2024年 8月
私やリズ、アルゴさんにシリカちゃんが、キリト君とハセヲさん、二人の奢りでセルムブルクの街でご飯を食べて、そのあとアルゴさんの話から不思議なクエストを達成した――達成したのはハセヲさん一人なのだけれど――日から大体二週間が経過した今日。私達攻略組は前線プレイヤー……いや、全プレイヤーに関わる重大な問題を話し合っていた。
それは去年の大晦日に突如現れ、今日に至るまでその勢力と被害を拡大し続けている、システムに規定されていない
創設者であるギルドマスター《PoH》のカリスマ性、もしくはPKという殺人行為への快楽――あるいはその両方か――に魅入られた者たち約四十人によって構成されている《笑う棺桶》による被害は続々と増えていく一方で、被害者は低層プレイヤーや
今月に入ってからその被害件数の増加にさらなる拍車がかかり、問題はさらに深刻化する一方だった。
もちろん今まで対策を講じようとしなかった訳ではない。できなかったのだ。それは何故か? 答えは、彼らのアジトを発見することが出来なかったから。
ラフコフの活動当初からアルゴさん達情報屋と連携を取りながら四十人近いプレイヤーが寝泊まりできる場所として大きな屋敷に目星をつけて、一層からアジトを探し続けていたが、何か月経とうとも見つからなかった。それがつい先日、罪悪感に耐えかねたのであろう一人のラフコフメンバーの密告からアジトの場所が判明した。その場所は一年以上前に攻略された低層のダンジョン、その中でも大半のプレイヤーが見向きもしない、と言うよりも、気づきもしない、クリエイター自身でさえも覚えていない様な場所にある洞窟の安全地帯だった。
そして今日、勢力規模だけなら私の所属する《KoB》を凌ぐ最大級のギルド《聖竜連合》の幹部の一人の立案の下、攻略組を中心に幾つかの有力ギルド――クラインさんの《風林火山》や、勿論《KoB》もそうだ――による有志を五十人かき集めて対策会議を開いているという訳だ。このメンバーの中には少数ながらもソロプレイヤーも依頼されて含まれている。その内の二人は、私がこの世界で初めてパーティーを組んだ人たち。キリト君とハセヲさんだ。
「それでは、作戦の決行は明朝三時とする。各員、毒や麻痺等の状態異常や罠への備えを十分にした上で集合せよ」
そうリーダーが会議を締めるまで、会議の間ずっと、すごく真剣な表情をしていた二人を見て、私は場違いにも、二人のこんな顔はあんまり見たことないなぁ、なんてことを思っていた。
キリト君は大抵どこかぼぉっとしてることが多いし、ハセヲさんは面倒臭そうな顔や不機嫌な表情が多い。戦闘中はキリっとした顔をしているけど、ここまでのボス攻略の会議でさえここまで真剣だったことはないと思う。
そんな二人が珍しく、目に見えて、本当に真剣な表情をしているのを見ていて、前にもこんな表情を二人がしていたのを思い出した。
時は約五か月前、《圏内事件》よりもさらに少し遡る。
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2024年 3月
当時、最前線であった五十六層で私たち攻略組は一つの問題に直面していた。
迷宮区に進むためのボスモンスターがどうしても倒せなかったのだ。
その時《KoB》の副団長として作戦指揮を任されていた私は、攻略会議において一つの提案をした。
すなわち、
「――という作戦ですが、どうでしょうか?」
「……いいんじゃないか?」
「それしかなさそうだしな」
「ああ、これなら人的被害も抑えられる」
私が提起した作戦に対し、多くのプレイヤーが口々に賛成の意を口にする中、複数のギルドの面々に交じってその場にいた、今日と同じく、ただ二人だけのソロプレイヤーの内の一人が、おもむろに口を開いた。
「……俺は、反対だ」
そう言って、私の目を真っ直ぐと見据えたのは、キリト君だった。
「……理由を聞かせてもらっても?」
「あんたはNPCを囮に使うと言った。そうだな?」
「ええ、それが?」
「……たとえAIで行動してるだけであっても、NPCだって生きている。何か、他に方法が有るはずだ」
そうキリト君が言うと、一瞬の静寂の後、嘲笑が室内を包んだ。
曰く、NPCなんて所詮作り物に過ぎない、数時間すれば生き返る、そもそもプレイヤーの命以上に大事なものなんてない。
そんな嘲りのなか、ただ一人だけが彼の味方をした。もう一人のソロプレイヤー、ハセヲさんだ。
「そうだとしてもって、ことだろーが。俺はコイツの意見に同意だぜ?」
そう言ってキリト君の肩に手を置くハセヲさんに向けてヤジが飛んだ。
「はっ、何がNPCも生きてるだ。この世界で一番生き汚いビーター共が。そこまで言うならお前らだけでなんとかして見せやがれ、ビーター野郎」
ある一人がそう言ったことを切欠に、周りのプレイヤー達もそうだそうだと囃し立てる。
いい加減仲裁に入ろうとしたところで、ハセヲさんがとんでもないことを言いだした。
「判った。そこまで言うならやってやるさ」
「な、おい、ハセヲ……!?」
「は!?」
な、何言いだすのよこの人は!?
流石にそんなことを言いだすなんて思わず、キリト君や私も含め、全員が唖然とする中、ハセヲさんはキリト君を引きずって会議場としていた広場から立ち去ってしまう。
「き、今日のところはこれで解散とします!」
私は慌ててそう会議を切り上げて、急ぎ二人の後を追った。何をする気かは知らないが、どうするにしても二人で何てどう考えても無謀以外の何物でもないから。
一体、何する気なのか聞きださなきゃ……ううん、それよりも止めないと!
そんなことを考えながら、足を速める。二人はそんなに遠くには行っておらず、少し走っただけで追いつくことが出来た。
「ちょっと二人とも!」
「あ?」 「ん?」
二人を後ろから声を掛けて引き止め走り寄る。
「どういうつもり? 二人だけでなんとかするだなんて……そんなの無理に決まってるじゃない!」
「い、いや、そんなこと言われても……そもそも俺だって何が何だか……」
捲くし立てる私に、自身状況が掴めていないキリト君は動揺を見せるけれど、ハセヲさんに動じた様子はない。
「ハセヲさん!」
「で、どうするつもりなんだよハセヲ。あんな大見栄切って、結局出来ませんでした、なんて言えないぞ?」
「まぁ、ちゃんと考えは有るから心配すんなよ。上手くいくかどうかはやってみねぇと判らねぇけどな。そこのお嬢様にも説明してやっから、取りあえず飯屋にでも行こうぜ?」
そう言ってすたすたと一人歩いて行ってしまうハセヲさんに、私とキリト君はお互い顔を見合させた後、一つため息をついてから追いかけるのだった。
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「結局、やることの大筋はアスナ、お前が言った作戦と大差はねぇよ」
近場のNPC レストランに入り、食事が粗方済んだところで、説明を急かす私とキリト君に、ハセヲさんがそう切り出した。
「大筋は一緒って?」
「モンスターを引っ張ってくるっつーのは同じってことだ。ただ、対象が違ぇけどな」
「対象?」
「ああ、そうだ。その前にだ、お前らSAOにおけるモンスター同士の関係性ってなんか気づいてるか?」
「モンスター同士の関係性?」
「それが何かお前の言うことに関わってるのか?」
「ああ、取りあえず何か気づいたこと言ってみろ」
ハセヲさんの一見意味不明な質問を考えてみる。
モンスター同士の関係性? 今まで気にしたこともなかったけど……何かあるかしら
色々と考えてはみるけど、一向に何か思いつくことはない。
しかし、キリト君は何か気づいたようで、うんうんと悩みながら俯いてた頭を上げた。
「普通のRPGとかみたいに、複数の種族のモンスターは同時に出現しない、とかか?」
「……ああ、確かにそうね。言われてみれば、同じモンスターが集団で出てきたり、親玉と子分みたいな感じで出現することはあっても、いろんな種族、植物系と動物系とかが一緒に出てくるのは見たことないわ」
キリト君に言われて、この一年以上の戦闘を思い返してみると、確かにそんな関係性に気付かされた。
「そう、まさにそれだ。SAOは普通のRPGみてぇに複数種のモンスターがごちゃ混ぜに出現することはねぇ。ウルフならウルフ系だけ、ボアならボア系だけ、同系統のモンスターだけが徒党を組んで出現する。たとえ同じ階層に複数の系統がいたとしてもな。なんでか判るか?」
「純粋にシステムがそうしてるってだけなんじゃないか? 現実的にいろんな種族の動物が一つの集団を作ることなんてないんだし」
「んじゃ、その理由は? 高所から落ちれば死ぬだの、一人が攻撃し続ければソイツだけに
なんかもって回ったような問いかけに、さっさと答えを教えてくれればいいものを、とは思いつつも、考えてみる。
例を挙げて考えてみればいいだろうか。たとえば、現実の世界でウルフとボア、つまり狼と猪が一か所にいたら。
仲良くする……なんてことはまずないよね? ならお互いに無視する? でも縄張りとかも有るし……
そんな風に考えて、一つ考えがよぎった。
「ねぇ、もしかして、モンスター同士でも戦闘って起こるの?」
「は? いやいやいや、アスナ。流石にそんなことは――」
私の考えた結果を口にしてみると、キリト君は苦笑しながら流そうとする。けれど、問いを吹っかけてきた張本人はそうではなかった。
「ああ、起こる。よく判ったな。それが理由の答えだ」
「は?…………マジで?」
ハセヲさんが何の躊躇いもなく私の言ったことを肯定したことで、キリト君は思考が停止したように呆けた顔になってしまっている。
…………そんな顔が、なんとなくかわいいなぁ、なんて思ったりはしたのは秘密だ。というか、きっと気の迷いよ、うん。そうに違いない。
「アスナの言う通り、複数種のモンスターが同一地点にいるとき、モンスター同士でも戦闘は発生する。それを避けるために、つーかその設定のために同時に複数種のモンスターが出ねぇようになってるって訳だ。今回はコイツを利用してやる」
「つまり、ボスを村に引き込むんじゃなくて……」
「周囲にいるモンスターをボスのところまで引き付けて、同士討ちを狙うってことね?」
「そういうことだ。
ニヤリと笑いながら頷くハセヲさんに、そんな顔が気に食わなかったのかキリト君が食って掛かった。
「そういうことならさっさとそう言えばいいじゃないか。なんでわざわざ面倒なことさせたんだよ?」
私も思っていたことを口にしたキリト君の言葉は、しかし、ハセヲさんによって切って捨てられた。それはもう抉るように。
「馬鹿かテメェは。いや馬鹿だな、そうに違いねぇ」
「な!? ば、馬鹿って!」
「馬鹿だろうが。人間誰しも考えるための頭が有んだ。使わないでどうすんだよ。つーか、今ここにいる俺たちはその頭、脳しか使ってねぇ存在だ。そんな状態だってのに、誰かが答えを言ってくれるのを待つだけで、考えることを止めちまったら、人間辞めてんのと、生きることを半ば辞めてんのと大差ねぇだろ。違うか?」
「……わ、悪かったよ」
正論を突かれて成す術もなく引き下がるキリト君。でも、その通りだとも思った。
人間が考えることを止めたら、それはもう、人間ではなくなってしまう。彼のルネ・デカルトが言うところの『我思う、故に我在り』というやつだ。
私達はこんな状態にあるからこそ、何事も必死に考えなければならない。
この時はしっかりとそう思ったのに、圏内事件の時は同じようにハセヲさんを急かしてしまったことを思い出すと、やっぱり人生経験の差なのかな、と思ってみたりもする。
「てゆーかさ」
そんな空気が居心地悪かったのか、すごすごと話題を変えるキリト君。
「なんでお前はモンスター同士でも戦闘が起こるなんてこと知ってたんだよ?」
「……だいぶ前に迷宮区に潜ってた時の話なんだが」
キリト君の問いかけに、それまでとは打って変わって歯切れが悪そうに、しかもそっぽを向きながらハセヲさんは話し始めた。
「そん時に知り合いの馬鹿とたまたま出くわしてな……モンスター引き連れたまま」
「は?」
「どういうこと、それ?」
「その馬鹿、時間が時間だからさっさと帰ろうとしててよ、ダッシュで帰る途中で《ブルタルウルフ》の群れと遭遇してたらしくてな。ギルドの連中と一緒にそのまま振り切ろうとしてたところに、《カニバルフラワー》の集団と戦ってた俺のところに乱入してきたんだ。そのあとは完全に乱戦になっちまってよ。そん時に食人草もどきに攻撃当てちまったウルフが、逆に食人草に喰われるなんてところを見ちまったって訳だ……」
「それはまた、なんというか……」
「ご愁傷さま……」
「…………はぁ」
想像してみるとあまりにもシュール……というか、精神的に萎えてしまうような光景を思い浮かべることが出来てしまった。大きな口を持ったとてつもなく大きくて気味の悪い植物に狼が食べられてるの図なんて、色々嫌すぎる。生理的に受け付けられる気がしない。
特大の影を背負って話し終えたハセヲさんに、何と言っていいものか判らず、そんなことしか言えなかった。本当にご愁傷さまです。
「……そんなことはどうだっていいんだよ、今は。それよりもだ」
表情と共に話題を切り替えるハセヲさん。あまり、いや余程思い出したくない類の記憶なんだと思う。
「このMMKをやるにはかなりの量のモンスターが必要だ。勿論、その乱闘に俺たちが巻き込まれないようにする工夫もな」
「順当にやるならMPKと同じ感じだよな? モンスター誘い出して、相手に押し付けてから自分はハイドして逃げる」
「でもそれだけで倒せるかしら?」
「ま、無理だろうな。俺ら攻略組が正攻法でいって倒せねぇんだから、上手くやっても三割くらいはHP残っちまうだろ」
三割。きちんとしたレイドを組んでいくなら、残りそれだけのHPに対してこちらが万全という状況。間違いなく倒せる状況にあると思う。けれど……
「そんなに残るんじゃ、俺達二人だけで削りきるなんて無理だろ。POTローテの暇さえ無いぞ」
キリト君の言う通り、たった二人だけでやるんじゃ、それでもまだイーブンではない。
と、言うよりもだ。
「なんでそんなこと思いついてるならさっきあの場で言ってくれなかったのよ?」
そう、これだ。あの場でこの提案をハセヲさんがしてくれれば、事態は丸く収まったに違いない。
意地張って何とかなる問題でもないのに……
そう思いながらハセヲさんに言うと、なんか溜め息を吐かれた。ちょっとイラッとする。
「あの場で言っても誰も聞きやしねぇだろ。お前の意見に反対してたの俺とキリトだけだったからな。ビーター上がりのソロプレイヤー、一般的な考えとして、印象的に最悪な組み合わせだ」
「……私は聞いたわよ?」
「お前一人が納得したって周りの奴らが頷かねぇよ、普段からパーティーで行動しない奴の言うことになんかな」
それに、とハセヲさんは付け足す。
「あの面子全員でモンスター誘い出してみろ。量引っ張ってこれるのは良いが、逆に敵も味方も多過ぎて、全員が離脱してハイドしきる前に乱闘が始まっちまう。取り残された奴のことなんか考えるまでもねぇよ」
「少人数にしか出来ない作戦ってことか……それにしたってなぁ」
ハセヲさんの言うことも判るけど、キリト君が躊躇うのもよく判る。いくら少数、しかも《隠蔽》スキルの高い人でないとこなせないことではあるけど、立った二人だけというのはやはり無理難題だと思う。
「……これから戻って協力仰いでみるのは?」
「あんだけデカい口叩いちまったんだ。あの連中の中に協力してくれるような奴は一人もいねぇだろうよ」
「大口叩いたのは俺じゃなくてお前だけどな」
「……悪かったっての」
あ、ただ論理的な思考だけじゃなくて、感情的に意地張ってた部分もやっぱりあったんだ
気まずそうに謝るハセヲさんに、そんなことを思う。
でも現実問題、もう少し人数を増やさないことにはどうにもならない。
「《隠蔽》のスキル値が高い人だけならあのメンバー以外にも何人か心当たりは有るけど……なんと言うか」
「戦闘面で微妙な奴連れてくと、残ったHP刈り取るときに辛くないか?」
「そうだよね……」
どうしたものかと頭を捻る。理想としてはMMKだけでボスを斃してしまいたいけど、少人数による一回の誘い出しでそこまで大量のモンスターを誘い出せる訳もないだろうし、たとえ出来たとして離脱がより困難になってしまう。
一回じゃダメ……なら、何回かに分ければ……?
「ねぇ、複数回MMKを仕掛けるっていうのはどう?」
「……なるほどな」
「個別でモンスターを引っ張ってきて、ボス周辺のモンスターが全滅しかける度に増援を送ってくってことか!」
「そう、これを何度も、ボスのHPを全損させることは無理でも、最悪一割近くまで減らすことが出来れば……」
「あとは少人数でもなんとかなるってことだな」
ハセヲさんの言葉に頷いて見せる。
この作戦なら、それほどの無茶も無くこなすことが出来る。モンスターを誘導する回数が増えるからリスクは多少上がるけど、HPに余裕のあるボスにたった数人で突撃するよりは遥かにましだ。
「……でもさ、それにしたって二人はちょっと……」
「ハイドが高い人に心当たり有るって言ったでしょ? その人たち、基本的には
「何その逃げ専なステ振り……」
「ボスの偵察を率先して受け持ってくれるような人たちがいるの」
その人たちに協力を仰げば、この作戦は成功するだろう。二人でなんとかするという会議場での彼らとの口約は破ることにはなるだろうけど、この二人が風評を今更気にするとも思えなかった。
「俺達ソロとは基本縁のない人種だなそりゃ……まぁそいつらのおかげでボス攻略も、今回のことに関してもなんとかやれるんだけどよ」
「そうだな。それじゃ、その人たちの居場所教えてくれよ。後は俺達が直接回ってみるからさ」
「ああ、NPCを巻き込みたくねぇって言ったのは俺達だからな」
さっきまでの軽い雰囲気はどこへやら。二人は表情を会議場で発言していた時の様に引き締めると、揃って私に目を向けてきた。
まったく、この二人は一体何を言ってるんだろう
「それは何? 私は必要ないってこと?」
「いや別にそういう訳じゃないんだけど……」
「お前に迷惑かけるわけにもいかねぇだろ」
そう決まり悪そうに言う二人をジト目で睨んでやる。
本当にこの二人は何を言ってるんだろうか……!
「ここまで乗りかかった船なんだから、私も最後まで付き合うわよ。そもそも、このボス討伐における作戦指揮官は私なんですからね!」
未だ困惑気味な表情を浮かべる二人に、そう言いきってやるのだった。
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あの時の結果だけを言えば、作戦は見事成功した。
私が協力を仰いだ十人足らずほどのメンバーと共に事を運び、想像してしていたよりも遥かに上手くいったと言える。予想通り、二人だけではなかったことを聞きつけた人たちが二人を罵ったけど、これもまた予想通りそんなことを気にする二人でもなかった。
ちなみに、ハセヲさんが言っていた知り合いの馬鹿っていうのはクラインさんのことらしいと最近聞いた。
まぁ、それは置いておいてだ。
今の二人の顔は、あの時や、圏内事件の時の様に本当に真剣な表情をしてる。
こんな顔をしてる時の二人は、なんとなく頼りになる感じがするのだ。
そんな二人のおかげで、明日のラフコフ解体は、上手くいくような気がした。
――この時は。
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そして日付が変わってから数時間、俺達討伐隊はラフコフのアジトである、ダンジョンの安全地帯の間近まで辿り着いていた。
《聖竜連合》幹部による指揮の下、ここまでは順調に事が運んだ。いや、上手く行き過ぎているとすら言える。
「各員準備は良いか?」
リーダーがそう全員に確認をとる。
それに皆声を上げることなく頷くことで返答した。そして――
「行くぞ……3、2、1……突入っ!!」
その掛け声の下、一気に全員が安全地帯の大部屋へと流れ込んだ、が。
「……おい、どういうことだ……?」
「誰も……誰もいないぞ!」
突入した俺達の目に入ってきたのは人っ子一人いないただの洞窟の一か所。
皆が張り詰めていた緊張の糸が弛んでいくのを感じながら、俺は同時に何か嫌な感覚を持った。虫の知らせ、とでも言えばいいのだろうか。
何だ、この嫌な感じは……それよりも、この状況は……
そして、不意に怒声が響いたのは、そんなことを考えている時だった。
「テメェら、かかれ!」
声が発せられるのと同時、今まで姿を見せていなかったラフコフのメンバーが雄叫びを上げながら物陰から身を躍らせ俺達に襲いかかってきた。
チッ、どっかから情報が洩れていやがったか……!!
内心舌打ちしながらも臨戦態勢を即座に取る。
俺達の下にこのアジトの情報がリークされたのと同様に、俺達の作戦もどこかから漏洩していたのだろう。どれほど細心の注意を払おうとも、人の口に戸はたてられない。情報とは結局のところそういうものだ。
しかし、状況が悪すぎる。ほぼ全員の緊張が弛んだその一瞬の隙に、完璧なタイミングで奇襲を仕掛けられたせいで、完全に戦闘態勢へ移行できていない者も多くいる。
人間解けてしまった集中を再び紡ぎなおすには、大なり小なりそれなりの時間がいるものだ。急に、しかも思考が状況に追いついていない状態でそれをしろうというのは土台無理な話。それでも血に、狂気に飢えた獣達はそんなもの待ってはくれない。
完璧だと思われていた作戦は完全に台無しになり、俺たちの戦いは圧倒的に不利な状況で開始された。
「オラ!」
「チクショウ!」
「ブッ殺してやる!!」
「ハッハァ!」
「死ねェ!!」
「うわぁ!?」
「クソがァァァ!!」
阿鼻叫喚の地獄絵図、正しくそんな言葉が似合う状況と化した戦場。
負の感情で覆い尽くされた様々な咆哮がそこら中から聞こえてくる。
「ハァーセヲォォォ!!」
「チッ! らぁっ!!」
俺も周囲と違わぬ方向を上げながら、以前から因縁のあるジョニー・ブラックの攻撃を捌いている。
想定外の奇襲を受けるという最も最悪な状態から始まった戦闘は、ある種膠着状態に陥っている。
奇襲により大きくその体勢を崩された俺達討伐隊であったが、立て直すまでに俺が思ったほどの時間はかからなかった。
元々その大半を攻略組、しかも最前線のプレイヤーで構成された討伐隊だ。想定外の状況に対し冷静、且つ臨機応変な応対行動は、最前線の戦闘に求められる必須技能に他ならないからだ。
では何故、体制を立て直し、数も戦闘能力も俺達が勝っているのにも関わらず、膠着状態――ともすれば劣勢のままでいるのか。
理由はおそらくたった一つ。意識の違いだ。
俺達攻略組の中に
対してラフコフのメンバーは揃いも揃って全員が殺人者だ。
そこに大きな意識の違いが生まれてくる。
どれだけHPを削っても、ラフコフのメンバーは投降することなく、形振り構わず戦闘を続ける。俺と目下刃を合わせているジョニーもその一人だ。奇襲の段階から俺に襲いかかってきた奴のHPは既に半分どころか30%を切り、そろそろ四分の一になろうかというところまで追いつめてはいるが、その攻勢に陰りを見つけることは出来ず、むしろ一層激しさを増している。
「よう、どうした《死の恐怖》さんよォ!? 俺のHPは風前の灯って奴だぜェ!?」
「チッ……ハァッ!」
「おっと危ねェ! 何かキレが悪くなってねェか、オイ?」
会議の段階でもこうなった場合における対処も決定していた。HPの全損も止む無し。
しかし、それを実行に移すだけの覚悟を完全に持っている者は、俺を含めて、討伐組の中には誰一人いなかった。
「も、もう……もう嫌だぁ!!」
そんな中、死をモノともしない幽鬼のようなラフコフの気勢に恐怖したのか、仲間の一人が悲哀の声を上げながら剣を投げ捨てて、頭を抱えながら蹲ってしまった。
そんな機を、このギルドの――俺達とは違い、PKに対し何の抵抗もない――連中が、特に俺の目の前に男が、見逃すはずもなかった。
「ケケッ!」
「ぐっ……!」
恐慌状態に陥り蹲った男を横目で見て、気味の悪い嗤い声を発したジョニーは、俺の胴目掛けて蹴りを放ち距離をとると、すかさずその男の下へ駆けた。
「ケケッ、死ねよォ!」
「ひっ!?」
ジョニーの声に反応し、小さく悲鳴を上げるのも束の間、ジョニーは男の首に短剣を突き刺した。
「い、嫌だ……嫌だぁ……!!」
「イイねェ、最高だァ!」
涙を流しながら死を拒み、何かに縋るように手を虚空へと突き出した男は、ジョニーが歓喜の叫びと共に短剣を引き抜くと同時、その身体を消滅させた。
それが、この戦いにおける初めての死者が出た瞬間だった。
「テメェ……!!」
「よぉハセヲくぅん? オメェが俺にトドメを刺さなかった所為で、お仲間が死んだぜェ?」
「…………」
「イイねェ、そのカオ! オレはオメェのそんな顔が見たかったんだ!!」
「…………」
「おやぁ? だんまりかい、ハセヲくぅん?」
仲間の死によって、討伐隊には沈黙が、ラフコフのメンバーには喝采が起き、ジョニーが俺を嘲る中、双剣をきつく握りしめ、奥歯が割れんばかりに噛みしめる俺の脳中では、俺の悔恨とは別に、ある一つの声が響いていた。
俺はまた救えなかった
――あぁ、そうだな。テメェはまた救えなかった――
また、目の前で仲間を失った
――あーあ、これで何回目かねぇ?――
俺が、躊躇ったから……決意が、足りなかったから……
――あぁ、ぜーんぶテメェの所為だ――
もうこれ以上、仲間を失うのは御免だ……!
――その為に、どうすればいいか位判ってんだろ?――
ああ、判ってるさ……
――だったら、ヤルことは一つじゃねぇか?――
そうだ、だから……力を貸しやがれ!
――カカカ!! 始めからそうしろってんだよ!――
頭の中で響く“ヤツ”の声が途絶えた途端、俺の意識は戦場へと戻ってきた。いつの間に換装したのか、その手にはついこの間、あの謎のクエストにより手に入れた処刑鎌《モルスフォルミド》を持って。
「オイオイオイ、いきなり黙り込んだと思ったら、なんなんだよその馬鹿デカイ鎌はよォ、ハセヲォ!」
ジョニーの大声によって一瞬この場にいる敵味方問わず全員が動きを止め俺の方を見た。当然だろう。処刑鎌なんて武器カテゴリは存在していない。恐らく他者には持ちえない唯一無二、俺だけのスキル。ユニークスキルだ。
「ジョニー……」
「あぁ?」
ジョニーの問いかけを無視して、一方的に言いたい言葉だけを放つ。
「許せなんて言わねぇよ……コイツは、俺のエゴだ」
「あ? なに言ってんだよ、オメェはよゥ!?」
割り切ることなんて、出来やしねぇ……
「俺は――」
けど、目を背けちゃなんねぇんだ……
「テメェを――」
だから……!
「殺す……!!」
背負ってやるよ……!!
「テメェの殺した奴の命も……テメェの命もなぁ!!」
その罪全てを背負って、
――ハッ! 甘ちゃんだねぇ……ただ殺ることだけを愉しみゃイイものを――
なりを潜めた“ヤツ”の声が一瞬聞こえたが、それを無視してジョニーに向かって飛びかかり、処刑鎌を振り下ろす。
「訳判んねぇこと言ってんじゃねぇよ!!」
「うおおぉぉぉぉ!!」
ジョニーの持つ短剣と処刑鎌が衝突し火花が散るのも一瞬、俺は処刑鎌のソードスキルを発動させた。
「らあぁぁぁっ!!」
「んなっ!?」
ソードスキル《天月環》。その名の通り、天に浮かぶ満月を描くように、縦の斬撃から一転、鎌を逆回転させ石突で叩き上げる二段攻撃。しかし、これは単に斬撃と打撃の二連撃というだけではない。単純な攻撃力としては殆どブーストされていないためダメージは期待できない代わりに、たとえ一撃目の斬撃が防がれたとしても止まることなく二撃目がその防御を打ち砕き相手を数瞬の間スタンさせる、所謂崩しの技。そしてその特性上、スキル発動後の技後硬直は極々短い。
「クッ――」
「その
驚愕の表情を浮かべるジョニーを、俺自身目に、魂に焼き付けて――
「――死の、恐怖を……!!」
「――ソがぁぁぁ!!」
その首を刎ね飛ばした。
「―――――ケケッ」
消滅する寸前、断ち切られた首が発した呪詛と嗤いを背に、俺は次の目標へと駆け出した。
――――――――――――――――――――――――
討伐隊十一、ラフィン・コフィン二十二――これが、この討伐作戦におけるそれぞれの死者の数だ。
その内の二人は俺の剣によって、その身を散らせた。
ジョニー・ブラックによって初めの一人が殺され、討伐隊全員が浮足立った時、そのジョニーの愉悦が如実に滲んだ声によって全ての者が硬直した。
『オイオイオイ、いきなり黙り込んだと思ったら、なんなんだよその馬鹿デカイ鎌はよぉ、ハセヲォ!』
馬鹿デカイ鎌、そしてハセヲ。
これを聞いただけで状況を理解し得たのは、この場においては俺とアスナだけだったに違いない。
ほんの数週間前、あの奇妙なクエスト――問いかけをしていた白い少女や、戦っていた敵の赤い二刀流剣士について終わった後尋ねてみてもハセヲは碌に答えもしなかった――の報酬として、少女が姿を変えた処刑鎌を受け取ったのを見ていた俺達だけが。
まだリズと、二刀流の使い方を教えてもらうために、勝手は違うものの同じく二刀流を用いるハセヲくらいにしか話していない俺の《二刀流》スキル、そしてヒースクリフの《神聖剣》と同じユニークスキルである《処刑鎌》。身の丈以上の大きさを持つ、正しく死神の持つソレを連想させるモノ。それを明かすことの面倒さを判った上で、アイツは人前でそれを曝していた。
そして、その後一瞬にしてジョニーが命を散らされるまで二人の姿を横目で見ていた俺は、眼前の敵がジョニーの死の直後、俺に向けてその刃を振り下ろしているのにギリギリまで気付くことが出来なかった。
『クソッ! 死ね!! ブラックさんへの手向けだ!!』
『……!!』
『……あっ……』
咄嗟に、条件反射の様に動いた俺の剣は、迫りくる敵の身体を両断していた。
ラフコフ二人目の命を奪ったのは、俺だった。
その後は血みどろの殺し合いになったが、制圧しきるまでにはさほど時間が必要なかった。
討伐隊の面々も意を決してその手で対峙する敵を殺めたというのもあったが、それ以上に、危険に陥った仲間の下へ瞬時に駆けつけ、逆に敵の
多くの犠牲の下にラフコフ解散はなされたものの、その首領たるPoH、幹部の一人ザザの名は死傷者と捕縛者のリストの中には無く、主犯格三人の内仕留めたのはジョニー・ブラックただ一人だけだった。
そして、全てが終わった今。ハセヲとアスナの二人と共に、確認作業を行っていた広場から出て歩きながら、俺は自分が奪った命の、そしてその罪の重さから逃げ出すことしか考えることが出来なかった。
――仕方なかった、殺さなければ自分が死んでいた、奴らは死んでしかるべきだ、俺は悪くない――
自分を赦す言葉が頭の中で無数に浮かび上がるけれど、それが俺の心を癒してくれることは全くなく。
人をこの手で殺したという罪の意識に苛まれる中、ふと、鬼神の……否、死神の如き活躍を見せた俺のすぐ隣の男は、どう割り切っているのかと気になった。
それを聞けば、もしかすると俺自身の罪悪感も拭われるかもしれない、とも。
そう思ったら欲求を止めることは出来ず、俺はその疑問をハセヲに投げかけていた。
「なぁ、ハセヲ……」
「あ? どうした?」
「お前はさ……どうやって割り切ってるんだ?」
おずおずと切り出した俺に、ハセヲはいつもと変わらないような調子で返答する。
ハセヲが先の戦いで手にかけたのは実に七人。ラフコフ総被害の約三分一に相当する。
それでも俺の目から見て何かを思い悩んでいるような素振りを見せていないハセヲは、やはり何かで割り切っているんだと思った……けれど。
「……それは、今日俺達が殺した奴らのことか?」
「……ああ」
「……割り切ってなんかないねぇよ……割り切れるモンでもねぇ」
その答えは、俺の期待していたモノではなく。
「なら――」
どうしてそんな風で居られるのかと、いつもと変わらないでいられるのかと。
そんな風に苛立った俺の心を鎮めるようにハセヲは、ただ、と続けた。
「背負うって、決めたんだよ」
何を、とは聞けなかった。ハセヲの瞳に宿る意思を見て、息を呑んでしまったから。
ハセヲの言葉は続く。
「ジョニー・ブラック、セグラント、スティヘイム、カイン、シェグイン、ハスタ、コンクドール」
ハセヲが上げた七つの名前。それは――
「俺が、今日、この手で命を奪った奴らの名前だ。その罪を贖うことなんて簡単に出来はしない。だから、仮初の名前とは言え、そいつらの名前と顔を俺の心に刻みつける。刻みつけて、生きていく」
今はそれしか出来ないから、とハセヲは言った。
そんなハセヲの言葉を聞いて、俺は愕然としたんだ。
俺は、自分が殺した奴の名前すら知らず、その眼に焼き付いていた死の瞬間の恐怖に歪んだ顔でさえ、既に朧げなものとなっていたから。
「……強いな、お前は……」
自分でも気づかないうちに、俺の喉はそう音を震わせていた。
「強くなんてねぇよ。ただ、立ち止まらないってだけだ」
そう言って先を歩く男の背が、立ち止まってしまった俺には眩しいものに見えたんだ。
憧れたんだ、その心の在り方に、生き方に。
俺もこんな風に生きたいって、そう想ったんだ。
「……やっぱり強いよ、お前は」
既に見えなくなってしまった背中に、俺はそう呟くしか出来なかった。
―――――――――――――――――――――――――――――――
「……やっぱり強いよ、お前は」
ハセヲさんを見送ったキリト君がそう呟いた時、私はこのままじゃキリト君が壊れてしまうんじゃないかって、そう思った。
作戦が決行される前に感じた頼もしさはどこにもなく、ただただ年相応の少年が、私の目の前にいた。
憧れと羨望、そしてそれに追いつくことは出来ないと思ってしまったかのような絶望、さらに自分が犯した罪の重圧、そんな色んなものがない交ぜになった感情が、ハセヲさんの背を見つめるその瞳に宿っていた。
そして、私には、その絶望と罪悪感が目の前の少年を押しつぶしてしまうかのように見えたんだ。
「大丈夫……大丈夫だよ……」
気づけば私は、彼の手を両手で包み込みそう言っていた。
私には、彼らの罪を、そしてその重さを理解することは出来ない。
何故なら私は、自分の手を汚さなかったから。
私は彼らの罪を赦すことも出来ない。
私が倒さなくちゃいけなかった人はハセヲさんが、私を後ろから不意打ちしようとした人はキリト君が、代わりにその手を汚したから。
「大丈夫……君は、大丈夫だよ……君のおかげで、私は救われたから……」
でもだからこそ、私は彼を支えたかった。
彼が私を救ってくれたように、私も彼を救いたかった。
ハセヲさんの生き方に憧れたのは私も同じだから。
「ありがとう……キリト君……」
今はこんなことしか出来ないけど、いつか、私も彼を支えられるようになると、そう自分の心に誓いながら、日が落ちるまで私はキリト君に言葉をかけ続けた。
そうすることが、今の傷ついた彼を、その心を少しでも癒せることだと信じて。
この時を境に、私の周囲では二つの変化が起こった。
一つは、私が自分の感情に気付いたということ。まだまだその感情に素直になることは出来ないけれど、確かにその想いを認知はした。彼と、キリト君と共に在りたいという気持ちを。彼との距離も、少しずつだけれど、近くなっていった。
そしてもう一つ。その黒い鎧に白銀の髪という出立ち、処刑鎌という武器の凶悪さ、何より次々とラフコフを何の躊躇いも無いかのように屠っていった冷酷さから、ハセヲさんが《錬装士》とは別にもう一つの二つ名で呼ばれるようになっていった。
それはすなわち忌み名――――《死の恐怖》。
・デカイ。とにかくデカイ。しかも重い。大剣と同じくらいには重い。故に取り回しに注意が必要。下手に使うと味方まで巻き込む。
・ぶっちゃけ非常に扱いづらく、ソードスキル以外に普通に使うにはそれなりの……というかかなりの修練が必要。
・ユニークスキルとしての特殊効果として、対象のHPが四分の一以下、且つ対象が二足歩行型であった場合、対象の首を的確に切り落とすことで通常攻撃であっても防御力等を無視して一撃で残りのHPを全損させることが出来る。ジョニーを《天月環》後一撃で倒したのはこの能力のため。
・以上の能力から、一見かなり強そうに見えるが、当然の如くボスには効かないし、基本的に一対多用の武器なので、前述のとおり一対一における扱いには大変難があるためHPを減少させるまで漕ぎ着けるのが難しく、一対多の場合は首を狙って落とすのが困難なため、総合的に難易度の高い武器カテゴリだと言える。
・ちなみに名前の《モルスフォルミド》はラテン語Ver.《死の恐怖》です。安直すぎてすんません……
はい、という訳で9話でした。
今回は原作五巻で触れられているラフコフ討伐と十巻で出てきた五十六層のお話ですね。そして久々のキリト君&アスナさん視点です。そんでもってジョニーさんはここでご退場です。彼の原作のような活躍(?)は今後ありませんw
まぁ、つまりGGOの後はそういう方針で行くというわけですww
え? この小説のハセヲさんが妙に解説者的存在になってるし、エリアボスの倒し方に無理があるって?
そんなこと有る訳………………あったよ(汗)
だって他に喋らせられる感じの人あんまいないんですもん! 他に方法が考えつかなかったんだもん!(←嘘です。単なる技量不足の作者の戯言です)
それはさて置き、今回遅くなった言い訳を少々。
まず、厄介事から解消された憂さ晴らしのために大量にゲームを買い込みました。バイオ6とかドラゴンズドグマとか、マクロス30とか……ちなみにバイオとマクロスは一周終わらせた次第。これが理由その一。
そしてその二.実はこの9話、四日ほど前に出来上がってたんですよね……ただ諸事情によりアップが今日になってしまいました……アレルギー性鼻炎持ちは今年はヤバいですよホント。前年度比200%の花粉と黄砂とPM2.5のトリプルパンチですよ。一日寝込みましたよ(泣)
そんなこんなな9話でしたが、今回はここまで。変わらず誤字・脱字報告、感想、ご意見募集中なので、どうぞよろしく。
でわでわw