巻かなかった俺の話   作:fftghy

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とりあえず前編です

書いてる途中で、「あ、ホテルに宿泊するんだった」と思い出してホテルから2日目を書いてます



文字数が最近少なかったので、頑張ってちょっと増やしてみました
そのせいで読みにくかったり、誤字があったら報告下さい




どうぞ


第21話 雪華綺晶と旅行 前編

とある休日

 

愛人7号のお金をたっぷりと使い海外の水族館に行こうとしたが、言葉が分からないので断念し、国内の水族館に行くことにした(通訳付ければ良かったと後で後悔する)

 

雪華綺晶は初めての水族館にワクワクが隠せていない。目がキラキラしてる。天気予報を聞いて雨だと分かった時のしょんぼり感は愛玩動物を思わせたが、屋内だから大丈夫と伝えると安堵し、そのままはしゃいで疲れて寝てしまった

 

 

朝・7時30分

 

いつもよりかなり早い時間に起きた俺は、こんな早朝から起こしてくれやがった雪華綺晶に視線を向ける

 

「おはようございますわ、お父様」

 

めっちゃキラキラしてる

 

直視できない程キラキラしてらっしゃる

 

昨日は楽しみ過ぎてよく眠れなかった癖に、こんな朝早くに起きなくてもいいだろ

 

え、7時は早朝じゃない?いえ、早朝です。起きる人が早朝と言ったらその時間に起きる行為は早起きです

 

 

雪華綺晶は結局2時間しか寝てないんじゃないか?

 

俺は徹夜作業がないと基本的に夜10時には寝るようにしてる

 

つまり9時間ぐっすり快眠だった訳だ

 

雪華綺晶は人形だから睡眠時間は影響ないだろうから良いけど、これが紫陽花だったらまだ寝てる

 

と、いうより無理矢理寝かせる

 

紫陽花は特別です

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言えば、水族館とは言うが、ここ最近(10年くらい)水族館に行ったことがないぞ(作者も)

 

なのできっと出てくる動物は少ない事でしょう。ご了承下さい

 

 

何時から開園かもわかってなかった俺はネットで調べた。10時からです

 

えっとこの水族館は愛人7号の家から北に200キロと離れているから飛行機または新幹線で行こうかと思ったのだが、愛人7号が金を出すという事で・・・

 

 

 

「車でいくことになりました」

 

 

なんで車?理由は簡単だ

 

 

俺が好きだから。運転が

 

 

 

いままでの話で何となく感づいたかもしれないが、俺は車が好きだ

 

車というより、車を運転するのが好きなんだ

 

最近の趣味はGT観戦です。あくまで見るだけ、詳しいのは知らない

 

 

 

 

 

 

それは置いておいて

 

水族館に行く準備は昨日のうちに済ませておいた

 

車で行くことが決定したから、車内で食べるお菓子・飲み物。緊急時用の衛星無線機、ブルーシート、お弁当、サンドウィッチ、ハンバーガー・・・・等々

 

「いいなぁ~、ジュン君~。今度は私と一緒に行こうよ~」

 

「あぁいいぞ」

 

「約束だからね♪今回は車で行くんでしょ?事故には気を付けてね?」

 

「あぁ」

 

「もしもの為にヘリコプター飛ばすから」

 

「・・・・・最初からヘリコプターで行けばいいんじゃないの?」

 

「私と行くときはヘリコプターなの~」

 

「はいはい」

 

愛人7号が全て用意してくれたのだ

 

その代わり今度、デートする約束をしてしまった

 

 

 

 

 

デート多いな

 

今回は一泊してくるつまりだからホテルも取ってある

 

それは愛人7号でなく、愛人5号の所有するホテルだ

 

一番上がオススメですよ?と言われたが、地震とか来たら逃げにくいから1階にしてもらった

 

地下の有料貸切風呂を一晩貸し切ってくれたので、お礼は尽きない

 

 

 

 

 

デートの約束させられたけど・・・・・・・・・・・

 

 

一泊するといことで、着替えは自分で用意する。流石に愛人7号に全部用意させるわけにもいかないだろう

 

あ、用意してあった・・・・

 

 

 

 

 

以上が昨日の出来事だ

 

 

 

 

 

気を取り直して、車の準備は出来た

 

今回の車は4人乗りのスポーツカー、皆の羨望の的。ランボルギーニ・・・・の積もりだったんだけど、愛人5号に盗まれてもホテルは保障しませんよ?と言われて、日本製のGT-Rにしようと思ったけど、なんか悔しくて結局アヴェンタドールにした

 

後悔はしていない

 

「雪華綺晶、準備はいいか?」

 

「はい!」

 

あの雪華綺晶が声を上げて返事するなんて・・・・会ってまだ1週間経ってないから知らないけどな

 

麦わら帽子まで被るのか知らないが結構様に成っていて可愛らしい

 

雨だから必要ないけど

 

しかも移動は車だし、電車でもヘリでも帽子は要らないと思う

 

可愛いから良いか

 

俺がそんな馬鹿なことを考えている内に雪華綺晶は車に乗り終わったようだ

 

助手席で口にはしないがキラキラした視線を寄越してくる

 

玄関には愛人7号、蒼星石、冬薔薇、愛人7号の執事1人、メイド1人が見送りに来ている

 

紫陽花は例の如くまだ眠っている。紫陽花は燃費に不安が残るから仕方がない

 

身体をローゼンメイデンを模して作ったから、身体が出力に耐えられないのだろう

 

ここ最近、紫陽花の起床時間が遅れてきている。能力を行使していないこの状況でエネルギーの排出先が無いのが問題か・・・・・・それとも

 

 

 

冬薔薇の様に適応し、睡眠が必要ないのが普通なのだ

 

これは帰ってきたら一回、紫陽花と相談しないと・・・

 

「お父様?」

 

「ん?あぁ、すまん。ぼーっとしていた。もう行こう」

 

「分かりました」

 

「それじゃあ行ってくる。紫陽花のご機嫌取り頑張ってくれ」

 

昨日の夜は離れたくないと愚図っていたからな。説得したけど、寝たら忘れるかもしれない

 

「ヘリコプターで様子見るけど、気を付けてね。パトロールケーキ・・・・パトカーがいたらちゃんと無線に言うから」

 

愛人7号はなぜかパトカーをパトロールケーキと言いそうになってしまう癖がある・・・らしい

 

深くは聞かない

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「あぁ、頼んだぞ冬薔薇」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「分かってる」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「ほいほい」

 

「・・・・なんであれで会話が成立してるのよ」

 

「不思議な光景ですねぇ」←メイド1

 

「微笑ましい」←執事1

 

「ほら雪華綺晶ちゃんが待ってるよ」

 

おぉ、若干頬が膨れている。淑女らしく振舞おうとして逆に微笑ましい

 

あ、執事1の言っていたのはこっちかよ。ロリコンだな

 

「皆も気を付けろよ。行ってくる」

 

『いってらっしゃい~!』

 

 

 

 

 

200㎞なんて時速400㎞出せば1時間も掛からないのに・・・・・

 

タイヤがバーンするか、流石に

 

この国にもアウトバーンとかあればいいのに・・・・アウトバーンとは行かないけどシュネルシュトラーセでも可・・・・高速でいいや

 

高速を走っていると途中でお腹が減ったのでパーキングに寄ることにした

 

雪華綺晶は生まれて初めて自動車に乗った時の事を思い出しているのか、終始外に視線を向けていた

 

まるで子供みたいだ。とても数百年存在しているとは思えない

 

ウィンカーを出してレーンに入る。徐々に速度を落とし一時停止線で止まる

 

丁度空いている時間だったのか・・・・・・・平日だから人が少ない

 

建物の入り口付近に車を停めることが出来た

 

俺の(愛人が買った)車が珍しいのか、写真を撮ってもいいか尋ねられて、快く許可した

 

車の中は清潔に必要最低限の物しか載せていないから、中を撮られても問題ない

 

雪華綺晶と手をつなぎ、車に鍵をかける

 

歩き出して、周りがうるさいことに気が付いた

 

周りを見るが音が出ている場所がハッキリしない

 

―ブロロロロ

 

音が反響しているようだ・・・・上?

 

上空を見上げるとヘリコプターが飛び回っていた・・・・・3機ほど

 

あぁ、俺の関係者だった

 

なるべく視線をヘリに向けないように建物に入った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夏だから外は暑かったが、中はもっと暑いなぁ!!

 

え、なんでこんなに暑いの?普通冷房入れるでしょうよ!

 

張り紙してある。冷房は故障中?

 

これじゃあ外の方が涼しいな。もっと言えば車の中は天国だな

 

仕方ない。食べ物だけ買って車に戻るか

 

雪華綺晶は人形だから汗は掻かないだろう。それに気温も55度までだったら平気だったはず

 

俺は汗凄いけど

 

雪華綺晶は初めて来る場所なのにあたりをキョロキョロせずに俺の手を掴んだまま俺を見上げている

 

「お父様、お腹が減っているのでしょう?」

 

「あぁ、そうだったな。何か上手い物在るかな?」

 

「うふふふ」

 

雪華綺晶はご機嫌の様だな

 

今は俺の腹を埋めることを考えよう

 

ハンバーガーが食べたい。手軽だし、美味しいし

 

えっと・・・・・、愛人7号の愛妻弁当屋、愛人7号の愛妻弁当屋、愛人7号の愛妻弁当屋、愛人7号の愛妻弁当屋・・・・・おいマテ

 

アイツの仕業しか考えられない店の名前だ

 

まともな店名がない。全部一緒だろ

 

とりあえず入ってみよう。メニューは弁当だけ・・・・・・・・弁当下さい

 

これが無料だったらいいのに金取られるんだな・・

 

ここは地獄なので車に戻って天国に行こうと思う

 

自販機で飲み物を買って車に戻る

 

写真を撮っていた人たちは居なくなっていた。鍵を開け、エンジンを掛けてエアコンをガンガンつける

 

「あ~、これが天国かぁ~~」

 

本当に天国だわ~

 

さて、弁当とやらはどんなものか・・・・・普通に幕の内弁当かよ

 

期待した俺がバカみたいだ

 

でも雪華綺晶は初めて見たようで、食べたがっている

 

「食うか?」

 

「良いのでしょうか?」

 

「食べたいんだろう?上げるぞ。どれがいい」

 

「それでは・・・・これを」

 

指さされたのは焼き魚の切り身だった。メイン・・・・だと

 

「ほれ」

 

「ありがとうございますわ~」

 

そんな感じで小休止して、腹が膨れてパーキングを出て高速に戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい、着きました水族園

 

雪華綺晶なんて地図が読めないからあと少しで着くと教えるとソワソワが凄かった

 

10時ちょうどに駐車場に入った時なんて、お父様が連呼されてゲシュタルト崩壊しそうだった

 

入場券はあらかじめ愛人7号から渡されているから、券売場を無視して中に入った

 

やっぱり平日だから人は少ないようだ

 

それでも恋人連れや子供連れは存在していて少し安心した

 

こういう所って、少人数だとここに居ていいの?な状態になることがあるから人数が多いとそれだけで安心する

 

雪華綺晶が待ちきれない様子で小さな展示から見ていく

 

大きい展示は後に残して置きたいらしい。でも進路順序的には途中で見る事になるだろうけど

 

この水族館は流れがあって、最初はそれを順序に見ていくシステムらしい

 

その先にさらに展示物があって、それを各自自由に見回るらしい

 

パンフレットを見ると結構動物がいるようだ

 

期間限定展示もあるらしい

 

「この期間限定もみたいな」

 

「お父様も子供らしいです」

 

「男は何歳になっても心は少年のままなの。で、コレ見に行かないか?」

 

「ええ、お父様のお願いですもの」

 

お願いって、そこまで大げさな物じゃないのに・・・ただ見たいだけで

 

だってあの動物が見られるんだぞ?普通興奮するだろう?!

 

ヒグマだったら俺も興奮しない。別の意味で興奮するけど

 

でも、シロクマだったらどうだ?え、しない?俺はするからいいの!

 

「まぁ!これがペンギン・・・かわいい」

 

俺は雪華綺晶が可愛く見える・・・・

 

へぇ、貝まで展示するのか・・・近くの海で取れそうだもんな。ヒトデもいるな。足長っ!

 

「サンゴだけ展示とか・・・」

 

「うふふふふ」

 

そんな感じで館内を見回っていると

 

『お昼12時からアジ・サバ・サンマのショーを開催します!閲覧希望者は入場券を購入して下さい』

 

・・・・・・・・・・・・・え

 

アジ・サバ・サンマ?

 

・・・・・・・・・・・・・え

 

 

 

 

 

 

 

興味があったので、雪華綺晶と二人でショーを見る事にした

 

「「うわーーーーー・・・・・」」

 

それ以外の感想が言えないぐらいに規格外な風景だった

 

大群で宙を飛ぶアジ・サバ・サンマを見ればそう思う筈だ

 

3つの魚が1つの大群にまとまって宙に飛び、それぞれ枝分かれしていく。まるで大木が成長する過程を早送りで見せられている気分になった

 

 

 

 

 

・・・・・・・なにこれ

 

ショーを見終わった俺の純粋な感想である

 

 

 

 

「すごかったです、お父様!あんなに興奮した演劇があるなんて初めて知りましたわ!」

 

演劇じゃないけど・・・・よく調教できたな・・・無理だろう普通

 

「あ、お父様!あれ、お父様が言ってらしたシロクマの展示ではないでしょうか?」

 

雪華綺晶の言葉に我を思い出して指さす先に視線を移すと、確かにシロクマの展示ブースだった

 

期間限定で3日しかやってないとか・・・。もはや見せる気さえなさそうな期間限定だ

 

雪華綺晶に連れられる形で付いていく俺。ブースの中は他の客も結構いて、期間限定の力は凄いと改めて感じた

 

「いましたわ。アレがシロクマ・・・・」

 

普通のシロクマだった

 

さっきのショーが衝撃過ぎて、今更シロクマなんて・・・・と考えてしまうあたり、あのショーの衝撃は想定外にも程がある

 

気を取り直してシロクマを見る

 

氷?の上でじっとしているシロクマは、動かない

 

よし、他行こう

 

少し肌寒いし

 

シロクマのブースを出て、雪華綺晶に他にどこか行きたいところは無いか聞いてみるが、あとはイルカのショーだけらしい

 

しかも午後1時から始まり、人気もあるため整理券が必要らしい

 

そこは愛人7号パワーですでに入手済みで、空いた時間をどうしようか?

 

「それでしたら少し休憩にしたいです。疲れてしまいました・・」

 

そう言う事なら近くにベンチがある。そこに座ろう

 

「ふぅ~」

 

足の疲れが地面に逃げるようだ・・・

 

しばらく疲れを取っていると、雪華綺晶が話しかけてきた

 

「お父様」

 

「ん?」

 

「苺お姉さまの身体、まだ私が持っているのです」

 

「んー」

 

そう言えばどっかにやったままだったのを今思い出した。そうか雪華綺晶が保存していたのか

 

「それがどうした?」

 

「・・・・・・私が持っていてよろしいのでしょうか?」

 

「じゃあ俺がもらうわ」

 

「え・・・・」

 

「帰ったら言えよ」

 

「は、はい・・・」

 

子供に身体なんて持たせたら何に使うか分かった物じゃないからな

 

シリアスの雰囲気?え、そんな感じだったの?

 

「あ、始まる」

 

『間もなくイルカのショーを開催いたします。整理券をお持ちのお客様はショー窓口までお越しください』

 

「は、はい」

 

「ほら行くぞ」

 

今度は俺が雪華綺晶を連れていく形でショーが始まる会場に入場した

 

平日なのに結構人が居る

 

ここまでの人数が、どこにいたんだよ。満席じゃねぇか

 

立ったままでもいいか

 

「立ったままでもいいか?」

 

「は、はい!」

 

ションボリしてた顔が嘘のように目をキラキラさせてショーに見入っている

 

うむ、子供は元気が一番だ

 

 

 

 

 

 

 

以外に楽しかった水族館を出て駐車場に戻る

 

現在の時刻は4時で夏時間だが、ホテルのチェックインの時間を聞かなかったので5時まではホテルに着きたいので、もう出発することにした

 

「とても面白かったですわ!また来たいです」

 

「そうかそれは良かった。これから少し急いでホテルに行くぞ。何時までに着けばいいか聞き忘れたからな」

 

「お父様も楽しかったですか?」

 

「勿論」

 

「♪」

 

飲み物で喉を潤してホテルに向けて車を進めた

 




相変わらず雪華綺晶の言葉使いが安定しない・・・

あと、水族館なんてここ十余年行ってないので全て適当です。昔の記憶を思い出しながら書いた部分もあります


アジ・サバ・サンマは現実では無理でしょうが、二次創作なら可能と判断して書きました。後書きにそのエピソードでも乗せれば良かったのですが、名前だけ考えて中身は考えてなかったので書きません




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20210423一部改稿

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