やぁ、みんな久しぶりだな。俺の名前は結城光樹。地球連邦軍の総司令官をやっている。
「ふむ。心地よい朝だ。森林に囲まれながら優雅にお茶をする。 ……なんて平和な日なんだろうか」
俺は、実家の外にある特別の場所で、優雅に紅茶を飲みながら新聞を読んでいた。
「――ふむ、グレモリー領でテロか。なになに……『テロは起きたが、一時間程ですぐに鎮圧された。グレモリーの者と地球連邦軍による、血のでない一瞬の勝敗。テロを起こしたグループのリーダーは即座に降伏。これにより、被害は民家が何件か壊れた程度だった』…………うむ。なんというか…。よほど怖かったんだろうな…」
きっと、あの皐月とナツルの姉妹はかなり暴れたんだろうな。……可愛そうに。
「さて、今日はなにをしようかなぁ」
俺は紅茶を飲みながら思いにふけっていると、ガチャリ…と扉が開き、誰かが外に出てきた。
「――あ、光樹兄さんここにいたんだ。」
どうやらここに来たのはツバサだったようだ。
見た目はかなり美少女な男の娘。それが俺達の自慢の弟だ。こいつは家族を穢す奴等を絶対許さない。家族に手を出そう者がいおうなら、その者はいろんな意味で消えるだろう。
「どうしたんだ、ツバサ。こんな所まできて俺になんかようか?」
「うん、お兄ちゃん、俺ね、光樹兄さんに報告があってきたんだ♪」
すると、ツバサは嬉しそうに“ポッコリと膨らんだお腹”を撫でながら、微笑んでいた。
………ん?――“ポッコリと膨らんだお腹”?
「僕ね、赤ちゃんが出来たんだ♪///」
「おぉ~!そうかそうか、赤ちゃんかぁ~。」
………………………………はい?
「…………え?……あ、赤ちゃん?……嘘だろ?」
嫌々、そんな訳が…
「嘘じゃないよ?ほら♪」
ツバサのお腹をよく見たがやっぱりお腹が膨らんでいた。それもかなり……。
「さ、触ってみても…?」
「えぇ、どうぞ?」
俺は恐る恐る、ツバサの膨らんだお腹を触る。……暖かい――じゃないよ!?
「……う、嘘だろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?」
俺はおもわず大声で叫ぶ。
だってそうだろ!?こいつは男だぞ?!見た目は美少女だけども男だぞ!?た、確かにこいつは男の娘だ。しかし、性別は結局男であって女ではない。つまり、体の構造上、子供なんてできる筈がないんだ!!
あ、あり得んぞ!?
「うわぁ!?……もう、いきなり大声を出さないでよ。びっくりするじゃんか」
「え、あ、いや、すまん」
……ちょっと落ち着こうか。ま、まずは深呼吸だ。
スゥーハァースゥーハァー………いよし!
まずは、あれだ、そう!情報収集からだな!何事にも情報というものはとても大切だ。うん。と、とりあえずなんでこうなったかを聞かなくてわな!
「ツバサ、その、あ、相手は誰なんだ!?」
…………って、なにを聞いておるんだ俺は!?
「相手?――ああ、この子の父親ね。うん♪いま連れてくるね。入ってきていいよ~」
すると、ツバサが大きな声を出して誰かを呼んだ。
ガチャリ…
瞬間、誰かが出てきた。そして、そこにいた人物は――――――
「どうも、ツバサちゃんのお腹の中にいる子の父親である、“兵藤一誠”です。」
――――あの、兵藤一誠だった。
「……なん…だと…」
―――バ、バカな!?なぜよりにもよってこいつなのだ!?
俺が戦慄していると、イッセーが突然俺の目の前に立った。
「光樹さん――いえ、お義兄さん!俺はツバサちゃんを幸せにします。なので、結婚するのでこれからよろしくお願いします!!」
イッセーは“バッ!”と勢いよくお辞儀をする。
そのせいで、また混乱を極める俺の頭。
「俺――いや、私からもお願い。イッセーさんと末長く暮らしたいの。突然の事で頭がいっぱいだろうけども、私はイッセーさんを愛しているわ。この子と一緒にくらすの………ね、イッセー♡」
「ああ、俺も愛してるよ。ツバサちゃん」
「――もう!///イッセーったら!♡///」
………え?な、なに?この甘ったるいの……
「それじゃ~ね。お兄ちゃん。いままでお世話になりました♪」
「お義兄さん。ツバサちゃんは絶対に幸せにするので、安心してください。それでは!」
すると、イッセーとツバサは、ツバサがイッセーの腕に絡みつきながら、ラブラブな雰囲気で何処かに行こうとしていた。
「……………え?ちょ、ちょっとまて!どういうことか説明しろ!ま、待ってくれ!おい!聞こえているのか!?おい!!ちょ、いや、本当に、ま、まて、待ってくれ!―――」
――――――――――――――――――――――
「ツバサぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ガバァ!!
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ……」
俺はベットから飛び起きた。
「こ、ここは…?」
俺は、部屋を見渡す。どうやら、自室の様だ。
「……さっきのは…夢か?―――なんだ夢かぁ~!」
ふぅ……マジでさっきのは洒落にならんぞ。絶対にあってはならんことだ。うん。
「いや~安心しt………………いや、まてよ…もしかしたら…もしかして……―――こうしちゃおれん!」
俺はベットから飛び下り、ダッシュでツバサを探した。
ズドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!
「――うおおおおおおおおおおおお!!!」
俺はひたすら走る。
「ツバサぁぁぁぁぁ!!!どこだぁぁぁぁぁ!!」
俺はツバサの気配を探した。――リビングか!!
「――ぉおおおおおおお!!!」
俺はリビングまで走り抜け、リビングに着いた。
ズガァン!!
「ツバサはいるか!?」
俺は扉をぶっ飛ばして入った。
「ふえぇ!?な、なにごと!?」
――と、ターゲットであるツバサが驚いた様子で此方を見ていた。
「ツバサぁぁぁ!!!」
ズザザザザザ!!
俺は一瞬でツバサの元へとたどり着いた。
「え?え?ちょ、なに!?」
ツバサは驚いているが、俺はお構いなしにツバサの服を巻き上げお腹を触る。
「――ひゃぁん!?///な、なにするのさ!?お兄ちゃん!?///」
ツバサがなにか言っているが、俺は構わず身体中を触りまくる。何処にも異常がないか確認するために!決してやましい気持ちはない!!
「ちょ、だからなにして――ひゃん!?――ちょっとまっ…ぁん…ひぃん…ど、どこを触って――ぁひゃん!?///――も、もう、やめてぇ~……///」
俺はツバサの姿にかまわず触りまくる。――け、決して興奮なんぞしておらんぞ!?かなりエロいだなんて思っていないからな!?
「――ぁん……も、ひぁん!――だからぁん!//――も、もう―――――」
すると、ツバサの拳が振りかぶり――
「いい加減にしろぉぉぉぉぉ!!!!!」
ズドォォォン!!!
「ゴファッ!?」
ゴシャッ!
まるで拳で殴った音じゃない音が響いたが、それがいつもの力加減だ…。こいつは、俺に対しては手加減なぞしらない。
「――こ、この!バカ!エロ助!スケベ!痴漢!アホ!クズ!バカ兄貴!!―――いったいなにを考えているんだ!このド変態が!!!」
ツバサは顔を真っ赤に染ながら、涙目でこっちを“キッ”と睨んできた。
「い、いや、はははは…。すまない。ちょっと確認したいことがあってな……」
「は?どういうことだよ…。なに?確認したいことって」
ツバサが首を傾げながら聞いてきた。
「いや、確認はできたさ…(うむ。やはり、出来ていなかったな。)」
「?」
ツバサはなにがなんだかわからないようだ。まぁ、当たり前だ。俺が夢のせいで独断で、ツバサに赤ちゃんができていないか確認しただけだからな。
「ツバサ、少し話したいことがある。」
「……なに?話したいことって」
俺はツバサに向き合っていう。
「妊娠は絶対にするなよ!?するときは必ず避妊具をするんだからな!!絶対にだぞ?絶対にだからな!?」
俺はツバサの肩を強く掴み強く言った。
「う、うん。わかった、わかったから!落ち着きなさいよ!このバカ兄貴!!」
ゴンッ!
「ぐはっ!」
俺はまたツバサに殴られた。
「いつつ…」
「なんだかよくわからないけども、とりあえずわかったから。……いや、実際はよくわかんないけど、それでもわかったから!いいから落ち着け…」
「お、おう、すまん。」
「……たく…。しっかりしてよね…」
「は、はい。申し訳ありません…」
俺はツバサにおもわず謝ってしまった。……え?なぜかって?――それはわからない。ただ、本能がそうしろと言ったからだな。
――――このあと、無茶苦茶怒られた……。
グダグダじゃ~。そして光樹の暴走。ちょっとそこ変わr――ゲフンゲフン!
さて、今回は光樹さんメインでした。また、これからもちょくちょく、単独メインの番外編を作っていこうと思っています。お楽しみください。
それではまた次回で! バイバ~イ!