださいよ…。」
「それはどう言う事ですの?」
レイヴェルが怪訝な顔で聞いてきた。はぁ~…正体を明かしましょうか…。
「俺は、これでも…地球連邦軍 特殊部隊・特別調査班 総隊長をやってますよ?それと、またの名を【黒巫女】なんて呼ばれていますよ?」
「なっ…!?」
レイヴェルが物凄く驚いた顔になった。まぁ…普通はそうなりますか…。
「では…!俺は急いでいるのでまた終わった後でお茶をしましょうね~」
そう言い残した俺は急いで学校の屋上に向かうのだった。
いかがでしたか?
いや~、なんて書こうか思い付かなくて更新が遅れましたが、何とか書けましたよ~。
それと、気づいた人もいるかもしれませんが、テオ・ナナ普通はあの古龍種達ですよ~♪
さぁて!!次回はVS焼き鳥野郎です!頑張って書いていこうと思います♪
では、また次回お会いしましょうね♪それではさようならです!