鬼畜な独裁者の物語   作:おは

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集落殲滅

未知のジャングル 国境地帯

 

ジャングルをぬらすスコールが晴れた後コンキスタドールは達は92式装甲車を先頭に三日間駐留していたムサンド族の集落を後にした。

 

 

始まった、始まった。俺の始めてのいやトロピコ軍として始めての他国へ侵攻だ。将軍にとなったからには4、5人の分隊じゃなくて大軍を率いたいと思っていたがこんなことで率いるとは思っていなかったよ

 

「将軍、感慨ふけっているのもいいが、君の通信手が何か言いたそうだぞ」

 

シェナイターのしわがれたが声を聞いて、正気に戻ったアラノが通信手にたずねると

 

「閣下、大統領閣下が大統領親衛隊を連れてヘリでジャングルに向かったとの事です」

 

な...なんでこの間の悪いときにあの男は動くのだ、お前を護衛するために数が一人でも必要な侵攻隊から何人の人員を引き抜くはめになるのが分からないのか

 

憮然としているアラノを見ながら通信手は次の情報を伝えた

 

「大統領閣下を護衛する必要はないとのことです」

 

どうゆうことだ?リザードマンの軍勢を蹴散らすのが見るのが目的じゃなかったら。何のためにジャングルに向かったんだ。

 

 

未知のジャングル 上空

 

スコールのなかを一機のMi-24が爆音をとどろかせながら飛んでいた。兵員輸送のために設けられた兵員室にはトロピコ陸軍がうらやむほどの現代的装備をした大統領親衛隊と。きらびやかな勲章を右胸につけた豪華な軍服を身にまとったバルビエールが、特別に用意された香木の玉座に腰掛けていた。

 

まったく、蛆虫共がこの偉大かつ神聖な私がこの世界を救いにやってきたというのに、たかがそこらへんに生えている木ごときで石油の掘削の妨害をするとは...まぁ良い私は寛大だ。この私が連中の集落に光臨すれば連中も私の意向に従うだろう

 

「大統領閣下、まもなく目的地の村落です」

 

パイロットがそういってヘリの高度をだんだんと下げていった

 

「諸君、手筈どおりに行動してくれよ」

 

そう言うとバルビエールと大統領親衛隊は後部ハッチから村に降り立った。

 

「あなた様がバルビエール様ですか?」

 

なんだこの小娘は、この私に気軽に挨拶をするとなんて失礼なやつだ...よく見ると顔は良い様だ。もし、問題が平穏に解決できたら成長するのを待って私の妻の一人としておくか

 

「誰だお前は」

 

バルビエールのしわがれた声を聞いた少女は一瞬ビックとした後に

 

「私は族長の娘でぺナリナです。私の部族の言葉の意味では空といいますバルビエール様」

 

お前の名前の意味なぞ、どうでもいいことだ。私がわざわざこの貧相な場所に来たのは、お前達の部族が信じている木ごときのせいでせっかく発見した原油がほれないからだ。

 

「ぺナリナかいい名前だな。私は君のお父さんと大事な話をするためにここまでやってきたんだ。君のお父さんは何所にいるんだい?」

 

思いを知っていれば白々しいにもほどがある態度とって。バルビエールは少女に話し掛けるとそのことを知らない少女は満面の笑みでバルビエールの案内を始めた。

 

 

「ということはどうしても石油の掘削を許可しないということだな」

 

集落に作られた族長の家でバルビエールと族長は二時間以上に渡って御神木とされている木をめぐって話し合いを

続けていた。

 

「バルビエール様、何度も申しているようにあの木には特別な力を持っているのです。大いなる意思があの木お通じてこの地を守っているのです。ですからなにとぞお許しを」

 

気に入らない、気に入らない。お前達をリザードマンから救ったこの私に対する感謝の気持ちよりも、木ごときに感謝する気持ちが大きいこと。気に入らないお前達を救わなかった大いなる意思に対する信仰心が私に対する気持ちより大きいこと。お前達がその気なら私にも考えがあるのだよ。

 

「分かった、お前達の思いはこの私よく伝わった」

 

バルビエールは懐からコルトガバメントを引き抜くとすばやく族長と彼を護衛するものを撃ち殺し無線機を取り出すと

 

「諸君、交渉は失敗だ。手筈どおりこの村落にいる女子子供を含めて人間を撃ち殺せ」

 

と命令を下した。

 

命令を受けた大統領親衛隊はその悪名高さをこの地でも発揮した。懇願する妊婦の腹を切り裂きかろうじて生きていた胎児を突き殺し、弟を守ろうとした姉の目の前で弟を惨殺し絶望した姉も殺すという鬼畜の所業をしながら

バルビエールの命令を遂行していた。

 

「あ...アンタのせいでパパとママもみんなみんなみんなみんなッ!」

 

なんだ、この小うるさい奴は...あぁ、ぺナリナとかいうガキか死んでいないとは運がいいなぁ。、まぁその運もここまでだが。バルビエールはコルトガバメントを泣きじゃくるぺナリナに向け引き金を引いた。

 

 

「よくやった諸君、見事に当初の計画通りに事が進んだ。次はこいつらが崇めていた木を切り倒しに行くぞ」

 

バルビエールたちは村に火を放ったあと部族が崇めていた御神木に向かった。

 

木だ、木。ただ大きいだけでそこらに生えている木と何も変わらない。まったくこんな木ごときのために、寛大な私の申し出を蹴るとはおろかな連中だ。

 

果たしてそうでしょうか?バルビエール・アルマス。この世で最も醜い魂の持ち主

 

私の頭の中で語りかけているの誰だ?

 

あなたは答えを知っているはずですよ、バルビエール、あなたがこの世界に来たときに私はあなたに話し掛けましたから。

 

なら、なぜわたしのことを非難するのだ神よ、私はあなたのために忠実に職務を遂行してしているぞ。

 

あなたは、私に言ったことを曲解しています。私が言ったのは大災厄を防ぐためにこの世界のバランスを取るように言ったのです!このような虐殺をしろとは一言も言っておりませんよ!

 

バランスを取るためにはそれ相応の犠牲が必要なのだよ、この世界には蔓延っている亜人どもを駆逐し人類帝国を建設するためにはな。

 

わたしがおろかでした。あなたのような盲目な魂に世界の道理をおしえることをできると思っていたことを、覚悟してください。あなたの行いがその身に戻ってくることを

 

ふん、自分のことを信仰しているものたちを救わなかったやつが、くどくどと小ざかしい戯言を言う暇があったら

少しは救ったらどうだね。

 

なんだったんださっきのは。まぁ、考えたって私に分かるわけもないか。こうゆう事はシェナイターに任せるのが一番だ。

 

「諸君、この忌々しい木をさっさと切り倒せ」

 

バルビエールがそう命令すると大統領親衛隊はチェーンソーを使って木を切り倒した。

 

一仕事の終わりだ、こうゆう仕事が終わったときには珍味が食べたくなるな。せっかく別の世界に来たのだから地球では食べられなかったものにしよう。たとえばリザードマンのタマゴとかな。

 

 

一週間後 

 

リザードマン帝国 名前の分からない大都市

 

「タマゴだ、タマゴ。トカゲ共が持ち去る前に見つけ出すんだ。いいかぜったいタマゴを壊すなよ」

 

アラノは陥落させた都市の広場で装甲車の上に立ち部下達に卵を探すように命令を下していた。

 

 

アラノたちコンキスタドールはリザードマンの帝国に侵攻してからというもの破竹の勢いで進撃を繰り広げ、道中陥落させてきた都市から奴隷達を開放し。志願者で構成された総勢10万もの大軍をアラノは率いることになった。

ここまでは良かったものの、リザードマンの卵を取って来いというバルビエールの直接指令が自体を大きく変えた。リザードマン達は自分達の住処から逃げ出すときに一緒に卵を持っていってしまうために、人数が膨れ上がったコンキスタドールでは逃げるリザードマンに追いつくことは困難だった。よしんぼ追いつけてもリザードマンに恨みを持っている奴隷や原住民達はタマゴまで破壊してしまうのだ。

 

「将軍、そうあわてる必要もないだろう。このままわれわれが進撃していけば敵は逃げる先を失うのだからそこにたどり着けば大量のタマゴが見つかるぞ」

 

やしの木にストローさして旅行気分の男に言われて落ち着けるか!俺だってなそう思っているんだよ。ただあの野郎がタマゴをよこせ、タマゴをよこせと何でも何度も催促してくるんだ。最近はやつの側近のペヌルティーモまで出てきて忠誠心はあるのかという話題まで出して来るんだぞ。早く見つけたほうが俺の精神上いいじゃないか

 

「博士、あなたの方はどうなのですか、ずいぶんとくつろいでおられますが」

「将軍、私に事を襲ったあの力のなぞを追っているのだよ。ただ困ったことにサンプルが少なすぎるのだ。サンプルが見つかるまでしばらく休憩だ」

 

俺もタマゴさえ見つければ休憩できるのだがなぁ...んー?アレはまさかタマゴかそうだったらうれしいな

アラノが見つめていると一人の少年が、両手に二つの卵を抱えてアラノの装甲車にたどり着いた。

 

「これはリザードマンの卵か」

「はい、閣下」

「少年君の名前はなんだ」

「ムサンドです」

「ムサンドよくやった、私と一緒にいっぱいやろう」

 

ムサンドからタマゴを受け取ったアラノは頭を撫でながらそういった。

 


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