鬼畜な独裁者の物語   作:おは

5 / 11
投稿に時間がかかってすみませんでした。


血まみれ博士と将軍

アラノたちは、もう半年の間リザードマンの王国を見つけ出そうとジャングルの中をさまよい続けていた。

道中、リザードマンの襲撃隊を殲滅したりなどしながら、ジャングルに点在する各部族をトロピコ共和国に忠誠を

誓わせ、各部族から提供された兵士を道先案内人と工兵隊に振り分けながら、今日も日光すら遮るぐらいに生い茂ったジャングルの中をライトを点けながら先遣隊が作った道を進んでいた。

 

「将軍、ここら一体にある植物のサンプルを取りたいのだが車を止めてくれないか」

 

シェナイターが揺れる車内でアラノにそういゆうと

 

「博士何所だかよく分からない場所で、車を止めたらどうなるかわからないですか?」

 

アラノはシェナイターに一部の軍人が覚える民間人の無知さをバカにする思いを持ちながら

哀れみ含んだ声で言うと

 

「将軍、わたしのことをバカにするのも良いが、我々が何のためにジャングルの真っ只中に思い出してらいかがかね?」

 

シェナイターはこのような非難は当たり前のように手馴れた手つきで受け流すとアラノに笑みを浮かべて聞き返した。

 

「大統領閣下が命じられたのはリザードマンを過去のコンキスタドールごとく殲滅することだ、それ...」

 

アラノが内心の動揺を抑えながら言うと

 

「将軍、思い出してくれたようだね。そう調査だ」

 

シェナイターが満面の笑みを浮かべて言った

 

「いいだろう分かった。護衛はするが安全は保障できんぞ」

 

アラノはそういうと装甲車を運転していた止めるように命令すると後部ハッチを開いてジャングルに足を踏み入れた

 

頭上高く枝を伸ばしている木々や動物達の鳴き声が遠く聞こえる中、シェナイターが自分の周りに生えている

植物の枝や葉を切り取りながら

 

「どうやら退屈しているようだね将軍、退屈しのぎに一つ面白い話をしてあげよう。古来人間は身近にある植物を

病気を治すために利用してきた。近代医学発展によって一般人は科学的に薬を合成していると思っているが一例に過ぎない。そう実際にはいまだに半数以上の薬品の製造開発に植物がかかわっているのだ」

 

とシェナイターが口調を興奮させながら言うのを

 

俺は別に薬がどうできるなんてどうでもいいだよ。そんなことよりさっさと手を動かして草でも何でも引き抜いて

この危険な場所からさっさと安全な装甲車の中に戻りたいんだよ。

 

と思っているとアラノは周りの空気がおかしいことに気づき

 

「博士、伏せろ」

 

と言ったとき風の刃がシェナイターの腹部を大きく大きく切り裂き血と内臓を撒き散らした。

 

クソォ、だからいったんだ。と思いながらアラノは自分の部下に刃が来た方向に命令しながら自分もピストルを打ち始めた。

 

 

アラノたちがしばらく銃をうっていると小さなうめき声のような聞こえた。

 

「銃を撃つな、止めろ止めろ」

 

それを聞いたアラノが部下に銃撃をやめさせてうめき声が聞こえる場所に近づくとそこには腹部から血を流した

小柄な女性が倒れていた。

 

こいつ、まさかエルフなのかトカゲ野郎がいるんだからエルフもいておかしくないが...ああクソォあのやろう俺の忠告も聞かないでくたばりやがった。大統領は俺のことを許さないだろうな。一人の将軍とやつの高寿命に関係ありそうな男どっちが重要なんて分かりきってるもんな、もしここが別の世界じゃなかったら家族を連れてアメリカに亡命しているのに...

 

とアラノが考え込んでいると

 

「将軍、我々は大物を見つけたようだね。これからどれほどの情報を引き出せるかと思うと、今に気絶してしまいそうだ」

 

それを聞いたアラノが振り返ると恐怖と驚きのあまり体が大きく震えるのを感じた。そこにいたのは腹部にパックリと大きく割れた傷口に、周りの細胞がまるで粘菌のように蠢きまわるという冒涜的な光景だった。

 

「何を震えているんだね将軍、この体は私の絶え間ない実験の結晶なのだよ、この体を作り上げるために

以下にさまざまな苦難を乗り越えてきたか...」

 

シェナイターは自分の世界に入り込み実験の苦難をクドクドとしゃべり始めた。

 

「大いなる意思に背くバケモノめ」

 

エルフの女性が息も絶え絶えに言うと

 

「将軍、どうやら震えは収まったようだね。では、さっそく君と君の部下達の手助けを頼もう。私の鞄をとってきてくれ」

 

シェナイターは悪魔のような笑みを浮かべながらアラノ言った。

 

 

トロピコ 大統領宮殿

 

バルビエールは彼専用に作られた宝石と金銀でできた玉座に腰掛けながら、漁獲高についての漁業担当者の報告を聞き終えると

農業担当者が報告をし始めた

 

「大統領閣下、旅行者の積極的活用によって私の部署のほうも当初の目標を上回る食糧供給を確保できる予定です

 

と農業担当者はバルビエールに言った。

 

農業担当者が行なった旅行者の積極的活用とは、トロピコ島内の旅行者達を軍と警察を使って強制的に集めると

年零例別関係なしに重労働を科し、食料をまともに配分しないという。悪魔のような所業をやったのだ。

当然の結果としてここ半年間で旅行者達は全員過労死か餓死したが、この問題のはまったく問題にならなかった。それは口減らし兼潜在的反政府住人の抹殺という結果としかバルビエールに捉えられたからだ。

 

「さて、次の議題だ。俺の国は新たな住民達の移住で資源を消費する速度が加速度的に早まった。

特に石油の消費が激しいこのままだと一年以内に枯渇する。そこでここ集まった者たちで

石油の規制、油田の探索、代替燃料の開発のいい案を考えてきてもらいたい。期限は一週間後だ。

バルビエールはそういって会議を終了した。

 

未知の大地ジャングル

 

「将軍、なかなかの才能に恵まれているね。大抵のやつは君の部下達のように怒り狂ったり、涙を流して謝ったり

したりするだが」

 

とシェナイターは血に染まった白衣とゴム手袋をひらひらさせながら白い歯を見せながら言った。

 

悲鳴を天空の音楽だといって聞き惚れている狂人に褒められても嬉しくもなんともないぞ、畜生ッ!なんで

人の皮を被った悪魔と一緒に行動しなくちゃいけないんだ。

 

とアラノはシェナイターによって規則正しく並べられた元はエルフの女性だった骨と肉と内臓を見ながら

深く深く思った。

 

「ところで将軍、彼女は何所から来たのか分かるかね?」

 

とシェナイターはアラノに尋ねた。

 

「さぁ、わたしも分かりませんね。唯一ついえることはあなたのことを傷つけた何かは、わが軍に障害になること

だけです」

 

とアラノが言うと

 

「将軍、その何かを探るのが私の使命なのだ。」

 

とシェナイターは心臓を解剖しながら答えた。

 

 

アラノたちはシェナイターの解剖が終わると装甲車に乗り込んだ。すると待機していた通信手が

 

「将軍、先遣隊からリザードマンの帝国の領域との境界に入ったとの報告が入りました」

 

ついにここまで来たか、リザードマン達の強さはこれまでの戦いで大体わかった。あいつらは近接戦はあいつらのほうが強いが、俺達の武器は銃だ問題にはならない。唯一の不安要素はエルフがどれぐらいの強さかわからないことだ。一応銃で傷つけられたからそこまでの脅威ではないはずだ、そう思おう。

 

と思いながらアラノは通信手に

 

「道先案内人に近隣に集落かあるかを尋ねるんだ、もし集落があればそこに、なければここに全部隊を集めろ

リザードマンの王国に行く前に全軍に対して演説を行ないたい」

 

リザードマンの帝国との国境に近い集落にすむムサンド族はリザードマンに毎年5人の若い子供を差し出して

かろうじて生き延びてきた。しかしそれに納得していないものも多くいるの事実だった。

 

レナ、レナ、レナ。ああ、何で僕じゃなくて君が連れ去られたいったんだ。父さんも父さんだ

レナが孤児だからって何でリザードマンにわたしたんだ。

 

と恋心を抱いていた少女をリザードマンに連れ去られたソドルド・ドンド少年もその一人だった

 

うん?木々が動いている。まさかリザードマンがまたやってきたのか、レナだけじゃなくてほかの誰かも

さらっていくのか

 

と思ったソドルドが弓矢を手に取ると、おかしな格好をしたもの達とそれに従うさまざまな色とりどりの装飾をした部族たちがやってきた。

 

アラノはもはや見慣れた混乱した村人達の顔を見ながら集まった兵士と村人に対して演説を始めた。

 

「兵士諸君、ここに集まった君達の中には私の顔を知らないものやともに戦う戦友たちの顔ことも知らなかったものもたくさんいることは知っている。ただ目的は一つだ!我々コンキスタドールは三日後リザードマン度ものねぐらえと侵攻して奪われたもの取り戻すのだ」

 

アラノが演説を終えると原住民兵から歓喜と一部の村人からの声援がとどろいた。そしてその声援を送ったものにはソルドルも含まれていた。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。