ハイスクールD×D~最強男の娘の転生物語~   作:三元新

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3話 悲しみのその先へ……

―木場 side―

 

 ソーナ会長が呼ばれたというヒトは、確かにこういうときにはうってつけと言える方だった。

 

「久しいな、木場祐斗。リアスに会いにきた」

 

 サイラオーグ・バアル。部長のいとこであり、僕たちと激闘と共闘を演じた仲。僕もイッセーくんも認めた漢でもある。彼の言葉ならば、いまの部長の心にも響くかも……。

 僕は彼とともに部長の部屋の前へと到着した。

 

「入るぞ、リアス」

 

 それだけ言ってサイラオーグ・バアルは部長の部屋に堂々と入っていく。

 部長はベッドの上で体育座りをしていた。表情は朱乃さん以上にうつろであり、目元はすでに赤く腫れ上がっていた。……ずっと、泣いていたのだろう。

 サイラオーグ・バアルは近づくなり、つまらなそうに嘆息する。

 

「情けない姿を見せてくれるものだな、リアス」

 

「……サイラオーグ。何をしに来たの……?」

 

「ソーナ・シトリーから連絡をもらってな。安心しろ、プライベート回線だ。大王側にあの男が現在どのような状態か一切漏れてはいない」

 

 バアルの大王側の政治家にイッセーくんの死が伝われば、どのような手段で現魔王政権に食ってかかってくるかわかったものではない。イッセーくんはすでに冥界にとって大きな存在になっているのだから。その点をこのヒトはわきまえてくださっているようだ。

 

「――行くぞ。冥界の危機だ。強力な眷属を率いるおまえがこの局面に立たずにしてどうする? 俺とおまえは若手の最有力として後続の者に手本を見せねばならない。それにいままで俺たちを見守ってくださった上層部の方々――魔王さまの恩に報いるまたとない機会ではないか」

 

 サイラオーグ・バアルは真っ正面から言い放つ。普段の部長ならばそれを聞いて奮起することだろう。

 しかし、部長は顔を背けるだけだった。

 

「……知らないわ」

 

「……自分の男が行方知れずでここまで堕ちるか、リアス。おまえはもっと良い女だったはずだ」

 

 サイラオーグ・バアルの一言を聞き、部長は枕をこちらに投げて激昂する。

 

「知った風な口を聞かないで! イッセーのいない世界なんてッ! ……私にとって彼は、あのヒトは……誰よりも大切なものだった。それなのに……私は何も出来なかったッ! もうたくさんなのよッ!! 自分の無力さを見せつけられるのは……!」

 

 ……イッセーくんの死に一番責任を感じているのは部長だ。イッセー君がいたからこそ部長はここまで来れた。……でも、そんな心の支えとも言うべきイッセーくんがいなくなったことで、その責任に押し潰されてしまった……。

 

「あの男が……赤龍帝の兵藤一誠が愛した女はこの程度の女ではなかったはずだッ!」

 

 けれども、サイラオーグ・バアルは部長に大きく言い放った。

 

「あの男はおまえの想いに応えるため、おまえの夢に殉ずる覚悟で誰よりも勇ましく前に出ていく強者だったではないかッ! 主のおまえが、あの男が愛したおまえが、簡単に折れてしまう度量と器量で何とする!? 仲間の命を踏みにじられ、悔しいとは思わないのか!?」

 

 部長は驚いているようだった。かまわずにサイラオーグ・バアルは続ける。

 

「立て、リアス。あの男はどんなときでも立ったぞ? 恐らく、この中の誰かが死んでもそうだったはずだ。この俺を真っ正面から殴り倒した男を、おまえは誰よりもよく知っているはずだッ!」

 

 好敵手だからこそわかること、か。サイラオーグ・バアルはあの激戦のなか、誰よりもイッセーくんの生き様を認識したのかもしれない。

 

「それにおまえはあの男――兵藤一誠が本当に死んだと思っているのか?」

 

 ――っ!

 

 サイラオーグ・バアルのその問いに部長と――僕も一瞬言葉を失う。

 

「それこそ滑稽だ。あの男が、呪いなどで死ぬはずがない。ひとつ聞こう。おまえはあの男に抱かれたか?」

 

「……抱いてもらえなかったわ」

 

 部長のその一言を聞いて、サイラオーグ・バアルは声をあげて笑った。

 

「なら、やはりあの男は死んでいない。おまえを、愛した女を、そして、周りであの男を好いていた女たちがいるのに兵藤一誠が死ぬものか。奴は誰よりもおまえを抱きたかったはずだ。おまえを抱かずに死ぬわけがあるまい? それが『おっぱいドラゴン』だろう?」

 

 ……不確かなことだ。けれど、サイラオーグ・バアルのその言葉は他のどれよりも説得力があるように思えてならなかった。

 

「ならば、いまここで嘆いているより、彼の遺志に報いるためにも行動を起こすべきだろう。そうでないと、いずれ帰ってくるあの男を落胆させてしまうことだろうな。――俺は先に戦場で待つ。必ず来い、リアス。そしてグレモリー眷属! あの男が守ろうとしている冥界の子供たちを守らずして何が『おっぱいドラゴン』の仲間かッ!」

 

 それを言い残すと、彼は僕たちのもとから去っていった。

 ……そうだ、イッセーくんが生きている可能性をもっともっと模索してもいいじゃないか。駒だけになったとしても復活を探すことをしてもいいじゃないか!

 どうして、そんな簡単でわかりやすいことに僕は――僕たちはたどり着けなかったんだろう。

 部長の瞳に少しだけ光が戻ったかのように見えた。

 そして、僕の心中にもちょっとだけ希望が戻ったようだ。

 サイラオーグ・バアル――。拳だけで戦い抜く男。だからこそ、彼にだけわかるものがあるように思えた――。

 それが確かに僕たちに伝わった。

 

―side out―

 

――――――――――――――――――――――

―光輝 side―

 

「撃て撃て! ひたすら撃て! 弾が尽きるまで射ち続けろ! 1匹たりとも後方へ逃すなよ!!」

 

「おい! 弾がきれたぞ! 装備支給班は何してる!」

 

「第一装備支給班が大打撃をくらい壊滅! 第二、第三支給班がこちらに向かっていますが、到着予定まで約三十分のこと!!」

 

「おい! 右側、弾幕が薄いぞ! 何してる!」

 

「チクショーー!! なんて数だ! これじゃキリがねぇぞ!」

 

あれから何十分、いや、何時間かかったのだろうか。俺たちはひたすら同じ敵を倒している。前の戦っていた3体の大型種は倒したが、倒したと思えば別の大型種が転移してきた。しかも5体だ。……全く、これでは限りがない。

 

「全員、諦めるな! 地球の平和を守る地球連邦軍が諦めてどうする! 明日無き未来を見るより、明日がある未来を見る方がいいだろうが!! 貴様らはそれでも地球連邦軍の精鋭か!? もっと気合い入れろ!!!」

 

レイジが別の場所で叫んでいる。その声が届いたのか、先程までじゃっかん諦めかけていた兵士達の瞳に炎が宿る。

 

『うおおおおおおおおお!!!!!!!』

 

凄まじい声が空気を震わす。気合いは充分のようだ。

 

『光輝、聞こえる?』

 

俺の左耳に付けていたインカムから皐月の声が聞こえる。

 

「なんだ?皐月」

 

『こっちの奴はあらかた片づいたわ。そっちはどう?』

 

「こっちか?……こっちは3体の大型種は1度倒せたんだが、今度は5体が転移してきた。まだ5体とも健全で少し押され気味だ」

 

『……そう。手伝いに行こうか?』

 

皐月が提案してくるが、俺は敢えて断る。

 

「いや、いい。皐月は他の所へ回ってくれ。魔王や俺たちですら倒すのに時間がかかる相手だ。他の所はもっと時間がかかっているだろう。更に魔界は広大だ。だから、皐月たちはその場の敵を排除仕切ったら他の所へ回ってくれ。たのんだ」

 

「OK! その通りに動くよ。この事はナツルや優子には私から伝えておくわ。光輝お兄ちゃんも頑張ってね」

 

「お兄ちゃん…か。……皐月には久しぶりに呼ばれたな。――なら、お兄ちゃんは頑張るしかないな!! 皐月たちも頑張れよ!」

 

『ええ、わかってるわよ! じゃぁね!』

 

その言葉を最後にインカムの通信が切れる。

 

……さて。

 

「お前ら! もっと気合いを入れんか!? それでも地球連邦軍の戦士か!! もしも敵をこの防衛線から1歩でも出してみろ……全員連帯責任として処罰を食らわすからな!! 死ぬ気の覚悟で敵を排除しろ。絶対に、1匹たりとも逃すんじゃないぞ!!」

 

『はい! 総司令官!!』

 

こうまで言えば奴らももっと気合いを入れてくれるだろう。アイツらだってわかってるはずだ。この後ろには多くの力のない悪魔たちが1箇所に集まっている。そんな場所に凶暴な化け物を1匹でも話せば大惨事は免れない。それほどまでに、この防衛線は大事なのだ。

 

「そんじゃ、俺ももう一丁気合い入れて敵を駆逐しますか!!」

 

俺は決意を胸に、大型種へと突貫していった。

 

―side out―

 

――――――――――――――――――――――

 

―木場 side―

 

 サイラオーグ・バアルが戦場に向かっていった後、城内に僕が会いたかったお方がいらっしゃった。闘戦勝仏――初代孫悟空、そのヒトだ。

 彼は美猴の要請により、秘密裏に匿われたヴァーリチームのリーダー、ヴァーリの身体に巣くっていたサマエルの呪いを取り除いた。その呪いに触れた彼だからこそ、僕はこう聞いた。

 

サマエルの呪いを受けたドラゴンが生き残るとしたら、どのような状況なのか、を。

 

 初代は、肉体はまず助かっていないが、次に蝕まれる魂は、イーヴィル・ピースが無事に戻ってきたことから、同じように無事な可能性があると答えてくださった。駒は魂と直結しているはずだから、魂が呪いを受けていたら、駒からも呪いが検出されるはずなのだ。それがなかった。

 いま思えば、あのときからイッセーくんの死に疑問の片鱗があったのかもしれない。僕も仲間たちも駒だけの帰還――そのケースが生じた場合が例に違わず戦死となること、彼を失った悲しみ、それらのことを突きつけられてしまい、可能性を捨てきってしまっていたんだ。

 けど、まだ確定事項ではないとはいえ……イッセーくんは生きている可能性があることはわかった!

 

 その可能性を教えてもらったあと、初代は僕に質問を返してきた。

 

「時にもう一人、次元の狭間から帰ってきた少女の様な少年と、オーフィスの片割れは無事なのかぃ? ――ああいや、別にどうこうしようってわけじゃないんだぜぃ。このことは他言せんて。無論、ハーデスの耳になどは入れん。そんなことをしたら、ちと面倒なことになるからのう。ちょいと確認するだけじゃて。オーフィスに関してはこれの無事か否かで、今後の情勢は大きく変化するからの」

 

確かに初代の言う通り、二人のオーフィスの無事か否かで今後の情勢は大きく変わる。

 

「つばさちゃんに関しては倒れて以来いまだ、1度も目を覚ませていません。片割れのオーフィスは現在、二人の女性と共につばさちゃんの介護をおこなっているところです」

 

「介護とな?」

 

「はい。片割れのオーフィスは駒王学園にて行われた天使、悪魔、堕天使の三大会議の以前から結城家にて家族として過ごしていたようです。それで、つばさちゃんが目を覚ましていないので介護をしていると……」

 

「なるほどのぉ……して、もう片割れはどうした?」

 

「それが…………イッセー君と共に帰って来てないようです。恐らくまだ次元の狭間にいるのかと」

 

「……なるほどのぉ。それはちとヤバイのぉ。あ奴等が気づかなければいいのじゃが……。まぁ、そこは後々探すとするかの。まだ2人のうち1人の無事の確認が出来ているだけでよしとするかの」

 

「そうですね」

 

……イッセー君がもしも生きているのであれば、オーフィスはイッセー君の隣にいるのだろうか……いや、いまは深く考えるのはよそう。変に深く考えても意味がないからね。

 

「あと、今後の事ですがいまの所はご心配はありません。先も言った通り二人いるうちの1人は無事ですし、もう死神の介入は許しません」

 

「そうかぃ。それなら一安心じゃて」

 

 おもむろにうなずいた初代は、美猴たちヴァーリチームに目を移した。

 

「美猴はこれからどうすんだぃ? おめえさんたち、皆、各勢力からも禍の団(カオス・ブリゲード)からも手配されてんだって?」

 

 美猴が首をひねる横で、金華が挙手した。

 

「私はリーダーについていくにゃん。なんだかんだでこのチームでやっていくのが一番楽しいし?」

 

 魔法使いのルフェイもうなずく。

 

「はい、私も皆さまと共にいきますよ! アーサーお兄さまは?」

 

 相変わらず静かなオーラを漂わせるアーサーはいつもの笑顔のまま口を開く。

 

「英雄派に興味や未練は微塵もありません。いままで通りここにいたほうが強者と戦えるでしょうしね。少なくとも私は曹操よりもヴァーリのほうが付き合いやすいですよ」

 

 彼らの意見を聞いて美猴が改まってヴァーリに言った。

 

「俺っちもいままで通り、おまえに付き合うだけだぜぃ? 俺らみてぇなハンパもんを指揮できるのなんざ、おめぇだけさ、ヴァーリ」

 

 チームメンバー全員の残留を聞いて、ヴァーリは小さく口もとを緩ませた。

 

「……うん。ごめんね」

 

「らしくねぇし! 謝んな、ケツ龍皇!」

 

「やめて、アルビオンが泣いちゃう。ただでさえ、カウンセラー希望の状態なのよ」

 

 ……アルビオンもそこまで心が疲弊していたんだね。先日の疑似空間でアルビオンがだんまりだったのは余裕がなかったせいなのかな?

 

「赤龍帝は民衆の心を惹きつけ、白龍皇は『はぐれ者』の心を惹きつける。二天龍、表と裏。性別も男と女じゃな。お主ら、おもしろい天龍じゃて」

 

 初代がそれだけ言い残して、退室していった。それを確認して、僕はヴァーリに改めて問う。

 

「ヴァーリ・ルシファー、キミはどうするんだい?」

 

「……兵藤一誠の仇討ちと言えばキミは満足するのかな、木場祐斗?」

 

「いや、ガラじゃないと吐き捨てるだけさ。それに、それは僕たちの役目だ。キミには譲れないね」

 

 僕の言葉に彼女は苦笑する。

 

「なるほど、その通りだね。――私は、出しきれなかった力を誰かにぶつけたいだけなんだ。なに、私が狙う相手と私を狙う相手は豊富だからな」

 

 ヴァーリはバトルマニアらしい戦意に満ちた不敵な笑みを見せてくれた。

 

―――――――――――――――――――――――

 

 その日の深夜、僕と部長、アーシアさん、小猫ちゃん、夕魔ちゃん、レイヴェルさんの6名は一時人間界へと戻ってきていた。

 

 ヴァーリチームとの会話のあと、僕はグレイフィアさまにあるメモをいただいた。サーゼクスさまと先生からの情報で、そこには『アジュカ・ベルゼブブ』と『拠点』と走り書きされていた。

 

 それは現ベルゼブブ――アジュカ・ベルゼブブさまの居場所を示したものだった。先生は、イーヴィル・ピースを制作したアジュカさまにイッセーくんの駒を見てもらえと僕たちに指示したのだった。

 アジュカさまならば、駒からイッセーくんの可能性を拾い上げてくださるはず……。

 そういうことで部長たちに事の顛末を伝えて、なんとか人間界に連れてきたのだ。

 

 駒王町から電車で八駅ほど離れた市街の、人気のない町外れに存在する廃棄されたビル。そこがアジュカ・ベルゼブブさまがいらっしゃる人間界での隠れ家のひとつだという。

 ……正直、こんな近くにあの方がいらっしゃるなんて想像もしなかったし、気配すらも感じられなかった。……僕があの魔王さまを計ったところで笑い話にもならないか。

 

 廃ビルに足を踏み入れ、僕たちを待っていた悪魔の女性の案内で屋上に上がる。そこに広がる庭園に、その方はいらっしゃった。

 

「グレモリー眷属か。勢揃いでここに来るとはね」

 

 妖麗な雰囲気と美しさを持った男性――。

 

「アジュカさま」

 

 部長が一歩前に出て、その男性の名を呼んだ。そう、この方がアジュカ・ベルゼブブさまだ。

 

「話は聞いている。大変なものに巻き込まれたようだ。いや、キミたちには今更なことか。毎度、その手の襲撃を受けていて有名だからね」

 

 部長はつかつかとアジュカ・ベルゼブブさまに歩み寄る。

 

「アジュカさまに見ていただきたいものがあるのです」

 

「ほう、見て欲しいもの。――しかし、それはあとになりそうだ」

 

 部長が懐からイッセーくんの駒を取りだそうとするのを、アジュカ・ベルゼブブさまが手で制して、庭園の奥へ視線を送った。

 

「キミたちの他にもお客さまが来訪しているようなのでね」

 

 その言葉で僕たちも初めて気配に気づく。

 この庭園に僕たち以外の何者かが現れている。僕たち同様の悪魔が数名。どれも上級悪魔クラスか、それ以上だ。

 

「人間界のこのようなところにいたとはな。偽りの魔王アジュカ」

 

「口調だけで一発で把握できてしまえるのが旧魔王派の魅力だと俺は思うよ」

 

「僕もいるんだ」

 

 聞き覚えのある声も闇夜から聞こえてきた。同じくして現れたのは――白髪の青年ジークフリートだった。

 彼らの出現で、グレモリー眷属の女性陣の殺気が一気に高まった。イッセーくんの仇に等しい禍の団(カオス・ブリゲード)を前にして殺意を抱かないほど気落ちしていないだろう。

 しかし、英雄派と旧魔王派は現状、敵対関係だったのでは? 合点のいかない組み合わせだ。

 

「初めまして、アジュカ・ベルゼブブ。英雄派のジークフリートです。それとこの方々は英雄派に協力してくれている前魔王関係者ですよ」

 

 ジークフリートのあいさつを受けるアジュカ・ベルゼブブさま。……英雄派に与する旧魔王派の者のいるわけか。本当に複雑な組織だ。

 

「知っているよ。キミは元教会の戦士だったね、ジークフリートくん。協力態勢前は我々にとって脅威だった。――それで、俺に何の用があるのだろうか? 先客がいるのでね。用件を聞こうか」

 

 ジークフリートはともかく、旧魔王派の悪魔たちは敵意のオーラを迸らせている。一触即発。それを認識している上であくまで優雅に振る舞われるアジュカ・ベルゼブブさまに、ジークフリートは告げた。

 

「以前より打診していたことですよ。――我々と同盟を結ばないだろうか、アジュカ・ベルゼブブ」

 

 ―――っ!

 

 僕たちは驚愕に包まれた! まさか、ここで現ベルゼブブにテロリストの集団が同盟を持ちかけるとは……。

 現魔王政府のなかで、魔王派は大きく分けて四つあり、そのなかでも支持者が多いサーゼクスさま派とアジュカさま派は細かい政治面で対立することが多いとは聞いていたが……アジュカ・ベルゼブブさまはカオス・ブリゲードの打診に、どんな返答をなさるのだろうか……?


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